お洒落と高齢者

サービス付き高齢者専用賃貸住宅(以下 サ高住と記載)の開設に向けて、商工会や協力者の方々から御紹介頂いた他社のサ高住に何度か視察に行かせて頂いている。

先般、当社の開設準備室長からの視察報告書の最後に、気になる一文が添えてあった。


『手の爪にピンクのマ二キュアをして、生き生きと最高の笑顔のおばあちゃんに出会いました』


その一文が妙に気になって仕方なく、翌日、開設準備室長に施設の担当者さまから詳しい話を聞かせてもらうように頼んだ。

以下、その施設の担当者さまの話の概略である。

「当施設では月に一回くらいのペースで、ネイルサロンに出張してもらっています。毎回3時間くらいの時間です。」

「大変評判がよく、何日も前から楽しみにされている方も多くいます。」

「当施設では入所者の約7割が女性で、その女性のほぼ半数がネイルサロンを利用されています。」

「おばあちゃん達はオシャレをすることで、すごく元気になりますよ!」

とのことであった。

 

指先というのは四六時中、目に入るものである。その指先が手入れされ、綺麗な色のマニキュアで飾られていれば、ウキウキした気分になり、単なる手指のお手入れという枠を超えて、心まで元気にしてくれる!ということだろうか?!

そこで、思い付いたのが当社のリラクゼーション事業部が運営するエステサロンである。

このサロンはネイルの施術も行っている。

まさかサ高住とエステサロンで関連する部分が出て来るとは予想外であったが、新規事業と既存の事業とを連携させることによって相乗効果を期待出来そうだと考え、早速、リラクゼーション事業部長とも打ち合わせを行うと、「是非ともやらせてほしい」との事であった。

 

現在、収集した情報を精査し運営内容の資料化とマニュアル化を順次行っている。その会議の中で、訪問先の施設や情報番組などで生き生きとした高齢者を見かける度に、それぞれが話題に上げ、「その笑顔は何から起因しているのだろうか?」と話し合うことが度々あった。

笑顔が生まれる直接的な理由はさまざまでも、根本は

尊厳を持ち、尚且つ自分らしく余生に希望を持って楽しめる環境が、お年寄りに笑顔をもたらすのだと思った。


以前「酒と高齢者施設」の記事の中でも書いたが、体が不自由になって高齢者施設に入所しても、心は若いまま、時にはお酒を飲んでワクワクしたり、お洒落をしてウキウキしたり、それらは一例に過ぎないが、そんな風にして日々の出来事を楽しむ心が持てる施設を作りたい。そして、一人でも多くの方に「長生きして良かった」と思って頂きたい。

そこには当社の理念でもある「三方良し」の姿がある。


※三方良し=売り手と買い手がともに満足し、社会貢献もできるのがよい商売であるという意味