ー2026年ー
2026年
5月
21日
木
スランプを解析する
今月、大谷翔平選手のスランプが報道されました。
「11試合、本塁打がない。111打席でわずか1本塁打と打撃不振!!」
そんな見出しが並びました。
【スランプには3種類ある】
スランプ!!これはもう前に進もうとする人にとっては、誰にでも何の前触れもなくやってくる来訪者です。
人生でも仕事でもそして趣味であっても、今まで出来ていたことが、ふと気付くと「うまくいかない」もしくは「出来ないようになっている」と感じることが多くあります。
私自身、学生時代に取り組んだ柔道や経営の経験で、数々のスランプと向き合ってきました。
その結果、スランプには3種類あると考えています。
【自分のズレが原因のスランプ(修正型)】
これは「自分でも気づかないうちに、基本が少しずつズレていくこと」で起こるスランプです。
この「わずかなズレ」が積み重なると、気づいた時には大きな不調となって現れます。
柔道でこのタイプのスランプに陥ったとき、私を救ってくれたのは「基本に戻ること」でした。
しかし自分一人で、どこがどうズレているのかに気づくのは至難の業です。
当時は、練習に使えるビデオカメラも、もちろんスマホもなく、頼りになるのは毎日練習を見てくれる監督やコーチの記憶だけ。
たとえば私と同じサウスポーの松本コーチからは、こんな指摘を受けました。
「最近、技の入り方が崩れている」「引手をもっと高く引け」「組手が下がりすぎている」「気持ちが前に出すぎて技が雑になっている」
技をかける前の間合い、タイミング、引手の位置、心持ち。
コーチのアドバイスを受けながら、それらを一つひとつ直していくと、不思議と自分を取り戻す瞬間が訪れます。
つまり、「原点に戻る=ズレを修正する作業」なのです。
このスランプを抜け出す最短ルートのひとつは、「調子が良い時の自分をよく知っている人の視点を借りること」です。
自分のズレには、自分ではなかなか気づけません。だからコーチのような外部の目が必要なのです。
この経験は、経営者となった今も生きています。
スランプに陥った社員本人が、その原因を自分で見つけるのは難しい。
ですから十分とは言えませんが、社員の表情の変化、声のトーン、立ち姿、所作、判断のスピードなどに目を配り、適切なタイミングで声をかけるようにしています。
経営者自身も、わずかな判断のズレ・姿勢のズレ・習慣のズレが積み重なると、このタイプのスランプに陥ります。
しかしながら年を重ね、立場が上るほど、柔道のコーチのように「ここが以前とはズレてきてるよ」と指摘してくれる存在は減っていきます。
そんな時に有効なのが、次に紹介する「うまくいっている人を真似る」 という方法です。
【成長痛が原因のスランプ(拡張型)】
これは「今の自分では届かないから苦しい」タイプのスランプです。
基本に戻るだけでは足りず、次のステージに進むための器の拡張が必要になります。
このタイプのスランプに有効なのが、「うまくいっている人を真似る」 という方法です。
真似ることは、自分のズレを照らす鏡になります。
うまくいっている人の話し方、態度、声のトーン、お客様との接し方、服装、時間の使い方、立案(閃き)、資料作りなど注意深く観察してみることです。
すると、自分との相違点や、以前は出来ていたのに今は出来ていないこと、新しい視点などが自然と浮かび上がってきます。
大切なのは一気に変えようとしないことです。「小さな一歩から真似る」 ことです。
一足飛びに変わろうとせず、小さな真似をコツコツ積み重ねることで、いつの間にか目に見えて変化しています。
たとえば私は、経営でスランプに陥った時「私の師である左右田社長>>ならどうするだろう?」とよく考えます。
10代20代の頃は、左右田社長の服装、所作、よく使われる言葉など、本当に小さい所から真似ていきました。
人間の脳には「ミラーニューロン」という仕組みがあるそうです。
これは、人の行動を模倣すると、その人の思考や感性まで取り込むという働きです。
実際、左右田社長の真似を積み重ねることで、無意識の中で社長の感性に近づいたような感覚が生まれ、新たなアイディアが湧き、スランプを乗り越える力になってきました。
余談ですが、左右田社長からは「丸竹」ではなく、よく「マネ竹」とお言葉を頂いて、からかわれました。
【外部環境の変化が原因のスランプ(環境適応型)】
これは自分ではどうにもならない外部要因が原因のスランプです。
「環境が変わったから自分も変わらざるを得ない」タイプのスランプで、戦略の再構築・価値観の刷新などが必要でしょう。
近年、多くの経営者の方々が悩まれているのが、この「外部環境の変化が原因のスランプ」なのではないでしょうか?
