『何事も諦めず気が遠くなるまで繰り返す!』

私は柔道の中でこの事を学ばせて頂きました。諦めず精進を続けている限り未来に続く道は必ずあるはずです。この歳になっても今尚、なかなか未来はスッキリとは見通せません。しかし日々に危機感を持って覚悟を決めて、走り続けております!



2019年

8月

13日

あぁ早すぎ!価値観の変化

意識して情報収集するようになってからは特に、時代が凄いスピードで変化して行っている事を、恐怖心を覚えるぐらいに感じています。

 

【所有することへの価値観の変化】

トヨタは「脱・車メーカー宣言」をし、モビリティ(移動)サービス事業の会社に転換していくと宣言しました。その背景には、「成人になったら車ぐらい持っていて当たり前」といった価値観を持つ者が少なくなり、「必要な時にだけ借りれば良い」という「シェア文化」が広がっていることが背景にあります。

時代は、所有する時代からシェアする時代へと変化して行っているようです。

月額定額制(サブスク)で、洋服やバッグをレンタル出来るサービスなども流行しているようです。音楽や映画もそうです。CDやDVDを買うのではなくサブスクで視聴する人が増加していますが、これもレンタルのようなものです。

インターネットを通して個人が容易にモノ・場所・乗り物etcを貸し借り出来る「シェアリングエコノミー」は、もっと発展していきます。

そうなれば物を所有することへの価値観は変化します。

 

【会社というものの価値観の変化】

いま大企業が続々とリストラを打ち出しています。

みずほフィナンシャルグループが1万9000人の人員削減、損保ジャパンが4000人削減、日産が世界で1万2500人削減etc。

「大リストラブーム」と揶揄する新聞もあるほどです。

経団連会長ですら終身雇用の限界を公言する時代です。そして働き方改革で、政府が副業を推進している時代です。あまりの流れの変化に戸惑っている人も多いのはないでしょうか?まさに私もその一人です。

当社は田舎の中小企業ゆえに、従来の日本企業っぽい「社員は家族」のような想いで経営して来たので、合理的というかドライな雇用関係や働き方改革に戸惑う気持ちがあります。

私の世代では多くの人が、「この会社で定年まで勤めあげる」という希望を持って就職していました。

しかし、大手企業のリストラのニュースを恒例行事のように見て育った今の10代の若者たちが社会人になる時代には、会社に希望なんて持たないのが当たり前になっているかもしれないな・・・と悲観しています。

悲しいかな、利害関係の一致だけで結びつくドライな割り切った雇用関係が一般的になっていくのでしょうか。

 

【暮らし方への価値観の変化】

驚いたのですが、かつて標準世帯と呼ばれていた「夫婦と子」の世帯は、構成比で今や3割弱しかいないそうです。一番多いのは、単身世帯(一人暮らし世帯)で構成比の35%を占めています。

単身世帯より「夫婦と子」世帯のほうが上回る県は、2015年時点では、埼玉・奈良・岐阜・滋賀・群馬・富山の6県ありましたが、2040年にはゼロになるそうです。

 

今日は価値観の変化について綴って来ましたが、最後に私の母方の祖母(故・亀田マツ)について書かせてください。

祖母は、すさまじい程の大変な苦労を重ねて歩んで来た人で、晩年は、夏の暑い日に洗濯物を干している最中に倒れ、寝たきりとなりました。

そんな祖母の語録を紹介させて頂きます。

・人間は朝起きたら寝るまで座る暇はない。(祖母は一日中働いていた)。

・ご飯は座って食べるな!(時間短縮のため、祖母は立って食事していた)。

・ご飯は只の働くためだけの燃料補給だから、黙々と喋らず只々さっさっと食え!

・眠れない日は寝なくていいが、明日の仕事の為に横になったら体は動かすな!

・夜は最後に寝て、朝はニワトリを起こしに行け!(幼少時に預けられていた数年間、祖母が寝ている姿を一度も見たことがない)。

 

いかがでしょうか?今の時代では考えられないような価値観ですが、価値観は時代とともに変化して行くものだから、正しいも間違いも無いと思います。

ただ、こんな祖母に育てられたからこそ、あの時、乗り越えることが出来たんだと思えるような場面が、人生に何度かありました。

2019年

8月

13日

あぁ早すぎ!価値観の変化

意識して情報収集するようになってからは特に、時代が凄いスピードで変化して行っている事を、恐怖心を覚えるぐらいに感じています。

 

