飲みニケーション

師走。お酒を飲む機会が増える季節がやって来た。

お酒と言えば私が柔道部の出身ということもあり、周りは、それはそれは鬼のような酒豪揃いであった。

その頃のみんなの合言葉が「先に帰ると負け!」「飲む量が少ないと負け!」「飲んで倒れたら負け!」である。

だから誰にも負けるものか!と、皆が競って浴びる様に酒を飲むのである。

 

しかし最近はそれが遠い昔であり、他人事と思えるくらいに私も含めて皆がすこぶる大人しくなり、常識の範囲内でしか飲まなくなった。

昔のどんちゃん騒ぎが嘘のように、今では御淑やかで慎ましい飲み会(笑)で納まるようになってきた。若いころに比べて体力的な要因もあるだろうが、皆それぞれに年を取り、近頃は健康の事も気になるお年頃なのである。笑

 

最近は、社員やお取引各社の方たちと飲み会をする時は、みんなでお店まで歩くようにしている。

「健康の為に少しでも運動を」と考えたのと、車の代行代金を削減するために始めたのだが、思いがけない産物があった。

車でスピーディーに移動するよりも、たわいもない話をしながらボチボチ夜道を歩く時間があった方が、仕事モードが抜け、懐も開くから、乾杯をする頃には良い雰囲気に場が出来上がっている。

それともう一つ。

会社内であれば「愚痴」であってもそれは「報告」となり、「では改善策を」となるところだが、飲み会への道すがらという気楽な場であれば、改善策を練るほどではないが、ちょっとぼやきたいという程度の愚痴を聞けるし言える。

案外そんな所にも大事な情報が埋まっている場合もあり、コミュニュケーションを取る良い時間となっている。

 

近年では、「飲みニケーション」は日本の悪しき習慣などと言われているそうだが、人間関係の構築、情報や意識を共有するためには、やはり必要なものだと私は思うのだ。