ー2023年ー
2023年
5月
27日
土
仕事の優先順位や時間管理

<新社会人・新入社員の皆さんへ>
清々しい5月です。
「さわやか」は秋の季語で、初夏である5月は「清々しい」が季語だと、ご存知でしたでしょうか?私は最近知りました。
5月は過ごしやすい季節である一方、5月病と言って、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況が起こりやすい季節です。
特に新社会人は大きな環境変化の中で大変な毎日だと思います。
5月ごろになると、少しずつ任される仕事も増えてきて、仕事の優先順位や時間管理で悩む人も多いかと思います。
そこで今回のブログでは、新社会人や新入社員の方に向けて、私のお勧めの仕事の仕方をご案内します。
<仕事の優先順位>
・5分で済む用事は今スグする。
・15分内で済む用事は本日中に片付ける。
まずはコレです。
なぜならタスクを抱えすぎると人の脳はパニックになるので、すぐに済むものはサッサと終わらせて、抱えているタスクの数を減らした方が良いです。
すぐに終わる簡単なタスクでも終わらせれば達成感はそれなりにあるので、自転車の助走と同じで、次の仕事に勢いがつきます。
私はタスク1つにつき、1枚の付箋を使って、それを手帳に貼付けてTo Do リストを作っています。タスクを完了させると、せっせっと剥がしていきます。剥がす時は爽快です。
私はアナログ人間なので、手帖を使用していますが、スマホのアプリだと期限に合わせて通知が設定できるなど便利ですから、そういうデジタルツールを職場でも、どんどん積極的に使っていったら良いと思います。
締め切りが定められている仕事は、その期限までにまだ余裕があっても、もう先にやってしまいます。
提出期限が何日から何日までと定められているような場合(官公庁の書類などが多い)、私は受付1日目で出すようにしています。
すると受付で、間違いや改善点を教えてもらったり、別のアイディアを提案してもらったり、ブラッシュアップする時間がたっぷりあるのです。実際に何度もそのような事がありました。
期限ギリギリの火事場のクソ力でやる人も多いでしょうが、精神衛生上良くないし、間違いがあった場合は期限に間に合わなくなりますし、ブラッシュアップする機会を失います。
締め切りに対する姿勢というのは、その人の癖というかパターン化しやすいのです。ギリギリに提出する人は毎回毎回そんな風です。癖は一度付くと、直すのは難しいです。
ですから新人の方は、ギリギリに提出する癖が付いてしまわないように、受付1日目で出す心意気で向かってみてください。それを習慣化しましょう。
また上司や先輩から頼まれた仕事を完璧にしようとし過ぎて、1つの仕事に時間がかかりすぎるのは良くないです。
仕事の内容にもよりますが、とくに新人の場合は特別重要なことを任されることも少ないはずですから、95点を100点に近づけるために何時間も費やすよりかは、早く終了して、その浮いた数時間は別の仕事に充てた方が良いかと思います。
新人のうちは特に、色々なことを数多く経験することが何よりも大切です。
あれこれ仕事をしているうちに、会社全体での仕事の大きな流れや、その会社の方針みたいなものが見えて来るかと思います。
上司と新人とで、持って生まれた能力の開きが何倍もあるわけではないです。
何が大きく違うかと言うと、それは「経験値」です。
色んなことを何度も何度も経験して行くうちに、人は上手く対処できるようになって行きます。よく言われているセリフですが、「経験が1番大事。経験が人を成長させる」は真理です。
その前提で考えると、仕事が遅いと、「彼・彼女に頼んでも時間がかかるから、自分でやってしまおう」または「別の人に頼もう」となり、経験値を上げる機会の損失になります。
つまり仕事が遅いと成長も遅くなるということです。
<時間管理のマトリクス>
有名なフレームワークですが、仕事の優先順位は主に以下の4つに分けられます。
1,重要度が高い×緊急度も高いタスク
