2016年4月のページ

2016年

4月

27日

後になって気づくこと

プロフィールやブログにも何度も書いているが、私は15歳の時に地元大阪を離れて奈良の天理高校に柔道をする為に入学した。

それまでは実家の大阪で、やりたい放題の自由気ままな生活を送っていたわけだが、入学した瞬間からそれはそれは厳しく管理された生活が待っていた。

約40年前の話であるから、現在はもう大きく違うであろう。

柔道部専用の寮に入寮し、自室や道場の掃除はいうに及ばずトイレ掃除や廊下の掃除、皿洗いや洗濯はもちろん、布団の敷き方や挨拶の仕方まで、すべて詳細に決められた規則の中での生活であった。

そんな生活の中、柔道の修行は朝練の走り込みから始まり、放課後の部活動はもちろんのこと、寮での就寝前の筋力トレーニングまでも決められていた。

入学当初は柔道の修行よりも規則と礼儀作法というものを徹底的に教え込まれた。

当時は正直「なぜ、こんな苦しく厳しい所へ来たのだろうか?」と自分自身の選択を恨んだりもした。しかし、人生の中でも一番多感な時期に受けた様々な厳しい指導は、経営者となった今の自分にとって、人生最大の財産となっているのが現状である。

柔道をする為に天理高校に入ったのだが、結局は柔道だけではなく、社会で生きていくために大事なものも数多く学んだと思う。

というのは、まず柔道や肉体を酷使するスポーツの類は加齢や肉体的な限界が自ずと存在するので一生続けることは不可能である。

ほとんどの場合、大学を出れば社会に出て働くことになる。

その時に必要な要素のほぼ大半を、私の場合、柔道を通して教えられたである。

 

簡単ではあるが、柔道を通して教えてもらったことを大別すると

「濃厚な集団生活から学ぶ人間関係の作り方、礼儀作法、集団の中での自分の役割の見つけ方や果たし方」

「最初はしんどいと感じる規則も、習慣化させることにより苦を感じることなくやれるようになること」

「血の滲むような努力をしても、その努力が結果に反映されるとは限らないスポーツの不条理さを経験することで、社会に出てからの不条理にめげない精神力を養うこと」

「諦めず限界まで続ける持久力。そして限界だと思っていた先にも光はあり、知らぬうちに成長出来るということ」

そういったものを教えて頂いた。

 

偉そうな事を綴ったが、今になって過去を振り返れば、上記のようなことを無自覚のまま学べていたんだなぁと感謝出来るが、当時はただただ目の前の柔道に一生懸命になっているだけで、その努力が今後の自分の人生にどう影響して来るかなど考えもしなかったし分からなかった。

真っただ中に居る時は、「しんどい」「辛い」「もう辞めてやる」と思うことの方が多かったが、時が過ぎてみれば、そんな時期こそ自分を成長させてくれていた時期だったのだと、今さらながらに思った。

 

2016年

4月

17日

スタートして約半年

2016年4月14日に発生した「平成28年熊本地震」により、お亡くなりになられた方々に深い哀悼の意を捧げると共に、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

1日も早い復興をお祈り申し上げると共に、弊社も災害復旧に全力を尽くして支援してまいります。

 

サービス付き高齢者向け住宅「フラワーホーム」を昨年の11月4日にオープンして来月で半年になる。準備室の立ち上げから数えれば約2年が経過した。

振り返ってみれば、計画通りに進まないことも多く、幾度となく計画の見直しを繰り返えさなければならなかった。

思っていた以上にしんどいなあ!と感じることも多かった。というより朝に夕に思っていた。

しかし10数名の入居者様にも恵まれ、訪問介護や看護にも伸びる兆しが見え始め、デイサービスやリハビリ施設も計画から準備段階に入ることが出来るようになってきた。

入居予約や検討中の方をカウントに入れさせて頂くと約50%の入居率も視野に入る段階に近づいてきた。

この段階まで来ることが出来たのも師匠である東建コーポレーション㈱代表取締役社長兼会長である左右田鑑穂様や当フラワーホームを選択して頂いた入居者様を始めとし、関係して頂いているすべての皆様のご尽力とご厚情、ホームのスタッフや本社の社員の協力体制と「すべての社員・スタッフの努力の賜物」だと思う次第である。

まずをもって御礼並びに深謝申し上げる次第であります。ありがとうございます!<(_ _)>

 

さて最初は高齢者福祉に関しては素人同然だった私であるが、ようやく業界のなんたるかも見え始めてきた。

しかしながらこの世界は知識が増えれば増える程に、益々複雑になってくる。

介護保険制度は3年ごとに改定が行われるし、去年は介護保険制度スタート以来の大きな制度改正もあり、変更内容が大きく、しかも多岐にわたるため、素人に近かった私はもちろん当然だが、長年携わっている現場のプロでさえ、厚労省のマニュアル本で最新の指針を確認しながら進めることになる。

