『何事も諦めず気が遠くなるまで繰り返す!』

私は柔道の中でこの事を学ばせて頂きました。諦めず精進を続けている限り未来に続く道は必ずあるはずです。この歳になっても今尚、なかなか未来はスッキリとは見通せません。しかし日々に危機感を持って覚悟を決めて、走り続けております!



2023年

10月

29日

次世代の反毛技術「繊維再生事業部」を新設いたしました

丸竹コーポレーションでは、市場の変化に対応するため、新たに「繊維再生事業部」を新設いたしました。

また、既報のように「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性革命推進事業」の補助金の助成を受け、世界初の繊維再生の最新設備を導入しました。

今回はその詳細を分かりやすくご紹介させていただきます。

 

【次世代の反毛技術】 繊維to繊維 毛布to毛布 制服to制服

上記の最新設備とは、いらなくなったあらゆる繊維製品を繊維原料に戻して、もう一度同じ種類の製品に再生させるための設備なのです。

たとえば繊維から繊維、毛布から毛布、制服から制服、軍手から軍手、etc…です。

化学繊維や天然繊維・混紡繊維など、どんな種類や形状の繊維製品でも、この設備に投入すると、細かく引き裂かれて綿(ワタ)となって出て来ます。その後、この綿とバージン原料とを相応しい割合でブレンドして紡績工場で糸にし、糸から生地、生地から製品になります。

いらなくなった繊維を無数の針で引っ搔いてバラして綿にすることを「反毛」、出来た綿を「反毛綿」、加工に使用する機械を廻切機と言います。

反毛は100年以上前からあるリサイクル技術ですが、“毛布や制服の生地に再生できるレベルの反毛綿”を製造できるのは、当社と大企業の数社のみだと思います。

当社では、生地に出来るレベルの高品質な反毛綿を「もったいない繊維」とネーミングし、商標登録に出願いたしました。

当社の「次世代の反毛技術」を、もっと深くご理解していただくために、従来の反毛についてお話を進めます。

【従来の反毛綿は、用途が限られていた】

従来の反毛の技術は、針で引っ搔く前に、縦にも横にも繊維を細かく裁断します。そして、下記の図のように、いくつもの工程を経るため、そのたびに繊維が損傷しますし、繊維クズが大量に発生します。繊維長も元より短くなります。

元の状態よりも品質が下がってしまうため、反毛綿の用途は限られていました。

一番多い用途はフェルトです。港湾土木用のバンカーマットや、自動車の内装材、カーペットのクッション材などです。ニードルパンチという機械で反毛綿を叩いて、繊維を絡み合わせてフェルトにします。

それ以外の用途としては軍手です。

反毛綿を軍手にするにはまず「特殊紡績」という紡績の方法で反毛綿を糸にします。特殊紡績で作られた糸は特紡糸と言います。「撚りが甘く、糸が太い」のが特徴です。

しかし、この特殊紡績は低速のため生産能力がかなり低いのです。そのため採算を取るのが難しく、実は当社も特殊紡績の事業を行っていましたが、約30年ほど前にやめました。

コロナ前までは、家内工業的に営まれている工場が数件ありましたが、しかし現在は高齢化や後継者・社員不足、そしてコロナ不況や機械の老朽化・物価の高騰により採算が合わずに、特殊紡績の「大阪南部太糸組合」も昨年解散し、現在国内で残っているのは数社のみになりました。

 

【従来の反毛綿は、細い糸には出来なかった】

繊維製品の生地は、経糸と横糸で織られて作られています。

例えばTシャツ生地を作るための糸は、セーターを作るための糸と比べて、とても細いです。

この細さの糸を作るには「空気精紡」という高速回転する機械が必要なのですが、従来の反毛綿は繊維長が短く、繊維自体の波型波形(クリンプ)も伸びきってしまっているため、空気精紡にかけることが出来ません。つまり従来の反毛綿はTシャツ生地を作れるような細い糸にすることは出来ませんでした。

 

【余談ですが、毛七について】

繊維産地である尾州では、ウールの再生技術で「毛七」というものがあります。

使わなくなったウールの衣類を集め、反毛し、ウールが7割その他繊維が3割の比率で作る「リサイクルウール」です。

毛七の製法ではウールを起毛させることは出来ないので、毛七で「毛布to毛布」のリサイクルは出来ないかと思います。

 

【次世代の反毛技術。あらゆる繊維で“反毛綿から生地”が可能に!】

従来の反毛は、針で引っ搔く前に、縦にも横にも繊維を細かく裁断します。

しかし当社の最新設備での反毛は生地を引き裂きます。そのため繊維長を従来よりも長く残すことが出来、強度と風合いがUPしました。

また、工程数を減らしたことにより、繊維の損傷が抑えらます。これまで反毛には5台の機械が必要でしたが、1台で可能になったため、繊維クズが減り、原料を無駄なく使用できます。

この再生過程では水や化学薬品をほとんど使いません。電力は100%再生可能エネルギー(CO2排出ゼロ)由来の電力を使用します。

できあがった反毛綿は従来品の倍以上の細かさで、新品と見間違うほどの高品質です。

バージンのワタとほとんど変わらない品質のため、当社の設備で製造した反毛綿なら「空気精紡」にかけられるので、糸になり、生地にすることが出来るのです。

【地球人口80億人社会のなかの企業の在り方】

1970年代には40億人だった地球の人口が、この50年間ほどで、なんと2倍の80億人になりました。この後まだ増え続けることが予想されています。

水槽でも魚の数が増えれば環境が汚染されます。地球も同じです。

水・食料・エネルギー・あらゆる資源は有限ですから、需要量に供給量が追いつかなくなる可能性があります。

このような地球環境ですから、企業は環境問題と真剣に向き合うことを社会から求められています。

また、リサイクルを促進させて、資源の枯渇や価格の高騰を防ごう、そしてリサイクルでゴミの量を減らしてエネルギーの消費や二酸化炭素の排出を抑えようという動きが各産業で高まっています。

 

【車の製造に使用されるプラの25%はリサイクル材の使用が義務付け】

今年、欧州委員会は、新車の製造に使用されるプラスチックの25%にリサイクル材を使用することを義務付けました。そのうち25%は廃車部品からリサイクルしなければならないとのことです。

現在、日本国内で最大のプラ再生工場を持っているのはトヨタグループです。

EUで車を販売するには、リサイクルに本気で取り組むしかないのです。

繊維製品に関してもEUは「2030年までにEU域内で販売される繊維製品を、耐久性があり、リサイクル可能で、リサイクル済み繊維を大幅に使用し、危険な物質を含まず、労働者の権利などの社会権や環境に配慮したものにする」との目標を掲げているそうです。

フランスでは22年、売れ残った衣類の廃棄を禁止する法律が施行されました。

さらに、この10月からは、服や靴の修理に補助金が設けられ、認可を受けた店で修理をすれば、料金の一部の払い戻しが受けられるようになったそうです。この施策のためにフランス政府が設定した予算は5年で240億円。

複数の主要国が10年ほど前から導入しているライドシェアを、日本はまだ検討検討と言っているような状況ですから、日本がすぐに欧米のようにダイナミックに変化するとは思っていません。しかし遅れながらもゆるやかに確実に、世界の大きな流れと同じ方向に進んで行くと思います。そして一定の割合を超えると付和雷同で一気に変化が進む。日本はいつもそんな感じです。

 

【最後に】

地球人口が40億人ほどだった20世紀は、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代でしたが、地球人口が80億人になり、さらに増加して行く21世紀は資源の無駄使いが出来ませんから、丈夫で長持ちするモノ、リペアできるモノ、リサイクルの時代になって行くと思います。

当社は、これまでも繊維のリサイクル(反毛)を36年続けてまいりました。

これからは「次世代の反毛技術」で、地球人口80億人の社会に貢献して行く所存です。

2023年

9月

20日

地球環境の未来と当社の取り組み

【ここ5年で2度の台風被害。それ以前は0回。これは偶然?気候変動?】

9月半ばを過ぎましても厳しい残暑が続いていますね。今年の夏は過去126年で最も暑い夏だったそうです。

誰かと会話するたびに、「近年の夏は、あまりに暑いから、日本でもサマータイムやシエスタを導入した方が良いんじゃないだろうか?」と、半分冗談、半分本気で言い合うぐらい、とても暑い夏でした。

8月中旬には台風が、当社のある泉南市に直撃の予報ということで身構えました。

5年前の台風21号のときには、倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど大きな被害が発生しました。

暴風に弱い箇所は、5年前の台風で飛んで行ったり壊れたりして修理をしていたので、今回は大丈夫なはずと思ってはいるものの、前回の記憶はまだ生々しく、直撃の予報となると不安な気持ちになりました。本社はお盆の連休中だったのですが、社員も数名出勤してくれ、台風対策に尽力してくれました。

 

シニア事業部のサ高住では停電の備えとして非常用自家発電機の設置に加え、予備の自家発電機を3台備えており、非常食や水、非常用トイレなどは万全ですが、夏場の停電は熱中症が心配だということで、ハンディファンを人数分と、氷枕、冷凍庫を急遽購入し凍らせたペットボトル(飲用したり、体に当てて冷やしたり)を備蓄品に追加しました。

ええい!やれるだけのことはやった、後は万事を尽くして天命を待つのみ!の精神で台風当日を迎えました。

台風の右側に泉南市が入ってしまいましたが、暴風雨は心配していたほどではなく、これならほとんど被害は無いだろうと安堵したものの、台風通過後に調べてみると、21号の時よりかは遥かにマシですが、細かな被害が15か所以上に発生しており、約300万円規模の被害が発生しました。

長年ここ泉南市で事業を営んでいますが、近年まで自然災害の被害に遭ったことはほとんどありませんでした。しかし、この5年で2回も被害に遭ってしまったのは偶然なのでしょうか?それとも気候変動によるものなのでしょうか?

 

【大きく変化している地球環境があります。何だと思いますか?】

気候変動に関しては「変化している」「してない」など様々な意見があるので現時点では答が出ませんが、昔と今とでは大変大きく変化している地球環境があります。

何だと思いますか?

それは地球の人口です。私が小学生の時に習った地球の人口は確か30億人台でした。それが今や80億人です。私が生きて来た約60年間の間に約2.7倍に増加しています。

日本では人口減が社会問題になっていますが、外側に目を向けると人口爆発が世界の課題になっています。

あと15年ほどで90億人、あと35年後の2058年頃に100億人に到達すると国連が予測しています。

 

【今後、資源が枯渇して行く社会から求められる商品は、リサイクル製品】

人口爆発により世界全体の資源や食料や水が不足し、奪い合いになると言われています。

そのような地球環境ですから、すでに時代遅れの感がありますが「大量消費、大量生産」の時代ではなくなっていきます。

繊維に焦点を当てますと、合成繊維の製造には化石燃料や大量の水が必要で、その分CO2も増えます。

人口爆発により資源が枯渇して行く社会では、資源を大切にするリサイクルが、ますます重要視されていくのは当然の成り行きだと思います。

 

【どんな繊維でも再生できる世界初の最新設備を導入】

「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性革命推進事業」の補助金の助成を受け、世界初の繊維再生の最新設備を導入しました。

化学繊維や天然繊維、混紡繊維など、どんな種類や形状の繊維でも、この機械に入れると、細かく分解されてリサイクルされた反毛原綿として生まれ変わります。

この再生過程では、水や化学薬品をほとんど使わず、エネルギー消費も半分以下に低減されます。また、反毛原綿を製造する5つの工程それぞれに発生していた大量の繊維クズの量も激減します。

従来品と比べて反毛綿が倍以上の細かさになっており、新品と見間違うほどの高品質です。

当社は現在、この新しい再生技術(リサイクルプロセス)によって製造された繊維を「もったいない繊維」という商標で出願中です。

 

【リサイクルの課題:「工程が多く、その分コストとエネルギーが必要」を解決】

リサイクルには、いくつか課題があります。

まず工程の多さです。バージン素材製品の製造工程よりもリサイクルする分だけ余計に工程が増えます。(通常、6工程ほど増えます)

工程が増えた分、人件費をはじめとしたコストが増えますし、6工程に必要な機械5台を動かすエネルギーが必要で、その分CO2が排出されます。

しかし当社の新しい設備では、これまで機械5台6名が必要であった工程が、機械1台2名で可能になりました。

将来的な人手不足にも対応できます。

【リサイクルの課題:「バージン素材製品に比べ、耐用年数が短い」を解決】

バージン素材から作られた既存の製品と同じ作り方をすると、どうしてもリサイクル繊維は強度が落ちてしまうので、耐用年数が短くなるという問題が有ります。

短期間の間に何度も買い替えなければならないのなら、それはエコとは言えません。

社会から必要とされている製品は、たとえリサイクルされたエコ製品であっても、バージン素材製品と同レベルの耐用年数を持った寿命が長い製品だと思います。

そこで当社のサスティブブランケット(リサイクル繊維で製造された毛布)においては、縦糸と横糸の番手をそれぞれ変更することで、そしてサスティブフェルト(港湾土木用バンカーマット)では製造工程を変更することで(特許出願済み)、バージン製品と同等の強度を持ち、耐用年数の長い製品を製造しています。

 

