『何事も諦めず気が遠くなるまで繰り返す!』

私は柔道の中でこの事を学ばせて頂きました。諦めず精進を続けている限り未来に続く道は必ずあるはずです。この歳になっても今尚、なかなか未来はスッキリとは見通せません。しかし日々に危機感を持って覚悟を決めて、走り続けております!



2024年

3月

01日

一事が万事「トイレの清潔さ」

拡大していくサスティナブル市場に対応するため、昨年、新規事業部である「繊維再生事業部」を立ち上げました。

それ以降、特に今年に入り、おかげさまで同業界のみならず官学を含め様々な業界の皆さまより、全国からお問い合わせやご来社を賜っています。

先ずを以て心より御礼を申し上げます。

 

ご来社を賜りました際に、新事業のご説明や工場案内などは当たり前ですが誠心誠意させていただいていますが、おもてなしの一環といたしまして、特に気を付けているのが「トイレ掃除」です。

掃除については常日頃からも社員達に恐がられるほど心掛けていますが、それ以上にお客様が見えられるときは、工場も含めて会社全体の徹底した整理整頓と清掃を行います。

その中でも特に徹底して心掛けているのがトイレ掃除です。

2年ほど前にも、ペンキを頭にかぶりながら、新築のトイレと同レベルまでピカピカに工場のトイレをリフォームしました。(工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>

しかしそろそろまた劣化が気になるようになって来ましたので、今年に入り毎土日、祝祭日の社員の出社人数が少ない日には必ず、全トイレを私自ら掃除した後に、トイレの床のワックスを塗り直しピカピカに仕上げました。

 

ここでトイレ掃除と聞いてちょっと苦手だな!?と感じる人も多いかもしれません。

しかしパナソニックの創業者である松下幸之助氏は、トイレを掃除することは常識や礼儀作法を身につけるのに必要だと述べています。

みんなが使う場所だからこそ、誰かが掃除すると思うのではなく、当たり前に謙虚に感謝し合い、そして自らも進んで綺麗にすることが大切だと思います。

ちなみに、松下氏自身、工場のトイレが汚れているのに憤り、従業員の前で自ら掃除し「便所はみんなが使う、自分たちのものである。それを掃除するのに、何の理屈があるものか!」とおっしゃられたという逸話も残されています。

私も正直、昔は汚れが多いトイレ掃除はちょっと苦手だと感じる人の一人でした。

しかし、高校3年生の時に松下幸之助氏の本を読み、この言葉に触発されて、トイレ掃除に対する考え方が変わりました。

また私はこの言葉に感銘を受けて、トイレ掃除をすることで自分自身の精神を磨くという意識を持つようになりました。

 

風水や迷信でよく言われていることですが、トイレを掃除してキレイに保つことで、金運アップが期待できるという話がありますが、この話には肝心のBecauseの部分が抜けています。

「一時が万事」という言葉があります。

わずか一つの物事から、他のすべてのことを推し量ることができるという意味の言葉です。トイレは汚れやすい場所だからこそ、「トイレの清潔さ」から、その他さまざまな事を推し量れることを多くの人が知っています。

見学が行われる工場や事務所が整理整頓されて清潔なのは当たり前で、裏の部分にこそ会社の姿勢が表れます。裏の部分である従業員用のトイレもお客様が目にした際、しっかり綺麗ならば、「この行き届いた会社にだったら仕事を出しても一事が万事きっちりとした仕事をしてくれそうだ」と思っていただけることによって、一緒に仕事をするチャンスを頂け、そして仕事面でも誠心誠意期待にお応えすることで、金運アップが見込めるという意味だと私は考えています。

まあトイレ掃除に限らずいずれにしても、こまめに常日頃から丹念に掃除をしておくと、汚れが蓄積せず毎日のお掃除もラクになります。

【掃除について 関連ブログ】

 

工場のトイレ掃除をやり過ぎて血豆が出来ました>>(約2か月かけて工場のトイレを一人でリフォームした話)

地獄掃除>>(会社の前の道路にも掃除機とコロコロかける話)

地獄掃除のその上>>(奈良県M社のすごい掃除に参加させていただいた話)

自分ばかり損をしている>>(心が折れて掃除するのをやめた話)

大掃除、まだ終わらないんです・・・>> (掃除のゴールポストを動かしてしまう話)

会社も立派やで!>>(長谷虎紡績株式会社さんのトイレの話)

掃除とおもてなし>>(祖母からの掃除についての教え)

トイレ掃除を侮ることなかれ>>(トイレ掃除には「気付ける力」「実行力」「奉仕の精神」が必要だという話)

【繊維 小耳ニュース】

2週間前に公開された、「経済産業省が進める『繊維製品の資源循環システム』を動画で解説 アパレルの未来像がここに」の動画が興味深いです。

国は今本気で、繊維製品を資源として循環させていこうとしているそうです。

経済産業省製造産業局の田上博道生活製品課課長が登壇されていたのですが、とくに私が興味深く思った言葉は下記です。

■「売れ残った商品がその後どうなったか、アパレル会社に開示をしていってもらう」

 

 ■「日清紡さん、東レさん、帝人さん、いずれの企業さんも日本の繊維産業をもう一回復活させるのだという思いで、このリサイクル繊維(※1)を次の重要な商材に使っていこうという意気込みですので、必ず成功していただけると信じている」

 

 ■「グローバルで時間軸を見た時、2030年には標準的にリサイクル繊維を使っていきなさいということになるので、チンタラやっているともう手遅れになる」

※1についいて

動画の中の「このリサイクル繊維」というのは、文脈からいえばケミカルリサイクル繊維についてだと思いますが、マテリアルリサイクル繊維も今後必ず重要な商材になっていくと私は信じています。

反毛では水も薬品もほとんど使いません。100年以上の歴史があるとてもエコなリサイクル方法です。従来の反毛綿は用途が限られていましたが、当社の最新設備ではこれまで難しかった繊維to繊維のリサイクルも可能になりました。電力は100%再生可能エネルギー由来の電力を使用しています。

「繊維製品を資源として循環させていく。これはまだ、この国だけではなく、誰もまだきちんと実現していないこと」という言葉が動画の冒頭でありました。

身が引き締まる思いがするのと同時に興奮も覚えます。

当社の技術が我が国の資源循環システムの一助となれるよう励んでまいります。

 

【動画】

経済産業省が進める「繊維製品の資源循環システム」を動画で解説 アパレルの未来像がここに

NEWS PICKS 2024年1月14日の記事より引用

画像クリックでリンク先に飛べます。

2024年

1月

07日

還暦過ぎると色々ありますね

【ごあいさつ】

2024年、新年あけましておめでとうございます。  

旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。

最初に、元旦夕方に発生致しました能登地方を震源とする大規模地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域の一日も早い復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げますと共に、当社も災害用品に携わる企業として救援物資の支援に全力を尽くす所存でございます。

 

【網膜裂孔のレーザー治療を受けました】

さて、実は昨年末ぎりぎりに、私は左目の網膜裂孔のレーザー治療を受けました。

人間ドックの結果「眼底写真に異常所見が認められます。眼科にて詳しい検査をお受けください」と医者に言われてしまいました。

自覚症状は無かったですし、医者も「一応念のため」くらいの感じでしたので、とくに心配もせずに気軽な感じで専門医の診察を受けました。

精密検査の結果、異常所見が認められた箇所については何も問題無し。しかし人間ドックの検査では分からなかったのですが、網膜に裂け目ができているとのことで、このままでは網膜剥離に進行してしまう危険性が高いということで、緊急に今からレーザー治療を行う選択肢を提示されました。

心の準備もほとんどできていないまま手術同意書にサインをし(この時が一番緊張しました)、診察室からそのまま治療室へ。すぐにレーザー治療開始。10分程度で治療は終了しました。

眼帯ぐるぐる巻きにでもされるのかな?と思ったのですが、そんなことは何もなく、普通の姿で病院を出て、スマホもすぐに見られますし、拍子抜けするぐらい呆気なく終了しました。

問題発見から解決まで、待ち時間を入れても3時間ほどで、思い悩む暇もないまま流れるように解決しました。当日少し重痛いような感じがしただけで、翌日には普通でした。

 

【同年代の友人たちとの会話】

11月中頃から年末にかけて今年は数回、忘年会が有りました。

その中でも中学時代の柔道部と剣道部の同窓有志の会と、高校時代の柔道部とラクビー部の同窓有志の会について今回は書きたいと思います。

還暦を超えてこの歳になりますと、共通の話題は病気の話であり、どちらの会も乾杯の後は病気話から始まりました。

どちらの会のメンバーも、この年になりますと、ほぼ全員が何らかの疾病もしくは手術歴を抱えていました。

冒頭のように、私の網膜裂孔のレーザー治療の話から始まり、次に昨年晩秋に腰椎分離症の手術をして未だにコルセットをしている友人が話し始め、そのあとは今年から入れ歯になった話とか、春になって暖かくなったら人口股関節の手術をする話や、昨年、心筋梗塞になりバイパスとステントを入れた話、脊椎の軟骨が加齢により仮骨し神経に触りカテーテルで削った話、果ては前立腺肥大症、神経痛になった話まで、どちらの会もさまざまな疾病のオンパレードでした。

 

【友人たちの体験談を聞いて心が楽になった】

我々の年代になると加齢により、今までの人生で起こったことが無いような体調の変化が次々と起こり始めます。

見えにくい、聞こえにくい、膝が痛い、つまずきやすい、疲れやすい、腰が痛い、記憶力が悪くなるetc・・・つまり老化現象。

悲しいけれど還暦を超えると誰にでも起こることです。そして老化現象に加え、年を取れば取るほど疾病リスクも高くなります。

私は不安症なので、いつもと違う体調になると全てのスケジュールを後回しにしてスグさま病院に飛んで行くのですが、それでも人間ドックのたびに「なにか病気が見つかるのでは?」と不安になります。

体が痛い日、疲れが取れない日が続くと、自分の健康はいつまで続くかなぁ?と心が曇ります。

しかし、いざ同年代と集まってお互いの疾病の経緯を経験者に聞くと、現代の医学の進歩を感じられますし、なんらかの疾病を抱えても騙しだましやっていけるし、それに疾病を抱えた以降も、こうやって皆で楽しく飲めるのだからと、必要以上の過度の不安が消えて、お互い「同類相哀れみ」ながら心が楽になりました。

飛蚊症と光視症で網膜剥離リスクに不安を抱えていた友人に、私の網膜裂孔の体験談を話したところ、「今の治療ってそんな感じなのか?!実際に体験したお前から話を聞いて、ぴんぴんしているお前の様子を見たら、長年抱えていた不安が取れた」と言ってくれました。私も友人達の疾病に対して同じ気持ちでした。

