異常気象

近年、気候がおかしい。

毎年のように国内最高気温の記録は塗り替えられて行くし、今年の6月には東京に雹が降って来た。2月には20年ぶりの大雪が関東に降って大混乱となった。

観測史上最多の記録的豪雨が各地を襲い、数十年に一度レベルの差し迫った災害に出される特別警報は、この一年ですでに4回も出された。

8月20日には広島市で大規模な土砂災害が発生し、多くの尊い命が失われた。


(お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りさせて頂くと共に、今後の復興に際し当社と致しましても微力ではありますが応援させて頂く所存であります。取り急ぎ、赤十字社に義援金を寄付させていただきました。)

 

私が子供の頃には、毎年同じような気候の繰り返しで、今と比べれば随分気象状況は安定していたように記憶している。

と言っても私が経験して知っている気候は、たかだか50年程である。

約46億年前の地球誕生から現在までの大きな時間の中で考えれば、気候は常に変化のうねりの中にあって絶えず大きく変動してきており、地球からすれば、この「異常気象」は、なんてことはない「通常の状態」なのだろう。

 

ちなみに地球誕生から現在までの46億年の歴史を1年365日のカレンダーに置き換えると、6500万年前の恐竜全滅が12月26日、ホモ・サピエンスが登場した20万年前は12月31日午後11時37分なのだそう。そして現在の我々の近代文明は、1年の最後の2秒間に当たるらしい。

地球にとってみれば、氷河期が来て恐竜が絶滅したのは、たった5日前のことなのだ。

そう考えれば、地球の気候は常に変化のうねりの中にあるという事が分かる。

 

しかし今現在生きている我々にとっては、異常気象を経験するのは初めてのことである。

日本はもはや、四季の変化を楽しめる『温帯気候』から、『亜熱帯気候』に変化して行っているのではないだろうか。

『温帯気候』の雨量を前提とした今の日本国のインフラでは、最近の『亜熱帯気候』のような雨の降り方には対応出来ず、想定許容量を超えてしまい、今後益々、災害がその頻度を増して発生すると考えられる。

しかし国土のインフラ整備(河川の護岸や山岳地帯の崖の整備や砂防工事、下水道や低地の排水)は今すぐに始めても、完成するには何十年もの長い期間を要する。

今、我々に出来ることは、「転ばぬ先の杖」で避難対策をし、自己防衛するぐらいしかないのである。

「大げさ」と言われても万全に備えることを心掛けて、もしそれが空振りに終わっても「良かった」とするくらいでなければならないだろう。

 

歴史を振り返れば、天候不順や異常気象の長期化が凶作と飢餓を呼び、飢餓が疫病を呼び、それらが政情不安を呼び、その結果、戦乱をも起こして来たように、現代人が経験したことのないような最近の異常気象は、少なからず経済にも悪影響を及ぼし、「誰もが経験したことのないような推移と環境」と言われる昨今の世界の経済環境とも色々なプロセスを経て密接にリンクしているような気がしてならない。


■参考資料 地球カレンダー http://www.ne.jp/asahi/21st/web/earthcalender.htm