【広まりつつある環境経営 当社への依頼】

環境経営とは、環境問題に取り組み、社会的責任を果たしながら、自社の企業価値も高めていく経営のことです。

SDGsの環境問題に対する取り組みの1つとして、自社で使う製品を購入する際に、地球環境に配慮した製品を選択される企業が増えてきたと感じます。

バージン製品ではなく、多少割高になっても、そのコスト増を環境に対する付加価値だと捉えてリサイクル製品の方の毛布を選択されるお取引先が増えています。

また近頃、当社への依頼で増加しているのが、毛布(災害備蓄用毛布、リネンサプライ毛布)、企業の制服・ユニフォーム(大手飲食店や量販店など)のリサイクルで、古くなった毛布や制服をリサイクルで反毛原綿にして、そこから糸へ、そして再びその糸を使って毛布や制服を製造するリサイクル。他には、大手ガス会社の通電しない軍手を、同じように糸にして再生するというリサイクルなどです。他にはシートベルトやタイヤコードを反毛原綿にすることも可能です。

近年、企業は「自社のSDGsの取り組み」をHPなどで掲示しています。

不要になった毛布やユニフォームや手袋をゴミにせず、リサイクルすることで、環境問題に真剣に取り組んでいる企業だとエンドユーザーに示すことが出来ます。

 

【最後に】

欧州では2030年までにEU域内で販売される繊維製品を、「耐久性があり、リサイクル可能で、リサイクル済み繊維を大幅に使用し、危険な物質を含まず、労働者の権利などの社会権や環境に配慮したものにする」との目標を掲げているそうです。

本当に微力ではありますが、当社が現在取り組んでいることの全てが、上記の文言に含まれています。

諦めず、一人一人が環境問題に意識を向け行動すれば、地球環境の未来は「良い方向へ変わって行くはずと私は信じています。

2023年

8月

27日

マザコン宣言

先日、お盆前に久しぶりに亡き母のお墓にお参りしました。

高校生の時に母を亡くして以来、大学や書生の為に泉南を離れていた時以外は、30年以上に渡り週一回のペースでお墓参りを続けていましたが、昨年8月に感染性心筋内膜炎で入院したことをキッカケに(現在は完治しております)、自分の健康を最優先にして、最近は月に1回程度に控え気味になっています。(関連ブログ:入院しておりました>>

それまでは、ほとんど毎週のように墓地に通っていたので、同じように毎週通っている方々と顔なじみになり、墓参り仲間として親しくなったりしていました。

また、ポリッシャーを持ち込んで墓石を磨いていた時には「精が出ますね。ご一基おいくらですか?」と業者さんに間違えられて「えっ?!身内の墓です」と大笑いしたこともありました。

また、墓地の花屋さんとは顔見知り以上の長年のお付き合いになり、「もう年なので、近々花屋を廃業しようと思っているから、この店を買ってくれないか?」と声をかけてもらったこともありました。

 

では私がなぜそんなに頻繁に墓参りをしていたのかといいますと、まず亡き母に対する感謝の気持ちから。そして、墓前で手を合わせると、聞こえるはずもない亡き母の声が聞こえるような気がするからです。

もし母が生きていたら、こんな時、母は私にどんなアドバイスをくれるだろうか?と自問自答をするのです。

すると「俺はこう思っているけど、母ならこう言うかもしれない」などと、距離を持った目で自分を見ることが出来るのです。

複雑な感情に囚われた時も、母のフィルターを通して物事を解釈すると、さまざまな思いも後方に退き、心が落ち着きます。

私にとって墓前で手を合わせる時間は、内省の時間で、それにより自分で自分にブレーキを掛けたり、アクセルを踏めたり、心を整理したり出来るのです。

 

詳しいことは以前このブログで書きましたが、私が生まれて8か月の時に、母は腎臓結核にかかってしまいました。

最後は人工透析を繰り返しながら、私が高校生の時に亡くなってしまいました。

今振り返ってみると、亡き母の人生は闘病以外のすべてを私に捧げたと言っても過言ではありません。

私は亡き母との間にたくさんの思い出がありますが、特に印象が深いのは、病院から体調の良い時に一時退院して自宅に戻っている時は、いつも私と手をつないで寝てくれたことです。

私が寝ている間に母が再入院してしまったことがあり、それがトラウマで、私が寝ている間にまた母が居なくなってしまうのではないかと不安に駆られて、いつもなかなか眠れなかったのですが、母は手を繋いで一緒に居てくれることで私を安心させてくれました。

母の私への愛情は言葉では言い表せないほど深くて強かったと思います。

私は人との会話の中でよく亡き母の話をしますが、相手の方は悪気は無いと思いますが、「社長さんはもしかしたらマザコンかも?」「社長さんはマザコンですよね」とか、茶化されたり、からかわれたりすることがあります。

私は自分でもマザコンだと思いますし、それを否定しません。

人生は予測できないことばかりですから、今できることを頑張って、後悔しないように心がけ、ご縁あるすべての方々へ感謝して生きて、いつの日か再び母に会った時には

「いろいろあったけど良い人生だった。お母さん生んでくれて本当にありがとう」と言える自分でありたいと思います。

というわけで、61歳、本日ここに堂々とマザコンを宣言いたします。

【母について 関連ブログ】

 

十五夜の告白>>(母から深刻な病状を告白された日の話)

不安の哲学>>(母の死を常に恐れていた子供時代の話)

「一生恨んで、大人になったら必ず仕返しするからね」>>母と、母に辛く当たる小姑の話)

担任の先生が毎日家にやって来る!>>(母と担任の先生との話)

野球場の母>>(墓地で母を思い出して泣いた話)

恩師 加藤秀雄先生を偲んで>>(母と一緒に退学届けを出しに行った日の話)

背伸び>>(母から生き方を教えられた話)

知恵をしぼる>>(母が入院する病院で、私が勝手にバルサンを炊いた話)

二宮金次郎と母>>(母に騙された話)

母とピンクと私>>(幼少期、ピンクの服ばかり着せられていた話)

2023年

7月

27日

61歳 一生成長する気持ちで一生勉強

【過去の自分の経験が役に立たなくなっている】

近年のIT関連の発展のスピードは日進月歩という表現では追い付かず、秒進分歩です。

それにともなって、社会は早いスピードでありとあらゆるものが変化していると感じます。

新しいテクノロジーやビジネスモデルが次々と登場し、そのため従来のスキルや知識だけでは対応できなくなってきているため、昨年、岸田内閣は個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じると表明したほどです。

私は、このようなビジネス関係のブログを10年ほどやっていることもあり、若手経営者向けの会で話をしてくれと頼まれることが時々ありますが、現在の社会では過去の自分の経験が役に立たなくなっていると感じているため、人様に教えられることが無いのです。

たとえば昔は新商品開発の資金調達は銀行融資ぐらいでしたが、最近ではクラウドファンディングで調達するなど、私の分からない世界です。

終身雇用・年功序列の日本的経営の昔と、スキルアップのための転職が普通の今では、会社と従業員との関係性も違います。

働き方改革により、働き方も変わり多様化しました。(当社では人手不足に備えるために、そして多様な働き方に対応するため、週4日正社員の採用枠を現在準備中です)

お取引先とのコミュニケーションの取り方も私と若い社員とでは違います。

 

【ネットから学ぶことができない重要なこと】

それに今の時代、年長者の経営者にわざわざ教えてもらわなくても、ネット検索すれば、ありとあらゆる専門的な情報がすぐに出てきます。

けれどもネットから学ぶことができない重要なこともあります。でもそれは教えることが出来ないものです。

たとえば「第六感」などです。材料的にはGOサインであっても、第六感でNOの経営判断をすることや、その逆で、材料的にはNOであっても、第六感でGOサインを出すことなども結構あります。

しかしこれも、純粋な感というよりかは経験値から無意識に感じるもののような気がします。

また一つ一つの問題に対しての意思決定や行動などはケースバイケースな為、「これをやっていれば成功する!」という定石のようなものは経営には無いと思います。

 

【この石を踏むと確実に失敗する】

しかし、この石を踏むと確実に失敗するというものは存在しています。

成功は運などの要素も関係してくるため再現性は低いのですが、失敗は原因があるので再現性が高いです。

私が思うに「運と縁(えにし)」を大切にしない場合は、色んな面で失敗する確率が高いです。

運については11年前に詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。(努力を極めてからじゃないと運(天命)は来ない>>

縁については、人との縁が大切なのは耳タコだと思いますので、縁の生み方・育て方を、身も蓋もなく書いてみます。

それはズバリ「我慢と謙虚と感謝」です。

世の中の上手く行っている夫婦関係もそうではないですか?親しい友人であってもそうではないですか?

人は一人ひとり違う価値観や考え方や生活習慣を持っているため、人間関係の中で、少しのストレスも我慢も無い関係は存在しないと思うのです。

だから時には不満に感じたりイライラしたりもします。しかしそこで「この人とは合わないなぁ」と感じるたびに疎遠にしていると、自分の社会的なネットワークがどんどん減少してしまいます。また自分と違う価値観や考え方を知る機会を失って、自分の成長も止まってしまいます。

ですから人間関係の中でストレスを感じても、まず我慢。そして次に自分の意見や考え方が絶対的なものではないから、相手の意見に否定的になったり、反論したりするのではなく、「学びの機会」として捉えると素直に相手の話に耳を傾けやすくなると感じます。

現に、この年齢になると意見してくれる人が少なくなるので、自分と違う視点を持った人の意見は有難いのです。とくに若い人の意見や価値観は自分と全然違っていたりするので、私が教えるどころか逆に「今の世の中」を学ばせてもらうことが多いです。

そして一番大切なことは、感謝。

〇〇してもらって当たり前、この気持ちは相手の心をとても疲弊させます。

当たり前や当然の権利だと思う気持ちばかりが強くなり、要求ばかりしていると、心を込めて一生懸命に提供してくれている人ほど拭いきれない徒労感が蓄積し、最後は離れていくものです。

どんなに親しくても、金銭が発生するビジネスの関係性であっても、人間関係の全ての関係性において、お互いに感謝する気持ちは必須だと思います。

(関連ブログ:「当たり前」に感謝>>

これらをお座なりにしていると失敗の確率は確実に高まると感じています。

 

最後にこのブログを書きながら、好きな作家の「あいだみつお」先生の、「一生勉強 一生青春」という言葉を思い出しました。

2023年

6月

21日

自分に向いていることは、苦しくても続けよう!

Netflix「サンクチュアリ-聖域-」を見ました。

北九州の不良が、才能と体格を見初められ相撲部屋に入門し、大相撲界でのし上がろうとする姿を描いたドラマです。

大変人気があるようで、日本だけではなく、世界で見られているとのことです。

私も一気見しながら、まさに天理高校、柔道部時代を思い出しました。

 

私が高校生だったのは、今から40年以上も前の昭和の話なので、現在とは大きく違うでしょうが、当時の天理高校柔道部の寮生活は非常に厳しいものでした。

早朝から夜の自主トレーニングまで、ほとんど毎日、休み無く稽古がありました。

柔道部は、入学式初日から稽古があり、修学旅行中も、そして卒業式当日の朝まで稽古がありました。(※関連ブログ:ゴールは無い>>

寮での生活も厳密なルールがあり、掃除・洗濯・食事・練習の準備・夜の見回りまでが当番制で日課となっていました。

「サンクチュアリ」の主人公である猿桜も確か二度、相撲部屋から逃げ出そうとしましたが、私も同じく、あまりの苦しさに逃げ出すことを決め、同室の先輩に「今夜、夜の内に寮を脱走して身を隠します」と打ち明けました。笑(※関連ブログ:生涯の縁>>

その後も、まぁ色々ありましたが、結果としては最後まで柔道を続け、結果を出すことが出来ました。

 

最近は、スポーツでも仕事でも「苦しいことから逃げるのは悪いことではない」などの意見を大変よく見かけます。また仕事選びについても「好き」や「嫌い」、「楽しい」「楽しくない」などの感情面が昔よりも重視されているなぁと感じます。

しかし私は、それには首を傾げてしまいます。

猿桜も最初は相撲をダサいと嫌がり、お金のために渋々始めました。

私も人生のターニングポイントとなった柔道は、飲食のツケが溜まり過ぎたため、渋々始めました。(※関連ブログ:人生のターニングポイント>>

 

猿桜が相撲部屋から逃げ出そうとした時、「お前は相撲に向いているから、絶対に逃げるなよ」と、同じく相撲部屋から逃げ出した同僚に言われ、猿桜はお金が必要だったこともあり、悩んだ末、相撲部屋に戻りました。

その同僚は心から相撲を愛していましたが、体が小さく、相撲に向いていなかった為に力士になるのを諦めました。

猿桜は好きでも何でもなかった相撲に「向いていた」為、どんどん強くなって行きます。

そして強くなって行くと、どんどん楽しくなって行き、ある日、気が付けば「相撲たのしいー!」と叫んでいました。

そう!重要なのはこれだと思うのです。

好きや嫌い、楽しいや楽しくないよりも、重要なのは「向いているか、いないか」。

人より少し上手く出来るなにか、人より簡単に出来てしまうなにか。つまり、それが自分に向いている事。

向いている事ならば苦しくても続けることが出来、そのうち楽しく感じる「瞬間」がある。あくまで瞬間という「点」であり、継続的な「線」ではないのだけど、その「点」があるから続けていける。