 

【ひびの入った茶碗でも】

会を終了するころになって、一同が「今後はますます油断はできない年齢に差しかかる」との結論になり、定期的な受診による健康管理と適度な運動そしてバランスの良い食生活を心掛け、「ひびの入った茶碗でも大切に労わりながら大事に使えば100歳まで生きられる」と話し、1年後の再開を誓って、病気の話から始まり病気の話で終わった忘年会でしたが、お互いの約半世紀にわたる変わらぬ友情も確認し合い、散会となりました。

あと最後に一言、私が提案したことですが、半数以上が未利用者でしたので、「社会インフラとしての役割と利便性の観点から、1年後の今日までに、全員がラインと割り勘の計算がしやすいようペイペイを始めよう」と勧め、ブーイングを浴びたところで、各々がお店を後にしました。

【お知らせ】

泉南市の広報せんなんの令和6年1月号の4ページに、当社商品が泉南市「ええもん せんなんもんプレミアム」の認定を受けた際の記事が掲載されました。

詳しくはこちら>>

2023年

12月

28日

経営に必要なもの

【ビジネス本は読まないと公言していたけれど】

私は、10年前の2013年に書いたブログ「歴史のリーダー達から学ぶ>>」のなかで、「ビジネス本は読んだためしがない。なぜならばリーダーの姿や組織作り、戦略などは、失敗も含め歴史本から全て学べるからである。」と書きました。

しかしその後、そんなことを言っていられない状態になりました。

2013年当時、世界におけるスマートフォン普及率は約20%でした。それが近年のデータでは60%を超えました。

つまり世界の6割以上の人達が、最新の情報にリアルタイムにアクセスできる環境、そして自分の主義主張をSNSなどで発信できる環境ということですから、アッと言う間に世の中のトレンドが変化するようになりました。

情報が世界へ拡散されるスピードが尋常ではなく速いですから、去年まで当たり前に行われていたことが今年からは「非常識なこと」と非難されるようになったり、最先端だとされていたものが半年後には時代遅れになっていたり、ビジネスの場でもどんどん新しい言葉が使われるようになり、そしてその言葉もすぐに普及したり、全てにおいてスピードが加速しています。

SDGsや脱炭素についても欧州がルールメイキングをして、それに大企業が倣い、大企業と仕事をしていると当社のような田舎の中小企業にも、そのルールに倣うことが求められる。そこまでのプロセスのスピードがとても早いです。

そのため、アンテナを高くして自ら情報を取りに行かなければ、あっという間に置いていかれる時代になってしまいました。デジタルの進化も信じられない速さで進んでいます。

時代に取り残されないために、近年はビジネス本も読むようになりました。世界の動向にも敏感に目を向けますし、情報感度が高い人とよく壁打ちをします。

最近では、学んだフレームワークを使って事業環境を整理しました。

新しい言葉もなるべく覚えるようにしています。新しい言葉をインストールすることによって世界の見え方が変わってきます。

たとえば「グリーンウォッシュ」という言葉。

本当は環境に配慮していないにもかかわらず、しているように見せかけて商品やサービスを提供することです。

社会の問題になっており、こういう言葉が誕生していることを知ることで、「ではグリーンウォッシュ対策のためには具体的に数値や実績で証明できるものが必要だな」などと考えて動くことが出来ます。

 

【ほんと大切です。行動力】

ただ、やはり30年間以上経営者としてやってきた自分の経験値や感は、大きな意思決定を行う時ほど大切にしています。

情報収集だけをしていても会社が成長するわけじゃないですし、いくら座学をしていても机上の空論ですし、経営は実際にやってみて壁にブチ当たらなければ分からないことが沢山あるので、まずフットワーク軽く動き出してみるのが良いと思います。

考えすぎて立ち止まってしまい結局何もしないという人が世の中一番多いような気がします。

その点、私は行動力だけは物凄くあると思います(笑)。

実際に動き出すと、協力してくれる人や情報なども自然と集まって来やすいです。

 

【先輩方から直接経営を学ぶ】

私は大学を中退したあと、東建コーポレーション株式会社 左右田鑑穂会長兼社長のご自宅で書生をさせていただいた時期があります。

師や諸先輩から直接教えてもらった経営についての考え方や哲学などは、短い年月で簡単に変わってしまうようなものではないので、20代の時から現在に至るまで心に留めています。

師や諸先輩から学ばせていただいたことを過去に沢山ブログで綴ってきましたが、いくつかピックアップしてご紹介いたします。

 

仕事に取り組む姿勢>> (師である左右田鑑穂会長兼社長のお話)

業界として若手を育てる>> (繊維業界の先輩に、教えを乞いに行った時の話)

自分の背丈以上のことはしない>> (投資についての考え方) 

便座も積もれば山となる>> (無駄に対するコスト意識)

 

【未来を見る】

仕事の優先順位や時間管理>>」の回でも書きましたが、「現在」の仕事はできれば社員の皆さんに任せて、経営者は「未来」を作る仕事に専念できるようになるのが理想的です。

未来を作る仕事とは、顧客満足度を上げることや、社内のシステム作り、新商品・新規事業・新規顧客の開拓についてなどです。

日々の仕事に追われなかなか難しいですが、「未来の創造」が欠けてしまうと会社は将来低迷してしまいますので、とても重要な仕事です。

 

私はこれまで会社の規模の大小問わず様々な業界の経営者の方々と接してきましたが、惹かれる経営者に共通していたものがあります。

それはビジョンを持っているということです。自分の事業や組織がどうなりたいか、どうあるべきかという将来像のことです。ビジョンを明確に語る経営者とお会いすると、やはり魅力的だなと感じます。ビジョンは牽引力でもあると感じます。

 

【繊維 小耳ニュース】

■欧州議会とEU加盟国は12月5日、売れ残った衣料品の廃棄を禁止し、廃棄物を削減するための新たな法律を発表したそうです。

■いま、使い終わった天ぷら油などの「廃食油」が世界で争奪戦になっているそうです。というのも国際ルールとして、世界の航空会社(JALもANAも)は今後ジェット燃料には必ず何割かの廃食油を使用しなければペナルティが課されることになったからだそうです。

以上2件の小耳ニュースから、世界がゴミの削減、省資源、省エネルギー、リサイクル推進の方向へ進んで行っているのが分かります。泉州地場産業のリサイクル技術”反毛”の復興を期待したいです。

 

【最後に】

本年もたいへんお世話になり誠に有難うございました。心より深謝申し上げます。

このブログで本年最後のブログを〆させていただきます。 来る令和6年も皆様方のご多幸をお祈り申し上げると共に変わりませぬご厚情の程、お願い申し上げる次第であります。

【お知らせ】

”5年連続” 東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2025年度版に掲載されました。

5年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。

詳しくはこちら>>

2023年

12月

05日

泉州地場産業、復活のチャンス到来?!

【EUは再生繊維を使わない製品を市場から排除する方針で、日本も対応を急ぐ】

先月、当社の繊維再生技術>>についてプレスリリースをさせていただきました。

想像以上の反響があり、繊維リサイクルについての社会の関心の高さに逆に驚かされました。

今年9月の日経新聞の記事に「欧州連合(EU)は再生繊維を使わない製品を市場から排除する方針で、日本も対応を急ぐ。」という記事がありました。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2660E0W3A920C2000000/

「市場から排除」という言葉は、かなりインパクトのある言葉で驚きました。

欧州の有名なファストファッションブランドであるH&Mを偵察がてら最近覗いてみましたが、驚いたことに、私が見た限りほぼ全ての商品が再生繊維(ペットボトルからの再生など)を使用されていたものに置き変わっていました。

再生繊維が何パーセント使用されているのかが一目で分かるように、商品1点1点にそれぞれ大きな紙のタグも付けられていました。

欧州ブランドの変化の速さに衝撃を受けながら、その足でユニクロに向かって様子を伺いましたが、ダウンのリサイクルをしていた以外は、軽く見た範囲ではこれといった変化は無い様子。日本はまだまだかと思っていましたが、HPを見てみると「ユニクロは2030年度までに、全使用素材の約50%をリサイクル素材などに切り替えることを目標にしています。」と書かれていました。

https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/sustainability/planet/products/material/recycle/

日経平均に最も影響を与えているユニクロ(寄与度1位)が、このような目標を立てているわけですから、きっと他の企業も同様に続くのではないでしょうか。

そう考えると日本の繊維リサイクルの市場について期待が持てそうです。

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【石油は、あと約50年で使い切ってしまう】

この半世紀で急激に地球環境が変わりました。人口減少の日本にいると実感が湧かないですが、50年前と比べて地球の人口は2倍の80億人になりました。2050年までにほぼ100億人に達する見込みだそうです。

そして天然ガスや石油は、新しい資源が発見できなければ、今の資源は約50年で使い切ってしまう予測だそうです。

また地球の気温上昇を1.5度未満に抑えるという世界の目標を達成するためには、原材料調達やゴミ廃棄で排出されるCO2の削減についても減らしていく取り組みが進められています。

このような環境ですから、今リサイクルが注目されています。

今後ますます様々な業界で、ものづくりの時点から、捨てなくて良いものづくり、資源も最小限で済むものづくりを設計することが求められるようになります。

しかし繊維to繊維のリサイクルは難しく、これまでなかなか進んできませんでしたが、アパレル業界も、リサイクルしやすいように単一の素材での服づくりを増やすなどの取り組みなどもされているようです。

 

【泉州の地場産業。リサイクル技術“反毛”】

泉州地域の地場産業は古くから繊維産業が中心となり発展してきました。

特に泉南地域では風雨の影響を受けにくい温暖な気候と砂地であるという特性を生かして戦前までは綿花の栽培が盛んでした。

そのようななか、使い古された和布団や座布団等の中綿を取り出し、表面を引っ搔いて再び毛羽立たせて柔らかくふわふわした風合いに戻し、バージンの綿を一定量加えて、再び綿製品に戻す、和布団の打ち直し等が反毛技術の始まりです。

この技術は江戸時代に中国から伝えられたとされ100年以上の歴史があり、泉南の反毛綿は品質が高く、当時は大阪や京都などの都市部で人気があったそうです。

明治時代になると、反毛技術は機械化され、さらに生産性が向上しました。

戦後は資源不足によってリサイクルの需要が旺盛で、作れば売れる時代でした

しかしその後、化学繊維や合成繊維の普及により、反毛綿の需要は減少し、さらに高度経済成長期以降はグローバル化によって安価な輸入品のバージン製品が普及し、大量生産大量消費時代になり、リサイクル技術である反毛は、急激な衰退を余儀なくされました。