私は本社で本業の事業を進めながら、新規事業を軌道に乗せるためにフラワーホームと本社を行ったり来たりの毎日である。

「本業が安定しているのになぜ今さらそんな苦労をしてまで新規事業に進出するのですか?」

これはよく受ける質問である。

今までにもこのブログで何度か新規事業に進出する理由を書いてきたが(詳しく読む>>

今回初めて、企業としてではなく私個人の理由を書くと、

苦労してでも新しい事業に挑戦する理由は、一言で言えば「経営が好き!」なのである。

言い方を変えれば、みんなを取りまとめ、システムを作り上げ、別々だった皆それぞれの力のベクトルを合わすことにより、何倍もの大きな力に変化させ、成果を生み出して行くことが好きなのである。

そういう事をしながら人生を進んでいく事に「経営者としての生きがい」を感じるのである。

冒険か無謀か」でも同じようなことを書いたが、過程が苦しければ苦しいほど、それを克服し成果を生み出した時の喜びは大きく、その喜びを味わいたが故に経営に熱中出来るのである。

 

新規事業を展開している現在、経営者として新たな学びになることがとても多い。

シニア事業部の社員やスタッフが増えたが、本業の製造業とはまた違った物差しを持った皆と出会い、一人一人の物事に対する視野の違いを知り、観点の果てしない多様性を学べている。

その観点の中には私自身、「目からウロコ」の思いを感じたこともたくさんある。

一人一人との出会いが私にとっては学びであり、悩みの数だけ経営者として私を成長させてくれていると感じている。

 

2016年

4月

10日

機会損失の排除

今回は、中小企業におけるビジネスチャンス損失の排除について書きたい。

大まかに「営業」・「電話対応」・「製造」の3つに分けて、当社における具体例や目標も含めながら、書き進めていきたい。

 

営業においての機会損失の排除

まず中小企業の営業部門においての機会損失の一番の原因は、営業拠点と人員が少ないことである。

その欠点をカバーするためには?

1、

代理店さまを1店でも多く開拓すること。そして定期訪問における商品の勉強会や、より多く販売して頂くために魅力あるパンフレットを作成し、少しでも当社の商材が売り易いように販売の後方支援をさせて頂くこと。

2、

ITを中心とした販売促進資料を高度化させると同時にPR効果を高めること。

HPは24時間営業活動をしてくれるものであるから、営業マンにすぐに連絡が付かないことによる機会損失を排除するためにも、最新の情報をwebからお客様に取得して頂けるようにマメに更新を心がけること。そして一人でも多くのエンドユーザーさまの目にも触れるようにすること。

ちなみにテキスタイル事業部ではアプリを作成しアプリを使っての営業や見積もり、シニア事業部ではパワーポイントを使っての営業などで、営業拠点や人員の少なさをカバーしている。

3、

全員営業>>を心がけること。

そのためには情報を自分の部署内(事業部内)だけに留めてしまわず、社内全体で共有すること。

社員全員がアンテナを高くして、自分の部署(事業部)以外の情報にも敏感になることで、部署外のことをお問い合わせいただいても、皆がその場で受け答えが出来る体制を目指すこと。

 

電話対応においての機会損失の排除

「ビジネスチャンス到来は電話対応の如何にある」言っても過言では無い。

電話での問い合わせにおいて、会社の第一印象はその「受け答え」で決まる。

シニア事業部を開設し、多くの新入社員やスタッフが入社して来た。電話対応が上手い者もいれば、そうでない者もいる。電話対応の斑(むら)による機会損失を排除するために、各自のポテンシャルに任せるのではなく「電話対応マニュアル」の厳密化と更新に取り組んで、大企業並みの電話対応品質向上にむけて日夜、研修を怠らないこと。

その他にはアフターサービスとクレーム処理も大事な要素の一つである。

アフターサービスは次のビジネスチャンスに繋がっているし、特にクレーム処理の内容は、次の商品開発にも繋がっている。

 

製造においての機会損失の排除

中小企業であるが故、端境期に赤字を出さない最小限の製造体制を敷いている関係上、繁忙期には製造キャパの限界値にすぐに達してしまう。ここが中小企業の一番大きな泣き所である。

キャパが無ければたとえ大きな仕事が舞い込んでも断るしかない。これではビジネスチャンスの大損失である。

そこで当社では「端境期の自社でのある程度の作り貯め」・「繁忙期に派遣社員投入での24時間製造体制」・「繁忙時期に差異のある産地への協力依頼製造体制の構築」・「同業他社との在庫融通化による協力体制」・「最後は海外での緊急買付」という5本柱で対処している。

 

その他に機械損失を挙げるとすれば、大手さんに比べて製造コストが高くなってしまうというところであろうか!?