私が30年間以上、経営を続けてこられたのは、人より少し経営に向いていたから。そして経営が楽しいか楽しくないかと聞かれたら、苦しいことは線、楽しいことは点、でもその「点」があるから続けてこられたのだと思います。

 

向いていないけど楽しいことは趣味。

向いていないことを仕事にすると苦しい。

自分に向いていることは、苦しくても続けよう!きっと、そこから何か生まれるはずです。

 

ここで、すでに鬼籍に入られていますが、今でも夢を見る日があり、思い出すたびに背筋が伸びる感覚に襲われる当時の天理高校柔道部監督 加藤秀雄先生の言葉を掲載させてください。今の時代には合わない言葉かもしれません。けれども最後の1行、それは真実なのではないでしょうか。

我々の目標

我々は如何に苦しむべきか

我々は苦しみを喜びとできる豊かな心と強い人間になろう

我々は苦しみを避けず勇気を以て立ち向かおう

その苦しみは我々に何をもたらすか

人生の栄光は苦しみの中から生まれるであろう 

 

加藤秀雄

柔道部のあまりの練習の厳しさに、私はやる気を完全に無くし、母と共に退学を申し出に行きました。その時に私を引き留め「続けることの喜び」を教えてくれたのが、この加藤先生で、先生の講道館柔道九段昇段の記念品の湯飲みには「続けることの よろこび 九段 加藤秀雄」と書かれていました。

(関連ブログ:恩師 加藤秀雄先生を偲んで>>

<お知らせ>

消防機器等関係者表彰(会長表彰)を受賞いたしました。

深く感謝申し上げますと共に、これからもより一層 邁進して参ります。

詳しくはこちら>>

公益財団法人 日本防炎協会発行 防炎ニュース NO.233 P25
公益財団法人 日本防炎協会発行 防炎ニュース NO.233 P25

2023年

5月

27日

仕事の優先順位や時間管理

<新社会人・新入社員の皆さんへ>

清々しい5月です。

「さわやか」は秋の季語で、初夏である5月は「清々しい」が季語だと、ご存知でしたでしょうか?私は最近知りました。

5月は過ごしやすい季節である一方、5月病と言って、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況が起こりやすい季節です。

特に新社会人は大きな環境変化の中で大変な毎日だと思います。

5月ごろになると、少しずつ任される仕事も増えてきて、仕事の優先順位や時間管理で悩む人も多いかと思います。

そこで今回のブログでは、新社会人や新入社員の方に向けて、私のお勧めの仕事の仕方をご案内します。

 

<仕事の優先順位>

・5分で済む用事は今スグする。

・15分内で済む用事は本日中に片付ける。

まずはコレです。

なぜならタスクを抱えすぎると人の脳はパニックになるので、すぐに済むものはサッサと終わらせて、抱えているタスクの数を減らした方が良いです。

すぐに終わる簡単なタスクでも終わらせれば達成感はそれなりにあるので、自転車の助走と同じで、次の仕事に勢いがつきます。

私はタスク1つにつき、1枚の付箋を使って、それを手帳に貼付けてTo Do リストを作っています。タスクを完了させると、せっせっと剥がしていきます。剥がす時は爽快です。

私はアナログ人間なので、手帖を使用していますが、スマホのアプリだと期限に合わせて通知が設定できるなど便利ですから、そういうデジタルツールを職場でも、どんどん積極的に使っていったら良いと思います。

 

締め切りが定められている仕事は、その期限までにまだ余裕があっても、もう先にやってしまいます。

提出期限が何日から何日までと定められているような場合(官公庁の書類などが多い)、私は受付1日目で出すようにしています。

すると受付で、間違いや改善点を教えてもらったり、別のアイディアを提案してもらったり、ブラッシュアップする時間がたっぷりあるのです。実際に何度もそのような事がありました。

期限ギリギリの火事場のクソ力でやる人も多いでしょうが、精神衛生上良くないし、間違いがあった場合は期限に間に合わなくなりますし、ブラッシュアップする機会を失います。

締め切りに対する姿勢というのは、その人の癖というかパターン化しやすいのです。ギリギリに提出する人は毎回毎回そんな風です。癖は一度付くと、直すのは難しいです。

ですから新人の方は、ギリギリに提出する癖が付いてしまわないように、受付1日目で出す心意気で向かってみてください。それを習慣化しましょう。

 

また上司や先輩から頼まれた仕事を完璧にしようとし過ぎて、1つの仕事に時間がかかりすぎるのは良くないです。

仕事の内容にもよりますが、とくに新人の場合は特別重要なことを任されることも少ないはずですから、95点を100点に近づけるために何時間も費やすよりかは、早く終了して、その浮いた数時間は別の仕事に充てた方が良いかと思います。

新人のうちは特に、色々なことを数多く経験することが何よりも大切です。

あれこれ仕事をしているうちに、会社全体での仕事の大きな流れや、その会社の方針みたいなものが見えて来るかと思います。

上司と新人とで、持って生まれた能力の開きが何倍もあるわけではないです。

何が大きく違うかと言うと、それは「経験値」です。

色んなことを何度も何度も経験して行くうちに、人は上手く対処できるようになって行きます。よく言われているセリフですが、「経験が1番大事。経験が人を成長させる」は真理です。

その前提で考えると、仕事が遅いと、「彼・彼女に頼んでも時間がかかるから、自分でやってしまおう」または「別の人に頼もう」となり、経験値を上げる機会の損失になります。

つまり仕事が遅いと成長も遅くなるということです。

 

<時間管理のマトリクス>

有名なフレームワークですが、仕事の優先順位は主に以下の4つに分けられます。

 

1,重要度が高い×緊急度も高いタスク

 (締切が近い仕事・クレーム・重要設備の故障・重要なトラブルなど)

2,重要度が高い×緊急度は低いタスク

 (顧客満足度や品質改善、社内のシステム作り、新商品・新規事業についての計画など)

3,重要度が低い×緊急度は高いタスク

 (重要度の低い打合せ、重要度の低い差し迫った問題、突然の来客など、見込みの薄い営業)

4,重要度が低い×緊急度も低いタスク

 (世間話・何もしない待ち時間、何もしない移動時間など)

 

経営者である私の日々の仕事は、1(重要度が高い×緊急度も高い)のタスクと・・・

3(重要度が低い×緊急度は高い)のタスクは、社員の皆さんにふることが多いです。

そのお陰で私が最も多く時間を費やしているのは、実は2(重要度が高い×緊急度は低い)のタスクです。

顧客満足度を上げることや、社内のシステム作り、新商品・新規事業・新規顧客の開拓についてなど、未来に向けてのことを考える仕事です。

日々の緊急な仕事で「未来の創造」が欠けてしまうと、会社は将来低迷してしまいます。経営者やリーダーが、2(重要度が高い×緊急度は低い)に時間を費やせる環境が、会社として理想的な形だと思います。

そのためには、まずは3(重要度が低い×緊急度は高い)を安心して任せられる部下が必要です。これは新入社員の頑張りどころかと思います。そこで上司から信頼を得ると、1や2を一緒にやってくれるメンバーだと認識されます。

いきなり何もかも上手くやろうと思っても無茶ですから、新入社員の方は、まず3(重要度が低い×緊急度は高い)を自分の領域だと意識して行動してみると良いかと思います。

 

今回のブログが新社会人や新入社員の一助になれば幸いに思います。

2023年

4月

01日

ChatGPTを試してみたら、 思っていたのと違う未来が来るのだと感じた

ChatGPT、最近耳にする機会が増えましたがご存知でしょうか?基本無料で誰でも使える対話型AIです。

ChatGPTを試してみて大変驚きました。怖くすらなりました。まずはChatGPTの凄さを実感する為に、こちらをご覧ください。

私のオーダーと、ChatGPTの回答です。

私のオーダー

地方の人口減少」「雇用」「中小企業」「地域貢献」「企業は社会の器」「地域の発展」「働く場所が無ければ人口は流出する

以上のキーワードを盛り込んで、コラムを書いてください。

ChatGPTの回答

近年の日本では、地方の人口減少が深刻な問題となっています。若い人々は都市部へ流出し、高齢化が進む地方では雇用状況も悪化しています。このような状況下で、地方の中小企業にとっても厳しい状況が続いています。

 

中小企業は地域に密着した存在であり、雇用創出や地域貢献にも大きく貢献しています。しかし、地方の人口減少や雇用状況の悪化で、中小企業の事業環境は厳しさを増しています。多くの中小企業が、働く場所がなければ人材を確保できず、地域から離れざるを得ません。

 

そこで企業は社会の器であることを自覚し、積極的な地域貢献を行うことが必要不可欠です。地域の課題を把握し、地域の発展に貢献することで、中小企業の事業環境も良くなります。例えば、地方で産業を育成するための資金支援、地元の大学などと協力して研究開発を行うことなど、企業には様々な地域貢献の方法があります。

 

また、中小企業は人材を確保するためにも、社員が働きやすい環境づくりをすることが必要です。これには、フレックスタイム制度の導入や、充実した福利厚生などが挙げられます。さらに、地方での人材確保のためには、移住促進などの施策も必要です。例えば、地方の魅力をアピールするPR活動や、地方と都市部を繋ぐインターンシップ制度の導入などが考えられます。

中小企業が地域に根ざした発展を実現するためには、企業の社会的責任を果たすことが欠かせません。地域の課題に積極的に取り組み、社員が働きやすい環境を整備し、人材を確保することで、地方の中小企業の発展につながります。企業が地域を支えることで、地方の人々がより豊かな生活を送ることができるようになることを願っています。

いかがでしょうか?

若干おかしな箇所もありましたが、私がオーダーした単語が見事に盛り込まれた立派なコラムを、AIが、なんと5秒ほどで回答して来ました。

ビジネス文書やメールの作成も大変得意なようで、アッと言う間に、ほとんど完璧な文章を作って寄こします。

私も含め多くの人が想像していた未来は、人間の代わりに機械が肉体労働を引き受け、人間は「頭脳」の部分の仕事を引き受けるのだと思っていました。

しかし実際は製造業や建設業や農林水産業でも、機械化が難しい行程が多いし、エッセンシャルワークを機械化するのは更に難しい。

けれどもオフィスワークに関しては、様々なソフトウエアが開発され、例えば10人必要だった仕事を5人で出来るようになるなど、どんどんデジタル化が進んでいます。

そのうえ、このように日進月歩どころか秒進分歩で進化し続けているAIが登場し、これがビジネスの場でMicrosoftのワードやエクセルなどのオフィスアプリのように当たり前に普及してしまうと、必要とされるホワイトカラーの数は、今より遥かに少ない数になるでしょう。

またChatGPTはオーダーされた条件で小説を作ったり、オーダーされたテキストから画像を生成することも出来ます。

「当社のこの設備を使って製造出来るまだ世の中に無い新商品を考えて!」や、「当社の商品は、こういう特徴があるんだけど、キャッチフレーズを10個考えて!」なども試してみましたが、数秒でこなします。

クリエイティブな部分はAIが出来ない領域だと思っていましたが、アッと言う間に可能になってしまいました。

ChatGPTの登場は数年のうちに労働市場に大きな変化を与えるだろう。

そんな未来を感じました。

 

【ChatGPTで、心が空っぽの人間達が生成されるリスク?】

いったん話が変わりますが、当社が運営しているサ高住のHPへのアクセス数で、常に上位の人気ページがあります。

それは「人権についての基本的理解の研修を行いました>>」というページなのですが、このページは全国から頻繁にアクセスがあるのです。

なぜなのか推測するのは簡単です。

介護施設の多くは従業員の意識向上の為に、このような人権の研修会を行うものなのですが、研修の後、参加者にレポートを提出してもらうのです。

参加者は、そのレポート作成の参考にしようと、ネットを一生懸命に検索して、当サ高住のHPに辿り着くというわけです。

色んな人のレポートを参考にする行為、私はそれは良いと思うのです。

色んな人の意見を調べているうちに、新しい気づきがあったり、あぁ講師の言葉の意味はこういう事だったのか!と理解が深まったり、レポート作成を試行錯誤している間は、人権について自分なりに自分の頭で本当に考えている時間だと思います。

それがChatGPTのように、すでに最初から最後まで完成された文章を5秒ほどで、オーダーした文字数や、オーダーした理解度(小学生の文章レベルで作成して。などのオーダーも可能)で作り上げて来るものを皆がこっそり利用するようになると、レポートの意味があるのだろうか?もっと言えば人権研修の意味すらあるのだろうか?と憂慮してしまいます。

小・中・高の教育現場でのChatGPT利用の賛否が議論されているようですが、読書感想文や自由研究のレポートや夏休みの日記や、お詫びや感謝やラブレターなどの自分の気持ちを伝える文章、体験レポート、それらの作成にChatGPTを利用するようになると、文章だけは立派だけど、自分で考えていないから中身が伴っていない空っぽの人間達が増えてしまうのではないでしょうか?悲観的すぎるでしょうか?