残った反毛業者は、新たなる需要と販路を模索しながら反毛機に改良を加え、主にフェルトや軍手を製造するようになりました。

しかしフェルトに変わる新素材の登場や、軍手編み機の高速化(反毛綿混の糸では高速化織機の強みを生かせない)などで、既存販路での需要は減少しつつ、反毛業者の数はさらに減りつつあります。

しかしこの先、資源循環の意識が高まり、リサイクルの需要が増えれば、設備投資して高度な反毛技術(出来るかぎりバージンに近い形に繊維を再生する)を行う事業者も増えるのではないでしょうか。それには補助金などの政策的な支援も強化していただければと考えます。

当社が今回、設備投資を出来たのも、ものづくり補助金の助成を受けられたからです。

 

【泉州の地場産業。毛布】

日本で毛布を製造しているのは、ほぼ泉州だけです。 国内製造品出荷額等で 90%を超えるシェアを有します。

泉州の毛布製造は専門の事業者の分業制になっており、染色、紡績、整経、織、検反、起毛、縫製、梱包加工まで地域内で一貫生産を行う体制があります。

当社だけでも、これまで30年以上にわたり、1000以上の官公庁や企業に販売した災害用備蓄毛布の数は500万枚以上にのぼります。真空パック加工の工程のみで携わった数も合わせると1000万枚以上です。これらの毛布も、いつかはゴミになります。

しかし災害用備蓄毛布は難燃素材で製造されているため、燃やして処分することは出来ません。

産廃で埋め立てるには高い処理費用がかかります。また、ゴミの埋め立て地は飽和状態に近づいています。社会の環境意識が高まりつつあるなか簡単に捨てることは出来ません。

これらの毛布をゴミにせず、新しい毛布の原料にすれば、省資源、CO2排出削減、ゴミ削減において貢献できます。

「捨てずに再生」が日本の新スタンダードになれば、輸送コストやそれにともなうエネルギー量やCO2排出量を考慮すれば、国内で資源循環するのが一番効率が良く、そうなれば繊維産業の国内回帰が期待できるのではないでしょうか。

 

また環境配慮の点から、製品の長寿命化についても企業は求められています。

価格の面で輸入品に負けたとしても、各工程ごと専門の職人さんたちによって作られている日本製の毛布は品質や耐久性が高く、色落ちしにくく、長寿命という点において競争優位性が高いです。

大量生産・大量廃棄の時代には安さは大変大きな競争力だったかもしれませんが、サステナビリティが重要視されるこれからは違うと私は信じています。

 

【最後に】

泉州地域の繊維産業は、歴史的にも現在も、日本の繊維産業において重要な役割を果たしてきました。しかしこの20年間、輸入品に市場を奪われてきました。

サステナビリティの意識や資源循環の需要がもっと高まり、それにともなって泉州地域の地場産業が復興を遂げることを期待しています。

<お知らせ>

繊維再生工程の動画が完成しました。よろしければご覧ください。

2023年

10月

29日

次世代の反毛技術「繊維再生事業部」を新設いたしました

丸竹コーポレーションでは、市場の変化に対応するため、新たに「繊維再生事業部」を新設いたしました。

また、既報のように「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性革命推進事業」の補助金の助成を受け、世界初の繊維再生の最新設備を導入しました。

今回はその詳細を分かりやすくご紹介させていただきます。

 

【次世代の反毛技術】 繊維to繊維 毛布to毛布 制服to制服

上記の最新設備とは、いらなくなったあらゆる繊維製品を繊維原料に戻して、もう一度同じ種類の製品に再生させるための設備なのです。

たとえば繊維から繊維、毛布から毛布、制服から制服、軍手から軍手、etc…です。

化学繊維や天然繊維・混紡繊維など、どんな種類や形状の繊維製品でも、この設備に投入すると、細かく引き裂かれて綿(ワタ)となって出て来ます。その後、この綿とバージン原料とを相応しい割合でブレンドして紡績工場で糸にし、糸から生地、生地から製品になります。

いらなくなった繊維を無数の針で引っ搔いてバラして綿にすることを「反毛」、出来た綿を「反毛綿」、加工に使用する機械を廻切機と言います。

反毛は100年以上前からあるリサイクル技術ですが、“毛布や制服の生地に再生できるレベルの反毛綿”を製造できるのは、当社と大企業の数社のみだと思います。

当社では、生地に出来るレベルの高品質な反毛綿を「もったいない繊維」とネーミングし、商標登録に出願いたしました。

当社の「次世代の反毛技術」を、もっと深くご理解していただくために、従来の反毛についてお話を進めます。

【従来の反毛綿は、用途が限られていた】

従来の反毛の技術は、針で引っ搔く前に、縦にも横にも繊維を細かく裁断します。そして、下記の図のように、いくつもの工程を経るため、そのたびに繊維が損傷しますし、繊維クズが大量に発生します。繊維長も元より短くなります。

元の状態よりも品質が下がってしまうため、反毛綿の用途は限られていました。

一番多い用途はフェルトです。港湾土木用のバンカーマットや、自動車の内装材、カーペットのクッション材などです。ニードルパンチという機械で反毛綿を叩いて、繊維を絡み合わせてフェルトにします。

それ以外の用途としては軍手です。

反毛綿を軍手にするにはまず「特殊紡績」という紡績の方法で反毛綿を糸にします。特殊紡績で作られた糸は特紡糸と言います。「撚りが甘く、糸が太い」のが特徴です。

しかし、この特殊紡績は低速のため生産能力がかなり低いのです。そのため採算を取るのが難しく、実は当社も特殊紡績の事業を行っていましたが、約30年ほど前にやめました。

コロナ前までは、家内工業的に営まれている工場が数件ありましたが、しかし現在は高齢化や後継者・社員不足、そしてコロナ不況や機械の老朽化・物価の高騰により採算が合わずに、特殊紡績の「大阪南部太糸組合」も昨年解散し、現在国内で残っているのは数社のみになりました。

 

【従来の反毛綿は、細い糸には出来なかった】

繊維製品の生地は、経糸と横糸で織られて作られています。

例えばTシャツ生地を作るための糸は、セーターを作るための糸と比べて、とても細いです。

この細さの糸を作るには「空気精紡」という高速回転する機械が必要なのですが、従来の反毛綿は繊維長が短く、繊維自体の波型波形(クリンプ)も伸びきってしまっているため、空気精紡にかけることが出来ません。つまり従来の反毛綿はTシャツ生地を作れるような細い糸にすることは出来ませんでした。

 

【余談ですが、毛七について】

繊維産地である尾州では、ウールの再生技術で「毛七」というものがあります。

使わなくなったウールの衣類を集め、反毛し、ウールが7割その他繊維が3割の比率で作る「リサイクルウール」です。

毛七の製法ではウールを起毛させることは出来ないので、毛七で「毛布to毛布」のリサイクルは出来ないかと思います。

 

【次世代の反毛技術。あらゆる繊維で“反毛綿から生地”が可能に!】

従来の反毛は、針で引っ搔く前に、縦にも横にも繊維を細かく裁断します。

しかし当社の最新設備での反毛は生地を引き裂きます。そのため繊維長を従来よりも長く残すことが出来、強度と風合いがUPしました。

また、工程数を減らしたことにより、繊維の損傷が抑えらます。これまで反毛には5台の機械が必要でしたが、1台で可能になったため、繊維クズが減り、原料を無駄なく使用できます。

この再生過程では水や化学薬品をほとんど使いません。電力は100%再生可能エネルギー(CO2排出ゼロ)由来の電力を使用します。

できあがった反毛綿は従来品の倍以上の細かさで、新品と見間違うほどの高品質です。

バージンのワタとほとんど変わらない品質のため、当社の設備で製造した反毛綿なら「空気精紡」にかけられるので、糸になり、生地にすることが出来るのです。

【地球人口80億人社会のなかの企業の在り方】

1970年代には40億人だった地球の人口が、この50年間ほどで、なんと2倍の80億人になりました。この後まだ増え続けることが予想されています。

水槽でも魚の数が増えれば環境が汚染されます。地球も同じです。

水・食料・エネルギー・あらゆる資源は有限ですから、需要量に供給量が追いつかなくなる可能性があります。

このような地球環境ですから、企業は環境問題と真剣に向き合うことを社会から求められています。

また、リサイクルを促進させて、資源の枯渇や価格の高騰を防ごう、そしてリサイクルでゴミの量を減らしてエネルギーの消費や二酸化炭素の排出を抑えようという動きが各産業で高まっています。

 

【車の製造に使用されるプラの25%はリサイクル材の使用が義務付け】

今年、欧州委員会は、新車の製造に使用されるプラスチックの25%にリサイクル材を使用することを義務付けました。そのうち25%は廃車部品からリサイクルしなければならないとのことです。

現在、日本国内で最大のプラ再生工場を持っているのはトヨタグループです。

EUで車を販売するには、リサイクルに本気で取り組むしかないのです。

繊維製品に関してもEUは「2030年までにEU域内で販売される繊維製品を、耐久性があり、リサイクル可能で、リサイクル済み繊維を大幅に使用し、危険な物質を含まず、労働者の権利などの社会権や環境に配慮したものにする」との目標を掲げているそうです。

フランスでは22年、売れ残った衣類の廃棄を禁止する法律が施行されました。

さらに、この10月からは、服や靴の修理に補助金が設けられ、認可を受けた店で修理をすれば、料金の一部の払い戻しが受けられるようになったそうです。この施策のためにフランス政府が設定した予算は5年で240億円。

複数の主要国が10年ほど前から導入しているライドシェアを、日本はまだ検討検討と言っているような状況ですから、日本がすぐに欧米のようにダイナミックに変化するとは思っていません。しかし遅れながらもゆるやかに確実に、世界の大きな流れと同じ方向に進んで行くと思います。そして一定の割合を超えると付和雷同で一気に変化が進む。日本はいつもそんな感じです。

 

【最後に】

地球人口が40億人ほどだった20世紀は、大量生産、大量消費、大量廃棄の時代でしたが、地球人口が80億人になり、さらに増加して行く21世紀は資源の無駄使いが出来ませんから、丈夫で長持ちするモノ、リペアできるモノ、リサイクルの時代になって行くと思います。

