2017年2月のページ

2017年

2月

27日

「これが私の生きた証や!」

先般、当社シニア事業部のサ高住「フラワーホーム」の駐車場に車を停め、玄関へ向かうと、車いすに乗ったご高齢の女性の入居者さまと向き合うスタッフがいた。

入居者さまは「家がこいしい」「家に帰りたい」と涙ぐまれていた。

スタッフは入居者さまの手を握り締めながら話を聞き、真摯に慰めていた。

私はこの姿に、高齢者施設としてフラワーホームが目指して行かなければならない原点を見る思いがして胸が一杯になった。

入居者さまのホームシックが少しでも癒えるお手伝いになればと、私も一緒にお話をさせてもらった。

 

さて私が柔道に青春を費やしながら暮らしていた高校は全寮制だったため、ホームシックにかかった人達を、これまで数えきれないぐらい見てきた。

入学当初の1年生は「ホームシック」の雨あられどころか嵐か台風状態である。

私は、母が病気がちだったため、幼少期から生家で過ごす時間よりも、両祖父母宅や親戚宅で過ごす時間の方が長かったので、小学生時代ぐらいまでに既にホームシックは卒業していた。

しかし実家を離れて暮らすのが初めてだった皆は、たとえ全国の各都道府県で中学生チャンピオンになった者が集まる柔道部においてでも、練習と規律の厳しさも相まって、ほぼ全員がホームシックにかかり、憂いに沈んだ。

そんな彼らを慰め元気づけるのは、伝統的に同じクラブの上級生たちである。

なぜならば自分も同じ思いをしたから、同じ苦しさを分かち合える。

私も上級生になってからは、ホームシックに沈む後輩たちと時間を掛けてじっくりと向き合ってきた。

ホームシックの原因は複合的な要素が複雑に絡み合い、何らかの事柄が引き金になってパンデミックを起こす訳であるが、後輩の気が済むまで、まずはじっくりと時間をかけて話を聞くことが大切である。

この「じっくりと時間をかけて聞く」という行為の中で、ふたたび前を向いてもらう糸口が見えて来る訳である。

 

今回の場合でも、スタッフが先行して入居者さまのお話を、じっくりと時間をかけて聞いていたおかげで、会話に途中参加してすぐに糸口を見つけだすことが出来た。

そしてキーワードは「寂しい」であった。

しかしご家族様も、よく訪問してくださっているのだが、高齢の為に若干の認知も見られるので、訪問があった事を忘れがちになられているのだろう。

 

話を伺う中で、子や孫や曾孫様の話題になった。

さらに、この入居者さまは玄孫の方までいらっしゃるという。

そして子孫の人数は70人を優に超えていらっしゃるらしい。

私はその人数の多さに驚愕を覚えると共に、そして純粋に素晴らしいと思った。

その思いを率直な言葉でお伝えしたところ、

「そうや!私には、この地球に同じ血が流れている人間が70人も居るのや!」

「そう思うと、寂しい事も何もないわ!」

「これが私の生きた証や!」

とおっしゃられて笑顔になり、そして

「玄関で居たら寒くなってきたから部屋に帰るわ。車いす押して!」とスタッフにおっしゃり、自信に満ちた顔でお部屋に戻られたのである。

言うまでもなく私はすぐさまスタッフに「ありがとうカード>>」を手渡した次第である。

 

2017年

2月

22日

思いがけない巡り合せ

人生には多くの巡り合わせが存在する。

過去、事前リサーチを繰り返したうえで新しい企画に挑戦をしてみるも、思い通りに成果が出ないことも多くあった。

しかし思い通りに行かなかったことも、諦めず継続さえしていれば、のちに思いがけない巡り合わせで素晴らしい芽が出たことも往々にしてあった。

 

先般、当社フェルト事業部の部長から、ある商材について「仕入れ値と販売価格の差が数パーセントしかなく利益がほとんど出ないので、取り扱いを続けるか止めるか」の相談を受けた。私は即座に「収支がマイナスではないのなら続けよう」と答えた。

 

たとえば官公庁向けの毛布などは、一度に何千枚・何万枚という数の毛布を販売する。

それに比べて、1枚2枚単位の販売だと手間がかかるだけで、ほとんど利益が出ないのである。しかし当社は今も1枚単位からの販売をさせて頂いている。

というのは過去に、こんな事があったからだ。

 