(締切が近い仕事・クレーム・重要設備の故障・重要なトラブルなど)
2,重要度が高い×緊急度は低いタスク
(顧客満足度や品質改善、社内のシステム作り、新商品・新規事業についての計画など)
3,重要度が低い×緊急度は高いタスク
(重要度の低い打合せ、重要度の低い差し迫った問題、突然の来客など、見込みの薄い営業)
4,重要度が低い×緊急度も低いタスク
(世間話・何もしない待ち時間、何もしない移動時間など)
経営者である私の日々の仕事は、1(重要度が高い×緊急度も高い)のタスクと・・・
3(重要度が低い×緊急度は高い)のタスクは、社員の皆さんにふることが多いです。
そのお陰で私が最も多く時間を費やしているのは、実は2(重要度が高い×緊急度は低い)のタスクです。
顧客満足度を上げることや、社内のシステム作り、新商品・新規事業・新規顧客の開拓についてなど、未来に向けてのことを考える仕事です。
日々の緊急な仕事で「未来の創造」が欠けてしまうと、会社は将来低迷してしまいます。経営者やリーダーが、2(重要度が高い×緊急度は低い)に時間を費やせる環境が、会社として理想的な形だと思います。
そのためには、まずは3(重要度が低い×緊急度は高い)を安心して任せられる部下が必要です。これは新入社員の頑張りどころかと思います。そこで上司から信頼を得ると、1や2を一緒にやってくれるメンバーだと認識されます。
いきなり何もかも上手くやろうと思っても無茶ですから、新入社員の方は、まず3(重要度が低い×緊急度は高い)を自分の領域だと意識して行動してみると良いかと思います。
今回のブログが新社会人や新入社員の一助になれば幸いに思います。

2023年
4月
01日
土
ChatGPTを試してみたら、 思っていたのと違う未来が来るのだと感じた

ChatGPT、最近耳にする機会が増えましたがご存知でしょうか?基本無料で誰でも使える対話型AIです。
ChatGPTを試してみて大変驚きました。怖くすらなりました。まずはChatGPTの凄さを実感する為に、こちらをご覧ください。
私のオーダーと、ChatGPTの回答です。
私のオーダー
「地方の人口減少」「雇用」「中小企業」「地域貢献」「企業は社会の器」「地域の発展」「働く場所が無ければ人口は流出する」
以上のキーワードを盛り込んで、コラムを書いてください。
ChatGPTの回答
近年の日本では、地方の人口減少が深刻な問題となっています。若い人々は都市部へ流出し、高齢化が進む地方では雇用状況も悪化しています。このような状況下で、地方の中小企業にとっても厳しい状況が続いています。
中小企業は地域に密着した存在であり、雇用創出や地域貢献にも大きく貢献しています。しかし、地方の人口減少や雇用状況の悪化で、中小企業の事業環境は厳しさを増しています。多くの中小企業が、働く場所がなければ人材を確保できず、地域から離れざるを得ません。
そこで企業は社会の器であることを自覚し、積極的な地域貢献を行うことが必要不可欠です。地域の課題を把握し、地域の発展に貢献することで、中小企業の事業環境も良くなります。例えば、地方で産業を育成するための資金支援、地元の大学などと協力して研究開発を行うことなど、企業には様々な地域貢献の方法があります。
また、中小企業は人材を確保するためにも、社員が働きやすい環境づくりをすることが必要です。これには、フレックスタイム制度の導入や、充実した福利厚生などが挙げられます。さらに、地方での人材確保のためには、移住促進などの施策も必要です。例えば、地方の魅力をアピールするPR活動や、地方と都市部を繋ぐインターンシップ制度の導入などが考えられます。
中小企業が地域に根ざした発展を実現するためには、企業の社会的責任を果たすことが欠かせません。地域の課題に積極的に取り組み、社員が働きやすい環境を整備し、人材を確保することで、地方の中小企業の発展につながります。企業が地域を支えることで、地方の人々がより豊かな生活を送ることができるようになることを願っています。
いかがでしょうか?
