新役員体制が40代5名のワケ

史上最高気温を記録した今夏の猛暑も、ようやく幾分か和らぎ、朝夕には秋の気配を感じるようになってまいりました。

さて、今回は当社の人事についてお話しさせていただきたいと思います。

今回、役員の改選を行い、すでに法務局への登記も済ませました。

私ともう一名以外は40代が5名です。

正直、多様性については少し後退してしまったかもしれません。

しかしこれは多様性の否定ではなく、「変化への対応力」「継承」を重視し、戦略的にこの人事にしました。

一つ一つ説明して行きます。

 

【迅速な意思決定と変化への対応力が必要】

トランプが就任したのが今年の1月?!と驚いてしまうほど、世界に多くの変化が起こりました。

「アメリカ第一主義」が復活し、関税が引き上げられ、世界経済やサプライチェーンに影響を与えています。また高まっていた多様性推進や気候変動対策の機運が後退傾向にあります。

2025年の日本では、株価・金価格・不動産価格のすべてが過去最高水準を記録し続けていますが、実態経済とは大きく乖離し、バブルの様相を呈しています。仮にこのバブルが崩壊すれば経済・社会に大きな変化が起こるのではないでしょうか。

また今年に入り、急速にAIが身近な物になりました。ありとあらゆる場所に導入されています。経営共創基盤CEOでありパナソニック取締役の冨山和彦さんはAIの普及により「ホワイトカラーは消滅する」と仰っています。(さすがに消滅はしないと思いますが)

その他にも地政学リスクも高まっています。

また長く続いたデフレが終わり、インフレ時代に突入しましたので賃上げや、それに対応するために価格転嫁の戦略設計も必要です。

また制度変更も年々増加しており(今年は介護報酬改定や労働安全衛生法の改正など)制度変更への対応力も必要です。

このような変化変化の荒波の中で、当社が中小企業として生き残るためには、迅速な意思決定と変化への対応力が必要だと考えました。

40代という世代は、経験と柔軟性のバランスが絶妙です。現場で培った暗黙知を持ち、チャンスやピンチに直面したときには頑張れる体力も気力もまだあります。思考も柔軟で吸収力もあります。

上の世代の価値観と、下の世代の感性の両方を理解できる橋渡し役の世代です。

今後、人手不足の加速に伴いDX化が進むと予想される中、40代はアナログとデジタルの両方を理解できる貴重な人材となるのではないでしょうか。

 

【彼らへ承継】

私は今年64歳になります。気力体力が続く限り頑張るつもりですが、経営者として次の世代への継承準備を怠るわけにはいきません。

私はこの人事を「未来への布石」と捉えています。

40代は「任せられるが、まだ育てられる」という絶妙な世代です。

私自身が経営者としての自覚を持ち、生まれ変わったような大きな心の変化を迎えたのも40代です。(関連ブログ:経営者意識の覚醒>>

先輩経営者の皆様から育てていただきました。(関連ブログ:業界として若手を育てる>>

40代は、私の経験や経営哲学を最も自然に受け継げる世代であり、次代のリーダーとしての可能性を強く感じています。

取引先や業界との信頼関係の構築は経営に欠かせない要素です。

私自身が築いてきた人脈や関係性を、彼らにしっかりと引き継ぎ、次世代の丸竹を担う「顔」として育ってほしいという私の願いから、このような人事となりました。

 

では当社の新役員達をご紹介させてください。

上田くんは40代という若さで専務取締役に就任しました。

20年以上勤めてくれていますが、入社当初はなかなかの問題児で、会社に来ない彼を私がゲームセンターに探しに行ったこともありました笑。

それが今では営業の大エースとして日本中を忙しく飛び回っています。「50億円規模の会社にする」と豪語していますが、ほんまかいな笑。

則夫くんは繊維再生事業部長です。縁あって当社に来てくれました。職人肌で、難しい機械でも修理してくれる頼もしい存在です。当社の次世代の反毛技術設備>>の開発は彼の尽力があったからこそ可能になったと言っても過言ではありません。

成豊はサービス付き高齢者向け住宅の事務長で、私の息子でもあります。親子でありながら性格は真逆。しかし何度失敗して挫けても、最後はまたバッターボックスに立つところは似ています。

棚部くんはシニア事業部長です。訪問介護やデイサービスを立ち上げ、成豊と共に運営を担ってくれています。文系頭脳を発揮して制度対応や認可取得など中核を担う存在です。数々のチャレンジを重ね、経験値が爆上がりしている事を本人は気づいているでしょうか?

田中くんはケアマネジャーとして勤務してくれています。ある日「社長、ケアマネ協会の泉州南支部の支部長になっても良いでしょうか?」と聞かれたので、私は即座に「やってみなはれ!田中くんが世の中の為にやった事は田中くんしいては丸竹に返って来る」と答えたのですが、今やなんと彼は大阪府のケアマネ協会の理事になっています笑

 

彼ら5名、当社に来てくれて、周りに支えられながら数々の初挑戦をし、着実に成長しています。しかし彼らはまだ40代。ポテンシャルはまだまだあります。実務に加え、ここからさらに経営感覚を磨いて経営陣として成長していくでしょう。

もしかすると当社を飛び出て、自ら経営者になる人も転職する人もいるかもしれません。

それでも当社での経験や、できれば私の経営哲学が、未来へと繋がってくれればこんなに嬉しいことはありません。

私自身の経営哲学も、左右田鑑穂社長>>を始めとし、諸先輩経営者の方々から学び、受け継いできたものです。

私ほか役員六名の彼らと、そしてここに書ききれなかった日々頑張ってくれている社員の皆とともに、新体制で邁進していく覚悟であります。

引き続きご指導ご厚情を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。