不安と風水

私は、このゴリラのような外見から、なんでも勢いで突き進むようなタイプに誤解されがちなのだが、実際は不安症で、この石橋を渡っても安全なのか、何人も専門家を呼んで検証してもらってからしか渡れないようなタイプの人間なのである。

であるから、事業についてもリサーチと検証を繰り返して、裏付けを怠ることはないし、不測の事態への準備(保険等)も欠かさない。

そうして一度「やるぞ!」と決めたことは、座右の銘の「諦めず気が遠くなるまで繰り返す」の如く「命のあらん限りは」の覚悟で取り組んでいる。

しかし、それでも多岐の項目に渡り、不安が絶えず私の胸をよぎる。

不安が現実とならないように対策をして、一つ一つ不安の芽を摘み取っているが、対策を全て遣り尽くしても、不安が消える日はない。


そんな私の気持ちを一時でも解消してくれるのが「風水」や「げんかつぎ」なのである。

げんかつぎの例を一つ挙げてみると、日光東照宮陽明門では柱12本の内1本だけを逆さにしているそうだ。古来では完璧なものには魔が潜むとされていた。それに「建物は完成した瞬間から崩壊が始まる」と昔の人は考えていた。だからあえて未完成の部分や間違いの部分を造ることにより「いまだ未完成である」とし、難を逃れ益々の発展を遂げれますようにとの願いが込められているのである。

 

当社の新規事業である「サービス付き高齢者向け住宅」であるが、おかげさまで関係各位さまのご協力を得て事前書類もほぼ整い、来年の節分明けの着工に向けて邁進させて頂いている。

これを建設する際にも縁起を担いで、屋根の隅の一部分(もちろん安全基準、保安基準に一切抵触しない部分)を、あえて未完成にする予定である。

 

ちなみに下記の写真に写っているのは顔色の悪い私ではなく、当社の裏庭の様子である。

大黒様の周りに置いてある瓦を見て頂きたい。これは本社事務所を改装の為に取り壊した時に出たものなのであるが、それを片付けずに置いておくことで工事はまだ終わってないですよ、未完ですよとして、縁起を担いでいる。(屋根の上には安全上、設置出来なかった)

また、この竹は植えたのではなく、この土地を買った当初から生えていた。

竹は強靭な繁殖力を持つために管理するのが大変だから抜いた方が良いと勧められたのだが、社名である「丸竹」の中に入っている竹を抜いてしまうのは、縁起が悪いと思ったし、竹自体は延命・長寿の意味がある縁起の良い植物なので、かなり面倒なのだが抜かずに定期的に手入れしている。

 

思いつく全ての具体的な対策を講じて、風水で験まで担いだら、よし!人事は尽くしたぞ!後は天命を待つのみ!と開き直って、少し心が軽くなれるのである。