当社は、これまでも繊維のリサイクル(反毛)を36年続けてまいりました。

これからは「次世代の反毛技術」で、地球人口80億人の社会に貢献して行く所存です。

2023年

9月

20日

地球環境の未来と当社の取り組み

【ここ5年で2度の台風被害。それ以前は0回。これは偶然?気候変動?】

9月半ばを過ぎましても厳しい残暑が続いていますね。今年の夏は過去126年で最も暑い夏だったそうです。

誰かと会話するたびに、「近年の夏は、あまりに暑いから、日本でもサマータイムやシエスタを導入した方が良いんじゃないだろうか?」と、半分冗談、半分本気で言い合うぐらい、とても暑い夏でした。

8月中旬には台風が、当社のある泉南市に直撃の予報ということで身構えました。

5年前の台風21号のときには、倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど大きな被害が発生しました。

暴風に弱い箇所は、5年前の台風で飛んで行ったり壊れたりして修理をしていたので、今回は大丈夫なはずと思ってはいるものの、前回の記憶はまだ生々しく、直撃の予報となると不安な気持ちになりました。本社はお盆の連休中だったのですが、社員も数名出勤してくれ、台風対策に尽力してくれました。

 

シニア事業部のサ高住では停電の備えとして非常用自家発電機の設置に加え、予備の自家発電機を3台備えており、非常食や水、非常用トイレなどは万全ですが、夏場の停電は熱中症が心配だということで、ハンディファンを人数分と、氷枕、冷凍庫を急遽購入し凍らせたペットボトル(飲用したり、体に当てて冷やしたり)を備蓄品に追加しました。

ええい!やれるだけのことはやった、後は万事を尽くして天命を待つのみ!の精神で台風当日を迎えました。

台風の右側に泉南市が入ってしまいましたが、暴風雨は心配していたほどではなく、これならほとんど被害は無いだろうと安堵したものの、台風通過後に調べてみると、21号の時よりかは遥かにマシですが、細かな被害が15か所以上に発生しており、約300万円規模の被害が発生しました。

長年ここ泉南市で事業を営んでいますが、近年まで自然災害の被害に遭ったことはほとんどありませんでした。しかし、この5年で2回も被害に遭ってしまったのは偶然なのでしょうか?それとも気候変動によるものなのでしょうか?

 

【大きく変化している地球環境があります。何だと思いますか?】

気候変動に関しては「変化している」「してない」など様々な意見があるので現時点では答が出ませんが、昔と今とでは大変大きく変化している地球環境があります。

何だと思いますか?

それは地球の人口です。私が小学生の時に習った地球の人口は確か30億人台でした。それが今や80億人です。私が生きて来た約60年間の間に約2.7倍に増加しています。

日本では人口減が社会問題になっていますが、外側に目を向けると人口爆発が世界の課題になっています。

あと15年ほどで90億人、あと35年後の2058年頃に100億人に到達すると国連が予測しています。

 

【今後、資源が枯渇して行く社会から求められる商品は、リサイクル製品】

人口爆発により世界全体の資源や食料や水が不足し、奪い合いになると言われています。

そのような地球環境ですから、すでに時代遅れの感がありますが「大量消費、大量生産」の時代ではなくなっていきます。

繊維に焦点を当てますと、合成繊維の製造には化石燃料や大量の水が必要で、その分CO2も増えます。

人口爆発により資源が枯渇して行く社会では、資源を大切にするリサイクルが、ますます重要視されていくのは当然の成り行きだと思います。

 

【どんな繊維でも再生できる世界初の最新設備を導入】

「令和元年度補正ものづくり・商業・サービス生産性革命推進事業」の補助金の助成を受け、世界初の繊維再生の最新設備を導入しました。

化学繊維や天然繊維、混紡繊維など、どんな種類や形状の繊維でも、この機械に入れると、細かく分解されてリサイクルされた反毛原綿として生まれ変わります。

この再生過程では、水や化学薬品をほとんど使わず、エネルギー消費も半分以下に低減されます。また、反毛原綿を製造する5つの工程それぞれに発生していた大量の繊維クズの量も激減します。

従来品と比べて反毛綿が倍以上の細かさになっており、新品と見間違うほどの高品質です。

当社は現在、この新しい再生技術(リサイクルプロセス)によって製造された繊維を「もったいない繊維」という商標で出願中です。

 

【リサイクルの課題:「工程が多く、その分コストとエネルギーが必要」を解決】

リサイクルには、いくつか課題があります。

まず工程の多さです。バージン素材製品の製造工程よりもリサイクルする分だけ余計に工程が増えます。(通常、6工程ほど増えます)

工程が増えた分、人件費をはじめとしたコストが増えますし、6工程に必要な機械5台を動かすエネルギーが必要で、その分CO2が排出されます。

しかし当社の新しい設備では、これまで機械5台6名が必要であった工程が、機械1台2名で可能になりました。

将来的な人手不足にも対応できます。

【リサイクルの課題:「バージン素材製品に比べ、耐用年数が短い」を解決】

バージン素材から作られた既存の製品と同じ作り方をすると、どうしてもリサイクル繊維は強度が落ちてしまうので、耐用年数が短くなるという問題が有ります。

短期間の間に何度も買い替えなければならないのなら、それはエコとは言えません。

社会から必要とされている製品は、たとえリサイクルされたエコ製品であっても、バージン素材製品と同レベルの耐用年数を持った寿命が長い製品だと思います。

そこで当社のサスティブブランケット(リサイクル繊維で製造された毛布)においては、縦糸と横糸の番手をそれぞれ変更することで、そしてサスティブフェルト(港湾土木用バンカーマット)では製造工程を変更することで(特許出願済み)、バージン製品と同等の強度を持ち、耐用年数の長い製品を製造しています。

 

【広まりつつある環境経営 当社への依頼】

環境経営とは、環境問題に取り組み、社会的責任を果たしながら、自社の企業価値も高めていく経営のことです。

SDGsの環境問題に対する取り組みの1つとして、自社で使う製品を購入する際に、地球環境に配慮した製品を選択される企業が増えてきたと感じます。

バージン製品ではなく、多少割高になっても、そのコスト増を環境に対する付加価値だと捉えてリサイクル製品の方の毛布を選択されるお取引先が増えています。

また近頃、当社への依頼で増加しているのが、毛布(災害備蓄用毛布、リネンサプライ毛布)、企業の制服・ユニフォーム(大手飲食店や量販店など)のリサイクルで、古くなった毛布や制服をリサイクルで反毛原綿にして、そこから糸へ、そして再びその糸を使って毛布や制服を製造するリサイクル。他には、大手ガス会社の通電しない軍手を、同じように糸にして再生するというリサイクルなどです。他にはシートベルトやタイヤコードを反毛原綿にすることも可能です。

近年、企業は「自社のSDGsの取り組み」をHPなどで掲示しています。

不要になった毛布やユニフォームや手袋をゴミにせず、リサイクルすることで、環境問題に真剣に取り組んでいる企業だとエンドユーザーに示すことが出来ます。

 

【最後に】

欧州では2030年までにEU域内で販売される繊維製品を、「耐久性があり、リサイクル可能で、リサイクル済み繊維を大幅に使用し、危険な物質を含まず、労働者の権利などの社会権や環境に配慮したものにする」との目標を掲げているそうです。

本当に微力ではありますが、当社が現在取り組んでいることの全てが、上記の文言に含まれています。

諦めず、一人一人が環境問題に意識を向け行動すれば、地球環境の未来は「良い方向へ変わって行くはずと私は信じています。

2023年

8月

27日

マザコン宣言

先日、お盆前に久しぶりに亡き母のお墓にお参りしました。

高校生の時に母を亡くして以来、大学や書生の為に泉南を離れていた時以外は、30年以上に渡り週一回のペースでお墓参りを続けていましたが、昨年8月に感染性心筋内膜炎で入院したことをキッカケに(現在は完治しております)、自分の健康を最優先にして、最近は月に1回程度に控え気味になっています。(関連ブログ:入院しておりました>>

それまでは、ほとんど毎週のように墓地に通っていたので、同じように毎週通っている方々と顔なじみになり、墓参り仲間として親しくなったりしていました。

また、ポリッシャーを持ち込んで墓石を磨いていた時には「精が出ますね。ご一基おいくらですか?」と業者さんに間違えられて「えっ?!身内の墓です」と大笑いしたこともありました。

また、墓地の花屋さんとは顔見知り以上の長年のお付き合いになり、「もう年なので、近々花屋を廃業しようと思っているから、この店を買ってくれないか?」と声をかけてもらったこともありました。

 

では私がなぜそんなに頻繁に墓参りをしていたのかといいますと、まず亡き母に対する感謝の気持ちから。そして、墓前で手を合わせると、聞こえるはずもない亡き母の声が聞こえるような気がするからです。

もし母が生きていたら、こんな時、母は私にどんなアドバイスをくれるだろうか?と自問自答をするのです。

すると「俺はこう思っているけど、母ならこう言うかもしれない」などと、距離を持った目で自分を見ることが出来るのです。

複雑な感情に囚われた時も、母のフィルターを通して物事を解釈すると、さまざまな思いも後方に退き、心が落ち着きます。

私にとって墓前で手を合わせる時間は、内省の時間で、それにより自分で自分にブレーキを掛けたり、アクセルを踏めたり、心を整理したり出来るのです。

 

詳しいことは以前このブログで書きましたが、私が生まれて8か月の時に、母は腎臓結核にかかってしまいました。

最後は人工透析を繰り返しながら、私が高校生の時に亡くなってしまいました。

今振り返ってみると、亡き母の人生は闘病以外のすべてを私に捧げたと言っても過言ではありません。

私は亡き母との間にたくさんの思い出がありますが、特に印象が深いのは、病院から体調の良い時に一時退院して自宅に戻っている時は、いつも私と手をつないで寝てくれたことです。

私が寝ている間に母が再入院してしまったことがあり、それがトラウマで、私が寝ている間にまた母が居なくなってしまうのではないかと不安に駆られて、いつもなかなか眠れなかったのですが、母は手を繋いで一緒に居てくれることで私を安心させてくれました。

母の私への愛情は言葉では言い表せないほど深くて強かったと思います。

私は人との会話の中でよく亡き母の話をしますが、相手の方は悪気は無いと思いますが、「社長さんはもしかしたらマザコンかも?」「社長さんはマザコンですよね」とか、茶化されたり、からかわれたりすることがあります。

私は自分でもマザコンだと思いますし、それを否定しません。

人生は予測できないことばかりですから、今できることを頑張って、後悔しないように心がけ、ご縁あるすべての方々へ感謝して生きて、いつの日か再び母に会った時には

「いろいろあったけど良い人生だった。お母さん生んでくれて本当にありがとう」と言える自分でありたいと思います。

というわけで、61歳、本日ここに堂々とマザコンを宣言いたします。

【母について 関連ブログ】

 