【所有することへの価値観の変化】

トヨタは「脱・車メーカー宣言」をし、モビリティ(移動)サービス事業の会社に転換していくと宣言しました。その背景には、「成人になったら車ぐらい持っていて当たり前」といった価値観を持つ者が少なくなり、「必要な時にだけ借りれば良い」という「シェア文化」が広がっていることが背景にあります。

時代は、所有する時代からシェアする時代へと変化して行っているようです。

月額定額制(サブスク)で、洋服やバッグをレンタル出来るサービスなども流行しているようです。音楽や映画もそうです。CDやDVDを買うのではなくサブスクで視聴する人が増加していますが、これもレンタルのようなものです。

インターネットを通して個人が容易にモノ・場所・乗り物etcを貸し借り出来る「シェアリングエコノミー」は、もっと発展していきます。

そうなれば物を所有することへの価値観は変化します。

 

【会社というものの価値観の変化】

いま大企業が続々とリストラを打ち出しています。

みずほフィナンシャルグループが1万9000人の人員削減、損保ジャパンが4000人削減、日産が世界で1万2500人削減etc。

「大リストラブーム」と揶揄する新聞もあるほどです。

経団連会長ですら終身雇用の限界を公言する時代です。そして働き方改革で、政府が副業を推進している時代です。あまりの流れの変化に戸惑っている人も多いのはないでしょうか?まさに私もその一人です。

当社は田舎の中小企業ゆえに、従来の日本企業っぽい「社員は家族」のような想いで経営して来たので、合理的というかドライな雇用関係や働き方改革に戸惑う気持ちがあります。

私の世代では多くの人が、「この会社で定年まで勤めあげる」という希望を持って就職していました。

しかし、大手企業のリストラのニュースを恒例行事のように見て育った今の10代の若者たちが社会人になる時代には、会社に希望なんて持たないのが当たり前になっているかもしれないな・・・と悲観しています。

悲しいかな、利害関係の一致だけで結びつくドライな割り切った雇用関係が一般的になっていくのでしょうか。

 

【暮らし方への価値観の変化】

驚いたのですが、かつて標準世帯と呼ばれていた「夫婦と子」の世帯は、構成比で今や3割弱しかいないそうです。一番多いのは、単身世帯(一人暮らし世帯)で構成比の35%を占めています。

単身世帯より「夫婦と子」世帯のほうが上回る県は、2015年時点では、埼玉・奈良・岐阜・滋賀・群馬・富山の6県ありましたが、2040年にはゼロになるそうです。

 

今日は価値観の変化について綴って来ましたが、最後に私の母方の祖母(故・亀田マツ)について書かせてください。

祖母は、すさまじい程の大変な苦労を重ねて歩んで来た人で、晩年は、夏の暑い日に洗濯物を干している最中に倒れ、寝たきりとなりました。

そんな祖母の語録を紹介させて頂きます。

・人間は朝起きたら寝るまで座る暇はない。(祖母は一日中働いていた)。

・ご飯は座って食べるな!(時間短縮のため、祖母は立って食事していた)。

・ご飯は只の働くためだけの燃料補給だから、黙々と喋らず只々さっさっと食え!

・眠れない日は寝なくていいが、明日の仕事の為に横になったら体は動かすな!

・夜は最後に寝て、朝はニワトリを起こしに行け!(幼少時に預けられていた数年間、祖母が寝ている姿を一度も見たことがない)。

 

いかがでしょうか?今の時代では考えられないような価値観ですが、価値観は時代とともに変化して行くものだから、正しいも間違いも無いと思います。

ただ、こんな祖母に育てられたからこそ、あの時、乗り越えることが出来たんだと思えるような場面が、人生に何度かありました。

2019年

7月

17日

手紙・履歴書

先月、当社シニア事業部が運営するサービス付き高齢者向け住宅フラワーホームに、中学2年生の女子生徒さんが2日間に渡り、職業体験学習に来られました。(くわしい様子はこちら>>)。

体験後しばらくして、フラワーホームに手紙を送って来てくれました。

一文字一文字とても丁寧に書いたであろうことが推測できる折り目正しい文字で、職業体験のお礼と、将来はフラワーホームで働きたいといった内容のことが、4枚に渡り書かれていました。

まだ中学生の生徒さんですから、これから数多くの事を経験し、たくさん悩みながら夢を見つけ、将来の進路を決めることでしょう。

しかし、「ここで働きたい」と一時でも思ってもらえたこと、そしてそう思ってもらえるような働く姿を見せた従業員たちを誇らしく感じ、手紙を読みながら胸が熱くなりました。