若干おかしな箇所もありましたが、私がオーダーした単語が見事に盛り込まれた立派なコラムを、AIが、なんと5秒ほどで回答して来ました。
ビジネス文書やメールの作成も大変得意なようで、アッと言う間に、ほとんど完璧な文章を作って寄こします。
私も含め多くの人が想像していた未来は、人間の代わりに機械が肉体労働を引き受け、人間は「頭脳」の部分の仕事を引き受けるのだと思っていました。
しかし実際は製造業や建設業や農林水産業でも、機械化が難しい行程が多いし、エッセンシャルワークを機械化するのは更に難しい。
けれどもオフィスワークに関しては、様々なソフトウエアが開発され、例えば10人必要だった仕事を5人で出来るようになるなど、どんどんデジタル化が進んでいます。
そのうえ、このように日進月歩どころか秒進分歩で進化し続けているAIが登場し、これがビジネスの場でMicrosoftのワードやエクセルなどのオフィスアプリのように当たり前に普及してしまうと、必要とされるホワイトカラーの数は、今より遥かに少ない数になるでしょう。
またChatGPTはオーダーされた条件で小説を作ったり、オーダーされたテキストから画像を生成することも出来ます。
「当社のこの設備を使って製造出来るまだ世の中に無い新商品を考えて!」や、「当社の商品は、こういう特徴があるんだけど、キャッチフレーズを10個考えて!」なども試してみましたが、数秒でこなします。
クリエイティブな部分はAIが出来ない領域だと思っていましたが、アッと言う間に可能になってしまいました。
ChatGPTの登場は数年のうちに労働市場に大きな変化を与えるだろう。
そんな未来を感じました。
【ChatGPTで、心が空っぽの人間達が生成されるリスク?】
いったん話が変わりますが、当社が運営しているサ高住のHPへのアクセス数で、常に上位の人気ページがあります。
それは「人権についての基本的理解の研修を行いました>>」というページなのですが、このページは全国から頻繁にアクセスがあるのです。
なぜなのか推測するのは簡単です。
介護施設の多くは従業員の意識向上の為に、このような人権の研修会を行うものなのですが、研修の後、参加者にレポートを提出してもらうのです。
参加者は、そのレポート作成の参考にしようと、ネットを一生懸命に検索して、当サ高住のHPに辿り着くというわけです。
色んな人のレポートを参考にする行為、私はそれは良いと思うのです。
色んな人の意見を調べているうちに、新しい気づきがあったり、あぁ講師の言葉の意味はこういう事だったのか!と理解が深まったり、レポート作成を試行錯誤している間は、人権について自分なりに自分の頭で本当に考えている時間だと思います。
それがChatGPTのように、すでに最初から最後まで完成された文章を5秒ほどで、オーダーした文字数や、オーダーした理解度(小学生の文章レベルで作成して。などのオーダーも可能)で作り上げて来るものを皆がこっそり利用するようになると、レポートの意味があるのだろうか?もっと言えば人権研修の意味すらあるのだろうか?と憂慮してしまいます。
小・中・高の教育現場でのChatGPT利用の賛否が議論されているようですが、読書感想文や自由研究のレポートや夏休みの日記や、お詫びや感謝やラブレターなどの自分の気持ちを伝える文章、体験レポート、それらの作成にChatGPTを利用するようになると、文章だけは立派だけど、自分で考えていないから中身が伴っていない空っぽの人間達が増えてしまうのではないでしょうか?悲観的すぎるでしょうか?
