2019年4月

2019年

4月

28日

有ることが難しいもの

2004年6月、天理高校柔道部の一つ先輩である石井兼輔先輩(生涯の縁>>)が、国際武道大学 武道学科の教授に就任されました。

当時、そのお祝いの会が出身地(兵庫県洲本市・淡路島)で開催される為、先輩は帰島されることになりました。

私と、一つ後輩である兵庫育英高校柔道部 有井監督も、その帰島に同行させて頂きました。

関西空港にて3人で合流後、フェリーに乗りました。

淡路島の洲本港に船が到着すると、「祝 石井兼輔先生 教授御就任」と書かれた横断幕を掲げる人々が目に入りました。

大変な歓迎ぶりで、市議会議長、市教育長、市農協理事長、恩師、同級生等(約50名)の皆様方が、石井先輩の帰島を待ち受けていらっしゃいました。

下船と同時に先輩は握手攻めにあいながら、「ありがとうございます」と何度も手を握り返し、涙を浮かべられていました。

その様子に私や有井も涙が出ました。

その後、宿泊する旅館で暫くの休憩後、夕方から先輩の幼馴染の料亭で祝賀会が始まりました。

冒頭で石井先輩の就任報告があり、順番に御来賓の皆様方のごあいさつへと移行して行きました。

その時、乾杯の音頭をとられた御来賓のごあいさつが、未だに心に残っています。

要約してみます。

「普通の乾杯は、皆さまの健康と石井君の教授就任を祝して乾杯というのが普通かもしれませんが、今日は敢えて乾杯とは言わず、『石井教授ありがとう!』と言わせて頂きます。

なぜならば、ありがとうは『有り難い』から変化した言葉で、『有ることが難しいもの』であり、当たり前ではない奇跡だということです。

石井君は到着直後から『ありがとうございます』と何度も我々に言ってくれていますが、私は『有ることが難しい祝賀会に感謝しています!』と聞こえていました。

つまり私たちは『奇跡!(有ることが難しい)奇跡!(有ることが難しい)』と、寿ぎ合っているということだと思いました。

日常の出来事も、今生きていることも、自分という存在さえも、全て『当たり前ではない有り難いこと』の連続なのです。」

そう仰ると、高らかとグラスを掲げ「石井教授ありがとう!」と乾杯の音頭をとられました。

この後は例によって例の如く、来賓の西嶋先生(兵庫県柔道界の重鎮)を始め、ほとんどの方が柔道経験者だったので、体育会系によくある無礼講になったので内容は書けません。(笑)

最後は石井先輩の謝辞で締め括られました。

「自分を育ててくれた淡路島の皆さまに感謝の想いを伝えたく、戻ってまいりました。

明日、少年柔道教室の講師をさせて頂くことは、地元への恩返しだと思って一生懸命務めさせて頂きます。ありがとうございました」

と締められた瞬間に、一同割れんばかりの拍手が起こりました。

 

ちなみに、「有り難い」の反対語は何だと思いますか?

「当たり前」なのだそうです。

今、自分を取り巻くあらゆる事項を、「当たり前」と見るか「有り難い」と見るか、

その見方ひとつで、人生は冷え冷えとしたものにも、暖かなものにも、変わるように思います。

●当社シニア事業部が運営する、サービス付き高齢者向け住宅フラワーホームが、

週刊住宅様2019年4月15日号に掲載されました。

 

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2019年

4月

14日

新しい時代へ

もうすぐ平成が終わり、令和という新しい時代を迎えます。

30年前、「新しい元号は『へいせい』であります」と、小渕官房長官が白木の額を掲げる様子を、私は不動産会社のテレビで見ていました。

 

1989年〈昭和64年〉1月7 日に昭和天皇が崩御されました。

私は当時26歳になったばかりで、朝一番から、父の会社の従業員や下請けさんが前日に生産した毛布用紡績原糸をトラックに積み込んで、営業活動を兼ねてお得さまへ配達に回り、午後は自分個人で開業していた不動産業の営業活動に回るのが日課でした。

天皇陛下の崩御を知ったのは、朝の配達中、トラックの車載ラジオの放送でした。

そして午後になり不動産業で訪ねた三栄土地建物(有)の事務所の中で観たテレビ放送で、初めて新元号の平成を知りました。

これが私の平成の幕開けです。

「昭和が終わるんだなぁ」と少しばかり感傷に浸る気持ちもありましたが、「あっけなく、あっという間に終わった」という感想が正直なところでした。

そしてその平成も、もう終わろうとしています。またしても私の感想は、「あっという間だった」というものです。

光陰矢の如ごとしで、月日が経つのは矢のように早いです。

 

世の中は今、ものすごいスピードで変化して行っていると感じます。情報収集すればするほど、インターネットが登場して以降の変化の凄まじさを感じます。

いま世界は、第四次産業革命の中にあります。

そのうえ日本は、どんどん少子高齢化・人口減少社会へと変化しています。つまり「経済の前提」が変化して行っています。

私のような田舎の中小企業の経営者は、まだダイレクトには、その変化を受けていませんが、起こりうる経済の変化を想定し、新しい施策を講じ続けなければならないという危機感は感じています。

私が過去の30年で経験し積み重ねて来た「経営の知識」が、これから先の10年、20年にも通用するかと考えれば、通用しないと思います。なにしろ「経済の前提」が変化して行っていますから。

ですから時代遅れの経営者にならない為にも、勉強し続けること、情報を取り入れ続けることが大切だと感じています。

 

IT社会になり、今は様々な情報が即座に手に入るようになりました。

あらゆる分野から様々な情報を取り入れて、取捨選択を繰り返しながら、良いと思うことはスピーディーに実行に移して行くつもりです。

また情報を発信していくことにも、近年は注力しています。

新年一発目のブログで書いた「ESG課題への取り組み>>」についても、当社HPに追加でページを作成し、フッターにもロゴを配置するなど、より多くの方の目に留まるように工夫しました。

https://www.marutake-corp.co.jp/company/esg.php

過去私は、陰徳こそが美徳だという価値観を持っていましたが、今は違います。

自分達の行動や考えを情報発信することが大切だと身にしみて感じています。

 

令和まで、あと2週間と少しです。令和はどんな時代になるのでしょう。

今後も健康に気を配りながら精進を重ねる覚悟です。

本ブログを持ちまして平成30年度の御礼と新年度のごあいさつとさせて頂きます。

昨年度は、多くの御協力を頂きまして誠にありがとうございます。

どうぞ変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。