ー2021年ー

2021年

12月

25日

工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました

20年以上前から、本社事務所の玄関とトイレの掃除は私の担当です。

玄関とトイレは風水上、とても重要な場所です。

玄関は会社の顔ですし、トイレは会社の真の姿が最も出る場所だと思います。けれども皆が最も掃除したくない場所でもあります。

皆がやりたくない事を先頭に立ち、やって見せるのが中小企業の経営者だと私は考えていますので、そんなわけで長年に渡り本社事務所の玄関とトイレ掃除の担当をしています。

 

今回、事務所のトイレの他に、工場のトイレ(男女2か所)の徹底的な掃除をやろう!と決めました。

普段は、工場のトイレまで私が進出して行って掃除をすると皆が気疲れしてしまうので、任せています。

8年前に改装したので、それ以来の私の出番です。

皆、毎日掃除をしてくれていますが、就業時間内の限られた時間の中での掃除ということもあり、また経年の劣化もあり、便器も壁も全体的になんとなく薄汚れた印象です。

徹底的に完璧に綺麗にするには数時間の掃除ではムリと判断し、主に毎週土日の電話が少ない時間を見繕い、10月から12月まで約2か月間かけて私1人で、新築のトイレと同レベルまでピカピカに掃除しました。

便器の蓋はペーパーやすりをかけて塗り直し、ホーローは磨き、アルミサッシは外して塗り直し、トイレの外壁も内壁もペンキで塗り直しました。天井も塗り直しました。

落ちて来たペンキをかぶってしまい、髪についたペンキが取れず急遽散髪屋に行くはめになりました。

トイレの床のタイル掃除が最も大変で、漂白剤をかけて1日置き、その後に洗剤をかけてデッキブラシで擦ったのですが、なかなか長年の汚れが落ちず、力を込めて擦ったブラシの柄の端で手のひらに血豆が出来ました。

 

私がトイレ掃除をしていると、工場の従業員たちが代わる代わるやって来て、「社長、申し訳ない」と言うのです。

私は「皆はちゃんと掃除してくれてるよ。普通の掃除ではもう綺麗にならなくなったところをやってる」と答え、次のような話をしました。

「昔の映画館が廃れて行ったのはトイレが汚かったから。トイレを綺麗にすることによって映画館は息を吹きかえした。

お客さんに気持ち良くトイレを使ってもらうようになったら、映画館に人が来るようになった。

俺も同じ。職場のトイレが綺麗なら、働いてる人も気持ちが良い。

皆がこの会社を選んで働きに来てくれてることに、経営者として感謝してる。

皆、気を使うなよ。大企業じゃないから出来ることが限られてるけど、皆に少しでも気持ち良い環境で働いてもらいたいからやってるだけや」

そう伝えました。

その思いで、100枚近くあるガラスも私1人で、透明と間違ってぶつかってしまうほどピカピカに磨きました。鉄の扉は事業部長と2人で塗り直しました。

この2か月は時間を見つけると、ひたすら掃除をしていたので、塗っても塗っても色が付かないペンキの悪夢を見て寝汗を搔きました・・・本当です。

 

人は綺麗なところは掃除するのです。でも普通の掃除では落ちなくなった汚れは仕方ないものとして掃除しなくなります。そのうち誰かが何とかするだろう・・・と思って、どんどん落とすのが難しい汚れとなっていきます。ますます誰も手を付けなくなります。

もうそうなったらリセットするのは経営者しかないでしょう。

業者に頼んだら簡単に済みますが、中小企業はそこまで経費を掛けられませんし、皆の意識改革も狙っていたので、今回は私自身が徹底的に掃除しました。

汚れが一旦リセットされたので、工場の皆も今まで以上に熱心に掃除をしてくれているようです。「社長ひとりにさせられんよ」と言ってくれました。

 

大企業のように掃除専門の人を雇うことは出来ませんが、けれども当社は非管理職やパートの方たちだけが掃除するのではなく、管理職も社長も皆、全員が同じように掃除の順番が回ってきます。

ドブ掃除も長靴を履いて私もドブの中に入ります。

口先だけで「掃除しろ」と言われたら嫌だけど、社長がそれだけやってるんだから仕方ないわ!と皆も思ってくれていると感じます。

 

本年もたいへんお世話になり誠に有難うございました。心より深謝申し上げます。

このブログで本年最後のブログを〆させていただきます。 来る令和4年も皆様方のご多幸をお祈り申し上げると共に変わりませぬご厚情の程、お願い申し上げる次第であります。

2021年

11月

21日

ポストコロナの経営を考える

先般、国際規格ISO14001環境マネジメントシステムのサーベイランス審査(維持審査)がありました。

その中で、審査員の方より「ポストコロナにおける経営戦略と地球環境への配慮」についてインタビューを受けました。

今回のブログはそのインタビューで私が述べさせていただいたことや、現在考えていることなどを綴ってみようと思います。

 

<たえず見直し>

ポストコロナ時代の中小企業経営についてですが、企業をコロナ前の元の状態に戻すのではなく、新しい企業に作り変えて行ことう考えています。

2013年のブログ>>に「第二の座右の銘は、たえず見直し」と書いたように、日頃より「たえず見直し」は行っていますが、このコロナによる社会環境の変化は、「見直し」を最大値で行える絶好のタイミングだと思っています。

ちなみに会社HPにも掲載していますが、当社の「経営の基本方針>>」の1つが「聖域を設ける事無く、何事に対してもたえず見直しを行い、変わり続ける経営環境の変化に柔軟に対応します」です。

 

<まずは身近な小さいところから見直し>

小さな話になりますが、「数百円程度の小さな経費の削減でも、それを50ヵ所も100ヵ所も出来たら大きな改善になるから」と各事業部長へも見直しをお願いしました。

光熱費等の契約の見直し、備品の仕入れ先やリース契約の見直し、不良在庫やデッドスペースの整理など、小さいことからコツコツたえず見直しを行っています。

また、収益を改善させるには「土台づくり」が大切だと考え、ビジネスプロセス(業務手順・役割分担・業務ルール)のマネジメントを強化して行きたいと考えています。

 

<今ある資源を活用しながら変化する>

「新しい企業に作り変えて行く」と上記で申しましたが、中小企業は経営規模や予算面から考えて、大改革は出来ません。

今ある資源を活用して新しい商品を開発する、もしくは既存の商品でも売り方を変えるなどの戦略を取る方が、新たに製品や市場を開発するよりも低コストかつ低リスクで行うことが可能だと考えて日々思考しています。

過去に当社が行ったことを幾つか挙げてみます。

・女性のファッションの流行が変化し「肩パット」が売れなくなった。そこで肩パットの原料を使い「アイロン台の芯」にして販売。

・毛布の「製造」にクリーニングや真空パックなどの「サービス」の付加価値をつけた。

・災害備蓄用毛布で使用していた真空パックの機械を活用し、災害備蓄用の衛生用品(生理用品・おむつ)を販売。

 

<賛否両論の「選択と集中」>

長年唱えられ続け、賛否両論の「選択と集中」ですが、

自社の事業や商品について、フレームワークなどを活用しながら絞り込み、成長が見込める事業や商品には「身の丈を超えない範囲」で集中的に投資を行う戦略も行っています。

また当社の取扱商品の中には市場が縮小に向かっているものもありますので、そこに関しては自社の経営資源を活用できる周辺領域へ、無理のない範囲で投資軸を変えながら少しずつ業態転換を図っていきたいと考えています。