また将来、ChatGPTの作成した文章で相手に思いを伝えて、相手もChatGPTが作成した文章で返信するようになると、もう言葉には何の価値も無くなってしまう気がします。
【時短、アイディア出し、ブラッシュアップで利用】
先ほど悲観的な事を述べましたが、時短の為にビジネスの場で、一般的なビジネス文章やメールの作成に利用したり、アイディア出しを試してみたり、プレゼン資料のブラッシュアップで利用するのは賛成です。
では最後になりましたが、私から新年度のご挨拶をさせてください。
私のオーダー
新年度(4月)のご挨拶を考えてください。中小企業の社長のブログに掲載します。意気込みは入れてください。
ChatGPTの回答
新年度を迎えました。皆様には益々ご健勝とご発展をお祈り申し上げます。
当社は、中小企業ならではの柔軟性と創造性を活かし、お客様のニーズに応える商品とサービスを提供してまいります。また、社会的責任を果たす企業として、環境保護や地域貢献にも積極的に取り組んでまいります。
皆様の変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
このChatGPTの回答を私の新年度のご挨拶に代えさせて頂きます。笑
今年度も何卒よろしくお願い申し上げます。皆様に感謝!!ありがとうございます。
2023年
3月
23日
木
当社商品が泉南市観光協会主催「ええもん せんなんもん」の認証を取得しました

このたび、当社新商品のSDGsシリーズ「サスティブブランケット>>」が、泉南市観光協会が主催する「ええもん せんなんもん2023>>」の認証を取得しました。
「ええもん せんなんもん」とは、泉南市観光協会が主催するプロジェクトです。
以下、泉南市観光協会のHPより
「せんなんもん」とは、わがまち泉南市の素晴らしさを表象する商品、サービスと、それを生み出して来られた事業者の総称です。泉南市のブランドを決める大事な投票に、あなたも是非ご参加下さい!
「ええもん せんなんもん」として認証された事業者の方には、市より認定証が送られるとともに、泉南市観光協会が全面的に事業者の方々の活動を応援させていただきます。」
つまり市民投票により、泉南市のブランド「せんなんもん」に相応しい商品を選び、地域経済活性化を目的とし、「せんなんもん」に選ばれた商品を全国の消費者や事業者にアピールする支援を協会が行ってくれる制度です。
イベント会場(イオンモールりんくう泉南店)とネットで行われた市民投票での結果、当社のサスティブブランケットが全得票数の過半数をはるかに超えた票数を賜ることができました。
これもひとえに、多くの関係者の皆様のご支援やご協力のおかげと心より深謝し御礼申し上げる次第でございます。誠にありがとうございます。
今回このブログにて、改めて当社の新商品「サスティブブランケット」の開発に至ったプロセスを書きたいと思います。1月のブログ「私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて>>」と重複している箇所もありますが、あしからず。
現在のものづくりは複雑で、昔のように良い商品を作ればそれで良いという単純なものではなくなりました。どのようなサプライチェーンで、どのようにして作られた商品なのか、その商品のバックグラウンドまで問われるようになってきました。
チョコレートで例えるなら、日本で売られているこのチョコのカカオは、アフリカの農園で児童労働により作られたものではないか?産地の環境や生産者の健康が守られているか?企業はサプライチェーンの末端である何百何千という農家の現状を調査し、もし問題があれば改善する取り組みをしなければならない。
とまぁ、このような感じで、「サプライチェーン全体」での企業に求められる責任が年々拡大しています。
その他、企業の環境貢献や社会課題への取り組み、公正・透明な経営、それらの情報開示などが必要とされ、これらがESGやSDGsにつながります。
当社も、その重要性に気づき、地域社会への貢献も含め、社会に有形無形の利益をもたらせるように様々な取り組みを重ねてまいりました。(当社の取り組みを見る>>)
そして2022年より、環境問題に対し、当社は新たなチャレンジを始めました。
それが「ECO PROJECT>>」です。
「ECO PROJECT」は不要になった毛布や繊維くずを回収し、それらを特殊専用機で綿状に加工し、フェルトや毛布の主原料として100%再生させます。
これは世界初のサスティナブルな技術です。
