2016年

1月

31日

スポーツ心理学

プレ・パフォーマンス・ルーティン

昨年末、ラグビー・ワールドカップ・イングランド大会で日本代表が、南アフリカ戦で歴史的な勝利を挙げ日本中の話題をさらった。

またこの日本代表を牽引していた五郎丸 歩選手のゴールポストを狙う前のあの独特なポーズのことは記憶に新しい。

あのポーズは、練習の時も、小さな試合の時も、世界大会の時でも、キック前にいつでも同じ行動をすることによって、緊張せず平常心を保ち、集中力を高める為の方法なのだそうで、そう言えばイチロー選手も打席に入ると毎回独特な動きを行っているし、今話題の日本人力士として10年ぶりに幕内優勝を果たした大関・琴奨菊も、取り組みの前に「琴バウアー」を行っている。

こういった行動は、スポーツ心理学では「プレ・パフォーマンス・ルーティン」と言うらしい。

そのような専門的な言葉は知らなくても、無意識のうちに自分流のルーティンをしている人も多いだろう。

 

今から37年前、私が天理高校柔道部員だった頃を思い出してみても、皆それぞれプレ・パフォーマンス・ルーティンのようなものがあった。

私は練習や試合前には必ず、柔道着の帯の端の糸を、無心で毟り取っていた。(写真>>私の帯だけが両端がボロボロである)

後輩の正木嘉美選手(現:全日本柔道連盟評議委員、天理大学教授)に至っては、試合の度に、自らの頬を2~3発殴っていた。

毎回、鶴田浩二さんの人生劇場(や~ると思えば~♪)を聴いていた選手もいた。

プレゼンなどで緊張する人、仕事モードに入るまでの切り替えに時間がかかる人などは、自分流のプレ・パフォーマンス・ルーティンを作ってみるのも良いかもしれない。

 

根拠のある自信

話は再びラグビー代表に戻るが、スポーツ心理学を背景としたメンタル面強化を専門家が行い、「どうせ俺たちは勝てないんだ」といった諦めムードを「勝てるんだ」という自信に変えて行ったそうだ。

新聞によると、その自信の根底にあるのは、大会までの4年間、かつてないほどの厳しいトレーニングを強化合宿で積み重ねた経験だそうだ。

フィジカル面、スキル面で根拠のある自信が付いたからこそ、メンタルの強化が出来たということなのだろう。

 

以前にも書いたが>>、第一回全国高等学校柔道選手権大会の前夜、興奮と緊張と不安でなかなか寝付けない私たち選手に、松本薫先生(当時コーチ5段)が

「眠られんのやったら、別に眠らんでもええやないか!朝まで適当に遊んでたらええのや!お前らは、あれだけ練習したのやから、もう一日や二日くらい眠らんでも絶対に優勝できる!保証する。」

と声をかけてくれた。

私たち選手はその言葉に心から納得し、その後は安心して熟睡出来た。

 

当時はメンタルトレーニングという言葉や概念さえも、まだ無かった時代であったし、巷では「柔道一直線」桜木賢一、「巨人の星」星飛雄馬、「あしたのジョー」矢吹錠、「アタックナンバーワン」に代表されるように俗にいうスポ根アニメや物語が真っ盛りの頃で、やたら何事においても「根性」と「忍」を叩きこまれた時代であった。

しかし時代が変わっても、「厳しい練習がメンタルを強くする」という根本は変わらないのだなと、昔人間の私は少しホッとした次第である。

 

2016年

1月

24日

効率を上げて時間を作る

以前、「すぐ!すぐ!すぐ!今!今!今!」というタイトルの記事で、優先順位の高い仕事のみならず低い仕事も、時間を作ってしなければ、「積羽 舟を沈む」と同じで、後回しにした優先順位の低い仕事が、いつの間にか積もって大きな事態になり、会社を沈めてしまう可能性だってある・・・というような事を書いたが、

今回は、効率を上げて時間を作る方法について書いてみたい。

 

1、   完璧を目指すと踏み出せなくなる。まずはスタートを切ること

スタートを切るというのは、誰でも腰が重たいものである。

最初のスタート時点から完璧を目指そうとすると、ますます億劫になったり心配になったりして足が踏み出せなくなる。

なかなか思う通りにならないのが仕事である。

必要と状況に応じて軌道修正を繰り返しながら完璧を目指せば良いのだから、大筋が決まったら、先の先の子細をアレコレ考えるよりもスタートしてしまった方が勢いに乗って調子が出て来るものである。

 