しかし選択と集中と言いましても、成長性や収益性やシェア率だけで取捨選択をしてしまうと、後で後悔することにもなりかねないです。

例えば取扱商品でもあるウール毛布ですが、一時は市場が縮小し、取扱をやめた同業他社が続出しました。その結果、細々と続けていた当社のシェアが拡大するなど、そういった事例も経験すると、選択と集中の難しさやリスクも感じます。

細々とでも取引を続けていれば「こんなの作れます?」「こんな商品あります?」など、仕事の提案や情報なども新たに入って来るので、お取引先との関係が切れてしまわないように慎重に精査する必要があると感じます。

 

<ストックビジネス&フロービジネス>

当社の現在の状況は、ストックビジネスでの売上が1割程度、フロービジネスでの売上が9割程度です。ストックビジネスについては当社シニア事業部の高齢者住宅事業や介護サービス事業等です。

泉南市という私が生まれ育った場所で地元に貢献出来るシニア事業に進出したいという思いの方が先で、2つのビジネスモデルの違いを意識していた訳ではありません。

しかし、後で気がついたらそれはストックビジネスの方に分類されるもので、フロービジネスとは違ってコロナ禍のような変化が激しい時にも外的要因を受けにくいモデルになっていることを改めて感じました。

製造業であっても販売後のサービスでストックビジネスを実現することは出来るのではないかと模索しています。

 

<デジタル化→DX化>

「デジタル化」と「DX化」が違う意味を持つ言葉だったとは最近知りました。正直言いまして苦手分野です。

ただアナログ→デジタル化→DX化は不可逆的に進んで行くでしょうし、生まれたときからインターネットが身近にある世代、「デジタルネイティブ」(※おおむね1990年以降に生まれた人)は今後増えて行く一方なのに対し、アナログ人間は減って行く一方です。

そう考えるとデジタル化に取り組まなければ、ビジネスの土俵に上がることも出来ない時代はそう遠くないうちに来そうです。

ただ、どんな時代になろうとも、お客様やお取引先と直接お会いして人間関係を深めることはやはり大切で、訪問や来社に関しては、デジタルとリアルの最適な配分を模索して行かなければならないと考えています。

 

<環境問題への取り組み>

CO2排出量削減のための太陽光発電の導入や、化学物質等の環境負荷低減のために次亜塩素酸水を使用したクリーニングの導入などを行っています。(その他の取り組みは、当社HP>>の「環境」の項目をご参照ください)

ISO14001やESGやSDGsが広く知られるようになり、ますます企業の環境問題への取組は重要視される時代になってきました。

利益のみを追求する資本主義経済を絶対視する価値観から抜け出し、「持続可能な未来の実現」に貢献する企業でなければ企業価値やその存在自体が危うくなり、逆に事業として社会課題の解決を目指す企業には、資金も消費者も集まる構造に変化してきています。

事実、当社ではESGやSDGsへの取組を開始して以降、到底、大阪の片田舎の中小企業では、お声がかかるはずもない所から声をかけて頂いており、社会が求めているものを知りそれに応えて行くことや、社会の潮流に乗って行くことの大切さを肌で感じています。

 

<歴史の教科書に載るような変化の時代>

数十年後の未来から「今」を振り返った時、ペストの流行により世界の中心が神から人間に替わったルネサンスや、18世紀の産業革命と同列に語られるほど、歴史の教科書に載るような大きな変化の時代の中に今私たちは居ると仰っている方がいました。

私もそう感じます。大変な時代です。30年経営者をやっていても、その経験値が通用しないようなことも多々あり、そのような中で日々、意思決定して行かなければなりません。

そのようなザマですが、レスポンスよく様々な経営戦略の試行錯誤を繰り返し、たえず見直しながら、時代に合った新しい企業に作り変えて行く所存です。

<お知らせ>

令和3年11月16日(火)に開催された泉南市商工会主催・泉南市後援の「優良勤続従業員表彰式」において、当社の社員2名が表彰され、賞状と記念品を頂きました。

くわしくはコチラ>>

2021年

10月

23日

還暦のマインドセット

私は、まもなく還暦(満60歳の誕生日)を迎えます。

先日、地元の商工会シニアクラブ(敬老)から入会の案内状が届きました。

早速、内容を確認しましたところ満60歳から入会できる、地区と商工会の合同親睦会でした。

このシニアクラブへの入会について内心を語ると、

体力の衰えを感じ始めた5年前頃より、自分の老いを受け入れる気持ちと拒絶する気持ちがせめぎ合っており、今現在は、老いを受け入れる気持ちが49%、拒絶する気持ちが51%というところの為、まだ自分を「シニア」というカテゴリーの中に置きたくなく、地元の情報収集には良さそうだと思いながらも、今回はお断りさせて頂くことにしました。

 

さて私は製造業、サービス業、シニア事業等をさせていただいている関係で、様々な立場や年齢層の方と交流させていただく機会が多いです。

まず厄年を迎えた40歳くらいの方(外注工場の2代目・3代目社長等)が発言される言葉でよくあるのが、「もうこんな歳になってしまった。ついに初老です。」「30代の時は夜更かししても平気だったのに、近頃は体に堪えて、次の日に休むほどではないが朝起きるのと仕事がつらい。」など、自分の老いを覚え始めた戸惑いの声です。

そしてよく質問されるのが、「厄年の時に何か悪いことが起こりませんでしたか?」等です。

私は迷わず、「痔の手術したぐらい。当時、体力の衰えもあまり感じなかったし、気にすることはないと思う」と答えています。

 

次に50歳くらいの方(某銀行の支店長等)ですが、「最近は体力が落ちて疲れが翌日の朝になっても全く回復していません。そのうえ回復には2~3日かかります。」「体力にもう自信がありません。高齢者の仲間入りですわ!?もう駄目です。」など、自分の老いを嘆く声をよく耳にします。

私は50歳から通い出した人間ドックの話をさせてもらい、個人差はあるので一概には言えないけれど・・・と注釈をつけながらも、人間ドックの受診を勧めるようにしています。

ずばり言わせていただくと、私から見て40歳、50歳の方はまだまだ若々しく映り「老いを嘆くには早すぎる!」と思ってしまいます。

 

そして私と同じ還暦くらいの方ですが、皆さんが一様に「定年退職」についての不安や退職後の夢を語り始めることが多いように思います。

社会に出た日から40年近く背負って来た重い荷物を降ろせる日がいよいよ間近に迫り、解放される喜びや安堵や充足感が表情に表れている同年代を羨ましく思いながら、

私は「元気な内は嘱託や、たとえアルバイトでも働けるだけ働いて、そろそろ時間的にも余裕が生まれてくると思うので、今まで後回しにしてきたやりたいことも健康に留意しながら無理せずに同時進行でやればいいのでは!?」などと話しています。

 

さてここからは私より年長者の方々のお話になりますが、

70歳くらいの方に(商工会の顧問等)ですが、私が「次の誕生日が来たら還暦になります」「40年近く働かせていただいて来ましたが、あと何年、元気に働かせていただけるだろう!?」などと話すと、

「今の長寿社会で、還暦ぐらいの年齢で高齢者入りみたいな顔するなよ!!」「まだまだ今からやろ!」とズバッと切られ、一笑に付されます。

 

それが80歳くらいの方(地元の同業者長老等)になりますと、「80歳を過ぎて初めて周りの知古の方々がだんだんと亡くなり、居なくなってきたことに気付いて、初めて老いを受け入れるようになった。」「いずれはまあそうなるだろうけど、あんたは後、20年くらいはまだ大丈夫!」「立花君はまだまだ頑張れますよ!」と仰っていただき励まされます。