そしてこの技術で蘇らせた原料で製造された災害用備蓄毛布やリネンサプライ業務用毛布が、当社の新商品「サスティブブランケット>>」なのです。
いらなくなった毛布から作られた毛布です。
従来のように焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現へとつながります。
またサスティブブランケットは製造工程についても、本社及び工場では再生可能エネルギーを100%使用しています。
さらに当社は、製造工程はもとより、自社工場のすべての企業活動において、2030年CO2排出0に目標を定めて取り組んでいます。
また世界人口の増加により資源不足が懸念されていますが、サスティブブランケットは、いらなくなった毛布から製造されるため、省資源を実現できます。
これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。サスティブブランケットは持続可能な社会のために、ESG・SDGsに配慮して製造された毛布です。「暖かい」や「防炎」以外にも多くの付加価値を提供する毛布なのです。
2050年カーボンニュートラルの達成は世界の目標で、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。
環境省は、地域脱炭素ロードマップを作っており、2025年までに100ヶ所の「脱炭素先行地域」をつくることを掲げています。
脱炭素先行地域とは、家庭や業務部門の電気使用によるCO2排出量実質ゼロを実現する地域です。(大阪府では堺市)
そして2030年には「脱炭素ドミノ」を起こそうとしています。ドミノ倒し的に一気にあらゆる地域や産業で脱炭素化を起こそうとしているのです。
エコバッグやマイナンバーカードもそうでしたが、日本人は動き出すまでには時間がかかるけれど、付和雷同だから動き出すと一気に、周りから遅れをとるまいと動き出します。
2030年以降には、脱炭素化をしていなければ商売のスタートラインにも着けない世の中になっているかもしれません。
また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。
脱炭素の取り組みは、地球環境のためでもあるけれど、自社が「新しいシステムの社会」で生き残るためでもあるのです。

今回、ええもんせんなんもんの市民投票で、BtoB向けの「サスティブブランケット」が最多得票数を獲得できたのも、環境問題を意識している市民の方が少なくないからだと思います。
地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあり、ここ泉南市は2018年の台風21号で大きな被害を受けました。
今だから言えますが、台風21号が通過した後、私は工場の点検に行きましたが、工場の屋根が綺麗に無くなっているなど、茫然とするような大きな被害を受けました。(台風21号のブログ>>)。社員の手前、気丈に振舞っていましたが、工場の惨状を見た時には体が震える思いでした。
もう二度とあの時のような思いはしたくないので、地球環境に良いと言われていることには積極的に取り組みたい気持ちも強いです。
令和4年度の年度末が間近に押し迫り、皆様ご多忙中のことと御推察申し上げます。
本年度は誠にありがとうございました。
新年度もより一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが「ええもん せんなんもん2023」認証に際し、泉南市観光協会様を始めとして関係各位様や多くの皆様のご支援・ご協力に重ねて心より深謝し御礼申し上げる次第であります。


2023年
2月
20日
月
進むデジタル化、進めないオヤジ達、そして今後の社会変化

<私のデジタル化状況>
コロナ禍の3年間で急速に、ズームなど非接触の会議が社会に浸透しました。
ズームでの会議や営業の案内は毎日のようにあります。しかし私は未だに、なかなか慣れるというか馴染むことができず、「御拝顔のうえの方が・・・・」とお願いしてしまいます。
飲食店で、メニューはQRコードで読み取りスマホで注文するようなお店に知らずに入ってしまうと、面倒だからもう2度と来たくないなどと辟易してしまいます。
「社長、スマホのカレンダーに予定を入力すれば、前日や当日朝に通知でお知らせしてくれて便利ですよ。」
「メモは口頭で入力すればスピーディーだし便利ですよ」
「単行本でも紙の書類でも、スマホで撮影すれば、文字をテキスト化してくれますよ」