今から20年以上前、毛布1枚の販売からお取引が始まったSテキスタイルという会社があった。

S社からの注文は多い時で20枚ぐらい、あとは1枚~数枚単位の注文がちらほらあって、年間を通じても計100枚くらいのお取引であった。

そんな状態が数年続いた訳であるが、ある年、長野県で冬季オリンピックが開催されることになり、このS社が選手村の寝具を一手に引き受けることになったのである。

細々とだが途切れることなく関係が続いていた当社も協力工場として数千枚の毛布を入れさせて頂けることになった。

 

このように、たとえ薄利でも切れてしまわず継続さえしていれば、思いがけない巡り合わせから芽を出す時期(チャンス)が来るのである。

ほとんど利益が出ないお取引が数年続いていたが、その期間の信頼があったからこそ大きな仕事も頂けたのである。

収支がマイナスでない限り、商流が切れてしまわないように、たとえ細々とであってもお付き合いを続けて行く。細々としたお付き合いであっても、それが葉脈のように何百社と広がっていけば、その中から、またチャンスが生まれて来ると私は思っている。

 

2017年

2月

12日

嫌煙権及び喫煙権の尊重

当社が運営するフラワーホームでは、これまで受動喫煙・健康維持・火災対策・臭気及びヤニ対策等の観点より、館内1Fの「喫煙室」を除いて、禁煙とさせて頂いていた。

 (床面積の5倍の能力がある大型空気清浄器、衛生殺菌・消臭水生成装置を喫煙室にはもちろんのこと、その他共用部分にも隈なく配し、臭気対策を施している。)

 しかし入居者様の中には、身体機能の低下により、喫煙室までの移動が円滑ではない愛煙家の方もいらっしゃる。

また医師の指導を受けながらどんなに努力を重ねても、紙巻き煙草の喫煙を止めることの出来ない方もいらっしゃる。

また、老後の楽しみの一つとして喫煙されている愛煙家の方もいらっしゃる。

 

嫌煙権に対し最大限に配慮を行うことを前提でならば、

嫌煙権も喫煙権も等しく尊重されるべきだと私は考えている。

 

また一部の自治体では、もうすでに、紙巻タバコの喫煙が禁止されている路上であっても新型電子タバコ(IQOS)アイコスの使用が認められているらしい。

また禁煙スペースであっても新型電子タバコ(IQOS)アイコスの使用を認めている飲食店等もかなり増えて来ているらしい。

先般、大阪府の松井知事が、新型電子タバコの全面解禁を提案された報道も見かけた。

http://mainichi.jp/articles/20170126/k00/00m/040/090000c 

そこで当フラワーホームでは、「受動喫煙・健康維持・火災対策・臭気及びヤニ対策・嫌煙権及び喫煙権の尊重」を考慮した結果、

新型電子タバコ(IQOS)アイコスのみ個人居室でご使用して頂けるようにしました。

 

(共用部分は不可)

ここでアイコスの紹介を少しさせて頂きます。

 

・煙が出ないので、周りの人に迷惑をかけない(白いのは水蒸気です)

*受動喫煙がないので周りの方に迷惑がかかりません。

 ・火を一切使わないので、火災発生の心配がない

*万が一、喫煙中に寝てしまっても絶対に火災発生の心配がないので安心です。

・臭いが格段に少ない

*若干の臭いは存在しますが、紙巻き煙草に比べたら格段に少ないです。

・タールが発生しないので、ヤニがつかない

*壁紙や窓ガラスがヤニで汚れません。

・灰が発生しないので、部屋が汚れない

*灰が落ちる等の心配がありません。

・身体への害が少ない可能性が期待できる

*公表されているデータでは、発がん性物質や発がん促進物質等を含め、その有害物質の90%が削減できるそうです。

 

フィリップモリス社HPより>>

IQOS を使用する際は、たばこ製品の使用に関する各地のルールに従って頂くようお願い致します。一部の自治体では、紙巻たばこの喫煙が禁止されている路上の場所であってもIQOS の使用が認められています。また、禁煙スペースであってもIQOS の使用を認めている飲食店等もあります。但し、いずれの場合も使用する際は常に周りの方々、特にお子様に十分お気遣い頂くようお願い致します。

IQOS は火を使わず、灰が出ず、やけどをさせる心配もありません。IQOS が発生させるたばこベイパーは、紙巻たばこと比べて、においが少なく、素早く消えて屋内環境に悪影響を及ぼしません。IQOS のようなたばこ葉を燃やさず加熱する製品が従来の紙巻たばことは大きく異なるということを前提とした規制が今後なされることを期待しています。また、このような成人喫煙者向け製品は、学校のように、主に未成年が使用する場所では禁止されるべきだと考えています。