私自身もここ数年、コロナ禍やトランプ政権下での急激な経営環境の変化、さらに技術革新による商品ニーズの変化などもあり、このタイプの苦しいスランプを経験しました。
このスランプを脱するには、環境変化に適応するしかありません。
そのためには、痛みを伴う「見直し」や「手放すこと」が必要でした。
2023年春頃から始めた「第3の創業」とも言える経営および組織改革ですが(関連ブログ:■再スタートの春>> ■第三の創業>> ■訃報と中間報告>>)、おかげさまで改革を機にしっかりと結果が出始めています。
しかしながら、近年の経営環境の変化は、もはや「変化」という言葉では追いつかないほどの速さです。
ホルムズ海峡封鎖による物流・原材料・為替の変動、AIの普及速度、消費者の価値観の移り変わりの速さ、そして新しい競合は同業他社ではなく異業種から突然現れる時代になりました。
こうした激変の時代においては、スランプを「不調」だと捉えるのではなく、次のステージへ進むための「転換点」として前向きに受け止めることが大切だと感じています。
あえて陽気に、この激動の時代を共に乗り越えていきましょう。
2026年
4月
29日
水
スマホ通話が聞こえにくい同年代の皆さんへ
【新年度ご挨拶】
今回のブログは新年度最初のものになりますので、まずはご挨拶をさせていただきます。
新年度が始まりました。
日頃より当社を支えてくださる皆様に心より御礼申し上げます。
お陰様で前期は、これまで積み重ねてきた取り組みが少しずつ形になり、会社としても「次の一歩」を踏み出せる手応えを感じる一年となりました。
この流れを確かなものにするためにも、より一層の改善と成長に取り組んでまいります。
引き続き、変わらぬご指導ご支援のほど、重ねてよろしくお願い申し上げます。
【スマホの通話を聞こえやすくする】
さて、「耳が遠いと長生きする」なんて言葉もありますが、思い返せば私の父もまさにその通りで、91歳まで元気で長生きしましたが、耳は早い頃から遠くなっていました。
どうやら私も遺伝したようで、還暦前から高音が聞こえにくくなり、3年前の62歳には片耳ですが初めて補聴器を作りました。
ずっと装着していると疲れてしまうため、商談など大切場面だけ使うようにしています。
ところが最近、少し困ったことが出てきました。
どうもまた聴こえが落ちてきたようで、スマホの音声が以前より聞き取りにくくなってきたのです。
特に高音が聞こえづらいため、音量を上げても状況は変わらず、言葉の細かな部分がどうしても拾えません。
それでインターネットであれこれ調べたものの、「これだ!」という情報にはなかなか出会えませんでした。
仕方なく自分でスマホの設定画面を一つ一つ開いて確認していったところ、ある設定が劇的な効果があったのです。
もしかしたら「自分は知っているよ」という方も少なくないかもしれません。しかし若者と違って、シニアはあまり発信をしません。そのためこのシニア向け情報を、ネット上で共有している人は、あまりいないようです。
そこで同じように不便を感じている方の助けになればと思い、今回私が見つけた方法をここで共有します。
しかしその前に、これだけは必ずやってください。
受話口の汚れや詰まりを綿棒などで掃除すること!スマホの受話口はたいてい画面の最上部中央にあります。少し凹んでいる部分です。
【設定方法】
私のスマホは Galaxy 端末ですので、今回ご紹介する方法も Galaxy限定の設定になりますが、どうかご容赦ください。
まず前提として、イコライザーの調整は、イヤホンを使わないスマホ本体の通話には基本的に影響しないと言われていますが、Galaxy・Xperia・AQUOS などでは イコライザーが通話音にも反映される機種があり、私のスマホではどうやら反映されるようで、高音域を少し上げると、スマホを耳に当てての通話でも、劇的に聞き取りやすくなりました。
① まずスマホの「設定」画面を開きます。
② その中から「サウンドとバイブ」を見つけ開きます。
③ その中から「音質とエフェクト」を見つけ開きます。
④ Adapt soundのスライドボタンを右に動かして「ON」にします。
⑤ Adapt soundをクリックして開きます。
⑥ 下にスクロールして「61歳以上」を選択。
ここでひとまず1つ目の設定は完了です。
次はもっと詳細に自分の耳の聞こえ方に合わせていきます。
⑦ ⑤の「音質とエフェクト」の画面まで戻ります。
⑧ 「イコライザー」を開きます。
⑨ 「カスタム」をクリックし、自分専用に調整していきます。加齢による聞こえにくさは 4kHz・8kHz・16kHz に出やすいため、このあたりをメインに上げていきます。この時、ゆるやかな山を描くように調整すると、自然な聞こえ方になります。私は自分の聴力検査の結果を見ながら、正常値から落ちている音域を、落ちている分だけ持ち上げるように調整しました。
以上で設定は終わりです。
ほんの少しの調整ですが、私には大きな違いがありました。
もし同じように聞こえづらさで困っている方がいらっしゃれば、ぜひ一度試してみてください。
どなたかの毎日が少しでも楽になれば嬉しく思います。
2026年
3月
28日
土
制度改正で反毛業界が活気づく?!
