今更ですが営業電話の基本

台風14号が過ぎたころから、朝夕は涼しくなり、すっかり秋めいて来ました。

まず私事ですが、今年の夏は7月の終わりごろから体調を崩し、入院もいたしましたが、爽やかな秋風と共に体調もほぼ快復し、心地よく感じられる日常を取り戻しています。ご心配や多くのお声掛けを賜り、心から御礼を申し上げさせていただくと共に、ご不便をお掛け致しましたこと心よりお詫び申し上げます。

 

【実際にあったこんな営業電話】

さて近頃、営業電話について疑問に思うような経験がいくつかあったので、社内教育の為にも、今更ですが営業電話の基本について書いてみようと思います。

まず私の実体験を羅列してみましょう。

 

. 私の入院中に、名刺交換済みの方から会社へ営業電話がありました。事務員が私は入院中であることを伝えると、「じゃぁ携帯の方へかけても良いでしょか?」とのこと。

 (入院中にまでかけて来る営業電話に気分を害さない人が、この世にいるでしょうか?!)

. 折り返し電話が欲しいとの伝言をもらったので電話をすると、協賛のお願いの電話でした。

 (自分の頼みごとをするために相手に電話を掛けさせるのですか?!それで頼み事がスムーズに行きますか?)

. 折り返し電話が欲しいとの伝言をもらったので電話をすると、寄付のお礼でした。

 (お礼を言うために相手に電話をかけさせるのですか?!もう笑うしかない!)

. 人間ドックを受けた翌日その健康クラブから電話がありました。「いつもお世話に~」の挨拶を聞く間ももどかしく、早くどこが悪いのか言ってくれ!とジリジリしていると、サプリのご案内でした。

 (膝から崩れ落ちそう!)

. 車を運転していると、車に搭載された専用通信装置に080の番号からコールがありました。現在の車に乗って3年ほど経つが初めての経験です。初回は無視したのですが、後日またかかって来たので恐る恐る通話ボタンを押してみると、その車メーカーのオペレーターからの営業電話でした。

 (車の通信装置を使って、運転中だと分かったうえで営業電話!酷い!)

 

以上全て実体験ですが、これらの事例に共通しているのは、相手の状況や気持ちを全然考慮していないという点です。

「折り返し電話が欲しい」との伝言をもらうと、たいていの人は何かあったのかな?と心配しながら、全てのタスクを一旦後回しにして電話をかける時間を作ります。

ですから自分側に用件がある場合には、電話口の相手から「折り返し電話をいたしましょうか?」と尋ねられても、決して相手からの折り返しの電話を求めてはいけません。

電話口の相手は電話対応のマナーとして、折り返し電話が必要かどうか聞いているだけなので、たとえ長幼の差や年功の序列が存在していたとしても、緊急性の無いことや重要な連絡事項がない限りは、自分の要件で相手に電話を求めるのは失礼です。

また相手に無用な心配を抱かせない為にも、「〇〇の件でご連絡いたしました」と伝言に付け加えることも必要です。

 

 【携帯への営業電話】

また、名刺交換はしたものの、まだ信頼関係を築けていない間柄で、営業電話を会社の電話番号ではなく直接携帯にかける営業マンもいるかと思いますが、私はそのような営業はしません。

「今の時代、会社にかけても居留守を使われる場合が多くて、なかなか上にまでは取り次いでもらえないことが多い」との嘆きも聞きましたが、携帯にまで(出先にまで)営業電話をしてもロクな結果にならないので、はっきり言って時間と労力の無駄です。

電話を取り次いでもらえないのは信頼関係が出来てないからですので、別の営業の方法を再考してみる必要があるかもしれません。

 

 【営業電話以外のアピール方法】

たとえば私が昔から今日まで何十年間も続けていることですが、名刺交換した相手には必ず後日、お礼のお手紙を出します。100%です。この何十年間で1人も掛けていないと思います。(もし私と名刺交換して手紙が来なかった方はご連絡ください!)

もう今、私自身が営業の電話をかけることは殆どありませんが、有難いことに他の営業マンは私と同じことをやっていない人が大半なので、その他大勢の営業から少しだけ目立つことが出来、他の営業マンよりも電話に出てもらえる頻度は多かったのではないでしょうか。

それでもやはり電話に出てもらえない場合はあるので、その場合は深追いせず、新商品のパンフレットを送ったり、季節の節目節目に挨拶状を送り続けて、関係を作ったりして来ました。

 

私自身、とある会社の営業の方から毛筆に和紙で、まるで巻物のような長いお手紙をもらったことがあります。(果たし状が届いたのかと驚きました)

その会社は伝統的にそのような営業をしていることは知っていましたが、実際に貰うと忘れられないぐらいのインパクトがありました。

また、毎朝必ず、業界ニュースや業界の展望を自分なりにまとめてコラムにし、顧客のメールに送り続けた人の話を聞きました。

なるほど、そういう風にして関係を築いていれば、何かあった時にその人に声を掛けてみようと思うなぁ、なるほどなぁと感心しました。

 

話が逸れてしまいましたが営業の基本は、相手と信頼関係を築くこと。

信頼関係を築くには自分本位ではなく、相手の立場を想像してみること。それがまず基本です。