提出期限

昔、役所に提出する重要な書類を、やむにやまれぬ事情により期限ギリギリに出してしまい、しかもその書類に間違いがあることが後から連絡をもらって判明し、期限になんとかまにあわせる為に、予定を色々と変更して、大慌てで役所まで修正をしに行ったことがある。

もう肝を冷やすのは御免である。

期限の初めに提出すれば、ミスが発覚しても余裕を持って対応することが出来るのに、期限ギリギリだと追い込まれる。

だから普段はそのような事がないように、期限のあるものは、提出期間の「初日」に出すようにしている。また社員や職員にも「期限初日が最終リミットだと考えてください」と言っている。

そもそも期限ぎりぎりに出せばいいという考えは、学生が授業開始時間のギリギリに登校して「滑り込みセーフ!」と言っているようなものだと思う。何か少しでも問題が発生すれば、すぐにセーフからアウトに転じてしまう。

学生ならば遅刻しても叱られるだけで済むかもしれないが、企業はそういうわけにはいかない。提出期限に間に合わなかった事が運営や信用に関わって来る場合もある。

「提出すればいい」、ではなく、「問題があった場合に修正する時間があるよう配慮して提出する」という一つ先の事態まで考えるのが基本であると思う。

人間なのだから「絶対にミスしない」のは無理である。しかし「ミスがあるかもしれない」という事を前提にして、ミスした場合にも軌道修正が出来る余裕を持って早め早めに提出することは可能だと思う。

 

また、冠婚葬祭の招待状は、目にした瞬間にスケジュールを確認し、必ずその日のうちに出すようにしている。

以前、「担任の先生が毎日家にやって来る!>>」の回で紹介した恩師から、とある会の出欠確認のハガキが届いた時には、その場で受話器を取り、先生のご自宅の電話番号を暗記していたので、すぐさま連絡を入れたら、あまりに早さに笑われた次第である。

しかし幹事という役目を負うと無意識のうちにも出欠の連絡が揃うのを気にして待ってしまうものだし、返事が遅い人がいると予定を進めることが出来ずジリジリとしてしまうものであるから、幹事のそのような気持ちを慮り、また幹事という手間のかかる仕事をしてくださっている先生に対して、私なりの気づかいの一つが「一番乗りの返事」だったのである。