「商品名が分からないものでも、スマホで撮影してGoogle検索したら一発で出てきますよ」など色々教えてもらう度に挑戦してみるのですが、不慣れだから面倒に感じ、数回利用した後は放置してしまうことが多いです。この面倒臭く思う気持ちに耐えながら慣れるまで続けて利用していれば、今より遥かに便利な世界になるのは分かっているのですが・・・。
一方、デジタル化と言っても無数にあるので、自分の感性にフィットしているデジタル化は直ぐに慣れることが出来ます。デジタル化にも相性があるように感じます。
スマホ決済は非接触IC決済もQRコード決済も、もう随分昔から色々入れて愛用しています。
ワクチン接種証明書やJAFの会員証など、そういう類の物をスマホのアプリの中に入れるのは荷物が減るし無くさないので、大変便利だなぁと感じて利用しています。
<デジタルネイティブが30代に突入し企業の意思決定者へ。社会は変わる>
デジタルネイティブとは、生まれたとき、また物心ついた時からインターネットやパソコンのある環境で育ってきた世代のことで、日本では1990年代から2000年代に生まれた世代のことです。デジタルを利用することが根付いており、生活様式やコミュニケーションの取り方もそれ以前の世代とは違います。
そんな彼らが30代に突入しました。30代前半には係長、後半ぐらいには課長に昇進し、企業の意思決定を任される機会も年々増えて行くと思います。
JRは緑の窓口を7割削減することを発表していましたが、デジタルネイティブが企業の意思決定をする時代になると、「スマホで電車乗れるし券売機があるのに、緑の窓口って意味ある?」「生産年齢人口の減った現代では人件費が一番高いから、緑の窓口はもっと減らそう」「スマホ使えない人のために1割ぐらい残せば充分だろう」と、そういう社会になって行くのは確実だろうと思います。
実際、旅行支援などでPCR検査の陰性証明書を取りに行った方に聞いたのですが、全てはスマホありきの仕様になっていて、QRコードでアクセスして登録して、スマホの中で陰性証明を発行される仕様だそうです。スマホが無いとか苦手な人に向けてはどんな風に手続きするのだろうか?と簡単に調べてみましたが、情報を見つけられませんでした。
デジタルネイティブが30代40代50代に突入し、裁量権の範囲が拡大していくと、ありとあらゆる商品やサービスが、今の何倍もデジタル化された社会になるでしょう。
今後デジタルネイティブの人口は増える一方、非デジタルネイティブの人口は寿命などの自然減で減る一方です。
社会はどんどんデジタル化するでしょうから、デジタル化に対応出来る人達にとっては社会は益々便利に、逆にデジタル化出来ない人達にとっては社会はますます不便になって行くのでしょう。
とはいえ、まだまだ非デジタルネイティブの人口の方が多いので、「メニューもパンフレットもQRからご覧ください」などと振り切ってしまうのは機会損失になります。
当社でも、紙で見たいというお客様の為に物理パンフレットと、物理パンフレットでは紙面スペースの関係で書けないさらに詳しい詳細はQRからご覧いただくなどの工夫をしています。
<わが社のデジタル化状況>
「機械化」は進めていますし、その機械も最新式の機械に入れ替えするなどは絶えず行っています。
しかし「デジタル化」ましてや「DX化」となると、正直どうすれば良いのか良く分かりません。多くの中小企業の経営者が私と同じ気持ちなのではないでしょうか?
デスクワークに関しては、それぞれの事業部がそれぞれ専門的なソフトウェアを使って仕事をやっていますが、自分個人のデジタル化もままならない私が取り仕切って改革して行くのは難しいです。というかムリです。
ですから社員の方から「こういうソフトウェアが欲しい」などと提案があると、「どんどん進めてくれ!」と言っていますし、逆に「この作業はソフトウェアを導入してデジタル化したら?」と私が提案してみても「今のままの方が慣れているので良いです」などと言われるとガックリしてしまいます。
社員自ら、自分達が仕事しやすいように、失敗を恐れずどんどんデジタル化の提案をしてくれたら嬉しい。世の中の非デジタル人間の経営者達はきっとそう思っているはず。
生産年齢人口の減少は確定的なので、今後はもっと人手不足の世の中になるでしょう。
限られた従業員数で運営して行くには、一人一人の生産性を上げなければならない。その為にはデジタル化は必須なのでしょう。
私と同じ、非デジタル人間の経営者の皆さん。中小企業はスモールスタートで頑張りましょう!