 

そして最後に90歳くらいの方(当サ高住の入居者の方等)は、「最近よく思うが、80歳代は100歳まで生きたいと思っていたが、結局人間はなぁ、自然に老いて死ねるまで、運命に逆らわず生きればいいと思う!」と深い重みのある言葉を賜りました。

 

このように様々な年齢層の方との交流の中から、まもなく還暦を迎えるにあたって、私が今思うことは、

身体という魂の器は、自然の摂理で年々老いて行くだろうが、それを悲観したり投げやりになってはいけない。自分の老いと折り合いを付けながら、昔のようには出来なくなった自分も受け入る。しかし老いに対して決して完全無抵抗の受け身にならず、自分で自分を諦めない。

少しでも健康に長生きが出来るよう、人間ドックに行ったり、運動したり、食事に気をつけたり、無理の無い範囲で生きている限り努力を続ける。

 

魂の老化は自分次第。

意識して人生を楽しむ。行動力とレスポンスの速さは私の強み。それを失わない。

新しいものに好奇心を持ち、アンテナを立てて世の中の潮流に敏感でありたい。

世の中の常識や価値観は早いスピードで変化して行っていることを心にとめ、学び続け、自分の認識を時代に合わせて修正して行く。

吉田松陰は牢獄の中でも、死刑が決まった後でも、勉強を続けたそうです。

そんな松陰を見て、何十年も入獄されて自暴自棄になっていた罪人たち、果ては看守までも、松陰と勉強会をするようになったそう。

 

最近知った言葉。

「アンラーニング」

環境変化の激しい現代社会に適応するために、自分の知識や価値観は既に時代に合わない古いものなのかもしれないと疑い、意識的に棄て去り、新たに学び直すこと。

学習(ラーニング)と学習棄却(アンラーニング)という、2種類のプロセスのサイクルをたえず回していくことが不可欠。

 

2021年

9月

18日

人間ドック10年目

10年前の50歳になった年に、知人に紹介していただき、会員制の健康管理クラブに入会しました。

そこの人間ドックではPET検査やCT・MRI検査をはじめとして、体の隅々までの精密検査が年に1回あります(検査項目が多いため、2週間の間隔を開けて検査日が2回)。

その半年後にはもう少し簡易的な内容の中間検査があり、その2回の検査の間にも郵送キットでの尿検査やストレスチェックが定期的にあります。

 

10年前、初めて人間ドックへ向かう朝、

それまではこの規模の検査をした事も無かったし、風邪ぐらいしか病気の経験がなかったので、「今日、もしかしたら大きな病気が見つかるかもしれない!?」と急に不安に襲われ、「恐いから行きたくない…」と弱気になってしまいました。

しかし「経営者たる者、死ぬにしても段取りと責任がある!」と気持ちを入れ替えて初日を迎えたことが思い出されます。

 

先日、10年目の人間ドックを受けて来ました。もう慣れたものです。

5~6年位前からある良性の7ミリ程度の胆のうのポリープや、ギリギリ検知できるサイズの腎臓結石や、ストレス性の突発的な高血糖、胃粘膜の糜爛の繰り返しは、今年も変わらずありました。

しかし生来の野菜好きのせいか、コレステロールや血圧が平均より低く、半年前から続けているストレッチの影響か骨密度も「40代後半」で、こと動脈硬化指数に依る血管年齢は今回の受診では「40代半ば」でした。(ただし、あと5キロ痩せなさいとご助言を頂いています笑)

今年も無事に人間ドックが終わり、ホッとしています。

 

ところで毎回そうなのですが、私が人間ドックのために休暇を取っていたことが知り合いの方々に伝わると、「どこか悪いのですか!?」「何か心配事があるのですか!?」とか質問を受けます。そして「若いころに柔道で鍛えているから心配ないでしょう!?」などと仰ってくださいます。

確かに私自身、40代後半くらいまでは「自分だけは永遠に病気に罹ることはない、死ぬはずがない!」くらいの気持ちがあったことも事実でした。

しかし考えてみれば、私の母は闘病の末、37歳で早逝しています。また知人や古くからの友人が、40代後半頃から大病を患ったこと、またその結果、鬼籍に入られた方も少なからずおられることがきっかけとなり、人間ドックに通うようになりました。

 

生きている限りは加齢に勝てないとしても、ベストな健康でいたい。

そして常日頃より自分自身の健康状態を知ることが、予防の観点からリスクマネジメントになりますし、もし何らかの病気が発見されても早期発見・早期治療で、寿命を迎えて自分自身の時間が永遠に止まるまで、健康状態をできる限りベストに保つことで、私に関わる全ての人たちに対して、私の立場の責任を全うできると思うのです。

 

まず「健康であることがすべての始まりである」と言っても過言ではなく、健康があってこそ未来に向かって意欲が湧き、様々な発想や閃きが生まれたり、諸課題に対しても建設的になれたりするのだろうと思います。

この歳になってまで強靭な体力までとは考えませんが、健康に留意しながら、特にこれからも新型コロナウイルス感染症に気を付けながら、精進を重ねていきたいと思います。

 

■関連記事:※定年・終活>> ※健康という責任>> ※経営者に終わりは無い>>

 

2021年

8月

09日

祝・講道館柔道のサムライ大野将平選手

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、コロナワクチンの接種が進むものの未だに収束の目途も立ちかねている中、様々な困難や問題を抱えながらも、史上初の1年延期となった東京オリンピックが8月8日に無事閉幕しました。

まず、東京オリンピック開催に係わり、ご尽力されました全ての方に心より敬意を表します。

 

今大会、日本は過去最多のメダルラッシュでした。柔道も過去最多の金メダル9個、総メダル数12個という素晴らしい成績を収めました。

特に大野将平選手が成し遂げたオリンピック2連覇金メダル獲得の偉業は、天理柔道会のOBとして大変嬉しく、誇りであり、限りない称賛と敬意を大野選手に送りたいと思います。

優勝が決まった瞬間には、目頭が熱くなりました。観戦に力が入り過ぎたのか、翌日には全身筋肉痛になっていました。

 

大野将平選手の自分自身に厳しく礼儀正しい凛とした佇まい、正々堂々とした組手さばき、そして鍛え抜かれた肉体、まさにどれをとっても戦いぶりに「心・技・体」ともに研ぎ澄まされた「講道館柔道のサムライ」の姿を見ているようでした。

また試合運びも、私自身が現役だった時代の柔道である「絶対王者たる日本柔道」を彷彿とさせるような展開を、東京オリンピック日本武道館の畳の上で体現してくれたように思いました。

 

東京オリンピック前の2020年の、スポーツ総合雑誌Numberの記事ですが、大野選手優勝後にヤフーニュースで配信されていたこのインタビュー記事がとても素晴らしく、彼の精神性の高さを改めて知ることが出来る内容だったので、ここで紹介させてください。

 

■オリンピックは異常なんだ。勝つには、自分が異常になるしかない」大野将平が語っていた柔道と金メダルへの“覚悟”《2連覇達成》>>

 

楽しい柔道との決別、敗戦して「自分が異常になるしかない」と覚悟を決めたこと、運に左右されない“圧倒的な実力” を追求して行ったこと、その一方で「勝負には運があるけど、徳を積むことで心が落ち着くんだよ」と教えられゴミを拾うなど一日一善を人知れず積み重ねたこと、コップを大きくして“想定外を想定内にする”ことなどが綴られています。