また将来、ChatGPTの作成した文章で相手に思いを伝えて、相手もChatGPTが作成した文章で返信するようになると、もう言葉には何の価値も無くなってしまう気がします。

 

【時短、アイディア出し、ブラッシュアップで利用】

先ほど悲観的な事を述べましたが、時短の為にビジネスの場で、一般的なビジネス文章やメールの作成に利用したり、アイディア出しを試してみたり、プレゼン資料のブラッシュアップで利用するのは賛成です。

 

では最後になりましたが、私から新年度のご挨拶をさせてください。

私のオーダー

新年度(4月)のご挨拶を考えてください。中小企業の社長のブログに掲載します。意気込みは入れてください。

ChatGPTの回答

新年度を迎えました。皆様には益々ご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

当社は、中小企業ならではの柔軟性と創造性を活かし、お客様のニーズに応える商品とサービスを提供してまいります。また、社会的責任を果たす企業として、環境保護や地域貢献にも積極的に取り組んでまいります。

皆様の変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

このChatGPTの回答を私の新年度のご挨拶に代えさせて頂きます。笑

今年度も何卒よろしくお願い申し上げます。皆様に感謝!!ありがとうございます。

2023年

3月

23日

当社商品が泉南市観光協会主催「ええもん せんなんもん」の認証を取得しました

このたび、当社新商品のSDGsシリーズ「サスティブブランケット>>」が、泉南市観光協会が主催する「ええもん せんなんもん2023>>」の認証を取得しました。

「ええもん せんなんもん」とは、泉南市観光協会が主催するプロジェクトです。

以下、泉南市観光協会のHPより

「せんなんもん」とは、わがまち泉南市の素晴らしさを表象する商品、サービスと、それを生み出して来られた事業者の総称です。泉南市のブランドを決める大事な投票に、あなたも是非ご参加下さい!

「ええもん せんなんもん」として認証された事業者の方には、市より認定証が送られるとともに、泉南市観光協会が全面的に事業者の方々の活動を応援させていただきます。」

つまり市民投票により、泉南市のブランド「せんなんもん」に相応しい商品を選び、地域経済活性化を目的とし、「せんなんもん」に選ばれた商品を全国の消費者や事業者にアピールする支援を協会が行ってくれる制度です。

 

イベント会場(イオンモールりんくう泉南店)とネットで行われた市民投票での結果、当社のサスティブブランケットが全得票数の過半数をはるかに超えた票数を賜ることができました。

これもひとえに、多くの関係者の皆様のご支援やご協力のおかげと心より深謝し御礼申し上げる次第でございます。誠にありがとうございます。

 

今回このブログにて、改めて当社の新商品「サスティブブランケット」の開発に至ったプロセスを書きたいと思います。1月のブログ「私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて>>」と重複している箇所もありますが、あしからず。

 

現在のものづくりは複雑で、昔のように良い商品を作ればそれで良いという単純なものではなくなりました。どのようなサプライチェーンで、どのようにして作られた商品なのか、その商品のバックグラウンドまで問われるようになってきました。

チョコレートで例えるなら、日本で売られているこのチョコのカカオは、アフリカの農園で児童労働により作られたものではないか?産地の環境や生産者の健康が守られているか?企業はサプライチェーンの末端である何百何千という農家の現状を調査し、もし問題があれば改善する取り組みをしなければならない。

とまぁ、このような感じで、「サプライチェーン全体」での企業に求められる責任が年々拡大しています。

その他、企業の環境貢献や社会課題への取り組み、公正・透明な経営、それらの情報開示などが必要とされ、これらがESGやSDGsにつながります。

当社も、その重要性に気づき、地域社会への貢献も含め、社会に有形無形の利益をもたらせるように様々な取り組みを重ねてまいりました。(当社の取り組みを見る>>

 

そして2022年より、環境問題に対し、当社は新たなチャレンジを始めました。

それが「ECO PROJECT>>」です。

「ECO PROJECT」は不要になった毛布や繊維くずを回収し、それらを特殊専用機で綿状に加工し、フェルトや毛布の主原料として100%再生させます。

これは世界初のサスティナブルな技術です。

そしてこの技術で蘇らせた原料で製造された災害用備蓄毛布やリネンサプライ業務用毛布が、当社の新商品「サスティブブランケット>>」なのです。

いらなくなった毛布から作られた毛布です。

従来のように焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現へとつながります。

またサスティブブランケットは製造工程についても、本社及び工場では再生可能エネルギーを100%使用しています。

さらに当社は、製造工程はもとより、自社工場のすべての企業活動において、2030年CO2排出0に目標を定めて取り組んでいます。

また世界人口の増加により資源不足が懸念されていますが、サスティブブランケットは、いらなくなった毛布から製造されるため、省資源を実現できます。

これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。サスティブブランケットは持続可能な社会のために、ESG・SDGsに配慮して製造された毛布です。「暖かい」や「防炎」以外にも多くの付加価値を提供する毛布なのです。

 

2050年カーボンニュートラルの達成は世界の目標で、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。

環境省は、地域脱炭素ロードマップを作っており、2025年までに100ヶ所の「脱炭素先行地域」をつくることを掲げています。

脱炭素先行地域とは、家庭や業務部門の電気使用によるCO2排出量実質ゼロを実現する地域です。(大阪府では堺市)

そして2030年には「脱炭素ドミノ」を起こそうとしています。ドミノ倒し的に一気にあらゆる地域や産業で脱炭素化を起こそうとしているのです。

エコバッグやマイナンバーカードもそうでしたが、日本人は動き出すまでには時間がかかるけれど、付和雷同だから動き出すと一気に、周りから遅れをとるまいと動き出します。

2030年以降には、脱炭素化をしていなければ商売のスタートラインにも着けない世の中になっているかもしれません。

また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。

脱炭素の取り組みは、地球環境のためでもあるけれど、自社が「新しいシステムの社会」で生き残るためでもあるのです。

環境省HPより
環境省HPより

今回、ええもんせんなんもんの市民投票で、BtoB向けの「サスティブブランケット」が最多得票数を獲得できたのも、環境問題を意識している市民の方が少なくないからだと思います。

地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあり、ここ泉南市は2018年の台風21号で大きな被害を受けました。

今だから言えますが、台風21号が通過した後、私は工場の点検に行きましたが、倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど、茫然とするような大きな被害を受けました。(台風21号のブログ>>)。社員の手前、気丈に振舞っていましたが、工場の惨状を見た時には体が震える思いでした。

もう二度とあの時のような思いはしたくないので、地球環境に良いと言われていることには積極的に取り組みたい気持ちも強いです。

 

令和4年度の年度末が間近に押し迫り、皆様ご多忙中のことと御推察申し上げます。

本年度は誠にありがとうございました。

新年度もより一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。

 

最後になりましたが「ええもん せんなんもん2023」認証に際し、泉南市観光協会様を始めとして関係各位様や多くの皆様のご支援・ご協力に重ねて心より深謝し御礼申し上げる次第であります。

2023年

2月

20日

進むデジタル化、進めないオヤジ達、そして今後の社会変化

<私のデジタル化状況>

コロナ禍の3年間で急速に、ズームなど非接触の会議が社会に浸透しました。

ズームでの会議や営業の案内は毎日のようにあります。しかし私は未だに、なかなか慣れるというか馴染むことができず、「御拝顔のうえの方が・・・・」とお願いしてしまいます。

飲食店で、メニューはQRコードで読み取りスマホで注文するようなお店に知らずに入ってしまうと、面倒だからもう2度と来たくないなどと辟易してしまいます。

「社長、スマホのカレンダーに予定を入力すれば、前日や当日朝に通知でお知らせしてくれて便利ですよ。」

「メモは口頭で入力すればスピーディーだし便利ですよ」

「単行本でも紙の書類でも、スマホで撮影すれば、文字をテキスト化してくれますよ」

「商品名が分からないものでも、スマホで撮影してGoogle検索したら一発で出てきますよ」など色々教えてもらう度に挑戦してみるのですが、不慣れだから面倒に感じ、数回利用した後は放置してしまうことが多いです。この面倒臭く思う気持ちに耐えながら慣れるまで続けて利用していれば、今より遥かに便利な世界になるのは分かっているのですが・・・。

一方、デジタル化と言っても無数にあるので、自分の感性にフィットしているデジタル化は直ぐに慣れることが出来ます。デジタル化にも相性があるように感じます。

スマホ決済は非接触IC決済もQRコード決済も、もう随分昔から色々入れて愛用しています。

ワクチン接種証明書やJAFの会員証など、そういう類の物をスマホのアプリの中に入れるのは荷物が減るし無くさないので、大変便利だなぁと感じて利用しています。

 

<デジタルネイティブが30代に突入し企業の意思決定者へ。社会は変わる>

デジタルネイティブとは、生まれたとき、また物心ついた時からインターネットやパソコンのある環境で育ってきた世代のことで、日本では1990年代から2000年代に生まれた世代のことです。デジタルを利用することが根付いており、生活様式やコミュニケーションの取り方もそれ以前の世代とは違います。

そんな彼らが30代に突入しました。30代前半には係長、後半ぐらいには課長に昇進し、企業の意思決定を任される機会も年々増えて行くと思います。

JRは緑の窓口を7割削減することを発表していましたが、デジタルネイティブが企業の意思決定をする時代になると、「スマホで電車乗れるし券売機があるのに、緑の窓口って意味ある?」「生産年齢人口の減った現代では人件費が一番高いから、緑の窓口はもっと減らそう」「スマホ使えない人のために1割ぐらい残せば充分だろう」と、そういう社会になって行くのは確実だろうと思います。

実際、旅行支援などでPCR検査の陰性証明書を取りに行った方に聞いたのですが、全てはスマホありきの仕様になっていて、QRコードでアクセスして登録して、スマホの中で陰性証明を発行される仕様だそうです。スマホが無いとか苦手な人に向けてはどんな風に手続きするのだろうか?と簡単に調べてみましたが、情報を見つけられませんでした。

デジタルネイティブが30代40代50代に突入し、裁量権の範囲が拡大していくと、ありとあらゆる商品やサービスが、今の何倍もデジタル化された社会になるでしょう。

今後デジタルネイティブの人口は増える一方、非デジタルネイティブの人口は寿命などの自然減で減る一方です。

社会はどんどんデジタル化するでしょうから、デジタル化に対応出来る人達にとっては社会は益々便利に、逆にデジタル化出来ない人達にとっては社会はますます不便になって行くのでしょう。

とはいえ、まだまだ非デジタルネイティブの人口の方が多いので、「メニューもパンフレットもQRからご覧ください」などと振り切ってしまうのは機会損失になります。

当社でも、紙で見たいというお客様の為に物理パンフレットと、物理パンフレットでは紙面スペースの関係で書けないさらに詳しい詳細はQRからご覧いただくなどの工夫をしています。

 

<わが社のデジタル化状況>

「機械化」は進めていますし、その機械も最新式の機械に入れ替えするなどは絶えず行っています。

しかし「デジタル化」ましてや「DX化」となると、正直どうすれば良いのか良く分かりません。多くの中小企業の経営者が私と同じ気持ちなのではないでしょうか?

デスクワークに関しては、それぞれの事業部がそれぞれ専門的なソフトウェアを使って仕事をやっていますが、自分個人のデジタル化もままならない私が取り仕切って改革して行くのは難しいです。というかムリです。

ですから社員の方から「こういうソフトウェアが欲しい」などと提案があると、「どんどん進めてくれ!」と言っていますし、逆に「この作業はソフトウェアを導入してデジタル化したら?」と私が提案してみても「今のままの方が慣れているので良いです」などと言われるとガックリしてしまいます。

社員自ら、自分達が仕事しやすいように、失敗を恐れずどんどんデジタル化の提案をしてくれたら嬉しい。世の中の非デジタル人間の経営者達はきっとそう思っているはず。

生産年齢人口の減少は確定的なので、今後はもっと人手不足の世の中になるでしょう。

限られた従業員数で運営して行くには、一人一人の生産性を上げなければならない。その為にはデジタル化は必須なのでしょう。

私と同じ、非デジタル人間の経営者の皆さん。中小企業はスモールスタートで頑張りましょう!