十五夜の告白>>(母から深刻な病状を告白された日の話)

不安の哲学>>(母の死を常に恐れていた子供時代の話)

「一生恨んで、大人になったら必ず仕返しするからね」>>母と、母に辛く当たる小姑の話)

担任の先生が毎日家にやって来る!>>(母と担任の先生との話)

野球場の母>>(墓地で母を思い出して泣いた話)

恩師 加藤秀雄先生を偲んで>>(母と一緒に退学届けを出しに行った日の話)

背伸び>>(母から生き方を教えられた話)

知恵をしぼる>>(母が入院する病院で、私が勝手にバルサンを炊いた話)

二宮金次郎と母>>(母に騙された話)

母とピンクと私>>(幼少期、ピンクの服ばかり着せられていた話)

2023年

7月

27日

61歳 一生成長する気持ちで一生勉強

【過去の自分の経験が役に立たなくなっている】

近年のIT関連の発展のスピードは日進月歩という表現では追い付かず、秒進分歩です。

それにともなって、社会は早いスピードでありとあらゆるものが変化していると感じます。

新しいテクノロジーやビジネスモデルが次々と登場し、そのため従来のスキルや知識だけでは対応できなくなってきているため、昨年、岸田内閣は個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じると表明したほどです。

私は、このようなビジネス関係のブログを10年ほどやっていることもあり、若手経営者向けの会で話をしてくれと頼まれることが時々ありますが、現在の社会では過去の自分の経験が役に立たなくなっていると感じているため、人様に教えられることが無いのです。

たとえば昔は新商品開発の資金調達は銀行融資ぐらいでしたが、最近ではクラウドファンディングで調達するなど、私の分からない世界です。

終身雇用・年功序列の日本的経営の昔と、スキルアップのための転職が普通の今では、会社と従業員との関係性も違います。

働き方改革により、働き方も変わり多様化しました。(当社では人手不足に備えるために、そして多様な働き方に対応するため、週4日正社員の採用枠を現在準備中です)

お取引先とのコミュニケーションの取り方も私と若い社員とでは違います。

 

【ネットから学ぶことができない重要なこと】

それに今の時代、年長者の経営者にわざわざ教えてもらわなくても、ネット検索すれば、ありとあらゆる専門的な情報がすぐに出てきます。

けれどもネットから学ぶことができない重要なこともあります。でもそれは教えることが出来ないものです。

たとえば「第六感」などです。材料的にはGOサインであっても、第六感でNOの経営判断をすることや、その逆で、材料的にはNOであっても、第六感でGOサインを出すことなども結構あります。

しかしこれも、純粋な感というよりかは経験値から無意識に感じるもののような気がします。

また一つ一つの問題に対しての意思決定や行動などはケースバイケースな為、「これをやっていれば成功する!」という定石のようなものは経営には無いと思います。

 

【この石を踏むと確実に失敗する】

しかし、この石を踏むと確実に失敗するというものは存在しています。

成功は運などの要素も関係してくるため再現性は低いのですが、失敗は原因があるので再現性が高いです。

私が思うに「運と縁(えにし)」を大切にしない場合は、色んな面で失敗する確率が高いです。

運については11年前に詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。(努力を極めてからじゃないと運(天命)は来ない>>

縁については、人との縁が大切なのは耳タコだと思いますので、縁の生み方・育て方を、身も蓋もなく書いてみます。

それはズバリ「我慢と謙虚と感謝」です。

世の中の上手く行っている夫婦関係もそうではないですか?親しい友人であってもそうではないですか?

人は一人ひとり違う価値観や考え方や生活習慣を持っているため、人間関係の中で、少しのストレスも我慢も無い関係は存在しないと思うのです。

だから時には不満に感じたりイライラしたりもします。しかしそこで「この人とは合わないなぁ」と感じるたびに疎遠にしていると、自分の社会的なネットワークがどんどん減少してしまいます。また自分と違う価値観や考え方を知る機会を失って、自分の成長も止まってしまいます。

ですから人間関係の中でストレスを感じても、まず我慢。そして次に自分の意見や考え方が絶対的なものではないから、相手の意見に否定的になったり、反論したりするのではなく、「学びの機会」として捉えると素直に相手の話に耳を傾けやすくなると感じます。

現に、この年齢になると意見してくれる人が少なくなるので、自分と違う視点を持った人の意見は有難いのです。とくに若い人の意見や価値観は自分と全然違っていたりするので、私が教えるどころか逆に「今の世の中」を学ばせてもらうことが多いです。

そして一番大切なことは、感謝。

〇〇してもらって当たり前、この気持ちは相手の心をとても疲弊させます。

当たり前や当然の権利だと思う気持ちばかりが強くなり、要求ばかりしていると、心を込めて一生懸命に提供してくれている人ほど拭いきれない徒労感が蓄積し、最後は離れていくものです。

どんなに親しくても、金銭が発生するビジネスの関係性であっても、人間関係の全ての関係性において、お互いに感謝する気持ちは必須だと思います。

(関連ブログ:「当たり前」に感謝>>

これらをお座なりにしていると失敗の確率は確実に高まると感じています。

 

最後にこのブログを書きながら、好きな作家の「あいだみつお」先生の、「一生勉強 一生青春」という言葉を思い出しました。

2023年

6月

21日

自分に向いていることは、苦しくても続けよう!

Netflix「サンクチュアリ-聖域-」を見ました。

北九州の不良が、才能と体格を見初められ相撲部屋に入門し、大相撲界でのし上がろうとする姿を描いたドラマです。

大変人気があるようで、日本だけではなく、世界で見られているとのことです。

私も一気見しながら、まさに天理高校、柔道部時代を思い出しました。

 

私が高校生だったのは、今から40年以上も前の昭和の話なので、現在とは大きく違うでしょうが、当時の天理高校柔道部の寮生活は非常に厳しいものでした。

早朝から夜の自主トレーニングまで、ほとんど毎日、休み無く稽古がありました。

柔道部は、入学式初日から稽古があり、修学旅行中も、そして卒業式当日の朝まで稽古がありました。(※関連ブログ:ゴールは無い>>

寮での生活も厳密なルールがあり、掃除・洗濯・食事・練習の準備・夜の見回りまでが当番制で日課となっていました。

「サンクチュアリ」の主人公である猿桜も確か二度、相撲部屋から逃げ出そうとしましたが、私も同じく、あまりの苦しさに逃げ出すことを決め、同室の先輩に「今夜、夜の内に寮を脱走して身を隠します」と打ち明けました。笑(※関連ブログ:生涯の縁>>

その後も、まぁ色々ありましたが、結果としては最後まで柔道を続け、結果を出すことが出来ました。

 

最近は、スポーツでも仕事でも「苦しいことから逃げるのは悪いことではない」などの意見を大変よく見かけます。また仕事選びについても「好き」や「嫌い」、「楽しい」「楽しくない」などの感情面が昔よりも重視されているなぁと感じます。

しかし私は、それには首を傾げてしまいます。

猿桜も最初は相撲をダサいと嫌がり、お金のために渋々始めました。

私も人生のターニングポイントとなった柔道は、飲食のツケが溜まり過ぎたため、渋々始めました。(※関連ブログ:人生のターニングポイント>>

 

猿桜が相撲部屋から逃げ出そうとした時、「お前は相撲に向いているから、絶対に逃げるなよ」と、同じく相撲部屋から逃げ出した同僚に言われ、猿桜はお金が必要だったこともあり、悩んだ末、相撲部屋に戻りました。

その同僚は心から相撲を愛していましたが、体が小さく、相撲に向いていなかった為に力士になるのを諦めました。

猿桜は好きでも何でもなかった相撲に「向いていた」為、どんどん強くなって行きます。

そして強くなって行くと、どんどん楽しくなって行き、ある日、気が付けば「相撲たのしいー!」と叫んでいました。

そう!重要なのはこれだと思うのです。

好きや嫌い、楽しいや楽しくないよりも、重要なのは「向いているか、いないか」。

人より少し上手く出来るなにか、人より簡単に出来てしまうなにか。つまり、それが自分に向いている事。

向いている事ならば苦しくても続けることが出来、そのうち楽しく感じる「瞬間」がある。あくまで瞬間という「点」であり、継続的な「線」ではないのだけど、その「点」があるから続けていける。

私が30年間以上、経営を続けてこられたのは、人より少し経営に向いていたから。そして経営が楽しいか楽しくないかと聞かれたら、苦しいことは線、楽しいことは点、でもその「点」があるから続けてこられたのだと思います。

 

向いていないけど楽しいことは趣味。

向いていないことを仕事にすると苦しい。

自分に向いていることは、苦しくても続けよう!きっと、そこから何か生まれるはずです。

 

ここで、すでに鬼籍に入られていますが、今でも夢を見る日があり、思い出すたびに背筋が伸びる感覚に襲われる当時の天理高校柔道部監督 加藤秀雄先生の言葉を掲載させてください。今の時代には合わない言葉かもしれません。けれども最後の1行、それは真実なのではないでしょうか。

我々の目標

我々は如何に苦しむべきか

我々は苦しみを喜びとできる豊かな心と強い人間になろう

我々は苦しみを避けず勇気を以て立ち向かおう

その苦しみは我々に何をもたらすか

人生の栄光は苦しみの中から生まれるであろう 

 

加藤秀雄

柔道部のあまりの練習の厳しさに、私はやる気を完全に無くし、母と共に退学を申し出に行きました。その時に私を引き留め「続けることの喜び」を教えてくれたのが、この加藤先生で、先生の講道館柔道九段昇段の記念品の湯飲みには「続けることの よろこび 九段 加藤秀雄」と書かれていました。

(関連ブログ:恩師 加藤秀雄先生を偲んで>>

<お知らせ>

消防機器等関係者表彰(会長表彰)を受賞いたしました。

深く感謝申し上げますと共に、これからもより一層 邁進して参ります。

詳しくはこちら>>

公益財団法人 日本防炎協会発行 防炎ニュース NO.233 P25
公益財団法人 日本防炎協会発行 防炎ニュース NO.233 P25

2023年

5月

27日

仕事の優先順位や時間管理

<新社会人・新入社員の皆さんへ>

清々しい5月です。

「さわやか」は秋の季語で、初夏である5月は「清々しい」が季語だと、ご存知でしたでしょうか?私は最近知りました。

5月は過ごしやすい季節である一方、5月病と言って、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調があらわれる状況が起こりやすい季節です。

