一生懸命だと知恵が出る

以前「ひらめきは情報を蓄積してから」という記事でも書いたように、仕事で成果を上げるには戦略が必要不可欠であり、戦略を考えるうえで「ひらめき」は重要なウエイトを占める要素の一つであると思っている。

そこで今回は視点を変えて、柔道で体感した「ひらめきは一生懸命からも生まれる」ということについて書いてみたい。

 

天理高校柔道部の学生時代、柔道に青春のそのすべてを費やして多くの事を学んだ。

その学んだことの一つに「一生懸命やる」というのがある。

最近の若者の傾向として、一生懸命やるのはダサい、努力せずに結果を出す方が格好いい、「一生懸命やっている」とアピールする奴は格好悪いとする風潮があると感じる。

しかし、私のこれまでの人生を振り返ると、今あるものの全ては「一生懸命」という基礎の上に成り立っていると明言する。

特段才能があるわけでも運があるわけでもない私にとって、一生懸命やるというのが自分の夢を叶える一番の近道であった。

また「一生懸命」は「ひらめき」を生んでくれる要素の一つでもある。

 

とにもかくにも学生時代は、自慢してしまうほど一生懸命に柔道の練習に日夜明け暮れた。

その中で、練習中に突然「ひらめき」を覚え、組手の持つ位置を変えたことがあった。

するとどうだろう!? 

相手を投げることが出来る精度が格段に増し、その上、ディフェンスの精度まで増して、投げられることさえも格段に減少したのである。(引手である右手の持つ位置を、相手の袖口から脇の下に変えた。)

これは「強くなりたい!」と一生懸命に努力をするうちに、無意識のうちに脳が働き「ひらめき」が生まれた結果だと思った。

言い方を変えれば、「一生懸命から知恵(ひらめき)が出た!」のである。

武田信玄の言葉らしいのだが、私がよく言っている言葉がある。

一生懸命だと知恵が出る

中途半端だと愚痴が出る

いい加減だと言い訳が出る

 

「ひらめき」とはゼロから突然生まれ出るものではない。

一生懸命やっている内に、自身が視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などで経験した記憶(情報)が蓄積されて、そのピースが無意識のうちに繋がり、そこから「ひらめき」が生まれ出る。

人間の歴史を見ても、ひらめきが人を進化させた。

同じように、ひらめきが無い会社には発展もないと思う。

それほど「ひらめき」は重要である。そして「ひらめき」を起こすための近道は「一生懸命」だと私は信じている。