資源有効利用促進法(資源法)が2026年4月に改正される予定です。
国が再生材利用を義務付けた製品(特定製品)については、これまでは努力義務・推奨レベルにとどまっていた再生材の利用が「義務」になります。
そしてその製品のメーカーには、「再生材の年間利用量や利用率」などの計画の提出(中長期計画)や定期報告(実績報告)が義務化される予定のようです。
これは これまでに無かった新制度 です。
特定製品を製造する企業は2026年以降、再生材を使わないと法律違反になります。
詳しくはこちら
https://www.env.go.jp/content/000342215.pdf
【プラスチックが特定製品に指定】
4月の改正では、従来の10業種・69品目に加え、新たな製品カテゴリが追加されるようで、候補として挙がっているのが、プラスチック使用製品(容器包装、家電筐体)のようです。
プラスチックについては、日本はアメリカに次いで世界第2位の年間廃棄量です。
しかし、今までプラスチックごみを資源として引き取ってくれていた中国・マレーシア・タイ・ベトナムなどへも国際的な規制が強化された為、輸出できなくなりました。
そのため日本国内では処理施設がパンク、一部自治体で廃プラが滞留し、廃プラの行き場が無い状態です。
これが政府の危機感を高め、再生材利用を義務化しなければ日本は回らないと、今回の判断に至ったのだと思います。
なお、燃やしてエネルギーとして使う方法は国際的にはリサイクルとして認められておらず、最近では「リサイクル」ではなく「リカバリー(回収)」と呼ばれ区別されるようになってきています。
【繊維製品は特定製品に指定されるのか】
残念ながら4月の改正では、繊維類は特定製品に指定されないようです。
しかしEUでは「2030年までにEU域内で販売される繊維製品を、耐久性があり、リサイクル可能で、リサイクル済み繊維を大幅に使用し、危険な物質を含まず、労働者の権利などの社会権や環境に配慮しものにする」との目標を掲げています。
また、製品ごとに再生材使用率の最低基準を設定する方針です。
今回の日本の資源法改正の中で、繊維製品については議論の対象に「正式に」含まれています。そのことを踏まえると段階的にだと思いますが、日本もEUの動きに追随し、そう遠くない未来に、繊維製品も特定製品に指定されるはずだと私は考えています。
【現状の繊維リサイクル】
当社では2022年には反毛の最新設備を導入し、繊維to繊維の量産を可能にしました。(詳しくはこちら>>)
ありがたいことに、大手アパレルメーカー様からも反毛についてお問い合わせをいただく機会が増えました。ただ、当社のような小規模工場では、大手様が求められるロットや価格帯にお応えすることが難しく、結果として双方にとって採算の合わない形になってしまうことがあります。
実際のところ、ご依頼にお応えできないことの方が多いです。
現在、当社が安定して利益を確保できているのは、特殊繊維などの付加価値の高い素材を反毛する仕事が中心です。
原料そのものが高価なため、バージン100%で製品を作るよりも、再生材を含めるほうが品質を保ちながらもコストを抑えられるのです。
そのため、特殊繊維の分野では、再生材を活用することが企業にとっても合理的な選択肢になりやすいのです。
逆に、一般的な量産品の反毛では、どうしても採算が合わず、小規模工場としては無理のある体制になってしまうのが現状です。
通常、再生繊維(リサイクル繊維)を使った製品は、どうしてもバージン繊維を使った製品より高くなってしまいます。
そして今の日本では、残念ながら「再生材よりも新品の素材のほうが価値が高い」と受け取られる文化がまだ根強く、環境に配慮した素材が十分に評価されているとは言えません。
「再生繊維なのに高い」という認識ではなく「再生繊維だからバージンより高い」「環境に配慮した素材には、それだけの手間と価値がある」「環境負荷を減らすための正当なコスト」という理解が消費者に広がっていくことが大切だと思います。
とはいえ、こうした価値観は市場任せではなかなか浸透しません。
だからこそ、まずは国が災害用毛布などの公共調達で率先して再生材を採用し、「環境のために再生材を選ぶことが当たり前」という文化をつくっていく必要があると思います。