リオから東京までの5年間、オリンピック金メダル2連覇の偉業を果たす為に彼はずっと苦しみの中に居たのではないか?と思うほど命がけで妥協の無い練習を重ね続け、しかしそうやって自分の肉体を極限まで追い込むことによって心の安寧を図っていたのだと思いました。

また記事の中にあるように一日一善の徳を積み重ねたことや、畳や対戦相手に敬意を持った行動や、終始礼節のある佇まい、もろもろの発言(インタビューの最初に開催への感謝)に至るまで、その精神性の高さには目を見張るところがあり、経営者として見習らわなければならないところが随所にありました。

大野選手の志の高さや、柔道家としての階段を更に登ったことを、今回のオリンピックで改めて感じました。

 

また団体戦の銀メダルは「日本柔道」にとってプラスになり、世界の「JUDO」にとってもプラスなると思いました。

というのは、柔道は嘉納治五郎先生の教えにありますように、生涯を通して一生が修行と言われるものですので、いつもいつも100点満点である必要はなく、逆に銀メダルだった悔しさが次のパリ大会に向かって日本柔道の更なる「精進のばね」になり、より高みへと驕ることなく進んでいけると考えます。

また金メダルのフランスは世界でも冠たる「JUDO」が盛んな国であり、東京オリンピックでの勝利や、3年後のパリ大会(自国開催)での2連覇の夢で、ますますJUDOの人気が高まり、その波及効果で世界でもJUDO人口が増えて行ってくれるのではないかと思います。人間万事塞翁が馬です。

 

日本で始まり、日本が世界に普及させた柔道です。

柔道は私に多くの事を教えてくれ、多くの大切な出会いを与えてくれ、人生を変えてくれました。(※人生のターニングポイント>>

日本国内でも、今回の東京オリンピックでの日本選手の活躍を機に、金メダルに憧れて柔道を始める子供たちが増加して行ってくれればと願います。

※写真は、リオデジャネイロオリンピック金メダル後

2021年

7月

24日

事業継続マネジメントシステムを構築する

令和が始まった時、現在のコロナ禍を予想していた経営者がいったい何人いたでしょうか?

自分の会社が台風や地震で被災する未来を、本気で想像したことがある経営者は?

恥ずかしながら私は、当然の備えとして防災の備えはしていても、自分が本当に被災することになった2018年の8月まで、自社が被災する未来を、現実感を持って想像したことはありませんでした。

というのも、当社があるここ泉南市に私は約60年近く暮らしていますが、これまで大きな災害に遭ったことは1度もありませんでした。

 

【被災体験】

関西国際空港連絡橋にタンカーが衝突するなど、近畿地方を中心に甚大な被害を出した台風21号が通り過ぎた後、私は自社の被害を確認するために、まだ暴風が時折吹く中、工場に向かいました。

2階建ての工場の屋根が捲れ上がり、一部無くなっていることに気づき愕然としました。合計で工場4棟、倉庫2棟、テント倉庫1棟がそれぞれ被害の大小はありますが被災しました。テント倉庫に至っては柱だけが残されている状態で、我が目を疑い、乾いた笑いが出てしまいました。

数日間停電し、電子機器は故障し、固定電話は使えない状態でした。

応急措置や関係各所への連絡、工事の手配など、早急にやらなければならない事が山のようにありました。それと並行して他の事業部の応援に行ったり人員を振り分けたり、体がいくつあっても足りません。復旧に向けて優先順位を付けるのも一苦労でした。

有難かったのは各事業部のリーダー達が指示待ち族にならず、自ら判断して行動してくれたことです。それでも経営者にしか決められない事や経営者しか対応出来ない事も沢山あり物凄く多忙でした。

この時の当社には、防災対策や危機管理マニュアルはあっても「事業継続」を明確な目標としたBCPというものは無かったのです。(関連記事:台風21号>>

 

【損害保険】

資金面だけではなく、心理的にも私の一番の大きな救いになったのは「損害保険」です。

私は不安症な性分の為、保険は万事抜かりなく備えています。そこにコストを掛け過ぎているのでは?と言われることもありますが、コストカットを優先して運や自然に会社の行く末を任せるような事はしたくありません。

地震・洪水・台風などの自然災害をはじめとした脅威に襲われたとしても、事業を早期復旧させ継続していくのが、経営責任だと考えています。その為には保険は欠かせないものです。この時、改めて実感し、長年 保険をかけ続けていて良かったと心底思いました。

 

【BCP→BCMS→ISO 22301】

今、世界でも日本でも、気候変動の影響で、100年に一度と言われていたような災害が頻繁に発生しています。

次また当社が被災した時には、前回の反省点を教訓とし、より効率的で効果的な対応が出来るように事業継続計画(BCP)を策定しようと思いました。

BCPがあれば、各事業部のリーダー達も、逐一私に判断を仰ぐ必要もなく、不安を持ちながらの自己判断でもなく、合理的な根拠に基づいて行動を順次起こせると思いました。私自身も意思決定がしやすくなります。

しかしただ事業継続計画を策定するだけでは、いざという時に計画倒れになってしまう可能性があります。BCPを従業員に浸透させ、定期的に改善と最適化を組織的に行うシステム(BCMS)を構築したいと考え、どうせやるならばとBCMSの国際規格であるISO 22301(事業継続マネジメントシステム)の取得を目指し、この度、皆様のお陰で認証を取得することが出来ました。

 

災害発生後からの事業再開が遅くなればなるほど、お取引先を失うリスクも高まります。

また、これだけ自然災害が増えて来ると、ESGやSDGsと同様に、BCP策定の有無がビジネスパートナーの条件になる未来も近いと考えています。

またそのBCPも専門の第三者機関が審査した国際規格となると、当社の強みにもなると考えています。

また当社のテキスタイル事業部は、主に官公庁向けの災害用毛布を製造しているという特色から考えても、災害から早期復旧し、いち早く物資を社会に供給することは当社の使命でもあり社会的責任でもあると考えています。

 

たえず見直しをしながら、来たるべき危機に備えてまいります。(できればもう2度と来て欲しくないのが本心ですが)。

<お知らせ>

丸竹コーポレーション株式会社は、2021年6月25日付けで、事業継続マネジメントシステム(BCMS)の国際規格「ISO22301:2019」認証を取得いたしました

くわしくはコチラ>>

2021年

6月

19日

生まれ変わる苦しみ

ここ大阪では緊急事態宣言から、まん延防止等重点措置に移行するようです。

外出自粛中の皆様も多くおられることと存じますが、いかがお過ごしでしょうか。

私は健康管理の一環としてストレッチを始めました。あと読書の時間が増えました。

 

先般、読んだ歴史本に「時代が移り変わる時、必ずしも素晴らしい発明や良い出来事だけがきっかけとは限らない」と書かれていました。

描かれていたのは明治維新についてです。

黒船来航と不平等条約という外国からの脅威、海外流出による生糸や茶の国内での品不足、それに連動した諸物価の高騰、その一方、海外からの安価な綿織物の流入により大きな経済的損害を被った綿織物業、たくさんの犠牲を出した内戦。

このように日本は様々な苦しみを味わいながらも、近代国家へ向けての「大激変」に順応していくことで、急激な成長を成し遂げることが出来たというような内容でした。

私は本を読みながら、まさに現在のコロナ禍と同じプロセスだと感じました。

「黒船来航」「新型コロナ」それぞれ1つの禍がきっかけとなり、さまざまな変化が至る所で起き、その変化に人々は苦心惨憺しながらも順応して、新しい時代へと生まれ変わって行く様子が共通しています。

 

