お正月休みが明けた後、取引関係にあるS社様が、ご丁寧にも5名(女性2名を含む)で当社へ年始の挨拶に来てくださいました。
その帰り際、玄関先でお見送りをしている時、S社の女性の方々が、
「専務、ちょっと待ってください!こちらはトイレが綺麗ので、コンビニに寄ってもらうのを止めてここで借りていきます」と言って、私とS社専務にことわりの言葉を掛け、再度本社の中に入られました。
最初に自慢話では無い事を先にお断りしておきますが、実は「トイレが綺麗」とか「ここは掃除が行き届いている」とお声掛け頂いたのは初めてではありません。
その中でも、私の繊維業の大先輩で恩人でもある、三共毛織株式会社の今は亡き中野勇三専務(※業界の大先輩からのバトン>>)から若い頃に掛けて頂いた言葉がきっかけで、私はトイレ掃除に今まで以上にこだわるようになりました。
改装前の旧本社の頃、中野専務に来社頂いた折、
「あんたの会社の建物はボロいけど、トイレだけは掃除も綺麗やな!」
「岐阜の長谷虎紡績株式会社さんみたいやな!長谷虎さんは何回か行かせてもろたことあるけど、あそこの会社はトイレ掃除も行き届いて綺麗やで!」
「トイレが綺麗なところは決まって社員もよく教育されとるしな、会社も立派やで!」というお話を聞かせてもらいました。
単純な私は、「うちもいつか長谷虎さんのように、世間様から立派な会社と言われる会社になりたい!」と憧れのような想いを持ち、その日以降、特に念入りに掃除をするようになりました。
元来、父方の祖母(※掃除とおもてなし>>)の影響や、武道(少林寺や柔道)をしていた関係、また生まれ付きの神経質さから、掃除にはマメな方でしたが、掃除という行為の先にあるものを具体的に意識するようになったのだと思います。
従業員に対しても掃除!掃除!と口うるさく言っていますが、現在も、本社の玄関とトイレは自分自身で毎日掃除をしています。
トイレの便器にワックスを施してピカピカにし、玄関のガラスは無いと勘違いしてオデコをぶつけるほどに掃除しています。
今では、高速道路のパーキングエリアや飲食店等、出先のトイレを使わせて頂いた後は、次の方に気持ち良く使って頂けるよう、簡単ですが掃除をしています。
自社の掃除をするのは、もう習慣になっていますから何も苦はありません。しかし、よそのトイレを掃除するのは、「実行力」「社会への奉仕の精神」がそれなりに必要になります。
「まぁいいか」と思ってしまう気持ちと、いつも戦っています。
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