【官公庁の災害用毛布の現状】
当社では使用済み災害用毛布をクリーニングし、再度真空パックして備蓄に戻す体制や(詳しくはこちら>>)、端材や未使用の保管期限済みの回収された毛布を反毛し、再生材として活用する技術をすでに確立しています。
2022年には、再生材を使用した災害用毛布の商品化も実現させました。(詳しくはこちら>>)
現在、グリーン購入法(環境配慮調達法)には、災害用毛布における再生材の使用割合を示す項目が設けられています。
しかし、これはあくまで「努力義務」であり、資源法のような強制力のある「義務」ではありません。
そのため、実際の調達現場ではどうしても価格が重視され、結果として選ばれるのはコストパフォーマンスの良いバージン素材の毛布です。
技術的にも体制的にも再生資源を活用できる環境は整っているにもかかわらず、コスト面のハードルや、従来の慣例にとらわれた調達の仕組みが残っていることで、リサイクルの取り組みが十分に進んでいないのが現状です。
【安定した需要が生まれないと、日本の反毛業界は消えてしまう】
反毛業界は今、深刻な高齢化が進んでいます。
長年この仕事を支えてきた職人さんたちが次々と引退し、「この先も続けよう」と思えるだけの安定した需要がないため、後継者が育たない状況が続いています。
実は過去に、ペットボトルから災害用毛布を製造していた事業者もありました。
技術も志も素晴らしい会社でしたが、当時は今よりも社会の環境意識が低かったため需要が低く、残念ながら事業を続けることができずに廃業してしまいました。
「需要がなければ、どれほど良い技術も続けられない」という現実を、私たちはすでに目の当たりにしています。
「本当は職人さんを雇いたい。でも、ひと月分の仕事が安定してないから、雇っても職人さんを遊ばせてしまう。そんな状況では、とても雇えないんです。だから結局、身内で回せる範囲の仕事しか受けられないんです」
そんな声を、同業者からよく耳にします。
需要が不安定なままでは、設備投資も人材育成も進まず、結果として「やめていく事業者」が増えてしまいます。
もしこのまま時間だけが過ぎてしまえば、いざ資源法で繊維が特定品に指定されたとしても、その時にはすでに日本国内には反毛業者がほとんど残っていない──という状況になることも考えられます。
だからこそ、まずは体制の整っている災害用毛布から、すみやかに特定品として指定していただきたいです。
災害用毛布は回収ルートも明確で、再生技術も確立しており、すぐにでも循環を始められる数少ない分野です。
それにもかかわらず、未使用のまま保管期限を迎えた数万枚の毛布に、数千万円の廃棄予算が付けられて、焼却されているのが現状です。(例:大阪府6万枚の廃棄予算額4,600万円)
ここで安定した需要が生まれれば、反毛業界全体の基盤が守られ、次の世代が「この仕事を続けたい」と思える環境が整います。
そしてそれが、将来の繊維リサイクルの土台にもなっていくはずです。
【コストの問題】
一般的な量産品の場合、バージン原料を使って製品を作るほうが安くなるのが現状です。
バージン原料は世界中で大量生産されており、供給も安定しているため、大規模な生産ラインで効率よく加工することができます。
一方、反毛は選別や異物除去などの工程が多く、小ロットで丁寧に作業する必要があるため、どうしてもコストが上がってしまいます。
再生材製品のコストが高いのは、まだ市場規模が小さく、安定した需要が生まれていないことも大きな要因です。
産業というのは、需要 → 設備投資 → 人材育成 → 供給力の向上という順番でしか育ちません。
需要が不安定なままでは、反毛工場側も設備投資や人材育成に踏み切れず、供給力を維持・拡大することが難しくなってしまいます。つまり、需要が安定しないから供給側が育たず、供給側が育たないから価格も下がらない、そんな悪循環が続いているのが現状です。
【政策で伸びる反毛業界】
反毛によるリサイクルは、バージン製品の製造よりも圧倒的にCO2排出量を削減できます。さらに化学繊維は石油由来のため、焼却すると大量のCO2が発生します。
そのためEUでは、「未使用繊維製品の廃棄をやめる」ことも提言されています。