2、ヤル気が起きない時は、まず簡単な短時間で出来る仕事から始めてみる

難しい時間のかかることから始めようと思うと、スタートを切ることさえ嫌になる。

難しい時間のかかることは、もともと頭を悩ませながら、半分は気が乗らずにこなしているものだから気が散りやすく、「ちょっと休憩にYouTubeでも見るか」なんて、時間の無駄遣いをしてしまった経験は皆あると思う。

とりあえずは簡単に短時間で出来る仕事からやり始めて、エンジンをかけることである。

調子が上がってくると、意欲が自然に湧いてきてスピードも上がり、難しい事でも不思議と苦にならずこなせるようになってくるものである。

それと、その場で簡単に済む仕事は面倒臭がらず、その都度、片づけておく習慣をつけることである。

 

3、その仕事の目標終了時間を決める

仕事の目標終了時間の設定を行うと、必然的に作業効率が上がる。

時間の経過を意識することで、余分な休憩時間を取ったりせず、集中して仕事を続けることが出来る。

 

4、それでも出来ない分量の仕事がある時は、人に任せる

予想外の予定が入ったり、予想以上に時間がかかってしまったりなど、どうしても間に合いそうにない仕事が発生することもある。

そんな時は迷わず人に任せることである。

但しここでの注意点は、その仕事の内容を自分自身が完全に把握出来ていなければならないということである。自分自身が把握出来ていない仕事を人に任せると不安にかられる。それ故、今こなしている仕事に対して集中することが出来ず、作業効率を下げてしまうことになる。

しかし自分自身が把握していれば、即座に仕事途中の相談にも乗れるし、イレギュラーが発生しても共に考える事が出来る。

私は不安症であるが、自分が完全に把握してからであれば、人に任せることへの不安はあまり感じなくなるのである。

 

5、忘れないためにメモを作っておく!

私は一日の仕事の終わりに、明日やらなければならないことを忘れないために、簡単なメモも作っておくようにしている。

明日一日のやらなければならない仕事のリスト(簡単な内容・時間・ポイント)をメモに書き出しておくと、翌日の朝、その日一日の仕事の優先順位を付けることが容易に出来る。

 

 

時間は意識して作らないと出来ないものである。

人在(なんとなく仕事をしている人)と人財(会社の宝のような人。自ら考え行動する人)の大きな差の一つは、時間を意識して効率的に仕事をしているかどうかである。

 

2016年

1月

17日

日本初 新しいサ高住のかたちに挑戦

第3次安倍改造内閣の目玉政策として掲げられた「1億総活躍社会」。

少子高齢化の流れに歯止めをかけ、誰もが活躍できる1億総活躍社会の実現を目指そうというこの政策と新三本の矢。

具体的な内容に関しては、それぞれ賛否があるだろうが、とにかく今すぐ何らかの策を実行しなければ、巷でも言われているとおり50年後の日本は無いと思うのである。

批判や検証や議論ばかりしている暇は、もうないのである。

主導するのは、もちろん国民の代表である政治家や官僚の方々であるが、官に一方的に頼るばかりではなく、我々国民や民間企業レベルでも、義務とは言わないまでも例え微力であっても「50年後の日本の為」に、なにか出来ることがあるのではないだろうか?

民間も国の政治の方向性に合わせて協力しなければ、日本が元気を取り戻す日など来ないと思うのである。

安倍総理の言葉の中にもあるように「みんながもう一歩前に出ることができるような日本に変えていかなければならない。」と私も強く感じた。

たとえば少し可笑しいかもしれないが、「たった一つのゴミでも、国民の一人一人が1つずつ拾えば、総数は1億2千万個拾えて、国が少し綺麗になる」のである。

政治家と国の方向性を選挙で選んでいるのは我々国民なのである。このことからしても、共に考えて共に行動に移すべきであろう。

 

ところで当社は、現在、テキスタイル製品の製造及びクリーニング関連と土木資材製造関連の2つの製造業をメインに、その他数種の事業を展開している。

そして新たな3つ目のメイン事業として、「将来の経営資産構築」と「約60年間に渡り当社の成長を支えて下さっている地元地域への貢献」を目的としてシニア事業部を開設し、高齢者様に安心して豊かな毎日を送って頂ける施設をコンセプトに、サービス付き高齢者向け住宅「フラワーホーム」を開設し、昨年11月5日からスタートを切った。

訪問看護や訪問介護のサービスもプレビュースタート(施設内)し、また本年2月には「フラワークリニック」を開設予定である。そして3月には施設外へ訪問サービス全般もスタートさせ、その先には介護タクシーやリハビリステーションも計画している。

 

話が逸れたが、「一億総活躍社会へ」という命題の下、当社に出来ることは?と考え、出た答えが2025年問題に象徴されるように超高齢者社会到来に起因する「高齢者の雇用問題」「労働力不足の問題」についてアクションを起こすことであった。

これが日本初の新しいサ高住のかたちに繋がるのだが、先にキャッチフレーズを紹介したい。

 

フラワーホームで暮らしながら、元気な日はアルバイトしませんか!