<お知らせ>

泉南市観光協会の主催するプロジェクト「ええもんせんなんもん2023>>」に当社の新商品「サスティブブランケット>>」がエントリーされました。

サスティブブランケットは、廃棄予定の毛布を100%再利用可能にした世界初の再生技術で誕生した商品です。

よろしければ動画の再生と「ええもんせんなんもん」の投票をよろしくお願いいたします。投票はこちら>>

※動画の中で「昭和10年に改組」と申しておりますが「平成10年に改組」の言い間違いです。

2023年

1月

03日

私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて

2023年(令和5年) 新年あけましておめでとうございます。  

旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。

 さて新年らしく、今私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて私なりに分かりやすく整理してみたいと思います。

 

◇2006年 ESG

2006年、ESGが世界の投資に組み込まれ始めました。

ESGとはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の3要素の英語の頭文字を並べたものです。

企業が長期的に成長し続けるためには、環境・社会・企業統治の課題への取組みが必要で、その課題にしっかり取り組んでいる企業は、受益者(最終投資家)に長期的な利益をもたらすはずなので、そのような企業に投資をして行こうというような考え方です。

この考え方により、従来の短期的な利益の追求型の経営から、中長期的な視点での経営に世の中はシフトし始めます。

 

大変遅ればせながら、そして大変恥ずかしながら、私がESGという言葉を知ったのは2018年です。しかし当社の企業理念である三方良し(お客様の満足・従業員の幸せ・社会貢献)の実現の為に、すでに行っていた取り組みの多くが、そのままESGに繋がることに気づき2019年から本格的にESGの取り組みをスタートさせました。(関連ブログ:ESG課題へ取り組んで参ります>>

 

◇2015年 SDGs

2015年、国連が、持続可能な開発目標SDGsを策定しました。

この年から、世界最大級の機関投資家である日本の年金基金はESG投資の原則で投資するようになりました。年金こそ100年先を見据えて運用する必要があるとの判断です。

つまりESGやSDGsに取り組んでいる企業は投資してもらいやすく、もっと言うとESGやSDGsに取り組んでいない企業は投資撤退されるリスクまで出て来ました。

 

当初私は「これは大企業向けの取り組みだ」と思い込んでいましたが、自分の考えが間違っていたことに気づきました。

そこで当社でも2020年よりSDGsに取り組み始めました。

ESGで取り組んでいたことが、そのままSDGsでも役に立ちました。(当社の取組み>>

田舎の中小企業にしては早めに取り組んだお陰で、驚いたことに内閣府から官民連携のプラットフォームに参画しないかと、お声掛けをいただけました。(関連ブログ:内閣府からのメール>>

 

◇2020年 カーボンニュートラル

2020年、菅元首相が所信表明演説の中で、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言しました(カーボンニュートラルとは、人間活動によって排出されるCO2と、森林などによって吸収されるCO2量の合計の差し引きをゼロにする考え方)。

もちろん日本だけの取組みではなく、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。SDGsでも「気候変動への具体的なアクション」が目標の中に明示されています。ESGの観点からも投資家が最も危惧しているのが気候変動のリスクです。

また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。良い技術があっても再エネ100%で製造しなければ、大企業から相手にされなくなる世界になって行くと思います。

 

そこで当社では、従来の太陽光発電に加えて、本年1月1日より非化石証書を使用した電気を調達することにより、本社及び工場で使用する電力は100%再生可能エネルギーを実現します。現在、蓄電池導入の話も進んでいます。

 

◇作って捨てる経済から、使い続ける循環型経済への移行

現在77億人の世界人口は2050年には97億人まで増加する見込みです。それにより資源不足・食料不足・水不足が叫ばれています。

そのため大量生産・大量消費のビジネスは、これからの時代に合わなくなります。

これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。

 

当社では以前より、災害備蓄用毛布・リネンサプライ業務用毛布を単に販売するだけではなく、使用済の毛布のクリーニングや再真空パックを行っておりますが、それに加え、昨年より新たな取り組み「ECO PROJECT>>」を開始いたしました。

不要になった毛布を特殊専用機で綿状に加工し、再生綿とつなぎの綿を糸にし、その糸で港湾土木用バンカーマット(サスティブフェルト>>)や、ふんわりとした毛布(サスティブブランケット>>)を製造します。不要になった毛布を100%再利用する世界初のサスティナブル技術です。

省資源ですし、焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現への貢献にもつながります。

 

◇「エシカル消費」の普及

エシカル消費とは、自社や自分の損得だけを考えるのではなく、環境や社会や人などに配慮されて製造された商品を選んで購入する消費活動のことです。

SDGsの12番目のゴール、「つくる責任 つかう責任」の「つかう責任」の方に関連する消費側の取り組みです。

つまりこれからは今まで以上に、サスティナブル(環境・社会・人などに配慮したモノづくり)が、その商品の強みになるということです。

自社の商品の強みが「安さ」だと、もっと安い商品が出ると簡単にそちらにお客様を奪われますし、安さでは中国などの海外製品には勝てません。

まだ現在は日本の一般消費者の意識は高くはないですが、SDGsという言葉が小学生にも浸透した現状を見ると、エシカル消費は今後確実に増えて行くと思います。

企業や自治体も物品購入時にはエシカルを意識した購入が求められるようになるでしょう。

環境に配慮した商品を優先的に購入する「グリーン購入」というものが既にありますが、それの拡大版ですね。

エシカル消費は、企業や自治体の消費活動のなかで社会貢献ができます。また購入した商品を通して「われわれはサスティナブルな企業・自治体だ」と、消費者や取引先や市民にアピールすることが出来ます。

世界最大級の宿泊予約サイトの調査によると、81%の旅行者が「サスティナブルを重要視する」と答えています。

 

そこで当社では、先述したリサイクル毛布を選んで購入される企業(ホテル事業者など)はサスティナブルを重視している企業であることを、実際に商品を使用するエンドユーザーにアピール出来るように、毛布のタグに工夫をしています。

 

◇地震・台風・感染症・システムトラブル

2020年、新型コロナが発生し、だれも想像していなかった世界が唐突にやって来ました。当社は大丈夫でしたが操業停止に追い込まれた企業も少なくないと思います。

また地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあります。当社も2018年の台風21号では倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど大きな被害が発生しました。(関連ブログ:台風21号>>

事業をしている以上、さまざまな脅威があり、避けては通れない場合もあります。

 

そこで当社では、地震・洪水・台風などの自然災害をはじめ、システムトラブル・感染症の流行・停電・火災といった潜在的な脅威に備えて、効率的かつ効果的な対策で事業を継続させ、被害にあった場合でも早期復旧を図ることが出来るシステムを構築し、2021年に国際規格「ISO22301」事業継続マネジメントシステムの認証を取得いたしました(くわしく見る>>)。(関連ブログ:事業継続マネジメントシステムを構築する>>

 

◇大変だけど、進む方向は明確な現代の経営

良い商品をコツコツ作っていればそれで良かった時代から比べると、企業に求められることや取り組まなければならないことが膨大で、大変な時代になってしまったなぁと溜息が出る日も正直あります。

しかし良い点もあります。それは、紆余曲折はあるでしょうがSDGsにしてもカーボンニュートラルにしても世界各国で合意した上での取り組みですから、社会がどちらの方向に進んでいくのか明確なことです。

大企業は今、自社だけではなくサプライチェーン全体で社会的責任を果たすことを株主や社会から求められています。

ですから中小零細企業であってもSDGsやカーボンニュートラルに取り組まなければ、大企業や銀行やお得意先から選ばれなくなり、生き残れない時代がやって来ているということです。

 

◇ごあいさつ

今年の1月6日で創業70周年を迎えます。

これも皆々様の多大なるご支援の賜物と心より感謝申し上げます。

これを機に社員一同決意を新たに、一層の努力をして皆様のご愛顧にお応えしていく所存です。私自身もまだまだ先頭に立って日々最善を尽くして参ります。

今後とも、なにとぞご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

<お知らせ>

【4年連続】東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2024年度版に掲載されました。

4年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。

くわしくはコチラ>>

2022年

12月

28日

還暦オヤジになった同級生8名で雑魚寝の旅

先月、兵庫県南あわじ市の料理民宿にて、昭和55年度卒業の天理高校柔道部同窓会(54会)を開催させていただきました。コロナ禍により暫く開催出来なかったため、久しぶりの同窓会でした。

まず開催に際しまして御尽力いただきましたI君・M君に心より御礼申し上げます。また集まった全員に感謝いたします。

 

さて同年度の柔道部同窓生は14名でしたが物故者が2名あり、残り12名の中から8名の参加があり、(途中からはリモート参加も1名あり)1泊2日の柔道部寮生活型同窓会でしたので、当時と同じように一緒に風呂に入り、詰め詰めの布団で雑魚寝です。3年間、寝起きを共にした友人達とでなければ、こうはいかないでしょう。

全員が弱くなった酒をそれなりに飲みまくり、夜が更けるまで現況報告と昔話に花が咲きました。

卒業から40年以上も経過した、還暦という節目の高齢者に仲間入りしかけたタイミングでの同窓会でしたが、皆が集まると、あっという間に高校の寮生活時代の関係に戻り、60歳を過ぎた大人が、ここでは書けない昔の酷いニックネームで呼び合い、失礼極まりないことを言い合い、ふざけ合いました。

高校時代の寮生活は毎日が苦しみの連続でありましたが、反面、大騒ぎの連続でもあり、様々な楽しかったエピソードが昨日のことのように蘇り、語り合いました。

何十年経過してもこれほどまでに無邪気になれるとは、柔道部の寮生活で過ごした3年間がいかに濃密だったかがよく分かりました。

 

と、ここまでは同窓会のよくある風景で次は2次会の運びですが、還暦を過ぎますと体力も昔のようにはいかず、午後6時過ぎから始めた宴会も午後10時前には全員が疲れ果て、寮生活型同窓会でしたので当時と同じ雑魚寝で、一人また一人と次第に寝始めました。

雑魚寝と聞いた時から多少の想像はしていましたが、それにしても私を含めて全員が、イビキ、寝返り、寝言、唸り声、オナラ、壁を蹴る、交代で入れ代わり立ち代わり何度もトイレ行きの連続で酷いありさま。結果は全員が何度も目覚めて睡眠不足になり、夜中にアイコンタクトをしながら苦笑いを重ねました。

なかでも一瞬の恐怖を感じたのが無呼吸症候群です。

早めに寝たY君・S君・M君のイビキが急に止まったかと思うと、しばらく呼吸をしなくなります。水面から顔を出した時のようにグハッ!!と呼吸を取り戻し、すぐに回復はするのですが、中にはなかなか呼吸が戻って来ない奴もいて、だんだん不安になり、「おい、もしかして死んでるんちゃうか?」と隣のI君に声を掛けて、夜中に二人で真顔になりながら、静かになった同級生の顔をジーッと覗き込みました。

グハッ!!!と呼吸が戻って来たのを確認して、「生きてる・・・」と胸を撫で下ろしました。笑

朝起きてからお風呂で皆と話すと、結局は私も含めほぼ全員が無呼吸症候群でした。

 

物故者の2人も、きっと昨夜この同窓会に来てくれていたとの前提で、朝ご飯を食べる前に参加者全員が黙祷しました。起きている間は絶え間ない会話、寝ている間はイビキの嵐で昨日以降ずっとうるさかった私達でしたが、初めて1分程の静寂が訪れました。

この瞬間私は、懐かしいM君K君の二人が異次元への門を通過し帰って行ったような気が微かにしました。それぞれがどんなことを想ったことでしょうか?

 

朝食後に、今後は健康に留意して命ある限り毎年11月に集まろう!と決議したのちに解散になりました。

三々五々、帰路に就いたわけですが、後日に連絡を取り合うと、帰宅した日の夜は一同、寝不足と疲れと飲み過ぎで、久しぶりに一度も起きずに朝まで爆睡したらしいです!(笑)

 

本年もたいへんお世話になり誠に有難うございました。心より深謝申し上げます。

このブログで本年のブログの〆とさせていただきます。 

来る令和5年も皆様方のご多幸をお祈り申し上げると共に変わらぬ御厚情をお願い申し上げます。

 

(関連ブログ:恩師 加藤秀雄先生を偲んで>> 祈りが通じた日>> ゴールは無い>> 戻りたくなぁい~!!!>> 苦労と葛藤を一番したのは誰?>>

3年間、寝起きを共にした友人達とでなければ無理な距離感!

2022年

12月

11日

当社の一期一会

皆様もご存じの通り、茶道を源流とした「一期一会」と言う言葉があります。

簡単にまとめますと、「今日という日は二度と無い」と考え、「人と人との出会いを大切にして、日々の出来事を当たり前にせずに、感謝の気持ちを持って生きて行こう!」というような考えです。

ところで人生100年時代と言われますが、昨年還暦という節目を迎えたこともあり、この「一期一会」という言葉が日に日にリアリティを帯び、強く意識するようになってきました。かけがえのない人生の日々を、ありとあらゆる物事との関わりにおいて、もっともっと意識的に大切に過ごしていくようにしたいと改めて一層強く思います。

 

さて今回は当社の日々の業務の中で「一期一会」を実践している事を少し紹介したいと思います。

当社の工場は商材を全国に向けて出荷している関係で、北は北海道から南は九州まで様々な地域の長距離トラックの運転手さんが、大阪に来た帰りの便で積み込んで行ってくれるため、トラックの出入りが毎日のように絶えずあります。

日本全国で約100万台以上と言われている長距離トラックの運転手の方は、ほとんどの場合、当社の積み込みには二度と巡っては来ないたった一度きりの出会いです。

だからこそこの一会を大切に思い、大したことはできませんが、出来る範囲でのおもてなしをしましょうという含意で、10年以上前より皆さんに、その時々に品物は変わりますがタオル等をお配りしています。

また本社やサ高住のほうでも同じく、お客様にも一度きりの業者の方にもご来所の全ての方に、ボールペンやらマスクやらをお配りしています。

その他にも以前にブログに書きましたが、ウェルカムボード>>もその一環です。

 

その一方で、当社は来年より年賀状は廃止させていただく旨のお知らせを出させていただきました。

近年、虚礼廃止やSDGsのペーパーレスの名目で年賀状をやめる企業が増えていますが、当社もその社会情勢に鑑みて決定した次第です。

若い社員などは、メールやラインなどを通じて、お得意先様との関係を築いているようです。その方が年賀状よりも意思疎通が出来て良いかもしれません。

コミュニケーションツールも手紙→電話→FAX→メール→Zoom等に時代は変化しているので、年賀状離れが進むのは当然なのかもしれません。

今まで当たり前だと思っていたことが、どんどん早いスピードで変わって行きますね・・・。

あと日本の企業で行われている主な虚礼として、お中元お歳暮の他に、飲み会、葬儀や通夜への参列などもありますが、こちらもコロナ禍の影響もあり激減しているかと思います。