日本もいずれこの流れに追随する可能性が高く、その時には反毛はサプライチェーンに欠かせないものとなるはずです。
現在、ホルムズ海峡の緊張によって原油価格が上昇しています。
石油を原料とするバージン繊維の価格も確実に上がるため、再生繊維との価格差が縮まる可能性があります。
戦争が早期に終結し、原油価格が下落する可能性もありますが、一方で現在の円安は長期化しやすい構造を持っています。
そのため、円安が進む場合もバージン繊維の価格は上がりやすく、結果として再生繊維との価格差が縮まる可能性があります。
時代とともに多くの製品が値上がりしている一方で、繊維製品はグローバル化による過剰生産・過剰消費の影響で、長く低価格が続いてきました。
EUはこの「安すぎる衣料品の構造」から脱却することも目標に掲げています。
バージン製品の価格が適正化されれば、再生材製品との価格差も自然と縮まっていきます。
また、EUが再生材の利用を強力に進めている理由の一つは、中国やアメリカへの資源依存を減らし、域内で資源を循環させたいという考えがあるためだそうです。
域内で資源を循環させれば、経済も雇用もEU内に残ります。
これは環境政策であると同時に、経済安全保障の視点でもあります。
日本も同じ構造を抱えており、今後は国内で資源を循環させる方向へ進む可能性が高まるのではないでしょうか?
そうなれば、反毛業者は日本のサプライチェーンで重要な役割を担うようになります。
反毛は、一つの工場だけで完結できる仕事ではないです。
工場ごとに原料の集まり方や偏りも激しいです。製品の用途も、得意不得意の繊維も、地域の事情も、それぞれ違います。
だからこそ、情報を共有し合い、知恵や経験を持ち寄り、足りないところを補い合あえば、できることは広がっていくはずです。
「一人で見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」という言葉があります。
実は最近、そんな思いから、これまでお付き合いのなかった反毛関連の事業者さん達にも思い切って電話をかけ、訪ねて経営者の方々とお話をしたり、工場を見せていただいたりしています。業界の現状を聞いて回る中で、同じような課題を抱えていることを改めて実感しています。
【政府へ望むこと】
以前当社のHPを見て、突然、内閣府からご連絡をいただいたことがありました。(関連ブログ:内閣府からのメール>>)
たとえ田舎からでも発信し続けていれば、思いがけない所にまで届くのだなぁと感動した記憶があります。
ですから、いつか遠くに届くことを期待してここに発信します。
政府にまずお願いしたいのは、公共調達において再生材を積極的に採用する仕組みを整えていただきたいということです。
国や自治体が率先して再生材を使うようになれば、市場全体が動き、価格の安定や業界の持続性につながります。
あわせて、未使用の繊維製品を安易に廃棄しないための制度づくりも欠かせません。
循環をすぐにでも始められる分野から、優先的に特定品として位置づけていただきたいと考えています。
もし将来、資源法で繊維が特定品に指定されたとしても、その時には国内の反毛業者がほとんど残っていない──
そんな状況だけは避けたいのです。
今、動いていただくことで、反毛という技術と産業を次の世代につなぐことができます。
どうぞよろしくお願いいたします。
2026年
2月
22日
日
地銀さん&経営者さんご一行 ~吉野への旅~
先日、日頃からお世話になっている地銀の担当者さんからお声掛けいただき、地銀さん主催の交流会バスツアーに参加してまいりました。
行員さん7名と、泉州エリアの経営者やそれに準ずる皆さまが集まり、総勢約30名のにぎやかな旅となりました。
集合は11時30分。
これは絶対に遅れるわけにはいかない!と余裕を見て11時に到着すると、他の皆様も続々と集まってこられ、予定より15分早い出発となりました。
車中では支店長や会長のご挨拶に続き、お弁当をいただきながら和やかな昼食。
まるで大人の遠足のような雰囲気の中、阪和道を走り抜け、一行は歴史の息づく吉野へと向かいました。