特に新社会人は大きな環境変化の中で大変な毎日だと思います。

5月ごろになると、少しずつ任される仕事も増えてきて、仕事の優先順位や時間管理で悩む人も多いかと思います。

そこで今回のブログでは、新社会人や新入社員の方に向けて、私のお勧めの仕事の仕方をご案内します。

 

<仕事の優先順位>

・5分で済む用事は今スグする。

・15分内で済む用事は本日中に片付ける。

まずはコレです。

なぜならタスクを抱えすぎると人の脳はパニックになるので、すぐに済むものはサッサと終わらせて、抱えているタスクの数を減らした方が良いです。

すぐに終わる簡単なタスクでも終わらせれば達成感はそれなりにあるので、自転車の助走と同じで、次の仕事に勢いがつきます。

私はタスク1つにつき、1枚の付箋を使って、それを手帳に貼付けてTo Do リストを作っています。タスクを完了させると、せっせっと剥がしていきます。剥がす時は爽快です。

私はアナログ人間なので、手帖を使用していますが、スマホのアプリだと期限に合わせて通知が設定できるなど便利ですから、そういうデジタルツールを職場でも、どんどん積極的に使っていったら良いと思います。

 

締め切りが定められている仕事は、その期限までにまだ余裕があっても、もう先にやってしまいます。

提出期限が何日から何日までと定められているような場合(官公庁の書類などが多い)、私は受付1日目で出すようにしています。

すると受付で、間違いや改善点を教えてもらったり、別のアイディアを提案してもらったり、ブラッシュアップする時間がたっぷりあるのです。実際に何度もそのような事がありました。

期限ギリギリの火事場のクソ力でやる人も多いでしょうが、精神衛生上良くないし、間違いがあった場合は期限に間に合わなくなりますし、ブラッシュアップする機会を失います。

締め切りに対する姿勢というのは、その人の癖というかパターン化しやすいのです。ギリギリに提出する人は毎回毎回そんな風です。癖は一度付くと、直すのは難しいです。

ですから新人の方は、ギリギリに提出する癖が付いてしまわないように、受付1日目で出す心意気で向かってみてください。それを習慣化しましょう。

 

また上司や先輩から頼まれた仕事を完璧にしようとし過ぎて、1つの仕事に時間がかかりすぎるのは良くないです。

仕事の内容にもよりますが、とくに新人の場合は特別重要なことを任されることも少ないはずですから、95点を100点に近づけるために何時間も費やすよりかは、早く終了して、その浮いた数時間は別の仕事に充てた方が良いかと思います。

新人のうちは特に、色々なことを数多く経験することが何よりも大切です。

あれこれ仕事をしているうちに、会社全体での仕事の大きな流れや、その会社の方針みたいなものが見えて来るかと思います。

上司と新人とで、持って生まれた能力の開きが何倍もあるわけではないです。

何が大きく違うかと言うと、それは「経験値」です。

色んなことを何度も何度も経験して行くうちに、人は上手く対処できるようになって行きます。よく言われているセリフですが、「経験が1番大事。経験が人を成長させる」は真理です。

その前提で考えると、仕事が遅いと、「彼・彼女に頼んでも時間がかかるから、自分でやってしまおう」または「別の人に頼もう」となり、経験値を上げる機会の損失になります。

つまり仕事が遅いと成長も遅くなるということです。

 

<時間管理のマトリクス>

有名なフレームワークですが、仕事の優先順位は主に以下の4つに分けられます。

 

1,重要度が高い×緊急度も高いタスク

 (締切が近い仕事・クレーム・重要設備の故障・重要なトラブルなど)

2,重要度が高い×緊急度は低いタスク

 (顧客満足度や品質改善、社内のシステム作り、新商品・新規事業についての計画など)

3,重要度が低い×緊急度は高いタスク

 (重要度の低い打合せ、重要度の低い差し迫った問題、突然の来客など、見込みの薄い営業)

4,重要度が低い×緊急度も低いタスク

 (世間話・何もしない待ち時間、何もしない移動時間など)

 

経営者である私の日々の仕事は、1(重要度が高い×緊急度も高い)のタスクと・・・

3(重要度が低い×緊急度は高い)のタスクは、社員の皆さんにふることが多いです。

そのお陰で私が最も多く時間を費やしているのは、実は2(重要度が高い×緊急度は低い)のタスクです。

顧客満足度を上げることや、社内のシステム作り、新商品・新規事業・新規顧客の開拓についてなど、未来に向けてのことを考える仕事です。

日々の緊急な仕事で「未来の創造」が欠けてしまうと、会社は将来低迷してしまいます。経営者やリーダーが、2(重要度が高い×緊急度は低い)に時間を費やせる環境が、会社として理想的な形だと思います。

そのためには、まずは3(重要度が低い×緊急度は高い)を安心して任せられる部下が必要です。これは新入社員の頑張りどころかと思います。そこで上司から信頼を得ると、1や2を一緒にやってくれるメンバーだと認識されます。

いきなり何もかも上手くやろうと思っても無茶ですから、新入社員の方は、まず3(重要度が低い×緊急度は高い)を自分の領域だと意識して行動してみると良いかと思います。

 

今回のブログが新社会人や新入社員の一助になれば幸いに思います。

2023年

4月

01日

ChatGPTを試してみたら、 思っていたのと違う未来が来るのだと感じた

ChatGPT、最近耳にする機会が増えましたがご存知でしょうか?基本無料で誰でも使える対話型AIです。

ChatGPTを試してみて大変驚きました。怖くすらなりました。まずはChatGPTの凄さを実感する為に、こちらをご覧ください。

私のオーダーと、ChatGPTの回答です。

私のオーダー

地方の人口減少」「雇用」「中小企業」「地域貢献」「企業は社会の器」「地域の発展」「働く場所が無ければ人口は流出する

以上のキーワードを盛り込んで、コラムを書いてください。

ChatGPTの回答

近年の日本では、地方の人口減少が深刻な問題となっています。若い人々は都市部へ流出し、高齢化が進む地方では雇用状況も悪化しています。このような状況下で、地方の中小企業にとっても厳しい状況が続いています。

 

中小企業は地域に密着した存在であり、雇用創出や地域貢献にも大きく貢献しています。しかし、地方の人口減少や雇用状況の悪化で、中小企業の事業環境は厳しさを増しています。多くの中小企業が、働く場所がなければ人材を確保できず、地域から離れざるを得ません。

 

そこで企業は社会の器であることを自覚し、積極的な地域貢献を行うことが必要不可欠です。地域の課題を把握し、地域の発展に貢献することで、中小企業の事業環境も良くなります。例えば、地方で産業を育成するための資金支援、地元の大学などと協力して研究開発を行うことなど、企業には様々な地域貢献の方法があります。

 

また、中小企業は人材を確保するためにも、社員が働きやすい環境づくりをすることが必要です。これには、フレックスタイム制度の導入や、充実した福利厚生などが挙げられます。さらに、地方での人材確保のためには、移住促進などの施策も必要です。例えば、地方の魅力をアピールするPR活動や、地方と都市部を繋ぐインターンシップ制度の導入などが考えられます。

中小企業が地域に根ざした発展を実現するためには、企業の社会的責任を果たすことが欠かせません。地域の課題に積極的に取り組み、社員が働きやすい環境を整備し、人材を確保することで、地方の中小企業の発展につながります。企業が地域を支えることで、地方の人々がより豊かな生活を送ることができるようになることを願っています。

いかがでしょうか?

若干おかしな箇所もありましたが、私がオーダーした単語が見事に盛り込まれた立派なコラムを、AIが、なんと5秒ほどで回答して来ました。

ビジネス文書やメールの作成も大変得意なようで、アッと言う間に、ほとんど完璧な文章を作って寄こします。

私も含め多くの人が想像していた未来は、人間の代わりに機械が肉体労働を引き受け、人間は「頭脳」の部分の仕事を引き受けるのだと思っていました。

しかし実際は製造業や建設業や農林水産業でも、機械化が難しい行程が多いし、エッセンシャルワークを機械化するのは更に難しい。

けれどもオフィスワークに関しては、様々なソフトウエアが開発され、例えば10人必要だった仕事を5人で出来るようになるなど、どんどんデジタル化が進んでいます。

そのうえ、このように日進月歩どころか秒進分歩で進化し続けているAIが登場し、これがビジネスの場でMicrosoftのワードやエクセルなどのオフィスアプリのように当たり前に普及してしまうと、必要とされるホワイトカラーの数は、今より遥かに少ない数になるでしょう。

またChatGPTはオーダーされた条件で小説を作ったり、オーダーされたテキストから画像を生成することも出来ます。

「当社のこの設備を使って製造出来るまだ世の中に無い新商品を考えて!」や、「当社の商品は、こういう特徴があるんだけど、キャッチフレーズを10個考えて!」なども試してみましたが、数秒でこなします。

クリエイティブな部分はAIが出来ない領域だと思っていましたが、アッと言う間に可能になってしまいました。

ChatGPTの登場は数年のうちに労働市場に大きな変化を与えるだろう。

そんな未来を感じました。

 

【ChatGPTで、心が空っぽの人間達が生成されるリスク?】

いったん話が変わりますが、当社が運営しているサ高住のHPへのアクセス数で、常に上位の人気ページがあります。

それは「人権についての基本的理解の研修を行いました>>」というページなのですが、このページは全国から頻繁にアクセスがあるのです。

なぜなのか推測するのは簡単です。

介護施設の多くは従業員の意識向上の為に、このような人権の研修会を行うものなのですが、研修の後、参加者にレポートを提出してもらうのです。

参加者は、そのレポート作成の参考にしようと、ネットを一生懸命に検索して、当サ高住のHPに辿り着くというわけです。

色んな人のレポートを参考にする行為、私はそれは良いと思うのです。

色んな人の意見を調べているうちに、新しい気づきがあったり、あぁ講師の言葉の意味はこういう事だったのか!と理解が深まったり、レポート作成を試行錯誤している間は、人権について自分なりに自分の頭で本当に考えている時間だと思います。

それがChatGPTのように、すでに最初から最後まで完成された文章を5秒ほどで、オーダーした文字数や、オーダーした理解度(小学生の文章レベルで作成して。などのオーダーも可能)で作り上げて来るものを皆がこっそり利用するようになると、レポートの意味があるのだろうか?もっと言えば人権研修の意味すらあるのだろうか?と憂慮してしまいます。

小・中・高の教育現場でのChatGPT利用の賛否が議論されているようですが、読書感想文や自由研究のレポートや夏休みの日記や、お詫びや感謝やラブレターなどの自分の気持ちを伝える文章、体験レポート、それらの作成にChatGPTを利用するようになると、文章だけは立派だけど、自分で考えていないから中身が伴っていない空っぽの人間達が増えてしまうのではないでしょうか?悲観的すぎるでしょうか?