 

ところで現在、深刻な人手不足が叫ばれています。その中でも特に介護業界は厳しく、介護施設の66%が人手不足なのだそうです。

当社でも波はありますが、現在のところ人手には困っていません。

有り難いことに、名前が浸透し始めてからは、予算をかけて募集をしなくてもHPを見て履歴書が送られて来ることが増えました。1か月に3通届いた月もあります。

届いた履歴書は、内容を丁寧に一つずつ精読させていただいています。

お互い無駄足にならない為にも、紙面の少ない情報に神経を尖らせると、そこはかとなく紙面内部から私に語りかけてくれることが多く有ります。

一つ例を挙げると、字の上手い下手ではなく、丁寧に書かれたものなのか、そうでないのかは直ぐに判断がつきます。上記の中学生の手紙のように、一文字一文字丁寧に書かれたものは心に響きます。しかし、もし雑な文字でザっと書かれていたら、同じ内容だったとしてもこんなに心へ響くことはなかったように思います。

 

誰かの、なにかの足しになるものならと思い、「面接時、意外とこんなところを見ています」という点を付言しておきます。

【脱いだ後の履物】

当社のオフィスは土足厳禁でスリッパに履き替えていただくのですが、緊張の為もあるのか脱いだ靴の存在を忘れてしまっていたり、面接後にホッとして、使ったスリッパをそのままの形で放置したまま・・・なんて方もおられます。もちろん、これだけでは判断しません。

【自家用車】

お見送りの際に、車の止め方や整備具合を見ています。斜めに止めていたり、車の傷や凹みをそのままにしていると、先ほどのスリッパの件と合わせて、この人は細かい事が苦手な大雑把な人なのかな?と判断します。去り際に、雑然とし車内が目に入ると、「あぁやっぱり」と確信に変わります。

ここで職種によっては不採用を選択せざるをえなくなります。

 

あとこれは合否に関係なく、ただの好奇心なのですが、祖父母の生年月日を尋ねることがあります。クールそうな、もしくは合理主義的風な若い応募者が、淀みなくスラスラと祖父母の生年月日を答えたりすると、違う一面が見えたような気がして、ほのかに頬が緩んでしまいます。

生徒さんからの手紙
生徒さんからの手紙

令和元年6月20日(木)、泉南市なみはやグラウンドにおきまして、 泉南市グラウンドゴルフ協会主催「泉南市グラウンドゴルフ大会 第7回フラワーホームカップ」を開催いたしました。

 

詳しくはこちら1>>  2>>

優勝者~3位までの男女
優勝者~3位までの男女
第6回の大会レポートを、第7回大会で皆様にお配りしました
第6回の大会レポートを、第7回大会で皆様にお配りしました

2019年

6月

25日

新しい制度を始めます

新しく始めた制度のことを書く前に、現在すでに行っている、「提案制度」について紹介させてください。

当社では、業務改善・新規企画・アイディアなど、何か良い提案をしてくれた従業員に報奨金を支給する制度を設けています。

社長賞の100万円の受賞者はまだいませんが、過去に50万円(1名)、30万(2名)、10万円(5名)、1~5万(多数)の実績があります。

正社員はもちろんのこと、パートやアルバイトであっても尻込みせず提出するようにお願いしています。そして審査や実施までのスピードは、中小企業の特性を生かして可能な限りスピーディーに行っています。

この提案制度の導入により、従業員の仕事へ取り組む姿勢(モチベーション)が飛躍的にアップしたと感じます。

採用されるような「新規企画案」を生み出すのは難しくても、「日々の業務についての改善案」などは思い付きやすく、改善すれば本人も仕事がやり易くなり、その結果、生産性が向上し、そのうえ賞金が貰えるというWin-Winです。

改善すべき点に気づいて、新しい方法を自分の頭で考えて、自分達で責任を持って実行する。その小さな積み重ねが、会社の発展に大きな貢献をもたらしてくれると思います。

ですから、思い付いたことはどんな些細な事でも、どんどん改善提案をしてもらっています。

大きな改善より小さな改善の方が、会社としてもすぐに実行できるので、数多く採用することになります。自分の提案が何度も採用されることで充実感を得ることが出来ると共に、従業員の改善意識も高まっていきます。

やってみてダメだったら直ぐに元に戻せば良い!ぐらいの姿勢で、まずはチャレンジしてみる事の方に重きを置いています。

 