<お知らせ>
泉南市観光協会の主催するプロジェクト「ええもんせんなんもん2023>>」に当社の新商品「サスティブブランケット>>」がエントリーされました。
サスティブブランケットは、廃棄予定の毛布を100%再利用可能にした世界初の再生技術で誕生した商品です。
よろしければ動画の再生と「ええもんせんなんもん」の投票をよろしくお願いいたします。投票はこちら>>
※動画の中で「昭和10年に改組」と申しておりますが「平成10年に改組」の言い間違いです。
2023年
1月
03日
火
私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて

2023年(令和5年) 新年あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。
さて新年らしく、今私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて私なりに分かりやすく整理してみたいと思います。
◇2006年 ESG
2006年、ESGが世界の投資に組み込まれ始めました。
ESGとはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の3要素の英語の頭文字を並べたものです。
企業が長期的に成長し続けるためには、環境・社会・企業統治の課題への取組みが必要で、その課題にしっかり取り組んでいる企業は、受益者(最終投資家)に長期的な利益をもたらすはずなので、そのような企業に投資をして行こうというような考え方です。
この考え方により、従来の短期的な利益の追求型の経営から、中長期的な視点での経営に世の中はシフトし始めます。
大変遅ればせながら、そして大変恥ずかしながら、私がESGという言葉を知ったのは2018年です。しかし当社の企業理念である三方良し(お客様の満足・従業員の幸せ・社会貢献)の実現の為に、すでに行っていた取り組みの多くが、そのままESGに繋がることに気づき2019年から本格的にESGの取り組みをスタートさせました。(関連ブログ:ESG課題へ取り組んで参ります>>)
◇2015年 SDGs
2015年、国連が、持続可能な開発目標SDGsを策定しました。
この年から、世界最大級の機関投資家である日本の年金基金はESG投資の原則で投資するようになりました。年金こそ100年先を見据えて運用する必要があるとの判断です。
つまりESGやSDGsに取り組んでいる企業は投資してもらいやすく、もっと言うとESGやSDGsに取り組んでいない企業は投資撤退されるリスクまで出て来ました。
当初私は「これは大企業向けの取り組みだ」と思い込んでいましたが、自分の考えが間違っていたことに気づきました。
そこで当社でも2020年よりSDGsに取り組み始めました。
ESGで取り組んでいたことが、そのままSDGsでも役に立ちました。(当社の取組み>>)
田舎の中小企業にしては早めに取り組んだお陰で、驚いたことに内閣府から官民連携のプラットフォームに参画しないかと、お声掛けをいただけました。(関連ブログ:内閣府からのメール>>)
◇2020年 カーボンニュートラル
2020年、菅元首相が所信表明演説の中で、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言しました(カーボンニュートラルとは、人間活動によって排出されるCO2と、森林などによって吸収されるCO2量の合計の差し引きをゼロにする考え方)。
もちろん日本だけの取組みではなく、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。SDGsでも「気候変動への具体的なアクション」が目標の中に明示されています。ESGの観点からも投資家が最も危惧しているのが気候変動のリスクです。
また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。良い技術があっても再エネ100%で製造しなければ、大企業から相手にされなくなる世界になって行くと思います。
そこで当社では、従来の太陽光発電に加えて、本年1月1日より非化石証書を使用した電気を調達することにより、本社及び工場で使用する電力は100%再生可能エネルギーを実現します。現在、蓄電池導入の話も進んでいます。
◇作って捨てる経済から、使い続ける循環型経済への移行
現在77億人の世界人口は2050年には97億人まで増加する見込みです。それにより資源不足・食料不足・水不足が叫ばれています。
そのため大量生産・大量消費のビジネスは、これからの時代に合わなくなります。
これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。
当社では以前より、災害備蓄用毛布・リネンサプライ業務用毛布を単に販売するだけではなく、使用済の毛布のクリーニングや再真空パックを行っておりますが、それに加え、昨年より新たな取り組み「ECO PROJECT>>」を開始いたしました。
