「日本国政府 内閣府地方創生推進事務局の〇〇と申します。
貴社ホームページのSDGsへの取組を拝見させていただきまして、突然のお願いのご連絡で失礼いたします。」
当社のお問い合わせフォームに、このような書き出しから始まるメールが届いて、詐欺メールかウイルスが仕込まれているメールなのかと訝しみました。
メールを読み進めると、
SDGsへの取組を促進し、地方創生につなげていきたい。会員と政府がSDGsを活用し、共通のテーマのもと活動を行い、国や地方公共団体等が抱える課題に対し協働で考え、取り組んでいくことを目的に、官民連携のプラットフォームを内閣府が設置したので、それに参画しないか?というような内容でした。
メールに記載されていたURLをクリックしてHPを拝見すると>>、これはどうやら本物のメールのようで、なぜうちのような田舎の中小企業に内閣府がお声掛けしてくださったのだろう?と不思議に思うのと同時に、どなたかを介しての紹介などではなく、内閣府からでも普通にこんな風に、ある日突然お声を掛けていただけるのだなぁという素朴な驚きも感じました。
そして何より私の心を占めた感情は「喜び」です。嬉しかった。たとえ田舎からでも発信し続けていれば、思いがけない所にまで届くのだなぁと。
全ての始まりは、2019年、新年一発目に書いたブログ「ESG課題へ取り組んで参ります>>」の記事に書いたように、私が遅ればせながらESGの存在を知った事がきっかけでした。
当社の経営理念である「三方良し」の精神で、すでに行っていた多くの取り組みがESGに該当する事を知ったのです。
もちろん中小企業ですから、プロジェクトチームを立ち上げるような余裕もありませんでしたが、1からスタートさせるのではなく、ほとんどが既にコツコツと始めている取り組みですから、なにも問題はありませんでした。
ESGについて調べて行くうちにSDGsについて知りましたが、「国連サミットで採択された2030年までに達成する目標」ということで、なんだか中小企業には遠くて大きすぎる話に感じ、大企業向けの取り組みだと思いました。
新聞や街のポスターなどでSDGsの文字を見つける度に存在が気になりつつも、目標の一つ目の「貧困をなくそう」の課題の大きさを見て、中小企業でSDGsに参加する方が、身の程知らずで、おこがましいな・・・という想いになっていました。
大きく難しく考え過ぎていたのかもしれません。
それがコンサルタントの先生から「社長のとこ、これだけESGの取り組みをしっかりやっているんだから、SDGsもやった方がいい」とアドバイスを貰い、それに背中を押されました。
調べて行くとESGで取り組んでいたことが、そのままSDGsの目標に繋げることが出来ました。
ESGもSDGsも何も知らなかった時から「三方良し」の企業理念で行っていたことが、国連の目標にリンクするのだから不思議な感じもしますが、「自分たちの利益だけではなく、全ての人の利益の追求」というのは、いつの時代も、どの国でも、企業活動の根幹として共通しているものなのでしょう。
また、SDGsについて勉強して行くと、「これは大企業向けの取り組みだ」と思い込んでいた自分の考えが間違っていたことに気づきました。
より多くの企業や家庭や個人が参加して、それぞれの立場で、少しずつでも良いから、継続して取り組んで行くことが大切なのだと分かりました。
新商品や新企画を考える時、SDGsという世界的な共通ルールがあると、これから世界が進んで行く大きな流れというか方向性が見えるので、かえってやりやすいと感じます。
少なくとも、コストを下げるために持続可能な社会を放棄する企業が歓迎されることはないだろうという事は分かります。
しかしSDGsが形骸化しない為にも、「今年度は利益が出たから、その分、社会課題解決のために社会貢献したり還元したりしよう」という取り組み方より(それも勿論大切ですが)、
ビジネスとして社会課題を解決し、社会の利益と同時に、自社にも利益が得られるような事業を展開して行くことが私の理想です。
ESGもSDGsも知らなかった時に作った当社の経営基本方針の中には、「社会的貢献性の高い事業を行います。」とあり、HPにも記載しています>>。
企業がビジネスとして社会課題を解決し(たとえば地球環境に優しい商品の開発)、それが競争力になり収益に結び付くようになると、それこそサスティナブル(持続可能)で、長期に渡って取り組んで行くことが可能になります。
SDGsの精神がもっと大きな「うねり」となり、隅々にまで浸透して行くよう願っています。