前置きが長くなってしまいましたが、今月から「情報提供制度」を設けようと思います。

企業にとって情報は経営資源です。

今年最初のブログで、私はESGについて書きました>>

ESGとやらが世界で注目されていることや、当社がすでに行っている取り組みの数々がそのESGに値する等の情報を教えられた時、私は衝撃を受けました。すぐに当社HP上で、当社の取り組みについて>>情報発信を行いました。そうすることで様々な良い波及効果が生まれました。

情報というものの重要さを見た思いです。

私自身出来る限りアンテナを高くし、世の中に氾濫するさまざまな情報に触れながら、取捨選択を繰り返し、有効な情報は経営に取り入れ、またこちら側からも情報発信して行くということを心掛けて来ました。

しかし、情報量が爆発的に増えて行く現状では、1日24時間では自ずと限界が生じます。

そこで、より多くの情報を得るために、「情報提供制度」を設けようと思います。

最初に書いた「提案制度」と同様に、どんな小さな情報でも提供してほしいと考えています。

例えば、「備品は、あっちで購入した方が品質は同じなのに安い!」とか、そんな小さなことからで良いのです。

まずは、従業員一人ひとり、今よりも少しアンテナを高く設置してほしいです。

ということで、情報提供制度スタートします!

●当社は、大阪府から障がい者の雇用や就労支援に積極的に取り組む企業として、

大阪府障がい者サポートカンパニー」の中でも「優良企業」として、令和元年5月27日に登録されました。

 

詳しく見る>>

2019年

5月

25日

変容し続ける会社へ

おかげさまで、当社は今年で創業67年目になります。

会社HPに載せている沿革>>からお分かりいただけるように、時代の変化とともに取扱商品の付加価値を高めてまいりました。

例えば難燃毛布の製造開始や、エコマーク毛布の製造開始、その延長線上に毛布の真空パック加工業の開始や、クリーニング業の開始があります。

近年は、国際規格であるISO9001品質マネジメントシステムや、ISO14001環境マネジメントシステムの認証取得、

また、太陽光発電の導入や、次亜塩素酸水を使用したクリーニングを導入し、環境負荷低減による付加価値の向上へ取り組みを行っています。

また2013年からは、社会のニーズに合わせ、災害備蓄用衛生用品の取扱を開始いたしました。

近年では、高齢者住宅事業、介護サービス事業、医療事業へも進出させて頂くようになってきました。

単なる多角経営にならないように、各事業部を相互に連携し、相乗効果を生むビジネスモデルを創出し、身の丈を超えない規模内で、毎年のように様々な変革を繰り返しながら、会社を成長させて来ました。

しかし今、これまでの経験が役に立たないほどの大変な変化の時代を、日本は迎えようとしています。

新しい時代へ>>」でも書きましたが、日本はこれから凄まじい少子高齢化×人口減少社会へと向かって行きます。

資料によると2030年には人口の3分の1が65歳以上になるそうです。また2060年には日本の人口は30%も減少し、8700万人ほどになると予想しているメディアもあります。

これまで多くの企業は、大量消費や人口増加を基にした「売り上げ規模の追求の経営」を行って来たと思いますが、人口減少により経済の前提が変化して行くため、これまでの経営をそのまま続けて行くと、いずれ行く先に暗雲が垂れ込める事になると思います。

経営者は脳みそを「人口減少時代の経営」にガラリと変化させなければなりません。

少子高齢化×人口減少社会を、世界で初めて経験する国は日本です。

皆、初めての経験です。歴史や他国から学ぶことが出来ません。

こんな時代に、私のような田舎の経営者はどんな風にして会社を持続させて行けば良いのだろうか?と悩みます。しかし全員が未知な世界だからこそ、既成概念に囚われず、また恐れず、新しい事や良いと思う事を、スピードを持って次々と実行して行ってやろう!と思っています。

当社が運営するサ高住での「入居者様アルバイト制度>>」も、その一つです。

 

また労働人口の減少で、人材の確保が年々難しくなって行くでしょう。その為には生産性を上げなければなりません。

生産性を上げる為には自動化領域の拡大や、AIやロボットの導入なども考えて行かなければなりません。

スマホもろくに使いこなせていない私がAIなど可笑しな話ですが、世界はもう電力や車やインターネットの無い時代に戻れないのと同じように、デジタル化の流れは不可逆的に拡大して行くのみでしょう。