コロナ禍が始まって今で1年半ほどですが、変化が加速しているのを感じます。少し例を挙げてみます。

・リスク分散の為に、企業のサプライチェーンのグローバル分散や国内回帰が進んでいます。

・多くの小売実店舗が苦戦している中、昨年米アマゾンは75,000人の追加採用を発表しています。

・リモート会議やリモートワークが加速しています。それにより都会のオフィスが縮小、また東京から転出する企業や個人も増えて来ているようです。またリモートワークは勤怠管理が難しいため、年功序列や勤務時間での評価ではなく、成果主義の方向へ変わって行くと予想されています。

・現在のところ期間限定ではありますが、「初診患者」のオンライン診療も解禁されました。

・リモート授業の浸透。今後はアマゾンのようなショッピングサイトで有名教授の授業1コマ〇円などで買える世界に変わって行くと予想している識者もいます。

・zoom飲みなどの新しい文化が誕生しました。

 以上のようなものは、コロナが無ければ、ここまで急激なスピードで浸透していなかったはずです。

 

あと、コロナとは関係はありませんが、人口の多くがスマホを持ち、SNSで自分の意見を発信したり、同時に何百・何千人に情報をシェアしたりが可能になったことで、従来の、人の口から口へと伝わって行く速度とは比べ物にならないほどの速いスピードで情報が拡散され、それにより人々の意識が変化して行くスピードも、どんどん速くなっていると感じます。

例えばジェンダー問題については、現在の世間の意識と、仮に5年前の意識とは大きく変化していると思います。その世間の意識の変化に気が付かないと、例の政治家のようにバッシングを受けることになるのでしょう。

また近頃毎日のように様々な番組でSDGsのコーナーを見かけます。そうなって来るとすごいもので、どんどん浸透して行っているようです。

先月当社の面接を受けに来てくれた方の履歴書にはSDGsについて書かれていて、逆に私の方が驚いてしまいました。

 

新型コロナは人類にとって大きな禍です。しかし大きな禍を何度も何度も乗り越えて、変化し順応しながら社会を発展させて来たのが人類です。

この機会にしか出来ないであろうことを、「ピンチをチャンスに変える」意気込みで、変革のきっかけにするため挑戦していければと思います。

 

2021年

5月

17日

自社の未来を考える

まず、令和2年度の収支決算を無事に終えることが出来ましたことをご報告申し上げます。これも皆様方のお陰と心より深謝いたします。誠にありがとうございました。

また今年度も引き続き、変わらぬご支援・ご指導・ご厚情の程、伏してお願い申し上げる次第であります。

 

さて今期は、社会全体の状況を一変させた一回目の「緊急事態宣言中」の4月から年初が始まり、さらに「まん延防止措置」中の3月末に期末を迎えるという、まさにコロナ禍一色で、社会や経営の環境が大激変したと言っても過言ではない一年間でした。

 

【1つ目の不安】

これだけの大激変に晒されますと、常に頭から離れない不安があります。

「5年後、10年後、もっと言えば1年後も、お客様は変わらず当社の商品やサービスを買ってくださるだろうか?」という不安です。

当社は4つの事業部があり、それぞれにサービスや複数の商品を持っています。

その中には、このコロナ禍で売上が大幅に減少した商品もあります。世の中がコロナ以前の状態に戻るまで今後数年は、その市場自体の回復が厳しいと思われます。

同じ商品でも売り方を工夫したり、市場を変更したりすることを考えて行かなければならないでしょう。

また、今後さらに海外商品が入って来て、それが競合になると予想される自社商品もありますので、価格競争をするのではなくESGやSDGsなどで付加価値を付けて行くことも考えています。

また、なかなか簡単には行かないでしょうが、競争領域と非競争領域を切り分け、思い切って非競争領域では競合他社と協働することによってコスト削減を実現し、競争領域に資源を集中して行きたいと考えています。

現在、非競争領域での協働(仲間づくり)は自動車業界や保険業界やIT業界でも進められているようです。花王株式会社とライオン株式とでは、協働してスマート物流への取り組みを開始したという報道を見ました。同じくキリンとアサヒも物流の領域で協働するようです。(関連記事:同業他社>>

また新規の商品開発は「失敗しても良いからやってみなはれ!」の精神で常に行っていますが、それと同じぐらい新規顧客の開拓も重要だと考えていますので、営業活動や広告、そして今後ますます重要になって行くであろうWEB面でもHPを小まめに更新して最新の情報を発信したり、機会損失が無いようSEO対策の強化も、重要度の高い課題として進めて行かなければならないと考えています。

 

【2つ目の不安】

「今後人口減少し、市場が縮小する日本で、今のままの事業構造、製造体制で良いのだろうか?」ということです。

海外で販路を開拓するという道は、当社のような規模の中小企業にとっては難しく、また自社商品のジャンルから考えても、まず無理です。

国内市場が縮小し、それに伴い生産が減少し稼働率が低下すると効率性が悪化し、生産の変動費等が増加し減益に繋がってしまいます。

固定費や一般管理費の削減を図り、過度な拡大は狙わず事業規模の最適化を図り、市場が今後縮小しても収益を確保できる事業構造改革が必要だと考えています。

また事業部同士が今以上に相互に関連した事業展開を行い、自社独自の強みを強化して行きたいと考えています。

また社会課題である脱炭素化にも積極的に取り組み、自社の企業価値の向上を図るとともに固定費の削減も実現させたいと思い、消費電力の少ないモーターに順次置き換えています。また工場で使用しているフォークリフトも順次(残り1台以外)電気自動車に買い替えました。また新しく作った出荷スペースの屋根を採光性の高い全天候型の屋根にして照明の省エネを図りました。

 

このように不安に対する解を求めて思考を繰り返し、良いと思うことはなるべく速やかに実行して行っていますが、脳裏から四六時中、不安が離れることはなく、何をしていても、たとえ趣味や遊びの最中でも、常に観るもの触るもののすべてに「何かヒントがないか!?どこかに解はないか!?」と探しています。

しかし経営者でいる限り、永遠に悩み続けるのだろうと思います。

自分自身が健康である限り、永遠に悩み続け、挑戦し続ける覚悟でございます。

コロナにより何かと不便の多い今日ですが、この状況が一日も早く解消され、平穏な日々が取り戻せるよう心から願っております。

<お知らせ>

テキスタイル事業部、真空パック工場の入出荷スペースに全天候型の屋根を増築いたしました。採光性の高い半透明のFRP(繊維強化プラスチック)素材を使用した屋根のため、照明の省エネが可能になり、SDGsの貢献へ繋がるものと考えています。

2021年

5月

01日

固定概念を覆したリモート会議

ここ大阪では再び緊急事態宣言が発出されました。

いま最も憂慮されるのは医療体制だと思います。一年以上に渡り、最前線で奮闘されている医療関係者の方々のご尽力に心から敬意と感謝を申し上げます。

 

さて先般、所属させていただいている異業種交流会が、コロナ禍により昨年度から交流会の開催中止を余儀なくされているので、今年度は「リモート交流会」を開いてみないかと、T副会長が会員の皆さんに呼びかけられました。

しかし一部の会員の方から、「たぶん画面だと表情も分かり辛いし、スピーカーからの声を聞いても誰の声か分からないだろうし、操作もよく分からない!」といったような反対のご意見がありました。

実は、このようなご意見は、私も実際にリモート会議を経験するまでは、同じ意見を持っていました。

大変遅ればせながら今年に入ってから、てんやわんやの末に、私もリモート会議のデビューを果たしたのですが、実際にリモートを経験してみると、私のその思い込みは遠く彼方に飛び去って行きました。

予想を遥かに上回る臨場感、驚嘆に値するリアリティなのです。

先ずあまりの画面の鮮明さに驚きました。発言者が自動でクローズアップされるのですが、アップされた顔は肌質を始め、まつ毛や鼻毛の1本1本までが、今までメガネを通して見ていた何倍も鮮明に見えるではないですか!?

