嬉し涙

平成30年8月8日に、母校の天理高校がインターハイ(高校総体)柔道競技で、実に27年ぶりに全国優勝を成し遂げた。

まず、指導者や選手の皆さんの栄誉と健闘を称えたい。

そして長年に渡り辛抱強く天理高校柔道部の活動を支え続けてくださっている全ての皆様にOBとして感謝申し上げ、皆様と共に母校の優勝を諸手を挙げて喜びたい。

 

さて私はインターハイが開催されていた三重県津市へ2泊3日の泊まり込みで、OB諸氏の数十名と共に応援に駆け付けた。

決勝戦の前日は興奮でなかなか寝付けないほどであった。

優勝の瞬間を目の当たりにした時には、柔道の応援で初めて、涙がこぼれた。

周りを見渡すと、応援に駆け付けたOBのオジサン達が皆、涙を浮かべていた。

 

ところで私は現役時代に、負けて悔しくて堪え切れず泣いた事が幾度かあった。しかし、嬉し泣きを経験したことは無かった。

地方大会で優勝しても、その次の大会で負けたらどうしようと不安で素直に喜べなかった。

春に全国優勝した時も、大きな喜びを感じながらも心の片隅では、次の夏の大会の事を考え不安であった。

3年生の最後の試合、夏のインターハイで優勝し春夏連覇した時は心の底から嬉しかったが、男が人前で泣き顔を見せるのは、自分をさらけ出すようで恥ずかしく感じた当時の私は涙をこらえた。

経営者になり、大きな仕事が決まった時も、喜びよりもその責任を感じて不安の方が大きかった。

うれし涙を流したことは記憶にない。

いつも、嬉しいと感じるのと同時に、責任や、その先の事が脳裏に浮かんで、諸手を上げて喜ぶことは出来なかった。

しかし年を重ねて涙もろくなったのか、それとも自分のこと以外(人のこと)なら、「混ざり物がない純粋な喜び」を感じられるのか、今回ばかりは嬉し涙がこぼれた。

 

ところで私を筆頭に、同世代のオジサンOB達のオジサンくさいことよ。

「あっちが痛い」「こっちが痛い」「どこどこの調子が悪い」「しんどい」「疲れたな」のオンパレードである。

生気に満ち溢れている高校生たちと、夏バテしているオジサン達のコントラストが強すぎて、ハッ!と自己反省である。

「あぁ暑い」「あぁしんど」と生気の抜けた顔をしていたらアカン!「生涯現役と長生き」を目指してオジサンOBも頑張るぞ!と改めて心に誓ったわけである。

当社シニア事業部が運営するサービス付き高齢者向け住宅フラワーホームが、

産経新聞様の2018年7月20日の朝刊に掲載されました。

 

※記事を拡大する(PDF)>>