不要になった毛布を特殊専用機で綿状に加工し、再生綿とつなぎの綿を糸にし、その糸で港湾土木用バンカーマット(サスティブフェルト>>)や、ふんわりとした毛布(サスティブブランケット>>)を製造します。不要になった毛布を100%再利用する世界初のサスティナブル技術です。
省資源ですし、焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現への貢献にもつながります。
◇「エシカル消費」の普及
エシカル消費とは、自社や自分の損得だけを考えるのではなく、環境や社会や人などに配慮されて製造された商品を選んで購入する消費活動のことです。
SDGsの12番目のゴール、「つくる責任 つかう責任」の「つかう責任」の方に関連する消費側の取り組みです。
つまりこれからは今まで以上に、サスティナブル(環境・社会・人などに配慮したモノづくり)が、その商品の強みになるということです。
自社の商品の強みが「安さ」だと、もっと安い商品が出ると簡単にそちらにお客様を奪われますし、安さでは中国などの海外製品には勝てません。
まだ現在は日本の一般消費者の意識は高くはないですが、SDGsという言葉が小学生にも浸透した現状を見ると、エシカル消費は今後確実に増えて行くと思います。
企業や自治体も物品購入時にはエシカルを意識した購入が求められるようになるでしょう。
環境に配慮した商品を優先的に購入する「グリーン購入」というものが既にありますが、それの拡大版ですね。
エシカル消費は、企業や自治体の消費活動のなかで社会貢献ができます。また購入した商品を通して「われわれはサスティナブルな企業・自治体だ」と、消費者や取引先や市民にアピールすることが出来ます。
世界最大級の宿泊予約サイトの調査によると、81%の旅行者が「サスティナブルを重要視する」と答えています。
そこで当社では、先述したリサイクル毛布を選んで購入される企業(ホテル事業者など)はサスティナブルを重視している企業であることを、実際に商品を使用するエンドユーザーにアピール出来るように、毛布のタグに工夫をしています。
◇地震・台風・感染症・システムトラブル
2020年、新型コロナが発生し、だれも想像していなかった世界が唐突にやって来ました。当社は大丈夫でしたが操業停止に追い込まれた企業も少なくないと思います。
また地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあります。当社も2018年の台風21号では倉庫2棟及び工場の屋根等に大きな被害が発生しました。(関連ブログ:台風21号>>)
事業をしている以上、さまざまな脅威があり、避けては通れない場合もあります。
そこで当社では、地震・洪水・台風などの自然災害をはじめ、システムトラブル・感染症の流行・停電・火災といった潜在的な脅威に備えて、効率的かつ効果的な対策で事業を継続させ、被害にあった場合でも早期復旧を図ることが出来るシステムを構築し、2021年に国際規格「ISO22301」事業継続マネジメントシステムの認証を取得いたしました(くわしく見る>>)。(関連ブログ:事業継続マネジメントシステムを構築する>>)
◇大変だけど、進む方向は明確な現代の経営
良い商品をコツコツ作っていればそれで良かった時代から比べると、企業に求められることや取り組まなければならないことが膨大で、大変な時代になってしまったなぁと溜息が出る日も正直あります。
しかし良い点もあります。それは、紆余曲折はあるでしょうがSDGsにしてもカーボンニュートラルにしても世界各国で合意した上での取り組みですから、社会がどちらの方向に進んでいくのか明確なことです。
大企業は今、自社だけではなくサプライチェーン全体で社会的責任を果たすことを株主や社会から求められています。
ですから中小零細企業であってもSDGsやカーボンニュートラルに取り組まなければ、大企業や銀行やお得意先から選ばれなくなり、生き残れない時代がやって来ているということです。
◇ごあいさつ
今年の1月6日で創業70周年を迎えます。
これも皆々様の多大なるご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
これを機に社員一同決意を新たに、一層の努力をして皆様のご愛顧にお応えしていく所存です。私自身もまだまだ先頭に立って日々最善を尽くして参ります。
今後とも、なにとぞご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
<お知らせ>
【4年連続】東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2024年度版に掲載されました。
4年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。