そしてスピーカーからの声も響きわたるように聞こえてきます。

画面越しでは、表情や視線や姿勢や感情などの非言語コミュニケーションの部分が感じられないのではないか?そのため経営者としての感度が低くなり、汲み取れない部分や見落としがさまざま発生するのではないかと危惧していました。

しかしコロナ禍の今、互いにマスクをして、アクリルパネル越しに、空気清浄機がゴーゴー鳴っている会議室で話すより、ずっと快適でスムーズで身近に感じました。

 

このお話をT副会長にさせていただきましたところ、リモートに反対のご意見を持っておられた方にも早速お話しされたみたいで、ほぼ全員の賛同を得られて5月にリモート交流会を開催する予定になりました。

 

変化の激しい時代にあって柔軟性は特に必要なものであることを、自分がリモートを体験してみて改めて思い知りました。

思考に関しても固定観念に縛られて、情報や価値観をアップデート出来ずにいると、時代の流れに取り残されていくばかりです。

私は最低でもあと15年は現役で働いていたいと思っていますので、頭は常に柔軟にして、食わず嫌いせず、新しいテクノロジーや潮流にも乗って行かなければならないことを再確認した次第です。

 

2021年

4月

05日

鬼の加藤先生

「過去の栄光を懐かしむことは地に落ちた人間のすることだ!しかし地に落ちてしまった時には、過去を分析し検証するのは構わない。そしてそれを糧に未来の栄光を目指すことだ」

 

この言葉は平成のバブル崩壊後、私に向けて故・加藤秀雄先生(講道館柔道九段)が仰った言葉です。

加藤先生は私の学生時代の恩師であり、奈良県天理高校に在職中、監督に就任され退任するまでの29年間に、なんと全国大会で16回の優勝を誇る輝かしい成績を残し、その手腕においては数々の金メダリストや世界選手権優勝者を輩出するなど柔道名門校の監督としてその名を馳せた先生です。

とにかく部員全員が憚ることなく口をそろえて「鬼のような先生」と表現していたほど、鬼の限界値を遥かに超えると言っても過言ではないほど、表現する言葉が見付けられないほど、それはそれは大変厳しく、熱く、強烈なインパクトを皆に残した先生でした。

この齢になった今でも、先生のことを思い出すと、緊張感に襲われ背筋が伸びるほどです。

 

さて話を冒頭に巻き戻しますと、私が30代前半頃だったと記憶しているのですが、加藤先生のご自宅を表敬訪問させていただいた時の出来事です。

数年間続いたバブル経済が崩壊し、日本経済全体は長期不況の真っただ中の頃でした。ご挨拶のあとすぐ、「立花、経営の方は順調か?」と加藤先生からお声掛けいただき、私は「3年ほど前までは年齢以上の収入で順調でしたが、今は生活に困窮する程ではないですが経営は厳しく、まだこの先は見えません」と答えました。

その当時、私は名古屋で就業し、宅建を取得した後、大阪でプリンセスホームという名で不動産会社を立ち上げていました。身を置いていた不動産業界は、メルセデスベンツに乗っていた方がいきなり翌日には夜逃げするような最悪の状況下であったし、卒業後から10年以上もの時間の経過もあったので、期待していた加藤先生からのお言葉は「みんなが夜逃げをするような不動産業界の中に居ながら、困窮せず何とか生活できていること」を労ってもらえると思っていました。しかし労ってもらえるどころか、冒頭のような厳しいお言葉を賜り、冷や汗を掻いたのでした。

 

柔道の創始者である故嘉納治五郎先生は、「柔道は心身の力を最も有効に使用する道である。その修行は攻撃防禦の練習によって身体精神を鍛錬修養し、斯道の神髄を体得する事である。そうして是に由って己を完成し世を補益するのが柔道修行の究極の目的である」とお言葉をお残しのように、「まさに生涯修行である」ことを厳しい加藤先生のお言葉により改めて実感することができた次第でした。

その後、不動産業を分析検証の結果、今の経営環境では業態の維持は不可能であると判断し、不動産事業の継続を断念しました。

その後は、以前より不動産業の合間に手伝っていた父の繊維業に本格的に取り組み、鐘紡株式会社の5次下請けであった会社を徐々に成長させながら、様々な諸先輩や関係ある諸氏に支えられながら、多角経営の企業として今日に至っておりますが、今思えばあの時、加藤先生に活を入れていただいたことで、「立ち止まっていても希望は無い。前を向こう」と再び歩き出せたような気がします。

加藤先生は全国優勝を手にしたその日の内から、もう翌年の優勝に向けて動き出す先生なのです。(※ゴールは無い>>)←キョーレツな話です。是非ご一読ください。

 

後日談ですが、加藤先生は晩年、道場で幼稚園児や小学生の柔道の指導をされていた時期があり、たまたま練習風景を拝見したことがあるのですが、数名の園児たちに馬乗りにされて、髪の毛を引っ張られながら押さえ込まれていました。

そのうえ「おじいちゃん先生、痛いか?」と園児が楽しそうに聞くと、「おじいちゃん先生、痛いよ!」と笑顔で答えていらっしゃいまいた。

鬼の加藤先生しか知らなかったので、呆気に取られる思いで先生を眺めていましたが、多くの重荷を下ろし、その厳しい表皮を一皮剥けば、これが本来の先生の姿で、暖かい愛情を湛えたお人なのだと感じました。

 

さぁ、新年度がスタートしました。

いつでも前を向き、未来を見つめ、全力投球していた加藤先生が、新年度最初の記事に相応しいと思い、懐かしい気持ちで綴らせていただきました。

 

<関連記事:※ゴールは無い>> ※恩師・加藤秀雄先生を偲んで>> ※たった1000日じゃないか>>

2021年

3月

17日

悩むより、スタートを切ろう

【劇的に変化する社会】

私が経営を始めた頃は、インターネットを使っていたのは、ほんの一部の最先端な人達だけでした。仕事の仕方は今と全然違っていました。

1995年にWindows 95が登場し、私も購入しました。2010年代にスマートフォン時代が到来すると、本当に急速に社会が変化して行きました。

今やインターネットを中心とした社会になり、今まで存在しなかったビジネスが次々と登場し急成長しています。

また、「破壊的イノベーション」と呼ばれる、既存の市場を破壊し、業界構造を劇的に変化させるような新たな技術革新も起きています。

今回のコロナ禍も、短期間の間に社会の「当たり前」や経営環境を変化させました。私はその変化に対して柔軟に対応しようと、平時の何倍も思考し労力を費やして経営に取り組んでいます。

 

【良いと思う事はやってみる】

社会情勢・顧客満足・消費動向・商品開発・自社のポジショニング・売上げ・経営資源・従業員のこと・その他経営に係わるすべてについて、私は寝ても覚めても四六時中、経営についてばかり考えています。

そして思い付いた「良いと思うこと」は、結果を恐れず迅速に実行に移して来ました。勿論その中には愚策や過ちも多く、おおよその成功率は約3割に満たないくらいだと思います。

