全体会議

私のように辺鄙な場所に工場を作り事業を営む経営者は、都会に本社がある会社に比べて如何せん情報量が少ない。

もちろん新聞やネット等で情報を収集してはいるが、生の情報を得るために、なるべく時間を作っては都会のお得意さまを訪問してみたり、小まめに多方面の会に参加させて頂いたりしている。

とは言っても、やはり少ない情報量を基にした「自分の経験と感」だけを頼りに会社運営を行うことが多いので、どうしても独善的な経営に陥りやすい。

そうでなくても私の性格上、ワンマン経営になりやすい。

それが良い方向に進んでいる間は問題ないのだが、いつ「独断と偏見」で間違った方向に暴走しださないとも限らない。

だから自分自身をたえず見直し、自戒を怠ってはいけないと常々考えている。

そこで改善策の一つとして今年から始めたことがある。

 

まず当社のような中小企業においては社員数にもゆとりはなく、私は社長業の専門職というよりは、社内でどんな仕事でもこなす総合職という位置づけであろう。

また同じ理由で各事業部長たちも各部門の管理者というのではなく責任者であり、その部門の実務のすべてを自らの汗と行動で先頭に立って行う部門総合職であろう。

これが今の当社の現状であり、私が考える中小企業の生きざまである。

それ故、各事業部長全員が時間を合わせて集合するというのは難しく、全員が顔を揃えるのは今まで創業記念日くらいであったろうか!?

スケジュール調整が難しく、年度末の打ち上げ、盆年会、忘年会等も各事業部別に行っていた。

そんな訳でこれまで、経営の方向性を決める会議や懇談は各事業部長と個別に行っていた。


しかし「第二の創業」をスローガンに革新を行い、シニア事業部の立ち上げを進め始めた頃から新しい考えが芽生え始めた。

人数が少ないという中小企業の特性を逆に生かして、多少の無理をしてでも各事業部長に集まってもらい話し合い、各部門の情報を全員が風通し良く共有し、違う部門からでも、違った側面から見える意見を互いに出し合って、取り込んでいける環境を作ろうと思った。

そうすることで、情報量も発想も格段に増えると考えた。

また集まった情報を経営者である私が1人で抱え込むと、どうしてもワンマンになってしまうが、共有することで反対意見も聞け、増えた選択肢の中から、より良い選択が出来ると考えた。

そして互いの事業部に関心を持って意見を交し合うことで、組織としての一体感を強め、社内の一丸化を図りたいと考えている。

皆のベクトルが揃えば力を結束して全社的な機能の向上が見られるようになってくれるだろうと信じている。

 

そういう訳で、月に一回(第3金曜日)、事業分門を再構築した上で監査役や顧問の方々まで含めて皆さんに集まって頂いている。