生まれ変わる苦しみ

ここ大阪では緊急事態宣言から、まん延防止等重点措置に移行するようです。

外出自粛中の皆様も多くおられることと存じますが、いかがお過ごしでしょうか。

私は健康管理の一環としてストレッチを始めました。あと読書の時間が増えました。

 

先般、読んだ歴史本に「時代が移り変わる時、必ずしも素晴らしい発明や良い出来事だけがきっかけとは限らない」と書かれていました。

描かれていたのは明治維新についてです。

黒船来航と不平等条約という外国からの脅威、海外流出による生糸や茶の国内での品不足、それに連動した諸物価の高騰、その一方、海外からの安価な綿織物の流入により大きな経済的損害を被った綿織物業、たくさんの犠牲を出した内戦。

このように日本は様々な苦しみを味わいながらも、近代国家へ向けての「大激変」に順応していくことで、急激な成長を成し遂げることが出来たというような内容でした。

私は本を読みながら、まさに現在のコロナ禍と同じプロセスだと感じました。

「黒船来航」「新型コロナ」それぞれ1つの禍がきっかけとなり、さまざまな変化が至る所で起き、その変化に人々は苦心惨憺しながらも順応して、新しい時代へと生まれ変わって行く様子が共通しています。

 

コロナ禍が始まって今で1年半ほどですが、変化が加速しているのを感じます。少し例を挙げてみます。

・リスク分散の為に、企業のサプライチェーンのグローバル分散や国内回帰が進んでいます。

・多くの小売実店舗が苦戦している中、昨年米アマゾンは75,000人の追加採用を発表しています。

・リモート会議やリモートワークが加速しています。それにより都会のオフィスが縮小、また東京から転出する企業や個人も増えて来ているようです。またリモートワークは勤怠管理が難しいため、年功序列や勤務時間での評価ではなく、成果主義の方向へ変わって行くと予想されています。

・現在のところ期間限定ではありますが、「初診患者」のオンライン診療も解禁されました。

・リモート授業の浸透。今後はアマゾンのようなショッピングサイトで有名教授の授業1コマ〇円などで買える世界に変わって行くと予想している識者もいます。

・zoom飲みなどの新しい文化が誕生しました。

 以上のようなものは、コロナが無ければ、ここまで急激なスピードで浸透していなかったはずです。

 

あと、コロナとは関係はありませんが、人口の多くがスマホを持ち、SNSで自分の意見を発信したり、同時に何百・何千人に情報をシェアしたりが可能になったことで、従来の、人の口から口へと伝わって行く速度とは比べ物にならないほどの速いスピードで情報が拡散され、それにより人々の意識が変化して行くスピードも、どんどん速くなっていると感じます。

例えばジェンダー問題については、現在の世間の意識と、仮に5年前の意識とは大きく変化していると思います。その世間の意識の変化に気が付かないと、例の政治家のようにバッシングを受けることになるのでしょう。

また近頃毎日のように様々な番組でSDGsのコーナーを見かけます。そうなって来るとすごいもので、どんどん浸透して行っているようです。

先月当社の面接を受けに来てくれた方の履歴書にはSDGsについて書かれていて、逆に私の方が驚いてしまいました。

 

新型コロナは人類にとって大きな禍です。しかし大きな禍を何度も何度も乗り越えて、変化し順応しながら社会を発展させて来たのが人類です。

この機会にしか出来ないであろうことを、「ピンチをチャンスに変える」意気込みで、変革のきっかけにするため挑戦していければと思います。