前日の予報では最低気温マイナス2度、標高約390メートルの金峯山寺(きんぷせんじ)へと向かうため、分厚いダウン、マフラー、手袋、腹巻にはマグマのカイロを貼って向かいました。
最初に訪れたのは、世界遺産や文化財の修復も手掛ける福西和紙本舗さんです。
吉野和紙の歴史そのものともいえるこの場所で、人生初の紙漉き(かみすき)を体験しました。
ご主人の細やかな手ほどきを受けながら、無心なって8枚のハガキを漉き上げました。
本舗のご主人は吉野の商工会の会長も務めておられるとのことで、今回の参加者である熊取町商工会会長と、地域の未来について熱心に意見を交わされていました。
また最後にご主人がご挨拶されましたが、紙漉の話だけではなく、吉野の経済状況や今後の展望まで含まれた示唆に富むお話を伺うことができました。
その後、一行は金峯山寺に向かい、午後4時頃に到着しました。
さすがに、この高度まで来ると気温がグッと下がり、肌を刺すような冷気です。ツアーガイドさんによれば、わずか3日前には10cmほどの雪が積もっていたとのことでした。
散策の途中、「急な坂道100メートル」「穏やかな坂道250メートル」の分岐がありました。
私を含め年配の方が多かったので、「膝が・・・」と笑い合いながら、皆で穏やかな坂道を進みました。
4時半からは本堂で行われる夕座の勤行に参列させていただきました。
最初は礼儀を考えて上着を脱いでいた私達でしたが、吹き晒しの本堂にて1時間の勤行。
あまりの寒さに、気が付けば全員しっかり上着を着込んでいました。
日頃、寒さに対する鍛錬をせず、僧籍を持たない私達からすれば、「体験」を超えたまさに「修行」と呼ぶべき時間でした。
身も心も引き締まる、忘れがたいひとときとなりました。
バスに戻り、カイロを手に握りしめながら、ようやくほっと一息着きました。
懇親会は竹林院群芳園で行われました。
地銀の皆様をはじめ、これまでの交流会で顔なじみの経営者の方も多く、支店長のご挨拶、会長の乾杯の音頭からスタートし、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
その中で、ひときわ印象に残る出会いがありました。
M株式会社の社長との出会いです。
以前からご挨拶程度の面識はあったのですが、
「すごい耳の潰れ方をしてますな。柔道ですか?僕の耳はレスリングでしてね」と声をかけてくださり、思わず私も「触ってみますか?社長も相当厳しい練習をされたんですね。耳を見れば分かます」と返し、お互いの「潰れた耳」に触れ合った瞬間、言葉を超えた連帯感が生まれました。
かつて不条理とも言える昭和の厳しい練習に耐え、己を磨き上げた日々。その共通の原体験が一気に距離を縮め、昔からの先輩か友人であったかのような錯覚さえ覚えました。
そこからは学生時代の思い出話に始まり、経営の話、仕入れの話、日本経済の話、為替の話、地政学リスクの話、そしてお互いの苦労話まで多くの話をしました。
経営者は孤独なものですが、同じ立場で本音で語り合える相手との時間は、何よりの励みになるものだと実感しました。
また私より年上の経営者の覇気ある姿を見て、まだまだ私も頑張れるなと勇気づけられました。
近日中の再会を約束し、最後は皆で万歳三唱をし、この濃密で長い一日は幕を閉じました。帰りのバスでは皆、爆睡と沈黙の2時間でした。
地銀の皆様の心尽くしの企画により、大変有意義な一日を過ごさせていただきましたことに心より御礼を申し上げます。
参加者一人ひとりに気を配り、時に走り、時に時計に目をやり、会の円滑な運営に尽力しておられた姿に、陰で支えてくださる方々の存在の有難さを改めて感じました。
地銀の皆様が、地域の経営者同士のつながりを大切にされている想いが随所に伝わり、そのおかげで参加者同士の交流も自然と深まったように思います。
私自身も経営を通して、地域経済の発展に微力ながら尽力してまいる所存でございます。
きっと行員の皆様、ようやくご自宅に辿り着かれた頃には、動けないぐらいクタクタだったことでしょう笑。
ありがとうございました。
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2026年
1月
14日
水
今から自分に100万通りの未来があるって知ってる?