そうすると、やはり人付き合いの頻度は減少してしまいますし、今まで年賀やお中元お歳暮で時期が来ればシステマティックに繋がっていた縁が、虚礼廃止により油断すると切れやすくなってしまうでしょう。

だとすると、ビジネスパーソンは今まで以上に先方を気にかけ、虚礼でも形式的でもない自分の気持ちやタイミングで(新しい情報を手に入れたり、ふと気になったりしたら)連絡してみるなどして縁が切れてしまわないようにすることが大切になりそうです。

 

(関連ブログ:歓迎>>

2022年

10月

26日

「退職の日、背中に羽根が生えた」

昨年末に還暦を迎えたこともあり、懐かしい同級生の方々と連絡を取り合ったり、お会いしたりする機会にも恵まれました。

その中でも特に印象的だったのが、とある公的機関で今春まで奉職されていたA君と、近所の居酒屋で互いの人生について交わした会話の中での彼の言葉です。

「奉職最後の日、定年退職の辞令を受け取って機関の門を出た時、背中に羽根が生えて飛び上がれるのではないか?!と思うほどの爽快感に包まれると同時に達成感が込み上げて来た。今後は今まで我慢してきたことを、退職金を元手に全部やって老後を謳歌したい!」との言葉でした。

彼の言葉と声からは、職務を全うした人間の満足が伝わって来ました。

A君は公立大学を卒業後、公的機関に入職し、以降38年間にわたり、それはたとえ休日のプライベートであっても「税で給料を賄っている公的機関の職員である」という自覚のもと、在野の方々からの視線を常に意識し、自分自身を厳しく律するとともに、自負とプライドを持って人生を歩んで来たそうです。その自重自戒の心は自分だけではなく、家風のようにご家族にまで及んでいたそうです。

私には到底出来ないことだし、かなり厳しくそして我慢の連続であったろう事が言葉の端々の表現とニュアンスで想像できました。しかしその分、定年を迎えてみると最高の達成感を手に入れることの出来た素晴らしい生き様であったのだと思います。

 

「立花の還暦を迎えた感想はどう?」と聞かれて、

「経営者には一応の定年が無いので、まだ還暦の実感は無いな。経営は『たえず見直し』の試行錯誤の連続の毎日なので、失敗も多い分、施策が上手く行ったときは小さな達成感を感じることは無数にある。けれど、お前ほどの達成感は60年間まだ一度も味わったことがない」と答えました。

A君は公職の厳しさや、いかに我慢が必要だったかについて語ってくれたので、私は経営者である俺の苦しさは、波のように止まることなく繰り返し引いてはまた打ち寄せる「孤独な決断の連続」と、「その決断を次々と実行に移して行かなければならないこと」というような話をしました。

 

すると「立花の人生のストレスは大変そうやね?やりたいことは出来るかもしれんけど俺やったら到底無理やし、そんな環境やったら病気になって死んでしまうわ!?決断も組織で議論したうえでの総意やしな!単独ではようやらんわ!」と返って来ました。

そこで私も「お前みたいな我慢や厳しさは無理やわ!?それこそストレスで病気になって死んでしまうわ!?」と応酬し、旧友の驚愕するほどの厳しさや信念そして憧れるほどの達成感と、自分自身の生き様を対比させながら、どんな人生にもそれぞれの立場に基づいた表面からは見えない苦しさと葛藤が常に付きまとうことを今更ながらに実感しました。

また我々日本人の「勤勉、詫び、寂び、控え目、謙虚」というような美徳の原風景を旧友に見たようで感慨に打たれました。

あまり飲めなくなった酒をちびちびと酌み交わしながら、新しい価値観を持った若い方々には通用しないようなお互いの今迄の生き様を讃え合って、やっと還暦を少しだけ理解し始めた次第です。

 

(関連ブログ:還暦のマインドセット>>

2022年

9月

28日

今更ですが営業電話の基本

台風14号が過ぎたころから、朝夕は涼しくなり、すっかり秋めいて来ました。

まず私事ですが、今年の夏は7月の終わりごろから体調を崩し、入院もいたしましたが、爽やかな秋風と共に体調もほぼ快復し、心地よく感じられる日常を取り戻しています。ご心配や多くのお声掛けを賜り、心から御礼を申し上げさせていただくと共に、ご不便をお掛け致しましたこと心よりお詫び申し上げます。

 

【実際にあったこんな営業電話】

さて近頃、営業電話について疑問に思うような経験がいくつかあったので、社内教育の為にも、今更ですが営業電話の基本について書いてみようと思います。

まず私の実体験を羅列してみましょう。

 

. 私の入院中に、名刺交換済みの方から会社へ営業電話がありました。事務員が私は入院中であることを伝えると、「じゃぁ携帯の方へかけても良いでしょか?」とのこと。

 (入院中にまでかけて来る営業電話に気分を害さない人が、この世にいるでしょうか?!)

. 折り返し電話が欲しいとの伝言をもらったので電話をすると、協賛のお願いの電話でした。

 (自分の頼みごとをするために相手に電話を掛けさせるのですか?!それで頼み事がスムーズに行きますか?)

. 折り返し電話が欲しいとの伝言をもらったので電話をすると、寄付のお礼でした。

 (お礼を言うために相手に電話をかけさせるのですか?!もう笑うしかない!)

. 人間ドックを受けた翌日その健康クラブから電話がありました。「いつもお世話に~」の挨拶を聞く間ももどかしく、早くどこが悪いのか言ってくれ!とジリジリしていると、サプリのご案内でした。

 (膝から崩れ落ちそう!)

. 車を運転していると、車に搭載された専用通信装置に080の番号からコールがありました。現在の車に乗って3年ほど経つが初めての経験です。初回は無視したのですが、後日またかかって来たので恐る恐る通話ボタンを押してみると、その車メーカーのオペレーターからの営業電話でした。

 (車の通信装置を使って、運転中だと分かったうえで営業電話!酷い!)

 

以上全て実体験ですが、これらの事例に共通しているのは、相手の状況や気持ちを全然考慮していないという点です。

「折り返し電話が欲しい」との伝言をもらうと、たいていの人は何かあったのかな?と心配しながら、全てのタスクを一旦後回しにして電話をかける時間を作ります。

ですから自分側に用件がある場合には、電話口の相手から「折り返し電話をいたしましょうか?」と尋ねられても、決して相手からの折り返しの電話を求めてはいけません。

電話口の相手は電話対応のマナーとして、折り返し電話が必要かどうか聞いているだけなので、たとえ長幼の差や年功の序列が存在していたとしても、緊急性の無いことや重要な連絡事項がない限りは、自分の要件で相手に電話を求めるのは失礼です。

また相手に無用な心配を抱かせない為にも、「〇〇の件でご連絡いたしました」と伝言に付け加えることも必要です。

 

 【携帯への営業電話】

また、名刺交換はしたものの、まだ信頼関係を築けていない間柄で、営業電話を会社の電話番号ではなく直接携帯にかける営業マンもいるかと思いますが、私はそのような営業はしません。

「今の時代、会社にかけても居留守を使われる場合が多くて、なかなか上にまでは取り次いでもらえないことが多い」との嘆きも聞きましたが、携帯にまで(出先にまで)営業電話をしてもロクな結果にならないので、はっきり言って時間と労力の無駄です。

電話を取り次いでもらえないのは信頼関係が出来てないからですので、別の営業の方法を再考してみる必要があるかもしれません。

 

 【営業電話以外のアピール方法】

たとえば私が昔から今日まで何十年間も続けていることですが、名刺交換した相手には必ず後日、お礼のお手紙を出します。100%です。この何十年間で1人も掛けていないと思います。(もし私と名刺交換して手紙が来なかった方はご連絡ください!)

もう今、私自身が営業の電話をかけることは殆どありませんが、有難いことに他の営業マンは私と同じことをやっていない人が大半なので、その他大勢の営業から少しだけ目立つことが出来、他の営業マンよりも電話に出てもらえる頻度は多かったのではないでしょうか。

それでもやはり電話に出てもらえない場合はあるので、その場合は深追いせず、新商品のパンフレットを送ったり、季節の節目節目に挨拶状を送り続けて、関係を作ったりして来ました。

 

私自身、とある会社の営業の方から毛筆に和紙で、まるで巻物のような長いお手紙をもらったことがあります。(果たし状が届いたのかと驚きました)

その会社は伝統的にそのような営業をしていることは知っていましたが、実際に貰うと忘れられないぐらいのインパクトがありました。

また、毎朝必ず、業界ニュースや業界の展望を自分なりにまとめてコラムにし、顧客のメールに送り続けた人の話を聞きました。

なるほど、そういう風にして関係を築いていれば、何かあった時にその人に声を掛けてみようと思うなぁ、なるほどなぁと感心しました。

 

話が逸れてしまいましたが営業の基本は、相手と信頼関係を築くこと。

信頼関係を築くには自分本位ではなく、相手の立場を想像してみること。それがまず基本です。

2022年

8月

23日

入院しておりました

先般、7月末より体調を崩し、8月初めよりしばらく入院しておりました。

まず、関係者の皆様にご不便をおかけいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

今回の入院で特に思ったことは、健康(元気)と人間ドックの結果は別物である!ということでした。

 

皆様方ご承知のとおり、特にここ2~3年はコロナ禍やウクライナ問題に伴う経済の激動やSDGsの加速により、経営に求められるものが急速に変化するなど、社会の変革のスピードが激しい月日でした。

そんな中、手探りで、新しい時代に対応できる新しい組織作りや戦略、商品を打ち出そうと走り続けて来ました。

人間ドックの結果が良いことを理由に、自分の健康に対して過信し、60歳になった今でも若い頃と同じ働き方や生活をして、無理を続けていたように思います。

昨年のブログ「人間ドック10年目>>」でも書いたように、50歳から10年続けている人間ドックでは、血液検査全般に始まりエコー、CT、MRI、PET、動脈硬化の進み具合や各種のホルモンバランス、体感バランスまで調べており、有難いことに健康問題はこれまで皆無でした。

しかし、健診結果のデータに表れていたことと、体の内で起きていた健診結果に表れない変化とは違いました。

どうやら知らぬ間に蓄積疲労やストレス、加齢等から、体内の免疫力や抗体がかなり落ちていたようです。傷から菌が血液中に入り込み「感染性心筋内膜炎」に罹り入院を余儀なくされました。

今はお陰様で抗生物質の点滴での投与で、血液培養検査のデータからも菌は無くなり、体調はほぼ完全に回復したところですが、体力が後もうひと頑張りという所まで来ています。

 

今思えば、これまで人間ドックの数値が良かったことから、私は自分の体に対しては「自信過剰」になっており、多少ムリをさせても大丈夫、もし何か問題が発生しても、人間ドックで早期発見して早期治療すれば大丈夫!と事後保全(=壊れたら修理)の意識が強かったかもしれません。

しかし今回の出来事で、そうではなく、予防(働き方の見直し・生活改善・健康づくりなど)に、ようやく取り組んでいく気持ちになりました。

SDGs(サステナブル デベロップメント ゴールズ=持続可能な開発目標)と同様に、私自身が「持続可能」であるために、この先10年15年先を見据えた持続可能な働き方・生き方に前向きに取り組んでいくつもりです。

今回の入院は「人間万事塞翁が馬」で、今の自分を見直し、未来の自分や組織作りを考える良い機会となりました。

2022年

7月

31日

空前の人手不足が叫ばれている中の人材採用

今月新たに通所介護サービス(デイサービス)を開業いたしました。

そのため介護スタッフや准看護師等を数名増員募集する必要があったのですが、有難いことに希望通りに人材採用が出来、ホッと胸をなで下ろしています。

 

【ほぼ当たる未来予測】

未来予測は当たったり外れたりするものですが、ほぼ確実に当たる未来予測があります。それは人口に関する未来予測。人口は余程大きな災害などが起きない限り、急激に減ったり増えたりするものではない為、未来予測しやすいです。

18年後の2040年には日本の生産年齢人口は53.5%まで減少するそうです。(2015年は61.0%)

介護業界の人手不足の深刻化は前々から叫ばれていますが、人口の年齢構成を見ると、今後はお客様よりスタッフを見つける方が難しい時代になっていくと思われます。

スタッフを採用出来る企業かどうかが、事業存続の大きなカギになりそうです。

 

【当社も採用難を経験】

実は当社もシニア事業を始めて数年目の時に、募集しても応募が無いという厳しい時期がありました。オープニングスタッフは物珍しさもあって比較的すぐに求人採用が出来るのです。ですから介護業界の人手不足をあまり深刻に考えていませんでした。

ところが求人雑誌などに何度か載せるうちに、応募はどんどん減って行くのです。

1週目で決まらず、2週目、3週目と連続で載せれば載せるほど応募は来なくなるのです。

それもそのはずで、求職者は毎週その求人誌が出るたびにチェックしますから、何度も求人広告を出す人気の無さそうな会社には行きたくないから避けるのですね。載せれば載せるほど誰も応募して来なくなるという、求人広告の悪循環です。

その時初めて、これまでたまたま直面していなかった採用難の問題を鼻先に突きつけられました。

結局この時は知人に人材を紹介してもらうことが出来ましたが、この経験を機に、企業が自社をアピールする相手はお客様だけではない、求職者の方々にも常日頃からアピールしていかなくては!という危機感を抱きました。

 

【ネットを活用して顔が見える会社へ】

今の時代、多くの人は、何かアクションを起こす前にまずネットで検索します。

新しいレストランに行く時も、旅行先を選ぶ時も、新しい歯医者や美容院を選ぶ時も、まず検索して様子を確認します。

仕事先を選ぶ時ももちろん、どんな考えを持った経営者で、どんなスタッフがどんな表情で働いているのか?確認していると思います。

ですから求職者の方々に安心して応募してもらえるように、社長ブログやスタッフブログは出来るだけ頻繁に更新するようにしています。

よくあるのがHPやブログは開設しているのに、もう何年も更新されず放置状態になっているもの。あれは逆効果だと思います。この会社だいじょうぶ?と心配になってしまいます。

 

せっかくネットを活用してPRをしていても、求人募集する媒体が従来通りのタウン紙や新聞だと、あまり効果を発揮出来なかった印象です。

当然ですが、紙面を見て職探しをする方々よりも、ネットの求人サイトで職探しをする方々の方が、当社のHPやブログにまでアクセスしてくださる可能性が高く、その結果、応募に繋がることが、ネットでの求人広告の方が多い印象です。

 

【でもやっぱり結局コレが一番大事】

でも結局、求人に最も影響力があるのは口コミや噂話だと感じます。

会社が人口の多い都会にあったり、資格など必要なく幅広い層から募集する業種だと違うのかもしれませんが、資格が必要で、通勤にも車が必要な場所で・・・となったら限られた半径内の限られた人たち、そのコミュニティーの中からの人材採用ということになりますので、結局は口コミの影響が一番大きいです。

口コミを上げるには?