社会の変化から取り残されないように、会社も私も変容し続けて行かなければなりません。

●当社シニア事業部が運営する、サービス付き高齢者向け住宅フラワーホームが、

高齢者住宅新聞様2019年5月1日号に掲載されました。

 

※記事を拡大する(PDF)>>

2019年

5月

14日

甲子園

先月、45年来の親友だったN君が亡くなりました。

彼とは地元中学校の同級生で、同じクラスになったことは一度もありませんでしたが、中学1年生からの付き合いでした。

友人になったきっかけは、校内体育祭で騎馬戦をすることになり、隣のクラスにいた体格の良い彼に私の方から「騎馬戦の馬を一緒に作ってくれへんか?」と声を掛けたことが始まりでした。

あと一人、I君という同じくらい体格の良い子にも声を掛けて3人で土台の馬を作り、その上に学年で一番体重の軽かったU君に乗ってもらいチームになりました。

結果、校内体育祭で私たちの馬は3年間負け知らずでした。

 

当時のスポーツ少年の誰もが「巨人の星」や「柔道一直線」を観て憧れていたように、中学卒業後は、N君は当時の野球強豪校 和歌山県箕島高校の野球部で甲子園を目指し、私は奈良県天理高校の柔道部で日本武道館を目指しました。

学校は違いましたが共に一流選手を目指して頑張る者同士として、互いに励まし合いながら、高校生になっても付き合いは続きました

その後、彼は肘の怪我と肝炎を患い、甲子園出場の夢は断念しましたが、社会人になって以降も野球を続け、地元の強豪草野球チームでピッチャーとして大活躍しました。

卒業後の数年間、彼は父が営む精肉店を手伝っていましたが、平成元年にその関連性を生かして、泉南市で焼き肉店を開業しました。

その名もずばり、青春の夢を託した「焼肉 甲子園」です。

持ち前の何事にも一生懸命で明るく優しい人柄は、多くのお客さんに親しまれました。

また、精肉店に生まれ育ったこともあり、肉の品質に関してはたいへんな目利きでもあった為、あっという間に近隣の市町村からも大勢のお客さんが押し寄せる泉南で一番の繁盛店になりました。

 

ある日、こんなことがありました。

当社に東京から来客があり、その日の夕食(接待)を甲子園に予約させてもらいました。

予約時間に甲子園に行かせてもらいました。が、不思議な事に本来なら予約なしでは座れない繁盛店なのに、ましてや夕方の最繁時だというのに客は私達だけです。

そこで私は、「今日はお客さんが少ないから、飲食時間120分を超えてもいいか?」と聞くと、「明日の朝までかめへんで!今日の客はタッチャン達だけやから! 今日は定休日やから、久しぶりに誰も来ないから、ゆっくり食べてや!」と言うのです。

私はその言葉を聞いて初めて、この日が定休日だったことを知りました。

定休日にもかかわらず、私の東京からの来客の接待と聞いて、一言も定休日には触れず、予約を受けてくれていたのでした。

帰りに店先を見ますと、確かに、のれんが掛かっていませんでした。

申し訳なさと、そしてN君の人柄と、親友としての気遣いに頭が下がりました。

後日、N君に尋ねると「つれの仕事の接待やったら、店しめれるかいな!」と話してくれました。

この一つを取ってもN君の人柄が偲ばれますが、他にも沢山のエピソードが思い出されて、胸が一杯になります。

 

最後に「焼肉 甲子園」に行ったのは1月の末頃だったのですが、帰り際に店先で、N君が「タッちゃん、握手しよう?」と声を掛けて来ました。

体調の悪さを年末から聞いていたので、私は親友を励ます意味で、「お前が病気を克服して元気になったら、記念に握手しょうや!病気がなんぼや!野球の練習に比べたら軽いもんやろ!」と断わると、「ホンマやな!箕島の練習に比べたら屁でもないわ!よっしゃ分かった!待っといてくれ!」と返ってきました。

その後も何度か携帯電話では話しましたが、会ったのはこの日が最後になりました。

訃報を夜に聞いて翌日の朝に自宅へ伺い、静かに眠るN君の布団の中に手を入れて握手をしました。

N君は、野球で甲子園に行くという少年時代の夢は叶いませんでしたが、平成の始まりから終わりまで30年間の長きに渡り、野球を経営に置き換えて「焼肉 甲子園」と命名した自分の店を繁盛させ続けたことによって、その夢を達成したように思いました。

 

N君、長い間お疲れ様でした。そしてありがとう。