社会的に存在意義のある会社

先般たまたま夜中にテレビを点けると、種苗会社で開発を担当さてる方のドキュメンタリーを放送していた。
私の座右の銘である「諦めず気が遠くなるまで繰り返す」と通じる部分もあり、大変感銘を受けた内容だったので、ここで紹介したい。

 

年に一度しか実らない収穫物の中から優秀な種苗を、特性(耐寒、耐暑、病害、降雨量、収穫量等)に応じて選び出し交配させ、また翌年も、さらなる優秀な種苗を作り出すために交配と選抜を繰り返す。

またその次の年も、その次の年も、その次の年も、その次の・・・
そのように気が遠くなる程の膨大な時間をかけ、幾度も繰り返すことで優秀な種苗を作るのである。
すぐには成果が出ない地道な作業である故、信念が無ければ、続けて行けない仕事であろう。
しかし、もはやこの開発者にとって仕事とは、「生計を立てる手段として従事する労働」ではなくなり、この開発者は「人類に貢献する」という使命を果たすために、仕事をしているように見えた。
というのは、「最終的には、この種苗を中国大陸へ持っていき、あの広大な大地に埋めてみたい」というのである。
なぜならば、日本は国土が狭く耕作面積は狭いが、優秀な種苗があるので収穫量が高い。

それに比べ中国は国土が広く耕作面積は広いが、優秀な種苗が無いので収穫量が低い。
だから優秀な種苗を中国大陸に持ち込み、あの大地で育めば莫大な収穫が見込め、今後の人口爆発による人類の食糧危機、そして飢えに苦しむアフリカ等の後進国の飢餓に貢献することが出来ると言い切るのである。

実際は国と国との利害、駆け引き、民族の価値観や思想背景の違いによる国民性、コピー品種の問題など、諸問題のハードルは高いが、それが実現すれば、必ずや「人類の食糧危機と飢餓」に貢献することが出来るであろうと私も思う。

 

それにしても、私が最も関心がわいた事は、社員がここまで「遣り甲斐」と「使命感」そして「信念」を持って仕事に打ち込める環境を提供しているのは、いったいどんな経営者なのだろうか?という事である。
私の目標の中に「我が社を、社会的に存在意義のある会社、働く価値のある会社にする」というものがある。
これをもっと具現化する為にも、開発者本人や経営者の方に、質問したいことが山のようにある。
是非ともお会いして、教えを乞いたいと痛切に思っている今日この頃である。