それはやはり、実際に働いてくれている従業員のエンゲージメントの向上(働きやすい環境作りや、やりがいの創出、成長支援など)ではないでしょうか。

あと、今の時代、白黒ルールが決まっている部分は、どこの会社も守っていると思います。ルールが決まっていない部分にこそ、経営者の哲学や会社のカラーが出ますので、その部分が口コミに影響を及ぼすのではないでしょうか。

2022年

6月

07日

当社の仙台四郎さま

20数年ほど前に、近所の書店でふと目に留まり、「不思議な福の神、仙台四郎の解明―その実在と世界の分析 なぜ御利益は必ず訪れるのか!?」という本を読んだことがあります。

簡単に説明すると、本にもあるように実在人物である知的障害を持っていた主人公の仙台四郎さんは、いつも笑顔で街中を徘徊していたらしいです。そして四郎さんを温かく迎え入れたお店は結果的に繁盛し、また邪険にしたお店は倒産や廃業していったそうです。

そんな現象が重なって、「四郎さんは商売繁盛の福の神では?」という噂がだんだんと広まり、街中の人気者になって現在ではあちこちのお店や会社に縁起を担いで写真や置物がおかれているというノンフィクションの物語です。

ちなみに欲得尽くで、四郎さんの袖を無理やりに引っぱって引き込もうとしたお店には全く興味を示さず、そんなお店はのちに倒産していったらしいです。

 

では単純に、四郎さんの写真や置物を置いて拝めば繁盛するのか?というと、そういうわけではないと思います。

例えば四郎さんのような知的障害のある人が、屈託のない純粋な笑顔で、ふらっと店先に現れた時、「他者への理解と共感」を持ったお店は、ふらっと立ち寄った四郎さんの存在を受け入れ、温かさと敬意をもった対応が出来たのだろう思います。

一事が万事で、そんなお店は、全てのお客様に対しても分け隔てなく同じように温かさと敬意をもって接していたので、その結果、益々発展していったのだろうと思います。

つまり既に心の中に「福の神」をお持ちのお店に、四郎さんは好んで行かれたのでしょう。

 

では、どうすれば全てのお客様に対して分け隔てなく同じように温かさと敬意をもって接することが出来るようになるのか?

他者に対する温かさや敬意は、「他者への理解・共感」があるか無いかだと私は思います。

自分とは様子が違う人、たとえば障害を持った人(世の中には多くの障害があります。視覚障害・聴覚障害・言語障害・重症心身障害・内部障害・知的障害・精神障害・発達障害・肢体不自由・難病・高次脳機能障害)、に対して温かさや敬意を持って接することが出来るかどうか?

その違いは「知っているか、知らないか」が大きいと思うのです。人は知らないことや、よく分からないことは怖いと感じたり、距離を置こうとしたりします。

けれども知識や経験があれば、接し方が分かり、相手が何を苦手としているか、何を望んでいるのか?が分かるようになり、そこから更に想像力を働かせ、相手の気持ちを思い遣ることが出来るようになると思うのです。

 

当社では30年以上前から障害者の雇用を行っており、少しずつですが採用の人数も増やしてきました。もちろん大変なことも色々あります。

しかしハンディキャップのある彼らが居てくれることで、健常者の従業員が多様な障害への理解を深めたり、他者を見守ることを覚えたり、何度も繰り返し説明する根気強さを身につけたり、分かりやすい説明を心掛けたり、働いてもらいやすいように環境を工夫したり、苦手な部分を手助けする思い遣りを持ったり、色んなことを障害のある彼らから学ばせてもらっているとも感じます。

このような知識や経験は人を成長させてくれますし、心の豊かさにもつながると思います。

その心の豊かさは、先の仙台四郎さんのお話のように、「心の中の福の神」に繋がります。そして「心の中に福の神がいる社員」が大勢いる会社は発展出来る。そう私は考えています。

 

当社が障害者雇用をスタートさせた1人目の人物のM君は、体力的に働けなくなるまで約約20年間(1990年頃~2012年頃)に渡り軽作業をお手伝い頂きました。

彼が退職した日から、私のディスクマットにはM君の写真が挿んでいます。

直感的に当社の「仙台四郎さま」はM君だと思いました。(お顔もソックリなのです!)

M君が退職してから10年近い年月が経過しM君を知らない社員も増えてきましたが、あの純粋な笑顔を忘れず、私自身も今日このブログに綴った想いを毎日思い出す為にも、今後も引き続きディスクマットに飾らせて頂こうと思いました。

前にも書かせて頂きましたが私は経営者として、ハンディキャップがある人でも働きやすい環境を整えることと雇用の機会を創出していく事が、経営者の「義」であり社会的責任と考えます。そして自社を「心の中に福の神がいる社員」が大勢いる会社にし、皆と一緒に成長していきたいと考えています。

 

(関連ブログ:障害者について1>>2>>3>>

<お知らせ>

「大阪府障がい者サポートカンパニー」の中でも「優良企業」として、令和元年5月27日に登録されましたが、令和4年この度、登録が更新されました。

くわしくはコチラ>>

2022年

5月

25日

昨日と同じやり方を今日していたら明日がない

私はよく「昨日と同じやり方を今日していたら明日がない」と社員達に言います。

事業についての現況を少し書くと、ポストコロナの経営を考える>>で書いたように、昨年夏頃から組織改編や人事刷新、また経営資源と経費の見直し、設備の入れ替えなど、矢継ぎ早に会社を「新しい形」へ再構築していっています。

というのも、時代はどんどん変化して行くのに、昨日と同じやり方を今日もして、進化せず止まっていたら明日(未来)は無いと思うからです。

そう書くと、じゃぁ進化するためには何からやれば良いんだ?どうすれば良いんだ?と難しく考えてしまうかもしれませんが、簡単です。

改善の積み重ねが、進化です。

まずは今やっている仕事について、どうすれば効率が良くなるのか?改善出来るのか?を考えることから始めたら良いのです。

昨年末のブログに、ペンキを浴びた私の写真>>を載せましたが、たとえば去年から現在に至るまで、順次、工場や倉庫などのペンキの塗り直しを、私が行っています。

最初は素人同然でした。しかし何回もやっていると上達しますし、さらに効率を考えながら工夫を重ねて改善していくと、進化して今やセミプロの領域になりました。

例えば道具のローラーや筆を塗る面の状況に応じてオリジナルにさまざま改造してみたり、その日の気温に応じて乾く時間を考慮してペンキの濃度を調整してみたり、西日のあたる面は対候性を考えて耐侯剤の量を多くして重ね塗りしたり、床面は滑り止めの砂を塗料に投入したりなどです。

もっと簡単なことでも、気づいて実行出来て前回よりも良くなったら、それは進化です。

たとえば作業前は準備体操を行った方が次の日の筋肉痛が少ないなとか、ストレッチの効いた作業着を着た方が動きやすいなとか、冬場はカイロを貼る位置まで毎回変えて、お腹に貼るのが一番温まるなとか、なんでも思いつくまま出来得る限りのことをやってみました。

まずはそんな小さいレベルからで良いのです。改善の「積み重ね」が大事です。

昨年から時間を見つけてコツコツ行っている工場のペンキ塗り。

素人の私でも工夫して改善を積み重ねるうちに、セミプロレベルになりました。

2022年

4月

16日

悪ガキ達の罪滅ぼし

先般、1歳上の幼馴染の友人から10年ぶりくらいに電話がありました。

実はその友人は地元の商工会シニアクラブの役職をされていて、昨年の秋頃にクラブから私のもとへ入会の案内状が届きましたが辞退させていただいた関係で(※還暦のマインドセット>>)、電話をくれました。

お互い生まれた家が隣同士だったこともあり、特に小学校卒業くらいまでは毎日のように遊んでいて、当然のように昔話に花が咲き1時間ほど話させていただきました。

「二人で近所の池で、あちこちから木を集めて筏を作って浮かべて遊んでいたら、警察官に注意されたり、草むらに秘密基地を作って寝てしまい帰るのが遅くなって消防団の探索騒ぎを起こしたり、落とし穴に軽トラックを落としたり(※大きなイタズラ>>)、よその家の土地を発掘と称して勝手に掘ってみたり、挙句の果てには爆竹を集めて“時限爆弾もどき”を作って担任の先生に見つかり、二人とも校長室で泣くまで正座したよな!」

「克ちゃん(私)は確か傘を広げて屋根から飛び降りて大けがしたよな!」などなど、その他もここでは書くことの出来ないような「昭和のトンデモ話」のオンパレードでした。

懐かしさが溢れそうになったとの同時に、「みんなにかなり迷惑かけたよな!」と申し訳なさが込み上げてきました。

彼は「昔みんなに迷惑かけたから、その分の償いで、シニアクラブではまだ飛びぬけて若いけど役職をしているのやで。かっちゃんも入会して罪滅ぼしをせい」と再度、勧められましたが「現役の内はまだ勘弁して!?」とお断りし、「しかし事業を通して社会に貢献していきたい。そして関わるすべての方への感謝を忘れないようにしたい」と思う旨を話させていただきました。

電話を頂いたことで、日常に忙殺され忘れがちになりそうな事ことを再認識させてもらえた日でした。

 

2022年

3月

17日

「まさか」の話と「失敗を糧に」の話

【まさか】

このブログは3月16日に綴っています。数日後にはどんな風に情勢が変わっているか分からないので、日にちを記載しておきます。

昨年秋頃から日本でも、コロナ禍からの経済回復の過程での値上げラッシュが起きていました。

そこに、専門家も「まさか」と思っていたロシアのウクライナ全土を標的にした侵攻が起こりました。

その影響でますます物不足や原油高が起きていますし、日米の金利差もあってドルに対する円の価値の低下が進んでいます。それらにより今後更にあらゆる物の値上がりが予想されており、インフレが加速して行きそうです。まさかとは思いたいですが、スタグフレーションの懸念も浮上しています。

またここ大阪は特に、コロナ感染者数が高止まりの傾向で、消費マインドの回復は見通せない状況です。

おとなり韓国では本日、新規感染者数が1日に40万人を超える数字が出ており、日本のピーク時の約4倍の数字です。韓国の人口は日本の約半分ですから、大変な数字です。

中国でも現在、感染者が過去最多になっており、深圳がロックダウンを実施したというニュースを見ました。

日本の感染者数が春夏に向けて本当に減少するのか?まさかとは思いたいですが、お隣のように更なるパンデミックが起きてしまうのではないか? 心配になってしまいます。

 

いま社会ではサスティナブル(持続可能)という言葉がよく使用されていますが、サスティナブルな社会とは、災害・パンデミックに対応することが出来る社会、そして戦争が無い社会のことだと思います。

しかし、パンデミック×戦争、さらに×災害など、複合的に「まさか」の大難が襲って来ているのが現在です。

4週間前まで脱石炭が叫ばれていたのに、今や世界が代替エネルギーとして石炭に注目しています。

ある日突然、180度ガラリと環境が変わってしまうような、将来予測が難しい時代です。

「こんな時代にはどんな組織が強いのか?」

考えてみますと、スピード感を持って変容し続けられる柔軟な組織が強いのではないか?と思います。

と言っても現実的には、ある日突然組織がガラリと生まれ変われるわけがありませんし、どのように変化するのが最適解なのかも定かではありません。

ポストコロナの経営を考える>>でも書いたように、毎日少しずつコツコツと見直しを重ねていくことで、時代に適応して行くしかないように思います。

 

【失敗を成長の糧に】

ところで、ようやく今回の本題、失敗の話です。

誰にでも問題の大小はあると思いますが、私も含めて仕事で失敗する事は必ずあります。

実は今年になって、詳細は省きますが、当社の2事業部で失敗が発覚いたしました。

今回は、私がこれまでの経験で得た、失敗した時にするべき事を書いてみたいと思います。

 

