3年先の利益

先般来より東芝の不適切な会計問題が新聞やテレビを騒がせいる。

今回のブログは、この問題を自分自身に置き換えて少し考察してみたいと思う。

 

まず不適切な会計に手を染めてしまう動機は、大きく分けて4つあると思う。

1つ目は、起死回生までの時間稼ぎ。

2つ目は、改善策を考えるのを放棄して赤字や超過債務を隠蔽することにより、倒産・廃業へ向かう企業生命の延命工作

3つ目は、経営者の名誉欲や意地による自己中心的な「虚飾の花」であろうか!?

4つ目は、それらの混合。

次に不適切な会計問題が起こった社会的背景を考えてみると、「グローバル化」という言葉に代表される所のいわゆる欧米型利益最優先の経営や、社会が企業を評価するための基準が国際会計基準へ移行していること、短絡的実利主義の蔓延が原因ではないだろうか!?

つまりグローバル化の結果、国際化、多様化した株主から短期的な利益を求められることが、今回の問題の背景にあるだろう。

 

苦し紛れの逃げ道として不適切な会計に手を染めてしまえば最後、企業にとってどのような結果を招いてしまうかは今回の報道を含めて見てみても、経営者ならば誰でも簡単に想像がつくであろう。しかし大企業であっても、苦肉の策でこのような会計問題が起きてしまうのだから、監査システムが充分ではない中小企業では尚のことである。

そこで、当社がこのような事態に陥らない為に取り入れている方策を説明したい。

 

まず当社は非上場企業であるゆえ、株価や投資収益性等を市場から問われるということが無い。そのため、目先の利益には一切囚われないことを社外に公言している。

またほぼ毎年行っている新規商材の投入を初めとして、特にここ数年は将来の経営資産の増強を目指して投資に次ぐ投資を行っている。

将来に向けた中長期的な戦略(下記の事業年表参照)をもって、技術革新・研究開発・新規事業開拓・人材育成(研修・資格制度や通信制各種学校への進学)などに重点を置き、3年先5年先の利益を考えた「今は損して、将来の得取れ」の方針で会社を経営している。

しかし結果として、お蔭さまで何とか16期連続黒字経営であるが、投資金額が多いが故、どうしても利益が少なくなる。

次に当社の内部監査制度であるが、自己都合の慣れ合い監査にならない為にも、経営学のMBAを取得した社外取締役制度(1名)を導入し、またその方に監査役も兼任して頂いている。そして単に監査役という位置付けでは無く統括監査役として1か月に2度の来社をお願いして、毎月、個別会計や稟議書の監査、日報を通しての業務形態や運営方針まで5つある事業部の精査をお願いしている。

その他にも税理士の先生に月に1度の来社をお願いし、月毎集計の個別精査と統計的な資金傾向の読み解きをお願いしている。

経営の透明性を高めるために外部の独立性の高い監査が必要だと考えてのことだが、それだけではなく、異なる分野の知識、経験、価値観に触れることで刺激になったり、単眼的見方をせずに済んだりなど、経営の大きな助けになってくれている。

 

最後になったが、企業が追求すべき『最大の目的』は金銭的利益ではなく、当社も「企業理念」にしているように、平たく言えば「会社で働く人たちの物心両面で幸せ、将来に対する安心」そして「会社に関連する全ての人たち、ひいては社会全体の繁栄」であろうと思う。

しかし矛盾するようだが、その目的を実現するためには金銭的利益が必要である。

目的(皆の物心両面の幸せetc)と、目的達成のための手段(金銭的利益)は、コインの両面のように表裏一体であるから時として、自分が見つめているのがコインの表なのか裏なのか分からなくなる時がある。

いつの間にか最大の目的が金銭的利益に入れ代わり、入れ代わってしまったことすら自分では気づかないまま突っ走ってしまうと、今回のような不適切な会計や隠蔽が起きてしまうのかもしれない。

そうならない為にも外部の独立性の高い監査が必要、

そして「経営者の使命」や「企業の目的」について、時にじっくりと考えてみることが必要だと思う。

私の場合、ブログを書く時間が、それらを見つめ直す良い時間となっている。

 

 

事業年表

①真空パック工場 移転増設(2010年度)

*2009年に比べ生産量約50%増産

②全社完全LED照明化(2011年度)全ての照明類

*2010年に比べ電気代約10%削減

③太陽光発電 1期工事 (2012年度)

*2011年に比べ電気代約20%削減

③太陽光発電 2期工事 (2012年度)

*2011年に比べ電気代約40%削減

④真空パック工場 最新鋭省電力化機器の導入(2013年度)

*2012年に比べ製造コスト約10%削減

⑤クリーニング工場 最新鋭省電力化機器の導入(2014年度)

*2013年に比べ製造コスト約15%削減

⑥重量機器(フォークリフト)最新鋭省電力クリーンエコ車の導入(2014年度)

*2013年に比べCO2約25%削減(1台あたり)

⑦フェルト工場 最新鋭省電力化機器の導入(2015年度)

*製造コスト削減値算出中

⑧シニア事業部 訪問総合ステーション「フラワーナース」(2015年度)

*看護、介護、デイ、ケア事業の開設

⑨サービス付き高齢者住宅「フラワーホーム」(2015年度)

*住宅賃貸事業の開業(11月予定)

⑩フラワーホーム併設「フラワークリニック」(2016年度)

*クリニックの診療開始(2月予定)

 

 

現在建設中であります当社の新規事業、サービス付き高齢者向け住宅「フラワーホーム」が、

週刊高齢者住宅新聞様の7月22日号に掲載されました。

詳しくはコチラ>>