また将来、ChatGPTの作成した文章で相手に思いを伝えて、相手もChatGPTが作成した文章で返信するようになると、もう言葉には何の価値も無くなってしまう気がします。

 

【時短、アイディア出し、ブラッシュアップで利用】

先ほど悲観的な事を述べましたが、時短の為にビジネスの場で、一般的なビジネス文章やメールの作成に利用したり、アイディア出しを試してみたり、プレゼン資料のブラッシュアップで利用するのは賛成です。

 

では最後になりましたが、私から新年度のご挨拶をさせてください。

私のオーダー

新年度(4月)のご挨拶を考えてください。中小企業の社長のブログに掲載します。意気込みは入れてください。

ChatGPTの回答

新年度を迎えました。皆様には益々ご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

当社は、中小企業ならではの柔軟性と創造性を活かし、お客様のニーズに応える商品とサービスを提供してまいります。また、社会的責任を果たす企業として、環境保護や地域貢献にも積極的に取り組んでまいります。

皆様の変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

このChatGPTの回答を私の新年度のご挨拶に代えさせて頂きます。笑

今年度も何卒よろしくお願い申し上げます。皆様に感謝!!ありがとうございます。

2023年

3月

23日

当社商品が泉南市観光協会主催「ええもん せんなんもん」の認証を取得しました

このたび、当社新商品のSDGsシリーズ「サスティブブランケット>>」が、泉南市観光協会が主催する「ええもん せんなんもん2023>>」の認証を取得しました。

「ええもん せんなんもん」とは、泉南市観光協会が主催するプロジェクトです。

以下、泉南市観光協会のHPより

「せんなんもん」とは、わがまち泉南市の素晴らしさを表象する商品、サービスと、それを生み出して来られた事業者の総称です。泉南市のブランドを決める大事な投票に、あなたも是非ご参加下さい!

「ええもん せんなんもん」として認証された事業者の方には、市より認定証が送られるとともに、泉南市観光協会が全面的に事業者の方々の活動を応援させていただきます。」

つまり市民投票により、泉南市のブランド「せんなんもん」に相応しい商品を選び、地域経済活性化を目的とし、「せんなんもん」に選ばれた商品を全国の消費者や事業者にアピールする支援を協会が行ってくれる制度です。

 

イベント会場(イオンモールりんくう泉南店)とネットで行われた市民投票での結果、当社のサスティブブランケットが全得票数の過半数をはるかに超えた票数を賜ることができました。

これもひとえに、多くの関係者の皆様のご支援やご協力のおかげと心より深謝し御礼申し上げる次第でございます。誠にありがとうございます。

 

今回このブログにて、改めて当社の新商品「サスティブブランケット」の開発に至ったプロセスを書きたいと思います。1月のブログ「私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて>>」と重複している箇所もありますが、あしからず。

 

現在のものづくりは複雑で、昔のように良い商品を作ればそれで良いという単純なものではなくなりました。どのようなサプライチェーンで、どのようにして作られた商品なのか、その商品のバックグラウンドまで問われるようになってきました。

チョコレートで例えるなら、日本で売られているこのチョコのカカオは、アフリカの農園で児童労働により作られたものではないか?産地の環境や生産者の健康が守られているか?企業はサプライチェーンの末端である何百何千という農家の現状を調査し、もし問題があれば改善する取り組みをしなければならない。

とまぁ、このような感じで、「サプライチェーン全体」での企業に求められる責任が年々拡大しています。

その他、企業の環境貢献や社会課題への取り組み、公正・透明な経営、それらの情報開示などが必要とされ、これらがESGやSDGsにつながります。

当社も、その重要性に気づき、地域社会への貢献も含め、社会に有形無形の利益をもたらせるように様々な取り組みを重ねてまいりました。(当社の取り組みを見る>>

 

そして2022年より、環境問題に対し、当社は新たなチャレンジを始めました。

それが「ECO PROJECT>>」です。

「ECO PROJECT」は不要になった毛布や繊維くずを回収し、それらを特殊専用機で綿状に加工し、フェルトや毛布の主原料として100%再生させます。

これは世界初のサスティナブルな技術です。

そしてこの技術で蘇らせた原料で製造された災害用備蓄毛布やリネンサプライ業務用毛布が、当社の新商品「サスティブブランケット>>」なのです。

いらなくなった毛布から作られた毛布です。

従来のように焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現へとつながります。

またサスティブブランケットは製造工程についても、本社及び工場では再生可能エネルギーを100%使用しています。

さらに当社は、製造工程はもとより、自社工場のすべての企業活動において、2030年CO2排出0に目標を定めて取り組んでいます。

また世界人口の増加により資源不足が懸念されていますが、サスティブブランケットは、いらなくなった毛布から製造されるため、省資源を実現できます。

これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。サスティブブランケットは持続可能な社会のために、ESG・SDGsに配慮して製造された毛布です。「暖かい」や「防炎」以外にも多くの付加価値を提供する毛布なのです。

 

2050年カーボンニュートラルの達成は世界の目標で、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。

環境省は、地域脱炭素ロードマップを作っており、2025年までに100ヶ所の「脱炭素先行地域」をつくることを掲げています。

脱炭素先行地域とは、家庭や業務部門の電気使用によるCO2排出量実質ゼロを実現する地域です。(大阪府では堺市)

そして2030年には「脱炭素ドミノ」を起こそうとしています。ドミノ倒し的に一気にあらゆる地域や産業で脱炭素化を起こそうとしているのです。

エコバッグやマイナンバーカードもそうでしたが、日本人は動き出すまでには時間がかかるけれど、付和雷同だから動き出すと一気に、周りから遅れをとるまいと動き出します。

2030年以降には、脱炭素化をしていなければ商売のスタートラインにも着けない世の中になっているかもしれません。

また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。

脱炭素の取り組みは、地球環境のためでもあるけれど、自社が「新しいシステムの社会」で生き残るためでもあるのです。

環境省HPより
環境省HPより

今回、ええもんせんなんもんの市民投票で、BtoB向けの「サスティブブランケット」が最多得票数を獲得できたのも、環境問題を意識している市民の方が少なくないからだと思います。

地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあり、ここ泉南市は2018年の台風21号で大きな被害を受けました。

今だから言えますが、台風21号が通過した後、私は工場の点検に行きましたが、倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど、茫然とするような大きな被害を受けました。(台風21号のブログ>>)。社員の手前、気丈に振舞っていましたが、工場の惨状を見た時には体が震える思いでした。

もう二度とあの時のような思いはしたくないので、地球環境に良いと言われていることには積極的に取り組みたい気持ちも強いです。

 

令和4年度の年度末が間近に押し迫り、皆様ご多忙中のことと御推察申し上げます。

本年度は誠にありがとうございました。

新年度もより一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。

 

最後になりましたが「ええもん せんなんもん2023」認証に際し、泉南市観光協会様を始めとして関係各位様や多くの皆様のご支援・ご協力に重ねて心より深謝し御礼申し上げる次第であります。

2023年

2月

20日

進むデジタル化、進めないオヤジ達、そして今後の社会変化

<私のデジタル化状況>

コロナ禍の3年間で急速に、ズームなど非接触の会議が社会に浸透しました。

ズームでの会議や営業の案内は毎日のようにあります。しかし私は未だに、なかなか慣れるというか馴染むことができず、「御拝顔のうえの方が・・・・」とお願いしてしまいます。

飲食店で、メニューはQRコードで読み取りスマホで注文するようなお店に知らずに入ってしまうと、面倒だからもう2度と来たくないなどと辟易してしまいます。

「社長、スマホのカレンダーに予定を入力すれば、前日や当日朝に通知でお知らせしてくれて便利ですよ。」

「メモは口頭で入力すればスピーディーだし便利ですよ」

「単行本でも紙の書類でも、スマホで撮影すれば、文字をテキスト化してくれますよ」

「商品名が分からないものでも、スマホで撮影してGoogle検索したら一発で出てきますよ」など色々教えてもらう度に挑戦してみるのですが、不慣れだから面倒に感じ、数回利用した後は放置してしまうことが多いです。この面倒臭く思う気持ちに耐えながら慣れるまで続けて利用していれば、今より遥かに便利な世界になるのは分かっているのですが・・・。

一方、デジタル化と言っても無数にあるので、自分の感性にフィットしているデジタル化は直ぐに慣れることが出来ます。デジタル化にも相性があるように感じます。

スマホ決済は非接触IC決済もQRコード決済も、もう随分昔から色々入れて愛用しています。

ワクチン接種証明書やJAFの会員証など、そういう類の物をスマホのアプリの中に入れるのは荷物が減るし無くさないので、大変便利だなぁと感じて利用しています。

 

<デジタルネイティブが30代に突入し企業の意思決定者へ。社会は変わる>

デジタルネイティブとは、生まれたとき、また物心ついた時からインターネットやパソコンのある環境で育ってきた世代のことで、日本では1990年代から2000年代に生まれた世代のことです。デジタルを利用することが根付いており、生活様式やコミュニケーションの取り方もそれ以前の世代とは違います。

そんな彼らが30代に突入しました。30代前半には係長、後半ぐらいには課長に昇進し、企業の意思決定を任される機会も年々増えて行くと思います。

JRは緑の窓口を7割削減することを発表していましたが、デジタルネイティブが企業の意思決定をする時代になると、「スマホで電車乗れるし券売機があるのに、緑の窓口って意味ある?」「生産年齢人口の減った現代では人件費が一番高いから、緑の窓口はもっと減らそう」「スマホ使えない人のために1割ぐらい残せば充分だろう」と、そういう社会になって行くのは確実だろうと思います。

実際、旅行支援などでPCR検査の陰性証明書を取りに行った方に聞いたのですが、全てはスマホありきの仕様になっていて、QRコードでアクセスして登録して、スマホの中で陰性証明を発行される仕様だそうです。スマホが無いとか苦手な人に向けてはどんな風に手続きするのだろうか?と簡単に調べてみましたが、情報を見つけられませんでした。

デジタルネイティブが30代40代50代に突入し、裁量権の範囲が拡大していくと、ありとあらゆる商品やサービスが、今の何倍もデジタル化された社会になるでしょう。

今後デジタルネイティブの人口は増える一方、非デジタルネイティブの人口は寿命などの自然減で減る一方です。

社会はどんどんデジタル化するでしょうから、デジタル化に対応出来る人達にとっては社会は益々便利に、逆にデジタル化出来ない人達にとっては社会はますます不便になって行くのでしょう。

とはいえ、まだまだ非デジタルネイティブの人口の方が多いので、「メニューもパンフレットもQRからご覧ください」などと振り切ってしまうのは機会損失になります。

当社でも、紙で見たいというお客様の為に物理パンフレットと、物理パンフレットでは紙面スペースの関係で書けないさらに詳しい詳細はQRからご覧いただくなどの工夫をしています。

 

<わが社のデジタル化状況>

「機械化」は進めていますし、その機械も最新式の機械に入れ替えするなどは絶えず行っています。

しかし「デジタル化」ましてや「DX化」となると、正直どうすれば良いのか良く分かりません。多くの中小企業の経営者が私と同じ気持ちなのではないでしょうか?

