2016年8月のページ

2016年

8月

26日

緊張からの脱出方法

先日、リオで開催されていたオリンピックが閉幕した。

開催前から、治安の悪さや工事の遅れ・ジカ熱など問題点を指摘する報道も多かったが、しかし今回のオリンピックはすごく素晴らしかったと思う。

日本のメダル獲得数も41個と過去最高を記録し、そのうち金メダルも12個と、これも過去最高記録だった。

柔道(JUDO)も好成績であり、特に男子は全階級でメダルを獲得した。

また東京オリンピックを4年後に控えて、日本のスポーツ全体がかなり強化されてきていることを感じ取れる大会であった。

 

画面からでも、各選手の克己たる信念を持った頑張り、最後まで諦めないという強い気持ちが伝わって来る場面が多くあった。

ここに来るまでには、幼少の頃から人生のすべてを費やしたと言っても過言では無い血の滲むような努力があったに違いない。

また、4年に1度しかないオリンピックの本番で持てる力のすべてを出しきる難しさを感じさせる場面も多くあった。

オリンピック選手にかかるプレッシャーには到底及ばないが、私も当時、練習してきたことのすべてを本番で思い通りに出すことの難しさを常々痛感していた。

特に試合前の緊張感は、指導者や後援者への恩義・自分自身への不安・所属団体の名誉など色々な想いが心の中で錯綜して頭の中が真っ白になり、心臓が押しつぶされそうになった。今はスポーツ科学も深化して一流選手になるとメンタルコーチなども付いてくれたりして、多角的にサポートされてきているらしいが、それでも最後はやっぱり自分自身の心であろう。

余談だが、私の熊やゴリラみたいな風貌からは想像も付かないだろうが、実は私は上がり症である。

そこで当時、私が試合前に行っていた緊張を解きほぐす方法は、同輩や後輩の前で「アホ踊り」を踊ることであった。

当時のコーチ松本薫先生5段(現 天理柔道会会長)から、「おい立花、試合前の緊張を解きほぐすのは、アホ踊りをするのが一番やで!」と教えて頂いたのがきっかけである。笑

先生は私のおどけてちょける※のが大好きな性格を熟知していてくれたのであろう。

ちなみにアホ踊りとは、「どじょうすくい」と「南京玉すだれ」を口から出まかせに自分流にアレンジした踊りである。

当時、なぜかこの踊りを試合前に踊ると緊張がかなり解きほぐされてリラックスに近い状態で試合に臨むことが出来た。

大人になって書籍で知ったことだが、リラックスしている状態によく行う所作(あくびなど)を緊張時に行うと、脳がリラックス状態と勘違いして緊張が解きほぐされるらしい。

現在でも、たまに極度の緊張を強いられた時には「カーニバル」という名の口から出まかせのオリジナルの踊りを踊っている。(笑)

 

話は逸れてしまったが、リオオリンピックが終了し、これから国内では4年後の東京オリンピックに向けて選手サポートも益々強化され、東京オリンピック気運も高まってくると思う。

各競技の選手間の競争も益々激しくなってくるであろう。

選手のみんなが一生懸命に頑張っている姿を見ると勇気を貰える。

4年後の東京オリンピックがより楽しみで待ち遠しくなった。

 

※関西弁で「ふざける」の意

 

2016年

8月

11日

一生懸命だと知恵が出る

以前「ひらめきは情報を蓄積してから」という記事でも書いたように、仕事で成果を上げるには戦略が必要不可欠であり、戦略を考えるうえで「ひらめき」は重要なウエイトを占める要素の一つであると思っている。

そこで今回は視点を変えて、柔道で体感した「ひらめきは一生懸命からも生まれる」ということについて書いてみたい。

 

天理高校柔道部の学生時代、柔道に青春のそのすべてを費やして多くの事を学んだ。

その学んだことの一つに「一生懸命やる」というのがある。

最近の若者の傾向として、一生懸命やるのはダサい、努力せずに結果を出す方が格好いい、「一生懸命やっている」とアピールする奴は格好悪いとする風潮があると感じる。

しかし、私のこれまでの人生を振り返ると、今あるものの全ては「一生懸命」という基礎の上に成り立っていると明言する。

特段才能があるわけでも運があるわけでもない私にとって、一生懸命やるというのが自分の夢を叶える一番の近道であった。

また「一生懸命」は「ひらめき」を生んでくれる要素の一つでもある。

 

とにもかくにも学生時代は、自慢してしまうほど一生懸命に柔道の練習に日夜明け暮れた。

その中で、練習中に突然「ひらめき」を覚え、組手の持つ位置を変えたことがあった。

するとどうだろう!? 

相手を投げることが出来る精度が格段に増し、その上、ディフェンスの精度まで増して、投げられることさえも格段に減少したのである。(引手である右手の持つ位置を、相手の袖口から脇の下に変えた。)

これは「強くなりたい!」と一生懸命に努力をするうちに、無意識のうちに脳が働き「ひらめき」が生まれた結果だと思った。

言い方を変えれば、「一生懸命から知恵(ひらめき)が出た!」のである。

武田信玄の言葉らしいのだが、私がよく言っている言葉がある。

一生懸命だと知恵が出る

中途半端だと愚痴が出る

いい加減だと言い訳が出る

 

「ひらめき」とはゼロから突然生まれ出るものではない。

一生懸命やっている内に、自身が視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などで経験した記憶(情報)が蓄積されて、そのピースが無意識のうちに繋がり、そこから「ひらめき」が生まれ出る。

人間の歴史を見ても、ひらめきが人を進化させた。

同じように、ひらめきが無い会社には発展もないと思う。

それほど「ひらめき」は重要である。そして「ひらめき」を起こすための近道は「一生懸命」だと私は信じている。