多種多様な施策を次々と投じるため「強引だ」とか「流行りもの好き」とかの声も聞こえて来ることもありますが、良いと思うことは失敗のリスクを取ってでもチャレンジしていこうと考えています。

時代は常に変化して行っています。そんな流動的な中で現状維持を続けるだけでは自然淘汰されてしまいます。

自分の現状を疑い、小さくても良いから変化を起こし続けることが大切だと考えています。

 

【真似も戦略のうち】

そんな中で最も、つまずきや失敗が多いのが新商品開発です。

経営環境の変化に合わせて、絶えず見直しながら商品開発を行っていますが、自分自身の能力の足りなさから解決の糸口を見いだすことも出来ず、徒労感だけが蓄積して行くような時も当然何回もありました。

経営資源に限りがある中小企業にとって新商品開発は難しいものですが、そんな時に思い出す言葉があります。

「真似した電器(松下電器)」です。

松下電器産業の創業者である松下幸之助さんは、「真似した電器」と言われるほど、先行する企業の技術を学んで真似をして自分のものにしてしまっていたそうです。

私が他社の成功している(売れている)商品やサービスを真似する時に大切にしていることはスピードです。

あれこれ悩んだり考え過ぎたりしてどんどん出遅れると、市場では不利なポジションになってしまいます。

売れている理由の分析は、この時点ではどうでもよくて後回しで良いと思います。上手く行っている商品は真似してでも取り急ぎ踏み出せば、その一歩から道は開けてきます。そして歩んでいくうちに自然にその分野や市場に精通して行くものです。

そうなって来てから、そこに自社の強みや個性を投入して、物真似から脱却した「新しい価値を持った商品」を生み出して市場にアピールしていけば良いと思います。

「真似ること」を、悪いことだと私は全く思いません。

先行者には先行者利益とリスクがあり、後発者にも同じく後発者利益とリスクがあるからです。それに世の中のほとんどの商品やサービスは、だれかの真似から始まっています。

しかしです。品質・価格・流通・アイディアなど何か1つでも先行企業以上の強みがないと市場で自社の地位は築けません。真似をして参入することは簡単じゃありません。大きな努力が必要です。

<お知らせ>

丸竹コーポレーションは、この度、経済産業省「健康経営優良法人2021(中小規模法人部門)」に認定されたことをお知らせいたします。

詳しくはこちら>>

2021年

2月

27日

ルールを作る?それともモラル向上を図る?

コロナ禍のような有事には、個人の権利と自由が尊重される「民主主義」の国よりも、個人の利益よりも全体の利益が優先される中国のような「全体主義」の国の方が強いと言われています。

同じ民主主義国でもイギリスやフランスやドイツや韓国をはじめとし多くの国では、マスクの着用や外出についてなど、罰則を伴う私権制限が導入されています。

日本ではマスクや外出について、そのような罰則はありません。

海外のように厳格なルールを作る方法も、日本のようにモラルに訴える方法も、どちらにも欠点も長所もあるので、どちらが正解・不正解はないでしょう。

 

会社を経営していると、ルールを作るべきか、モラル向上を図るべきか悩む場面があります。

もちろん現場での作業工程や施設の運営に関しては、ルールやマニュアルを徹底していますから、それらに直結しないマナー的な領域についての話です。(例えば備品や休憩室や社用車の使い方、掃除や整理整頓への意識etc・・・)

ルールを作ってしまうのが一番手っ取り早い方法なのでしょうが、あまりに何もかもルールで縛ってしまうと自発性が育ちません。

自発性が育たなければ、ルールやマニュアルに書かれていることだけを最低限守ってやっていればそれで良いと思ってしまう指示待ち状態の社員を作ってしまうように思います。

社員一人一人が自分の頭で考えて自主的に柔軟に動いてもらうには、時間がかかりますがルールで縛るよりもモラル向上を図る方が良いのだと思います。

ではモラル向上のためには、どうしたら良いのでしょうか?

どうしてモラルの意識が低い人が存在するのか?私自身の若い時を振り返ってみればモラルが高いとは決して言い難い人間だったので分かります。

悪人や変人は別として、一般の人でモラルが低い人は、その言動が大したことないと思っているのです。些細なことだと思っているのです。これぐらいなら問題無いだろう、別に誰も気にも留めないだろう、皆やっていることだろう?と、取るに足らないことだと考えているのだと思います。

街なかでモラルが低い人がいても、だれも関心を持たずに涼しい顔をしていては、本人は自分のモラルの低さに気づけません。「沈黙は賛同」になってしまいます。直接何かを言わなくても、眉をひそめたり顔をしかめたりする人が増えるだけでも、自分の行動がモラルが低く恥ずかしことなのだという事に普通は気づくでしょう。

社内でも同じで、モラルの向上を図るにはモラル違反を発見した時に「これぐらいは、まぁいいか」と見過ごしてしまわないことです。アクションを起こすよりも、見過ごす方が楽なものです。けれども何度も何度も繰り返し継続して、お願い事として上司が説明し改善を伝えて行くことで意識改革がされて行くように思います。

私の場合、社長という立場なうえ、顔もいかつい為、直接アクションを起こすと萎縮してしまう従業員もいるかもしれないので、個人宛てではなく全体への注意として社長通達を出すことが多いです。改善されるまで定期的に繰り返して出します。まだまだですが成果は出ています。

 

突然ですが、私の星座は12月20日生まれの射手座です。そして何者からも束縛を嫌う自由奔放な星の生まれです。と、たいていの星占いの本に射手座はそう書かれています。(笑)

ということによりまして、私は子供の頃から自由奔放で社会の規則やルールが嫌いでたまらないと言っても過言ではなく、それほど守れていなかったように思います。

そして今はどうか?と問われますと、自分を律し社会の規則やルールを当たり前に順守していますが、窮屈さを感じることは否めません。

モラルの方も、この年になると私自身に注意してくれる人が殆んど居ませんので、自分では気づかずに人に不愉快な思いをさせている場面もあるかもしれません。(そんな時は遠慮なく言ってください)

自由奔放だった私の少年時代ですが、小学校4年生で入門した少林寺拳法とボクシング、中学2年生から始めた柔道やアルバイト、社会に出て初めて所属した会社では別でした。その競技や、アルバイト先、会社を「大好きだから辞めさせられたら嫌だから」という理由で規則やルールを守っていました。

なんとも未熟な動機です。けれども強い動機です。経営者の立場で考えたら、生徒や従業員にそう言わせることが出来るなんて凄いなぁと素直に思います。

従業員のエンゲージメント向上についても考え中です。

 

2021年

2月

12日

アフターコロナを見据えた経営

ここ大阪でも、新型コロナウィルスに依る2回目の緊急事態宣言が発出中です。

日頃よりブログをお読みくださっている皆様におかれましては、お変わりなくお過ごしでしょうか?一日でも早くコロナ禍が終息へ向かいますことをお祈り申し上げますと共に、コロナ予防に最大限の注意を払いながら、日々ご自愛の程を重ねてお願い申し上げます。

 

さてコロナ終息については神のみぞ知るところでしょうが、ワクチン接種も具体性を帯び始めた現在の状況を見ると、明けない夜は無い!夜明けも間近!という思いに駆られ、アフターコロナについて日々思考を巡らせていますので、少し書いてみたいと思います。

 

<人材確保のチャンス>

タクシー会社のMKグループは21年度、例年の2・5倍に当たる計2千人を正社員として新規雇用する予定だそうです。

当社でも、さまざまな業界が人員削減を進めている今だからこそ優秀な人材を獲得するチャンスだと思い、現在積極的に採用を行っています。採用ターゲットも、若手から幹部候補まで多様性を持たせています。