デスクワークに関しては、それぞれの事業部がそれぞれ専門的なソフトウェアを使って仕事をやっていますが、自分個人のデジタル化もままならない私が取り仕切って改革して行くのは難しいです。というかムリです。

ですから社員の方から「こういうソフトウェアが欲しい」などと提案があると、「どんどん進めてくれ!」と言っていますし、逆に「この作業はソフトウェアを導入してデジタル化したら?」と私が提案してみても「今のままの方が慣れているので良いです」などと言われるとガックリしてしまいます。

社員自ら、自分達が仕事しやすいように、失敗を恐れずどんどんデジタル化の提案をしてくれたら嬉しい。世の中の非デジタル人間の経営者達はきっとそう思っているはず。

生産年齢人口の減少は確定的なので、今後はもっと人手不足の世の中になるでしょう。

限られた従業員数で運営して行くには、一人一人の生産性を上げなければならない。その為にはデジタル化は必須なのでしょう。

私と同じ、非デジタル人間の経営者の皆さん。中小企業はスモールスタートで頑張りましょう!

<お知らせ>

泉南市観光協会の主催するプロジェクト「ええもんせんなんもん2023>>」に当社の新商品「サスティブブランケット>>」がエントリーされました。

サスティブブランケットは、廃棄予定の毛布を100%再利用可能にした世界初の再生技術で誕生した商品です。

よろしければ動画の再生と「ええもんせんなんもん」の投票をよろしくお願いいたします。投票はこちら>>

※動画の中で「昭和10年に改組」と申しておりますが「平成10年に改組」の言い間違いです。

2023年

1月

03日

私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて

2023年(令和5年) 新年あけましておめでとうございます。  

旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました。本年も、より一層の精進を重ねて行く所存でございます。変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、重ねてよろしくお願い申し上げます。

 さて新年らしく、今私達を取り巻く経営環境と当社の取組みについて私なりに分かりやすく整理してみたいと思います。

 

◇2006年 ESG

2006年、ESGが世界の投資に組み込まれ始めました。

ESGとはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の3要素の英語の頭文字を並べたものです。

企業が長期的に成長し続けるためには、環境・社会・企業統治の課題への取組みが必要で、その課題にしっかり取り組んでいる企業は、受益者(最終投資家)に長期的な利益をもたらすはずなので、そのような企業に投資をして行こうというような考え方です。

この考え方により、従来の短期的な利益の追求型の経営から、中長期的な視点での経営に世の中はシフトし始めます。

 

大変遅ればせながら、そして大変恥ずかしながら、私がESGという言葉を知ったのは2018年です。しかし当社の企業理念である三方良し(お客様の満足・従業員の幸せ・社会貢献)の実現の為に、すでに行っていた取り組みの多くが、そのままESGに繋がることに気づき2019年から本格的にESGの取り組みをスタートさせました。(関連ブログ:ESG課題へ取り組んで参ります>>

 

◇2015年 SDGs

2015年、国連が、持続可能な開発目標SDGsを策定しました。

この年から、世界最大級の機関投資家である日本の年金基金はESG投資の原則で投資するようになりました。年金こそ100年先を見据えて運用する必要があるとの判断です。

つまりESGやSDGsに取り組んでいる企業は投資してもらいやすく、もっと言うとESGやSDGsに取り組んでいない企業は投資撤退されるリスクまで出て来ました。

 

当初私は「これは大企業向けの取り組みだ」と思い込んでいましたが、自分の考えが間違っていたことに気づきました。

そこで当社でも2020年よりSDGsに取り組み始めました。

ESGで取り組んでいたことが、そのままSDGsでも役に立ちました。(当社の取組み>>

田舎の中小企業にしては早めに取り組んだお陰で、驚いたことに内閣府から官民連携のプラットフォームに参画しないかと、お声掛けをいただけました。(関連ブログ:内閣府からのメール>>

 

◇2020年 カーボンニュートラル

2020年、菅元首相が所信表明演説の中で、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を宣言しました(カーボンニュートラルとは、人間活動によって排出されるCO2と、森林などによって吸収されるCO2量の合計の差し引きをゼロにする考え方)。

もちろん日本だけの取組みではなく、世界がカーボンニュートラル実現を前提として動きだしています。SDGsでも「気候変動への具体的なアクション」が目標の中に明示されています。ESGの観点からも投資家が最も危惧しているのが気候変動のリスクです。

また大企業では自社だけではなく、サプライチェーン全体のCO2排出量を把握し削減する流れに進んでいます。良い技術があっても再エネ100%で製造しなければ、大企業から相手にされなくなる世界になって行くと思います。

 

そこで当社では、従来の太陽光発電に加えて、本年1月1日より非化石証書を使用した電気を調達することにより、本社及び工場で使用する電力は100%再生可能エネルギーを実現します。現在、蓄電池導入の話も進んでいます。

 

◇作って捨てる経済から、使い続ける循環型経済への移行

現在77億人の世界人口は2050年には97億人まで増加する見込みです。それにより資源不足・食料不足・水不足が叫ばれています。

そのため大量生産・大量消費のビジネスは、これからの時代に合わなくなります。

これまでの作って捨てる「直線型経済」から使い続ける「循環型経済」(サーキュラー・エコノミー)へ世界は移行し始めています。

 

当社では以前より、災害備蓄用毛布・リネンサプライ業務用毛布を単に販売するだけではなく、使用済の毛布のクリーニングや再真空パックを行っておりますが、それに加え、昨年より新たな取り組み「ECO PROJECT>>」を開始いたしました。

不要になった毛布を特殊専用機で綿状に加工し、再生綿とつなぎの綿を糸にし、その糸で港湾土木用バンカーマット(サスティブフェルト>>)や、ふんわりとした毛布(サスティブブランケット>>)を製造します。不要になった毛布を100%再利用する世界初のサスティナブル技術です。

省資源ですし、焼却処分した場合に比べ、CO2の排出を大幅に削減でき、カーボンニュートラル実現への貢献にもつながります。

 

◇「エシカル消費」の普及

エシカル消費とは、自社や自分の損得だけを考えるのではなく、環境や社会や人などに配慮されて製造された商品を選んで購入する消費活動のことです。

SDGsの12番目のゴール、「つくる責任 つかう責任」の「つかう責任」の方に関連する消費側の取り組みです。

つまりこれからは今まで以上に、サスティナブル(環境・社会・人などに配慮したモノづくり)が、その商品の強みになるということです。

自社の商品の強みが「安さ」だと、もっと安い商品が出ると簡単にそちらにお客様を奪われますし、安さでは中国などの海外製品には勝てません。

まだ現在は日本の一般消費者の意識は高くはないですが、SDGsという言葉が小学生にも浸透した現状を見ると、エシカル消費は今後確実に増えて行くと思います。

企業や自治体も物品購入時にはエシカルを意識した購入が求められるようになるでしょう。

環境に配慮した商品を優先的に購入する「グリーン購入」というものが既にありますが、それの拡大版ですね。

エシカル消費は、企業や自治体の消費活動のなかで社会貢献ができます。また購入した商品を通して「われわれはサスティナブルな企業・自治体だ」と、消費者や取引先や市民にアピールすることが出来ます。

世界最大級の宿泊予約サイトの調査によると、81%の旅行者が「サスティナブルを重要視する」と答えています。

 

そこで当社では、先述したリサイクル毛布を選んで購入される企業(ホテル事業者など)はサスティナブルを重視している企業であることを、実際に商品を使用するエンドユーザーにアピール出来るように、毛布のタグに工夫をしています。

 

◇地震・台風・感染症・システムトラブル

2020年、新型コロナが発生し、だれも想像していなかった世界が唐突にやって来ました。当社は大丈夫でしたが操業停止に追い込まれた企業も少なくないと思います。

また地球温暖化による気候変動で台風が大型化しているという説もあります。当社も2018年の台風21号では倉庫2棟が全壊及び工場各所の屋根が吹き飛ばされるなど大きな被害が発生しました。(関連ブログ:台風21号>>

事業をしている以上、さまざまな脅威があり、避けては通れない場合もあります。

 

そこで当社では、地震・洪水・台風などの自然災害をはじめ、システムトラブル・感染症の流行・停電・火災といった潜在的な脅威に備えて、効率的かつ効果的な対策で事業を継続させ、被害にあった場合でも早期復旧を図ることが出来るシステムを構築し、2021年に国際規格「ISO22301」事業継続マネジメントシステムの認証を取得いたしました(くわしく見る>>)。(関連ブログ:事業継続マネジメントシステムを構築する>>

 

◇大変だけど、進む方向は明確な現代の経営

良い商品をコツコツ作っていればそれで良かった時代から比べると、企業に求められることや取り組まなければならないことが膨大で、大変な時代になってしまったなぁと溜息が出る日も正直あります。

しかし良い点もあります。それは、紆余曲折はあるでしょうがSDGsにしてもカーボンニュートラルにしても世界各国で合意した上での取り組みですから、社会がどちらの方向に進んでいくのか明確なことです。

大企業は今、自社だけではなくサプライチェーン全体で社会的責任を果たすことを株主や社会から求められています。

ですから中小零細企業であってもSDGsやカーボンニュートラルに取り組まなければ、大企業や銀行やお得意先から選ばれなくなり、生き残れない時代がやって来ているということです。

 

◇ごあいさつ

今年の1月6日で創業70周年を迎えます。

これも皆々様の多大なるご支援の賜物と心より感謝申し上げます。

これを機に社員一同決意を新たに、一層の努力をして皆様のご愛顧にお応えしていく所存です。私自身もまだまだ先頭に立って日々最善を尽くして参ります。

今後とも、なにとぞご支援ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

<お知らせ>

【4年連続】東京商工リサーチ 優良企業情報誌「ALevel」2024年度版に掲載されました。

4年連続で掲載していただく事になり、大変光栄に存じます。これも皆様のご支援ご高配の賜物と心より感謝申し上げます。

くわしくはコチラ>>