社会の為に再活躍

*施設及び関連工場にて軽作業アルバイト制度有り

 

あくまでも希望される方のみで、それも無理のない範囲で元気な日限定であるが、週2回程度で2時間ほど、サ高住の入居者の方たちを短時間アルバイトとして雇用する事業展開を始めた。

例えば散歩代わりのポスティングや、その他にも、1日3度提供させて頂いている食事の配膳補助、ホーム各所の掃除全般の補助、植物の手入れ全般の補助、ホームだけには留まらず本社や工場の掃除全般の補助、各製造部門の工場では災害用毛布の真空パック袋への毛布の挿入や梱包の補助、クリーニング製品の折り畳みや梱包の補助、土木資材の完成品のラベル貼りの補助もあり、他にもお願いしたいアルバイトは多数ある。

ポスティング以外は全て「補助業務」である。

当社は約20年前より、大阪府立砂川厚生福祉センターさまから障害のある方たちの雇用実績があり、現在も製造部門では障害のある方たちが多く働いてくれており、重度障害者多数雇用事業所の認定を受けている。

そのノウハウがあるため、高齢者の方たちにも安心して作業して頂ける内容の補助業務である。

 

この事業展開は、「高齢者の雇用問題」や「労働力不足の問題」へのアクションであると先に述べたが、実は別の思いもある。

フラワーホームのプロモーションビデオの中でも述べた言葉であるが

「高齢者様に、安心して豊かな毎日を送っていただきたい。そのためには尊厳を守り、自分らしく余生に希望を持って笑顔で過ごせる環境づくりが大切です。心はいつまでも若く、そしてたった一度しかない人生を豊かに味わい尽くす。その思いを胸に地域に根差した施設を目指します。」という当施設のコンセプトに通ずるのである。

 

 

以前にも書いたことだが(詳しく>>)

人間というのは、誰かの役に立ち、誰かに必要とされて、初めて自分の居場所を得たと感じ満足出来るものではないだろうか?

また「はたらく」とは個人が出来る社会貢献の総称ではないだろうか?

社会のために再活躍してもらうことで、おこがましいかもしれないが、入居者の方たちに生きがいのようなものを持って頂けるのではないだろうか?と考えたのである。

それに自分の力で金銭を稼ぐことが出来るというのは、自信になるのではないだろうか?

 

フラワーホームを開設してまだ期間はさほど経っておらず、入居者の方は未だ10数名ではあるが、個々の皆さんとお話をさせて頂いて健康状態をお聞きしても、すこぶるお元気な方がほとんどである。

入居者の中に、長年に渡り機械設備の製造業でお仕事をされて来られたNさんという80代の男性がおられる。

矍鑠(かくしゃく)とした方で、心安く話しかけて下さる方なので、その方にまず今回の事業展開についてお話をしてみると

「こんな歳でも社会に必要とされ働けるところが有り、社会で役立つのなら体の調子の良い日は働いてみたい」との言葉が返ってきた。

毎日2~3時間お散歩に出かけるとのことだったので、早速ポスティングのアルバイトをして頂いている。

すると早速効果はあり、Nさんがチラシを渡してくれたところから、数日を置かずして問い合わせが有った。またその翌日には、成約には至らなかったが、Nさん効果で見学者があった。

それからこんな事があった。

フラワーホームに行くと、そのNさんが私を見つけるなり

「仕事をしたお蔭で、なんだか元気が出てきた。社長さんにお礼を言いたい!社長さんはどの方ですか?」と冗談めかして声を掛けてきてくれた。

「社長はこの方です!」

と自分で自分を指さしながら言うと大爆笑になり、互いに顔を見合いながら肩を叩きあった!!