2026年が始まりました。21世紀の第1ラウンド(四半世紀)が終了し、第2ラウンドに突入です。
今年に入ってまだ2週間ほどですが、米軍によるベネズエラ大統領拘束、イラン崩壊の危機、衆議院解散の電撃報道、中国によるレアアース規制、米国の66の国際機関からの脱退表明など世界の骨組みが軋むような出来事の連続です。
既存の秩序が崩れ、剥き出しの力が支配する世界へと急速に移行していることを感じます。
今の若者たちの多くは22世紀を生きることになりますが、そこはどんな世界なのか?考えてみたのですが、なんだか想像がつきません。
地政学リスクのほか、私たちが想像もできないような新しい課題(環境の変化やテクノロジーとの共存など)にも直面するかもしれません。しかし未来が平和な世界であってほしいなぁと心から願っています。
【100万通りの未来】
こんな話を目に耳にしました。
やるかやらないか?続けるかやめるか?など、二択の選択を10回重ねると2の10乗で1024になります。つまりこれから先、たった10個の新しい選択をするだけでも、自分の未来は1,000通り以上に広げることができるということです。
たばこを止めるか止めないか、運動をするかしないか、資格を取るか取らないか、頑張るか頑張らないか、挑戦するかしないかなど様々な選択がありますが、1回1回は小さな「AかBか」という決断でも、たった10回積み重なるだけで、全く違う1,000通りの未来が生まれるのです。
これが20回という数字になると、その結果は想像を絶するような規模に跳ね上がります。
結論からお伝えすると、2の20乗は 1,048,576 です。つまり、2択の選択を20回重ねると「100万通りの未来」が生まれることになります。
1年に2回、大きな決断をするなら、 わずか10年で100万通りの未来へ分岐します。
100万通りの人生の中で、一番上と一番下を比べれば、きっと全く違う人生です。
他人と自分の人生を比べると無力さを感じることもありますが、「自分の100万通りの未来の中で、せめて上位50%、できれば上位25%を目指してみよう」と考えると、不思議とやる気が湧いてきます。
現状を変えたいと思うなら、小さな選択でも良いので、その選択(行動)を何度も積み重ねること。それが未来を大きく変える力になると、数字がはっきり示しています。
【企業の未来】
政策金利がジワジワと上がっています。私は1980年代の短期プライムレートが5〜8%の時代も経験しているので、それに比べればまだまだ低いと言えます。
しかし当時は需要が高く、お金を借りてでも投資すれば、それを上回る利益が出た時代。つまりどこの川でも魚が釣れた時代でした。
現在は、金利が上がり始めているのに、需要は縮小、あるいは停滞している時代で、全く環境が違います。
直近の約30年間は多角化や新規事業にも挑戦しやすい環境でした。というのも低金利のため、お金を借りるコストがゼロに等しかったため、新しい事業が軌道に乗るまで時間をかけることができたのです。またデフレのため、どの事業も爆発的には伸びないからこそ、企業は多くの事業を持つことでリスクを分散し、少しずつの利益を積み上げることで成長できたのです。
しかし、金利が上がっていく世界では、高い利息を払った上で、さらに会社を成長させるための利益を残さなければならないので、『収益性』が重要になります。
今はまだ低金利ですが、「時間もコストになる」事を意識しなければいけないと自分に言い聞かせています。
ほとんど忘れかけていた感覚ですが、かつての高金利時代に感じた一日一日に利息を感じるようなあの焦燥感を思い出して、「金利のある世界」という新しい世界での舵取りをしなければと思っています。
また現在は企業も個人も財布の紐が固くなっていて、本当に必要な物以外の需要は減っているではないでしょうか。魚がいる川と魚が消えた川がハッキリ分かれてきたように感じます。
企業の未来も、人生と同じです。先述したように、私が今から10個の選択をするだけでも、当社の未来は1,000通り以上に広げることができます。
市場をよ~く見ながら「今は何に最も熱量を注ぐか」を意識し、その1000通りの未来の中の上位25%入りを目指して、社員の皆さんと共に本年も突き進んでいきます。
























