自社の未来を考える

まず、令和2年度の収支決算を無事に終えることが出来ましたことをご報告申し上げます。これも皆様方のお陰と心より深謝いたします。誠にありがとうございました。

また今年度も引き続き、変わらぬご支援・ご指導・ご厚情の程、伏してお願い申し上げる次第であります。

 

さて今期は、社会全体の状況を一変させた一回目の「緊急事態宣言中」の4月から年初が始まり、さらに「まん延防止措置」中の3月末に期末を迎えるという、まさにコロナ禍一色で、社会や経営の環境が大激変したと言っても過言ではない一年間でした。

 

【1つ目の不安】

これだけの大激変に晒されますと、常に頭から離れない不安があります。

「5年後、10年後、もっと言えば1年後も、お客様は変わらず当社の商品やサービスを買ってくださるだろうか?」という不安です。

当社は4つの事業部があり、それぞれにサービスや複数の商品を持っています。

その中には、このコロナ禍で売上が大幅に減少した商品もあります。世の中がコロナ以前の状態に戻るまで今後数年は、その市場自体の回復が厳しいと思われます。

同じ商品でも売り方を工夫したり、市場を変更したりすることを考えて行かなければならないでしょう。

また、今後さらに海外商品が入って来て、それが競合になると予想される自社商品もありますので、価格競争をするのではなくESGやSDGsなどで付加価値を付けて行くことも考えています。

また、なかなか簡単には行かないでしょうが、競争領域と非競争領域を切り分け、思い切って非競争領域では競合他社と協働することによってコスト削減を実現し、競争領域に資源を集中して行きたいと考えています。

現在、非競争領域での協働(仲間づくり)は自動車業界や保険業界やIT業界でも進められているようです。花王株式会社とライオン株式とでは、協働してスマート物流への取り組みを開始したという報道を見ました。同じくキリンとアサヒも物流の領域で協働するようです。(関連記事:同業他社>>

また新規の商品開発は「失敗しても良いからやってみなはれ!」の精神で常に行っていますが、それと同じぐらい新規顧客の開拓も重要だと考えていますので、営業活動や広告、そして今後ますます重要になって行くであろうWEB面でもHPを小まめに更新して最新の情報を発信したり、機会損失が無いようSEO対策の強化も、重要度の高い課題として進めて行かなければならないと考えています。

 

【2つ目の不安】

「今後人口減少し、市場が縮小する日本で、今のままの事業構造、製造体制で良いのだろうか?」ということです。

海外で販路を開拓するという道は、当社のような規模の中小企業にとっては難しく、また自社商品のジャンルから考えても、まず無理です。

国内市場が縮小し、それに伴い生産が減少し稼働率が低下すると効率性が悪化し、生産の変動費等が増加し減益に繋がってしまいます。

固定費や一般管理費の削減を図り、過度な拡大は狙わず事業規模の最適化を図り、市場が今後縮小しても収益を確保できる事業構造改革が必要だと考えています。

また事業部同士が今以上に相互に関連した事業展開を行い、自社独自の強みを強化して行きたいと考えています。

また社会課題である脱炭素化にも積極的に取り組み、自社の企業価値の向上を図るとともに固定費の削減も実現させたいと思い、消費電力の少ないモーターに順次置き換えています。また工場で使用しているフォークリフトも順次(残り1台以外)電気自動車に買い替えました。また新しく作った出荷スペースの屋根を採光性の高い全天候型の屋根にして照明の省エネを図りました。

 

このように不安に対する解を求めて思考を繰り返し、良いと思うことはなるべく速やかに実行して行っていますが、脳裏から四六時中、不安が離れることはなく、何をしていても、たとえ趣味や遊びの最中でも、常に観るもの触るもののすべてに「何かヒントがないか!?どこかに解はないか!?」と探しています。

しかし経営者でいる限り、永遠に悩み続けるのだろうと思います。

自分自身が健康である限り、永遠に悩み続け、挑戦し続ける覚悟でございます。

コロナにより何かと不便の多い今日ですが、この状況が一日も早く解消され、平穏な日々が取り戻せるよう心から願っております。

<お知らせ>

テキスタイル事業部、真空パック工場の入出荷スペースに全天候型の屋根を増築いたしました。採光性の高い半透明のFRP(繊維強化プラスチック)素材を使用した屋根のため、照明の省エネが可能になり、SDGsの貢献へ繋がるものと考えています。