まず結論としては、いたずらに考え込まずに、すぐに上司に報告・相談することです。

初期対応でさらに失敗しない為にも、「すぐに」報告することが一番大切です。社内だけで対応が難しい場合でも、会社としてプロに相談することが出来ます。

絶対にしてはいけない事は、1人で抱え込み、時間の経過とともにさらに問題を大きくしてしまうことです。

誰しも失敗した当初は焦って1人で考え込みがちで、誰にも知られることなしに解決したいと思います。特に会社への損失が大きければ大きいほど報告・相談がしづらくなります。

しかしこれまでの経験上、皆で問題を共有することによって、自分一人では思いつかなかった解決策が見つかり、思ったより損失が少なく済み、早く問題を解決することが出来たことが過去に何度もありました。

繰り返しますが、1人で抱え込むことは絶対にしてはいけません。

 

また、起こってしまった失敗に対していつまでも肩を落とすのではなく、前を向いて、同じ失敗を繰り返さないためにはどうしたら良いのか?と、未来志向へ頭を切り替えてほしいと思います。

全てに当てはまるわけではありませんが、失敗やミスが起こる理由はシステム(仕組み)が上手くいってない場合が多いです。

たとえば、とある高速道路のSAの個室トイレでは、スマホや財布などの忘れ物が半年で50件近くあったそうですが、トイレの鍵と小物置き板を一体化させて、板の上に物が置いたままだと鍵が開けられない仕組みに変えたところ、忘れ物は0件になったそうです。

自分や人はなかなか変えられないけれど、システムを変えるのはそう難しくない。

自分と同じ失敗を、他の人が繰り返さないように、新たなシステムを考える。

それが出来たら失敗が、自分や周りの皆や会社の「成長の糧」になりますよ。

<お知らせ>

【2年連続】経済産業省「健康経営優良法人2022」に認定されました。

くわしくはコチラ>>

2022年

2月

26日

大掃除、まだ終わらないんです・・・

数回前のブログで、トイレ掃除について書きましたが、今回は本社事務所・工場全体についての大掃除の話です。

昨年は例年より早くから11月1日より2か月かけて、年末の大掃除・整理整頓月間を始めました。

(通常は12月1日より1か月間、これ以外にも一日かけて行う大掃除は年3回)

というのも、このコロナ禍を機に根本から自社を見直したいと考え、「ポストコロナの経営を考える>>」の回の「まずは身近な小さいところから見直し」の章で書いたように、長年に渡り手付かずのところも今回は手入れし、不良在庫や使っていない備品やら何やらも思い切って捨てるものは捨て、デッドスペースを減らし整理整頓をし易くし、業務効率化を図りたいと考えたからです。(大掃除まだ継続中・・・)

また生産性向上を実現するため、フェルト事業部では原綿の梱包設備を新しいものに入れ替えました。シニア事業部についても大きめの改革を実行中です。(落ち着きましたら正式にお知らせいたします)

 

また昔から「神様は綺麗好き!掃除は金運を良くし幸福を引き寄せる最高の神事」と言われていますが、私風に言い換えると「お客様は綺麗好き!掃除が行き届き綺麗な会社は信用スコアが上がる。掃除はお客様を引き寄せる最高の営業」という信念があります。

さて大掃除を始めてみると、すぐに私自身に「掃除の神様」が降りて来てくださいました。神様ではなく鬼が降りて来てるかも(笑)

以前にもブログに書きましたが、 私は掃除については大変細かい人間で、陰で社員の皆さんが「地獄掃除」と囁くほどです。

年に何度か徹底的に掃除をする日は、会社の前の道路にも掃除機とコロコロ(粘着クリーナー)をかけるぐらいです。

今回は社長通達の下、全社一丸となりチームワークをもって約2か月かけて大掃除・整理整頓をしたかいもあって、年末には例年を超え及第点以上に達しました。

しかしそれは私が納得のいくレベルではありませんでした。

大掃除をやり進めれば進めるほど新しい課題が出てきて、また次々と理想形が思い浮かび、ゴールポストを動かしてしまうのです。社員の皆さんもそうでしょうが、自分自身でも辟易としてしまいます。苦しいし、しんどいです。

時間の制約もあるし、年齢を重ね体力も以前のようにはいきませんし、寒い日や雨風の日は特に気が乗りません。

もともと、掃除は楽しい~と思って掃除している訳ではなく、自分をなんとか鼓舞しながらやっているので、「今日は寒いから」「今日はやる気が起きないから」と理由を付けて回避したくなってしまいます。

でも何事もそうですが、考えるだけでは少しも現状は変わらないですが、行動に移せば少しずつですが変わって行きます。掃除なんて特に行動すればするだけ成果が目に見えます。

やる気が起きない時は、簡単なことから始めて行くと、行動しているうちに次第にモチベーションが上がってハードルが高いことにも取り組む意欲が湧いて来ます。

そのようにして自分自身や社員の皆を鼓舞しながら、1月末まで大掃除を続けましたが、やはり時間の制限もあり、納得のいくレベルまでは到達出来ませんでした。

 

結局、アドラーの「嫌われる勇気」を思い出しながら、大掃除を2月末まで再延長し、完成形を目指して今のところ現在進行形です。

「私が一番掃除をしている」ことを免罪符にして大掃除を続けていますが、繁忙期の合間を縫っての大掃除なので、社員の皆さんには忙しい思いをさせていると思います。

しかし手付かずで見て見ぬふりだった場所も、一度リセットした後は綺麗に保とうという意識になりますし、整理整頓が出来た働きやすい環境で、4月1日からの新年度を皆で気持ち良く迎えたいと考えています。

<お知らせ>

花王グループ様と共同で、泉南市へ衛生用品を寄贈し、竹中勇人市長より感謝状と謝辞を頂きました。

今後も地域社会への貢献を目指して様々な取り組みを行って参ります。

くわしくはコチラ>>

2022年

1月

22日

多様な意見の中での経営者の意思決定プロセス

当社は多角経営で、業種で言えば製造業とサービス業を営んでいます。また当社には4つの事業部があり、さまざまな事業を行っています。

そのため色々な職種があり、よって前回のブログで書いたとおり多様な人材が勤めてくれています。

同質な組織に比べ、多様性のある組織は経営環境の変化に適応しやすいという利点がありますが、多様性があるゆえに意見が相違しやすかったり、多様な意識や価値観をまとめるのが難しかったりする場合があります。

そんな時の経営者の意思決定プロセスについて書いてみようと思います。

 

当社では各事業部長そして役員も含めて 8名ほどで会議することが多いです。

まず会議で重要なのは、皆が自分の意見を安心して発言出来ることだと思います。

事業部の垣根も、立場の上下も関係なく、何でも言いやすい環境づくりを心掛けています。

心理的安全性が低い状態では、人は「バカな意見だと思われたくない」「そんな事も知らないのかと思われなくない」など自己防衛の心理に陥り、同調した意見しか言えなくなります。

立場が上の人達が偉そうにしていては無用な緊張感を抱かせてしまうので、会議の際、ソファーセットに座るのは社員達で、私や専務そして税理士・コンサルの先生方はパイプ椅子に座ります。

会議の冒頭、「みんな揃った?じゃぁ解散!」と親父ギャグを私が飛ばして、皆の苦笑や失笑を買ってから始まります。一番バカな事を言うのが社長の私です。

 

出て来た意見を頭ごなしに否定したり無理解でいたりすると、次第に意見は出て来なくなり、そうなると私自身、多様な視点から物事を判断することが出来なくなってしまいます。

そのため、ピンと来なかったり、よく分からない意見であっても、社員みんなの当社に入社する前にそれまで過ごしてきた個々の背景や、年代による社会環境や文化の違いなどに思いを馳せ、相手の考え方や価値観、その提案や意見の根底にどんな思いが込められているか、なるべく理解するように努めています。

 

多様な意識や価値観があるゆえに意見がまとまらないこともあります。

民主主義であれば多数決で決めるのでしょうが、多数派の意見が最適解とも限りませんし、ああだこうだと合意形成が出来るまで話し合っていては時間がかかり過ぎます。

意思決定のスピードこそ中小企業の強みですから、「君ならどうする?」と一人一人の意見を傾聴し、良いと思う点は最大限採用して、後は私の経験と経営感に基づいて、経営資源と社会情勢を加味して、最終案は私が組み立てて決めます。意思決定は早いです。

そこで必要なのが、意思決定をした者の説明責任です。

納得していない様子の社員にはとくに、私の計画や考え方をとことん話します。情報も共有します。

お互いヒートアップして夜遅くまで話し合い、最終的に笑顔で納得してもらったこともあります。

その逆に私の方が説得され「よし分かった。それじゃぁ1年間だけ君のやり方でやってみい。それで失敗したら俺のやり方に戻せよ」となった事もあります。(ちなみにその件は現在も彼のやり方で続いています)

 

経験はあるけれど、経営者も答を持っているわけではありません。

とくに現在のような変化のスピードが速い時代には、過去の経験や知識が役に立たない場合も多いです。

ですから朝令暮改の繰り返しが常々つきまといます。

政治でもそうですが朝令暮改は批判を受けやすいです。しかし始めてみなければ分からない事というのは多々あり、刻刻と状況が変わって行くこともあり、状況が変化していっているのに朝令暮改の批判を恐れて最初の計画のまま進んで行っては上手くいくはずがありません。

大きな妥協はしませんが小さい妥協や変更はどんどんします。つまり目的は妥協しませんが、そのために計画の変更はたびたびします。

 

自分がした意思決定が正解か不正解か。そこに捉われると間違えます。

臨機応変に常に見直しながら、自社が進んでいる道を社員の皆とともに自分達の手で正解にしていきたいと日々がんばっています。

<お知らせ>

【3年連続】東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2023年度版に掲載されました。3年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。

これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。

くわしくはコチラ>>

2022年

1月

05日

新年あけましておめでとうございます

2022年(令和四年) 新年あけましておめでとうございます。  

旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。重ねて変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

さて、私は3年前の新年最初のブログで「ESG課題へ取り組んで参ります>>」という記事を書きました。

その取り組みも年々深化して行っています。(※当社の取り組み>>

本年もESGそしてSDGsへの取り組みを重要課題と位置付け、「持続可能な未来の実現」に貢献できる企業を目指し、全社を挙げて取り組んで参ります。

とくに本腰を入れて行こうと考えているのが、SDGs13番の開発目標「気候変動に具体的な対策を」についてです。

環境問題はグローバルイシューであり、脱炭素経営は大きな潮流です。

CO2排出量削減&省エネルギー等に更に取り組んでいくつもりです。

また「ポストコロナの経営を考える>>」で書いたように、企業をコロナ前の元の状態に戻すのではなく、聖域を設ける事無く、何事に対してもたえず見直しを行い、時代に合った新しい企業に作り変えてまいります。

 

ところで年末の12月20日に、お陰様で還暦を迎えました。

「還暦」を調べてみますと、干支・十干の組み合わせが60年で一巡することから、「元の暦に還る=還暦」と呼ばれるようになったと書かれていました。

干支とはご存知の通り、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」(12種類)の十二支のことです。

十干というのは、「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」(10種類)のことで、干支十干はこの2つを組み合わせたものが暦です。

しかし一回りは12年と10種類の順列・組み合わせで120種類ではないの?120年で一巡では?と考えて疑問符が脳裏に浮かびました。

読み進めていきますと十干の10と十二支の12の最小公倍数である60年が干支の一回りにあたりますとありました。何となくにしか納得できずに、最大公約数と最小公倍数を学びなおし、干支十干をそれぞれに10進法と12進法の横書きに2段に並べて書いて、上下に順に組み合わせを考えて行く過程で偶数は偶数のみ奇数は奇数のみの組み合わせしか出来ないことに気が付いてやっと理解できました。

 

ときに、何十年かぶりに「最大公約数」「最小公倍数」という言葉と再会したので、この機会に、当社を最大公約数と最小公倍数とを使って分析してみました。

当社では月毎(15日前後)に税理士・コンサル等の先生方にご参加頂き、全体会議(リモートを含む)を本社で行っています。メンバーは各事業部長と役員の8名+先生方です。

小さい会社ではありますがお陰様で従業員の多様性は多岐に及び、法学部・経済学部・農学部・文学部・家政学部・体育学部・様々な専門学校の出身、英語が堪能な者、障害のある者、また前職が植木屋や長距離運転手・調理師・宅地建物取引主任など、それこそ多様な人材が務めてくれています。

これらの多様性や事業部ごとの特性に垣根を設けず掛け合わせ、独自の部分を拡大・強調していくことで最小公倍数の施策を思考し、企画・開発の可能性を導き出すことが手段であり、そして実行に移していくことが会議の目的です。

また異なる事業部の複数の意見の中から導き出した最小公倍数の施策を、次に各事業部間で妥協できる最大限の落とし所として共通の要素を導き出し、投資資金や経費を最小限に抑えるために共通の重複した部分を精査することで最大公約数を導き出すことが企業努力もしくは経営努力だと考える次第です。

 

オミクロン株が感染拡大の兆候を見せています。

今、日本経済を取り巻く様々な環境の激変が矢継ぎ早に押し寄せていますが、これは「リスク」ではなく、今が新しい仕組みを作っていく「大いなるチャンス」と捉え、いっそう社業に精励いたす決意です。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

※還暦の祝いに、先輩諸氏の皆様が赤い柔道着を贈ってくださいました。