中小企業は、製造コストの安い海外への進出は資金力の脆弱さから簡単には儘ならない。

そこで小回りが出来ることとレスポンスの速さという特性を生かして商品自体の付加価値を高めた「なるべくコスト競争の影響を受けにくい物づくり」で、対処して行くという道しか無いと思うのである。

そしてここで一番恐いのは既得概念に囚われて、去年も売れたから今年も引き続き売れるだろうと楽観視してしまうことから起こる商品の開発遅延と、既成概念に囚われて、「過去に作った経験の無いものだから」と簡単に「出来ません」と断ってしまうことでビジネスチャンスを逃すことであろう。

 

 

いくつか例を挙げたが、結局は「ヒューマン」である。

(ITの例も挙げたが作成するのも更新するのも使うのも人である)

これが経営の要諦の中でも昔から言われている「企業は人なり」という言葉の意味であり、「社員教育の重要性」の如何だと私は理解している次第である。

 

2016年

4月

03日

顔と名前を覚えるには

昨年の11月4日にフラワーホームを開設してからは、初対面の人にお会いする機会が一層増えた。

面談させて頂き名刺交換をさせて頂いても、次にお会いした時にはお名前が思い出せなかったり、偶然に外出先でお会いした時などは会社名すら思い出せずに慌てることが年齢とともに増えてしまった。

ビジネスの機会だけではなく私生活においても、お名前を間違えたり覚えていないとなると、加齢による現象の一環ということでは済まされず、相手の方に対してこんな失礼千万なことはないと思うのである。

そこで、近年私が行っている対策を記してみたい。

そもそも覚えようという意識自体が最近は少し低下して来ているように思うので、衰えを食い止めようと、あえて自分自身に宿題を課すようにしている。

 

月並みではあるが、まず顔と名前を覚えるために、その方が帰られた直後に名刺の裏に取り外しの出来る付箋を付けて、手帳以外にもメモを取るようにしている。

名刺への直接の書き込みは失礼な気もするし、裏書が有る場合も最近は多いのであえて別の紙に記入して貼り付けるようにしている。

内容はお会いした日付・紹介者・来意・話題・髪型・体形、そしてもし判れば出身地・出身校等、その他、記憶に残った事柄を簡単に要約したものである。

 

ところで先般、このような話題を社員と話していた時、私は愕然とした。

その社員は「社長!そんなことをしなくても、もっと簡単に出来る方法がありますよ!」

「スマホかタブレットを使えばいいじゃないですか?」

「その方がメモを取るにしても簡単便利だし、名刺を読み込む機能だって付いてますよ!」

「我々世代では、初対面でお互いの写真まで取ることだって有りますよ!」と言ってきた。

言われてみればそうであるが、つい最近まで私はガラケーを使っていたので、そんな機能が有ることさえ知らなかった。

ちなみにスマホではない昔ながらの携帯の事をガラケーと言うのだそうだが、正式にはガラパゴス携帯というのだそう。

世界の進化の流れに取り残されて、小さな島の中だけで独自に進化したガラパゴス諸島の生物になぞらえた用語だそうだ。

このままでは私自身が世界の流れに取り残されガラパゴス化してしまう!

そこで早速スマホを弄ってみたが、その名刺を読み込む機能がどこに付いているかさえ見つけられなかった。

結局、その機能はアプリをダウンロードしなければ使用できない機能だったのであるが、どうやってダウンロードをすれば良いのか分からない。

 

以前に読んだ本田宗一郎氏(Honda創業者)の自伝に「若い社員が今、何の開発をしているのか聞いても理解できなくなったので引退を決意した」と書かれていた。

私は、最低でもあと20年は現役でいたい!

そのためにも、先端技術等や良いと思うことはすべて、年齢や立場の上下に関係なく、若い子やたとえ10代の子にでも、頭を下げてでも色々な事を学ぼうと思った次第である!

 

ごあいさつ

2015年より3年間という期間を定めて「第二の創業」をスローガンに革新を行おうとスタートを切りました。

その一つとして昨年11月には新規事業である「サービス付き高齢者向け住宅 フラワーホーム」の運営を開始し、介護ステーション、看護ステーション、クリニックなどサ高住に関連した事業所も順次開設致しました。

そして今年度は、6月よりデイサービス、10月よりリハビリステーションを開設すべく準備を進めております。

社内の制度や経営システムについても、変化の多いこのタイミングを最高の機会と捉えて革新を推進し、成長軌道に乗せて行く覚悟であります。

これもひとえに皆様方のご支援のおかげでございます。

平成27年度に賜りましたご厚情に深謝申し上げますとともに、平成28年度も変わらぬご厚情をお願い申し上げ年度末のご挨拶とさせて頂きます。