20年12月より5名の増員計画を掲げ、現在までの約2か月間で4名の方を採用いたしました。

これまで日本は何度も景気循環を経験して来ました。

景気低迷が続くと先行きを考えて、企業は人材採用を控えたり人材削減したりしてコストカットを行います。しかしそうした企業では景気好転後、人材確保に困難を極め、人員が追いつかずにビジネスチャンスを多く逃がしたという話をよく聞きます。

当時はそれが最良の施策だったとは思いますが、結果的には機会損失で苦い思いをした会社を実際多く見てきました。

景気循環の周期の長さや、景気拡大の高さ、景気後退の深さはその時々で違いますが、「景気後退→不況→」の時期の後には「→回復→好況」の時期が来るのが経済ですので、「明けない夜はない、夜明けはそんなに遠くない」との思いで、中長期的な投資という視点で、人材育成期間を考慮して、昨年末から人材採用を進めています。

 

<企業の平均寿命は、どんどん短命に>

米国の株価指数S&P 500に選ばれた大手企業500社の平均寿命は、50年前は50年だったそうです。それが今では約12年だそうです。

それだけ時代の変化はとても速く、技術革新によって今日必要とされている商品やサービスが1年後には誰も必要としないかもしれないですし、今日最新の技術が1年後には古い技術になっている可能性だってあるのです。今、必要とされている会社が1年後には社会から必要とされない会社になっている可能性もある時代です。

企業も時代に合わせて変容し続けなければ、時代遅れになってしまいます。

既存の事業を深化させながらも、それと並行して常に「時代に合わせた新しい商品やサービスや事業」にチャレンジして行かなければ、企業が持続し続けるのは難しい時代になったと感じます。

しかし大企業と違い、当社のような中小企業は投資や開発力には限界があります。

0から1を生み出すのではなく、当社の既存の設備・施設・技術・組織能力・商品・サービスを有効活用しながら、それらを様々組み合わせたり、この世にある既存の何かと組み合わせたりすることによって、身の丈に合った投資規模の中で、付加価値の高い新商品やサービスの開発が可能だと信じ、たえず取り組み続けています。

社員達にも「ありとあらゆるチャンネルを駆使して出来る限りの情報収集をしろよ。失敗してもいいから良いと思うことはチャレンジしていこう」と伝えています。

 

<もはやSDGs・ESGに取り組まないことがリスク>

社会貢献したい・したくないとか、そんな問題ではなく、世界はすでにこのルールで動き出しています。SDGs・ESGに取り組まない企業は、社会的責任を果たしていない企業と判断され、大企業からは当然相手にされなくなるでしょう。この取り組みが更に拡大して行けば(拡大すると思います)、一般のお客様からも、求職者の方たちからも相手にされなくなると思います。

当社では様々な取り組みを行っていますが(くわしく見る>>)、地球環境のための新たな取り組みとして、自社で発生した廃段ボールを自社の社用封筒に再利用することを検討しています。

銀行系のコンサルさんから頂いたお話で、再利用なので若干のコストアップは否めないですが、こういった小さな取り組みでも、いくつもコツコツ積み重ねることで結果に繋がって行きますし、またそれに関連する新しい会社様とのお付き合いを始める事によって情報量も増え、さらに何か協働できる新たなビジネスのアイデアが生まれる可能性だってあるかもしれません。

 

大変遅ればせながら、ついに私も2月2日から、てんやわんやのリモート会議デビューを果たしました(笑)

 

2021年

1月

06日

凡事徹底

2021年(令和3年) 新年あけましておめでとうございます。 

旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層精進を重ね尽力して参る所存でございます。相変わらぬご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

さて今年は「凡事徹底」をスローガンとし、全社を挙げて取り組んで参ります。

「凡事徹底」とは、なんでもないような当たり前のことを徹底的に行うこと。

または、当たり前のことを極めて、他人の追随を許さないことなどを意味します。

経営の神様・松下幸之助さんは、松下政経塾で凡事徹底の重要性をお話されていたそうです。

松下政経塾といえば、日本を立て直す人材の養成を目指した塾で、実際に国会議員や企業経営者など政財界に多くの人材を輩出した塾ですが、そのような非凡な才能を持っている優秀な人材相手にも、いかに凡事を徹底することが人として重要なのかを松下幸之助さんはお話されました。

人として当たり前のことがしっかり出来る。そういう安定した土台があってこそ、その土台の上に、次のステージの積み木を重ねて行っても崩れないのであって、基本こそが一番大事だということだと私は解釈しました。私が学生時代のそのすべてを捧げて取り組んだ柔道に関しても基本(打ち込み)練習こそが全国優勝の未来に続いている道だったと、のちに分かることになりました。(諦めず気が遠くなるまで繰り返す!>>

 

凡事の一例をあげてみます。

以下は、どれも誰でも出来る凡事ですが、徹底的に行ったり、他人の追随を許さないほど行おうとすれば、それなりの根気と覚悟が必要だと思います。

時間を守る。納期を守る。掃除をする。笑顔で挨拶する。体調管理をする。

3コール以内に電話に出る。ミスが無いよう再確認する。分かりやすく伝える。相手の話をしっかり聞く。事前に計画を立てる。優先順位を考える。ゴミを拾う。

今なら「感染対策をする」も凡事に入るでしょう。

以下は、どれも些細なことですが、ほんの数回でもやってしまうと心証が悪く、いい加減な人に見えてしまいます。

使ったものを元の場所に戻さない。脱いだ履物を真っ直ぐ揃えない。ポケットに手を入れたまま話をする。自分のデスクの整理整頓が出来ていない。制服やスーツをきっちりと着ない。配慮の無い表情。遅い返信。お礼を言わない。

凡事の中で私が特に大切にしているのは「掃除」ですが、掃除が持つ「力」や「効能」については過去に何度もブログを書いて来たので、ご参照いただければと思います。

一つ一つはなんてことない事ですが、しかし凡事を徹底し継続していくことにより、意識せずに自然と出来る「習慣」になり、社員のみんなが凡事徹底を身に付けてくれることによって、その真面目さや清潔さみたいなものが、会社の風土や文化にもなって行くと思います。

逆もまた然りで、「大したことじゃないから」「小さいことだから」と凡事をお座なりにし、そのお座なりを見過ごし続けてしまうと、それが会社の悪い風土や文化を作ってしまうこともあるでしょう。

 

大企業のようにズバ抜けて優秀な研究者や営業マンや開発者や管理者や経営者がいるわけではない、うちのような田舎の中小企業が生き残っていくには、当たり前のことをキッチリ当たり前に出来る真面目さと、そこから生まれる「信頼」が絶対に必要です。

私自身まだまだ至らないところが多くあります。だからまず私が徹底して社内の先頭に立って社員の見本となるべく、「凡事徹底」を実行していこうと思っています。

言葉の意味の通りに誰にでもできる当たり前のことが「凡事」ですが、『誰にでもできる当たり前な平凡な事柄を、誰もが真似できないくらいに徹底して今年は先頭に立って継続して行こう』と思います。

 

<掃除関連ブログ>

会社も立派やで!>> ■掃除とおもてなし>> ■トイレ掃除を侮ることなかれ>>

地獄掃除のその上>> ■地獄掃除>>

<お知らせ>

【2年連続】東京商工リサーチ刊行の優良企業完全情報誌「ALevel(エラベル)」2022年、関西版(L57ページ)に弊社が掲載されました。

2年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。

これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。

詳しくはこちら>>