どぶ川の神様

当社の製造部門の繁忙期のピークは1月から年度末までである。

目が回る忙しさの年度末が過ぎて新年度を迎えると、それまではピリピリとしていた空気が幾分か緩和されて、皆ホッと一息つく余裕が生まれて来る。

時間的にも気持ち的にも余裕が出来るこの時期になると、私には毎日「掃除の神様」が降りて来るのである。笑

あくまでも私は「掃除の神様が私に降りて来てくださる」と考えているのだが、従業員の間では私の事を「掃除の悪魔に取り憑かれた社長」と呼んでいるらしい。

私にとってこの時期は、掃除し過ぎによる全身を襲う筋肉痛とガサガサの指先を除けば、清々しい気持ちで毎日を過ごせる最高に嬉しい時期でもある。しかし従業員諸氏にとっては年度末の繁忙期よりも大変な時期かもしれない。

 

まず今年の「掃除の神様」は工場のど真ん中を南北に二分して流れるドブ川に舞い降りた。4月4日の朝にドブ川の上に渡した鉄板の隙間から「掃除!掃除!掃除!」と聞こえて来たような気がした。こうなると私はそれ以外の場所を含めて、約3,000坪ある敷地内のすべてを徹底的に掃除しないと気が済まなくなる。お得意様に迷惑を掛けない範囲で工場をストップして、数日間に渡り従業員をほぼ全員、掃除に投入するのである。

目指す掃除のグレードは「新築当時の美しさの再現と維持」である。

常日頃の掃除方法の詳細は以前にも記載したので省くが、毎日徹底した掃除をした上で、この期間は「超特大 大掃除期間」と銘打って、自らも先頭に立って、徹底的な清掃を目指すのである。

今年度の掃除始めは私が長靴を履いてドブ川に入り、溜まったゴミを取り除いた後、デッキブラシを使って川底を磨き上げた。他にも数え上げればキリが無いが、工場の主要外壁部分のペンキの塗り替え、社内各所の周辺道路の高圧洗浄、本社及び全倉庫・全駐車場周辺の草抜きと防草マットの張り替え、フラワーホームも含めたグループ全体の植栽の整備と植え替え、各社屋の全玄関とトイレの防汚・抗菌コーティングの塗り直し等その他である。

余談だが先般、約10年間乗った私専用の社用車を買い替えたが、ほぼ新車のグレードを10年間保ち続けた。また本社屋も内外装含めて改築後約8年経過しているが、未だに初めて来社された方は新築直後と見間違えられる。

 

ところで大掃除の理由を「掃除の神様が降りて来たから」と超自然的なことを綴ったが、合理的な理由がもちろんある。

先ずドブ川の掃除はこの時期に綺麗にすると夏場の蚊の発生を極端に抑えられるし、海に近い環境にある当社においてはペンキを塗り替えることにより鉄骨部分の潮風に依る錆や腐食を防げる。また周辺道路の高圧洗浄は社内への異物混入の防止対策になるし、防草マットにおいては花粉症対策も兼ねている。

また、一般社会では「見た目より中身」と言われるが、ビジネスの世界では先ず「第一印象」が7割ではないだろうか?掃除の行き届いていない不潔な会社と仕事をしたいと思う人は居ないであろう。掃除がいい加減だと一事が万事で、他の部分までいい加減なのではいかと疑ってしまう。

前にも書いたが仕事は生活(人生)の土俵でもある。人生の土俵でもある職場は常に清浄に保ちたい。

(関連記事:地獄掃除>>地獄掃除のその上>>