勝者のマネを完璧にしても、自分も勝者になれるとは限らない。
なぜなら勝者は「運と偶然」をも見方にしていた場合が多く、その不確定なものを自分も同じように呼び寄せられるとは限らない。
しかし敗者が敗者になったのには、必ず原因がある。
その原因を探ることで、自分が敗者にならないように予防する事が出来る。
過去に何度も書いたが、私は歴史本が好きだ。
その中でも特に鎌倉から安土桃山にかけての戦国時代や三国志が好きだ。
リーダーの姿や組織作り、戦略や戦術、外交術、内政などは企業運営の参考になるものが多く、ビジネス本として読んでいる。
まず、ほとんどの勝者には、一心不乱の絶え間ない努力とブレることのない信念がある。
そして勝因として、きめ細やかな情報収集、巧みな戦略の立て方、入念な根回し、周到な事前準備、自己反省、葛藤、改善、進化の繰り返しが根底にある。
そして、それだけではなくプラスαの「偶然と運」が味方したという複合的な要素があって、勝者となった。
逆に敗者は肉体的、心理的な失速(病気等含む)、妥協があり、少ない情報で立てた場当たり的な戦略やヒュ-マンマンエラーに起因する負の連鎖等、負けるだけの何らかの複合的な原因が必ず潜む。
そしてプラスαのはずの「偶然と運」が味方をするどころか、逆に足を引っ張るというマイナスの事実が見えてくる。
史実の中の敗者が敗者となった原因を知ることで、今後、自分自身が企業運営をして行く上において、同じ轍を踏まないように、気をつけることが出来る。
歴史本は勝者の華やかな部分や、勝つための戦略だけが片方の視線からだけ強調されて書かれている場合が多いが、敗者の負けた原因や心理描写・葛藤を探りながら読むことで、敗者に共通する法則が見えて来る。それは企業運営にも通じるものがあり、経営戦略を立てる上で役立つのである。
敗者の法則の一つは、敵に襲われることは想定していても、不運、災難に襲われることは想定していないところである。
「偶然と運」が悪い方の目で出ることを想定し、保険をかけておくこと(リスクを分散しておく、代替案を用意しておくなど)をしておけば、勝者になれなかったとしても、再起不能なほどの敗者になることはなかったのではないだろうか。