Nさんの顔が生き生きとしていた。

私はこの時、たまらなく嬉しかった。Nさんもすごく喜んでくれた。

 

元気な日はアルバイト

もしもの時にも、医療・看護・介護が連携した安心のサポート体制

 

この事業展開は日本で初めての取り組みであり、これから先、試行錯誤もするだろうが、当社の企業理念にもあるように「社会的存在価値のある企業になろう!社会から必要とされ歓迎される企業になろう!」という思いを新たにすると共に、私や当社の社員・スタッフたちが精進を重ね、この新展開を成功させることで、「三方良し」の根幹に少しでも近づけると確信した次第である。

 

南海本線 樽井駅に看板広告を設置しました。
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2016年

1月

03日

業界の大先輩からのバトン

2016年 新年あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になり誠に有難うございました。

賜りましたご厚情に深謝致しますと共に、

本年も変わらぬご指導ご厚情のほどよろしくお願い申し上げる次第であります。

 

さて、年末の締めのブログに書きましたように「商売は感謝に始まり感謝に終わる」という想いから、本年第1回目のブログは「感謝」をテーマに書いてみたい。

 

実は昨年の春先に、若い頃からたいへんお世話になった恩人と言っても過言ではないS毛織のN専務という方がお亡くなりになられた。

急逝されたということもあって、N専務についぞ感謝の想いを伝えることは出来なかった。

それまでに何度も二人で話す機会はあったのだが、言いそびれている内に突然の悲報に接することになった。

最後に会ったのは亡くなられる1週間前、最後に電話でお話ししたのは亡くなられる2日前である。

なぜあの時の最後の電話で、たとえ一言でも感謝の気持ちを言えなかったのだろうかと今も悔やんでいる。

N専務との出会いは、これまでにも書いたが、

突然訪ねて行った若い無礼な私に、N専務は多大なるご厚情で力を貸してくださった。

これは出会いから20年以上経ったつい数年前に、冗談とも本気ともつかない調子で言われたことであるが、私を見た最初の印象は「生意気そうな粗野な若者」だったらしい。(冷汗)

図々しくも突然やって来て自説を延々と喋りまくる生意気な若い経営者を見ているうちに、

「話の内容はまだまだであったが、面白そうな奴だなと興味が湧いた。だから力を貸そうと思った。」と当時の気持ちを教えてもらった事があった。

 

未熟な私に力をお貸し頂き商売の道を広げてくれたN専務の当時の年齢を計算してみると、ちょうど今の私ぐらいの年齢である。

N専務は私という人間を信用してくださり、出会ってスグから相当量の仕事をくださった。

しかし未だに私はN専務にお礼が出来ていないし、感謝の言葉も伝えられないままである。

今にして思うことが一つある。

それはN専務が、出会いからお亡くなりになられるまでの期間のすべてを費やして、私に何かを託そうと思ったのではないだろうか?ということである。

というのは、以前受けた社長TVという番組の私に対する応援メッセージ欄にN専務が

「地場産業の発展にご尽力頂きありがとう。」と書き残してくれているのである。

しかし、まだまだ、ほとんど尽力など出来ていない私に対してである。

なぜこのようなメッセージを残してくれたのだろう?と推測すると「地場産業の発展に尽力すること」を私に託してくれたのかもしれないと思うのである。

もしそうであるならば私はその思いに応えたい。

しかしどうやって・・・?

それがぼんやりとしか分からず確証を得ることも叶わない今では、N専務の面影を心の中に浮かべて自問自答を繰り返すことぐらいしか出来ない。

しかしある時、ふと思ったのである。

「地場産業を営む自分より若い世代の人達を応援させて頂くこと」イコール「地場産業の発展に尽力すること」になるのではないだろうかと?

N専務が私にしてくださったことを次に繋げることが、N専務への感謝やお礼の気持ちを示すことになるのではないだろうかと思ったのである。

 

私には、いや丸竹には、目標が沢山ある。

「すべての社員やスタッフが物心両面で豊かな生活を送り、自分の将来に安心感を持てるようにすること」

「信頼される会社になること」

「社会から歓迎される会社になること」

「自社だけではなく、自社に関わる全ての人達の繁栄を追求すること」

「すべての社員やスタッフが自分に社会的価値を感じられる会社になること」

「ご指導ご支援ご協力してくださる皆さまの「義」に対して社会貢献という形で恩返しすること」

そして「地場産業の発展に尽力すること」

 

目標は沢山あっても、目標達成の方法は同じで、道は一つだと思っている。

その方法とは、

三方良しの精神を持って、社員やスタッフ皆が、それぞれ与えられた場所で最善を尽くすことである。

私は社長として先頭に立って皆を牽引して行く覚悟である。

その覚悟そして感謝の思いから新年最初の記事は、業界の大先輩であるN専務の追悼記事にさせて頂いた。

 

皆様方のご期待に添えられるよう、社員スタッフ一丸となって、より一層努力する次第であります。

本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。

皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。